虹裏img歴史資料館

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22/01/27(木)23:37:55 ギクシ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1643294275942.jpg 22/01/27(木)23:37:55 No.891222890

ギクシャク、ソワソワ。お互いの身体からそんな音が聞こえるような気まずい雰囲気が流れる。 いつものコタツにいつもの二人、アタシと彼、ナイスネイチャとトレーナーさん。 その筈なのに時折目が合えばニヘラ、とヘタクソな愛想笑いをしてそのままふいと目を逸らす。 別に喧嘩をしたわけでもなければ何か隠し事があるわけでもない。 ただこの気まずい空気の原因を強いてあげるならば、普段ここに来ている時は私服のアタシの装いが制服で、時計の針はとっくの昔に寮に帰っていなきゃならない時刻を指しているということだ。 始まりはつい昨日、トレーニング終わりのトレーナー室でミーティング中にしたとある誘いからだった。

1 22/01/27(木)23:39:11 No.891223346

「ねぇ明後日の休みさ、山行こうよ」 「山?登山か?」 「うん、最近コタツでのんびりばっかりだったしさ、お弁当持って」 別にコタツでのんびりが嫌なわけではないが、折角の休みにずっと家に篭り切りというのもあんまりだ。 ということで彼を誘ってみると、思いのほか話に乗ってきた。 「ふむ、スタミナと筋力トレーニングの一環と思えば悪くないな……なら明日のトレーニングは軽めに抑えて……」 「もう、いくらトレーニング後だからってそればっかはどうなのさ?ネイチャさんと登山行きたいなーとかないんですかね?」 「ああごめんごめん、じゃあ場所は何処にする?高尾山なら近いけど……」 どうやら登山自体に異論はないようで、場所の選定に話が進む。高尾山はトレセン学園から近くてアクセスも良いが、その立地や知名度が原因で休日は些か混む。

2 22/01/27(木)23:40:13 No.891223704

「うーん、悪くはないけどねぇ」 「ならちょっと遠出してみるか?車出すよ」 「お、ノッてきたねー。じゃあさじゃあさ、朝早く出て帰りはどこか温泉にでも寄ったりしましょうよ」 「名案だな、なら行き先は箱根かーーー」 ミーティングそっちのけで登山計画を立て始めたアタシたちは、段々と高まるテンションの赴くままに寮の門限ギリギリまで意見を交わしたのだが。 「よし、じゃあこんな感じだな」 「あっ、トレーナーさん。これじゃあ明け方に出発することになっちゃうよ」 「ホントだ……うーん、出発を遅らせるとなると一から立て直しかぁ……」 「トレーナーさん家に泊まってそのまま出発出来れば楽なんだけど」 「はっはっは、そりゃそうだな。ダメ元で外泊許可申請でもしておこうか。名目は早朝からの登山トレーニングの為ってところで」 「まあ通るわけないですけどねー、アタシの方でプラン練り直しておくね」 「俺も帰ったら近場のスポット見ておくよ」 「んじゃまた明日、おやすみなさーい」

3 22/01/27(木)23:40:56 No.891223991

そう、アタシ達は甘く見ていた。 このトレセン学園の妙なところでの緩さというものを。 翌日、つまり今日の昼。 カフェテリアで友人達と昼食を摂っているとトレーナーさんからメッセージが届いた。 『外泊許可通っちゃった』 『どうしよう』 『まあやめておこうか流石に』 危うく目の前のターボにカレーうどんをぶち撒けかけたアタシは、何とか口の中のものを飲み込んでから急いでこう返した。 『絶対に行きます』 午後の授業が終わると同時に寮へ走り、寮長へ事情の説明と学園からの許可が降りた事を確認して、バッグへ荷物を詰める。 登山用のウェアに靴、地方レース等の外泊時に使う用に纏めてあるスキンケア用品や歯ブラシなどの宿泊セット、必要ないかもしれないけどライブ前に使う化粧ポーチetcetc……そして。

