ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/01/23(日)00:36:25 No.889576408
え、何……ええ……あっつ…… あ、そうだ。あー、あれだ、猫ってさ。 時々、なんか座ったままぼうっとこっちを見つめて来たりすることない? 「……はい?」 「いや、その……なんでこんなこと言ってんだろ……」 「ん?……はて……ああ、なるほどぉ! つまり私の顔を見たかったんですね、いやあ~照れずともよろしいんですよぉ~? 帰ってすぐさま、ありがたーい福を私の顔から吸収しておきたいというのは重々承知しておりますし、あなたが私のことをだーいすきなのも随分前から知って……ふんぎゃあーっ! いたっ、痛いっ! 爪っ、食い込んでますからぁっ! いだぁーっ!!!」 季節が冬に近づくに連れて、煩さの増すものがいくつかある。一つは電気プラスガス代。エアコンやガスストーブに端を発する使用量のやかましさはいつも家主を悩ませる。 第二に年末商戦。いやまあ別に悪いことでは無いんだが、やれクリスマスやら大晦日に年越しやらと忙しくてたまらない。しかも大抵の場合その年最後の大重賞である有マも重なってくるもんだから、本当に身体がいくつあっても足りないもんだ。
1 22/01/23(日)00:37:30 No.889576972
あと第三で、こたつに全身を埋め、枕代わりの座布団にあごを乗っけて。凄まじく気の抜けるアホ面でテレビを見ていた、親公認のうちの怪物、マチカネフクキタルも。年明けが近づく冬は非常に煩くなるのだ、火照ってんじゃないかってくらいに。 「はな、はなしてくださいぃ……」 「おお……やり過ぎた、すまんすまん」 「ひぃ、ひぃ……あなた! あぁなた! その謝罪、まっっったく! 謝ろうって意思が感ぜられませんよ?!」 フクと共に駆け抜けたあのURAのあと、なんのインスピレーションもなく寮暮らしをやめて。誰の希望か分からぬままに結構広めの駅チカ物件に越したのだって気付けばもう三年前。大学に通うための部屋を探すまで、仮住まいとして部屋を貸して欲しい。そう言ってしれっとうちに居候、というかもう普通に住んでる。なのでもうこんなリアクションは慣れっこだ。沸騰したやかんにそっくりの赤ら顔でフクは怒っているが、まあ適当にあしらいつつ、意味不明なことを言ってしまった理由を部屋内を見渡して探す。 「ちょっとお、聞いてるんですかあ、ねえええ?!」 更にスルーして周囲を探索。 数秒後、異常発見。間違いない、原因はこれだ。
2 22/01/23(日)00:37:58 No.889577153
室内が無駄にクソ暑いと思っていたが、まさかここまでとは。外との寒暖差、いったい何度になるんだよ。風呂から上がったんでもないのにヒートショックになるわ。殺す気か。卓上に放り出されていたリモコンをひったくるようにして掴む。そして、まだぷりぷりお小言を発している罪人へ印籠よろしくで突き出した。 「なんかぼーっとするなと思ったらフクお前! エアコンの温度どんだけ高めてんだよ!!!」 俺のアクションに呼応してこたつが唸る。天板に置かれていたみかんの残骸が軽く宙に舞う。鋭い眼光で俺を睨めつけるフク。いや、反論あるのかよ。おい、反省しないのかよ。あとノリと勢いで天板を叩くな。椅子に座った幼児かお前は。 「そんなこと……今は関係ないでしょおーっ!?」 物凄い剣幕で怒り返されるが、気圧されてはいけない。ここで引いていたらフクの手綱を握ることなんて出来やしない。故に、カッと目を見開いて心を鬼に転じさせる。
3 22/01/23(日)00:38:35 No.889577385
「関係なら……あるわーっ! 冬は電気代ヤバくなるからってんで節約でこたつ出してんだよ! だってのにお前ッ! こたつに入りながらエアコンガン炊きしてんじゃねえ! しかも薄着ならまだしも、めっちゃ温そうなカッコしてるじゃねえか!」 このとき、フクの恰好はぐーたらな主婦そのものであった。見ているこっちが汗かきそうなほど目一杯厚着して、あまつさえエアコンを二十九度まで上げ、弱設定にしたこたつに潜り込んでいた。その姿は温泉に浸かっているカピバラもかくや。しかもその手の中には剥かれたみかん。ご