4 22/01/27(木)23:42:06 No.891224390

「これは……」 目の前にあるのは色気の無いスポーツインナーと、同居人に言わせると『とってもマーベラス☆』なデザインのそれ。 「い、一応ね、一応……」 両方をバッグの奥へと仕舞い込んで、トレーナーさんの待つ練習場へと駆け出した。 明日に備えた軽めのトレーニングも終わり、いつもはそこで別れるはずの寮の前を通り過ぎて、昼間なら歩き慣れた筈の彼の城への道を制服のまま黙って歩く。そして見慣れた扉を無言で開けられて、促されるままに敷居を跨ぐ。 手を洗ってうがいをしていつものようにコタツに入ると、やっと自分が何をしているのかという実感が湧いてきた。 やってしまった、やめておけばよかった。 今更ながらに昼の衝動的な返信を後悔していると、制服のままの肩にふわりと何かが掛けられる。

5 22/01/27(木)23:43:02 No.891224698

「ネイチャ、あんまり顔色良くないけど調子悪い?」 いつかアタシが作ったどてらを羽織った彼が、アタシの分のどてらを着せてくれながら心配そうに尋ねてくる。 「えぁ、いや、その、なんというかですね」 「もしあれなら今からでも帰るか?門限は過ぎてるけど連絡入れれば大丈夫だろう」 こちらを見つめる彼の顔はあまりにもいつも通り、こんな状況だというのにアタシを気遣う事を忘れない。 アタシばっかり緊張しているようでなんだか悔しくて、お陰で少し元気が湧いてきた。 「ううん、大丈夫。ほらトレーナーさん、夜ご飯と明日のお弁当の仕込みしよ?朝早いんだからちゃっちゃとやらないとね」 「そ、そうだな」 急に元気になったアタシは彼と手早く夜ご飯と明日のお弁当の仕込みを済ませ、やることもなくなってコタツに入ってお茶を飲んでいたらまた緊張がぶり返してきたというのがここまでの顛末。お話は冒頭へ戻る。

6 22/01/27(木)23:43:54 No.891224960

「あー、ネイチャ、先にお風呂どうぞ」 「うにゃっ!?あっ、いただきます?」 「ど、どうぞ」 ぎこちなく勧められた入浴のためにバッグからお風呂セットと下着を引っ掴み急いで脱衣所へ向かい、扉一枚向こうに彼がいる事を意識しないように制服を脱いで湯船に浸かる。 「こ、この後どうしたらいいの……?」 ぐるぐると回る思考とのぼせてぐるぐると回り始めた視界に限界を感じて湯船から脱出し、そこで気がつく。寝巻きが無い。 「と、トレーナーさぁん……」 「はい!!?なんですか!?」 「な、なにか寝巻きを貸してもらえませんか……?」 ほんの少しだけ開けた扉から声をかけると、素っ頓狂な声と共にバタバタと騒々しい音がして、そのまま沈黙。一瞬後に隙間からアタシには少し大きいサイズのスウェットがねじ込まれてきた。

7 22/01/27(木)23:44:50 No.891225279

「それしか無くて申し訳ないんだけど、ちゃんと洗ってあるから!!もし嫌ならコンビニかどっかに行って買ってくるから!!」 「大丈夫ですありがとうございます!!!」 その後入れ替わりで彼がお風呂に消えて、ドキドキしたままアタシがお茶を飲んでいると、水分の残った髪のままの彼が10分もしないうちに脱衣所から出てきた。 「お、お早いお戻りで」 「ああ、いや、うん……」 「ど、どうしよっか」 「ええと、明日も早いしもう寝ようか。ネイチャはベッド使って、俺はこっちに布団敷くから」 「い、いやアタシが布団でいいから」 「いや俺が布団でいいから」 数分のすったもんだの末結局アタシがベッドに寝かされたのだが、彼のスウェットに彼のベッドという匂いのダブルパンチでまともに眠れるはずもなく、今にも爆発しそうな心臓と共に十数回目の寝返りを打つ。 少し離れたところで眠る彼の方からはすぅすぅと静かな寝息の他に何も聞こえない。

8 22/01/27(木)23:45:37 No.891225574

「……ねぇ、もう寝ちゃった?」 囁くように問いかけても、寝返りの一つも返ってこない。 「アタシばっかりドキドキしちゃってバカみたいじゃん」 うんともすんとも言わない背中に、自分勝手な恨み言をぶつける。 「にぶちん、クソボケ、とーへんぼく、デリカシー無し男」 そんな人じゃ無いことはアタシが一番よくわかってるのに、口をついて出てくるのは彼に似つかわしく無い罵倒の数々。 大して語彙の多く無いアタシが早々に口を閉じれば、音を立てるのはいつか二人で選んで買った目覚まし時計だけ。

9 <a href="mailto:オワリ">22/01/27(木)23:46:59</a> [オワリ] No.891225999

「…………いくじなし」 最後にぽろりと漏れた言葉の宛先は、暗闇の中でぼやけて見えた背中か、それとも。 濃くなるばかりの闇に紛れて誰かの耳が真っ赤に咲いていた事は、アタシどころかお月様も知らない事実。 結局、出発予定の直前にやっと寝付いたアタシは翌日無事盛大に寝坊をし折角立てた計画はオジャンになり、二人で仕込んだお弁当はいつものように彼とコタツで食べたのだった。

10 <a href="mailto:s">22/01/27(木)23:47:56</a> [s] No.891226266

ネイチャに寝たふりをしながら詰られたい人生でした

11 22/01/27(木)23:50:33 No.891227092

こいつ起きてやがるぜー!

12 22/01/27(木)23:51:46 No.891227459

ネイチャは気づかなかったのかもだけどトレーナーさんの方も寝坊してたんじゃねーかしら

13 <a href="mailto:オマケ">22/01/27(木)23:53:09</a> [オマケ] No.891227903

「とうとうお泊まりとは恐れいったよネイチャ」 「…………」 「あの、ネイチャさん?何かあったんですの?」 「…………」 「ネイチャ?」 「…………ナニモ」 「え?」 「ナニモアリマセンデシタヨ……」 「そっか……」 「そうですの……」 「うにゃあ…………」

14 <a href="mailto:オマケノオマケ">22/01/27(木)23:55:46</a> [オマケノオマケ] No.891228685

「お前それでよく寝れたな」 「寝れるわけないでしょ風呂だって水被って頭冷やしただけだし無事寝不足気味です」 「鋼の意志凄いね。まあ担当して数年経つとはいえまだ学生だもんね」 「そちらは先日またメジロの御当主にご挨拶に行かれたんでしたっけ?」 「やめて!エイシンフラッシュとかミホノブルボンのところよりはまだ傷は浅いんだ……!」 「手遅れでは?」 「うちのテイオーはいつまでも健全で助かるよホント」 「無敵のテイオー伝説には一生貴方が必要だと各所で触れ回っているそうですがお気持ちは?」 「おう商店街にバルーンとのぼりでも寄贈してやろうか」 「「「……やめよっかこの話」」」

15 22/01/27(木)23:57:42 No.891229250

マヤわかっちゃった…これ両想いの卒業待ちのほぼ焦らしプレイなんだって…

16 22/01/27(木)23:59:58 No.891229926

中等部の担当トレーナーは鋼の意志発動してなきゃいけない期間が長くて辛いね…

17 22/01/28(金)00:00:00 No.891229936

卒業までもつか…?

18 <a href="mailto:s">22/01/28(金)00:08:01</a> [s] No.891232607

制服にどてらでコタツのシチュエーションから膨らませたらいつの間にかお泊まりでネイチャに詰られてました トレーナーさんはネイチャが卒業どころか成人するか引退まで待つつもりだけどネイチャがアタシに魅力ないのかな…って悩んで思いが溢れちゃって泣いたところで告白しちゃうのがいいと思う学会のものです

19 22/01/28(金)00:15:55 No.891235050

次の次くらいでキスまでいきそう

20 22/01/28(金)00:18:57 No.891236052

いじらしい…

21 22/01/28(金)00:34:58 No.891240996

>「やめて!エイシンフラッシュとかミホノブルボンのところよりはまだ傷は浅いんだ……!」 一流のトレーナーとタマモクロスの家族はどう思う?

22 22/01/28(金)00:36:41 No.891241529

>「うにゃあ…………」 これを見に…いやなんかちょっと違う…

23 22/01/28(金)00:37:58 No.891241976

何もナイナイナイスネイチャ…ってこと?

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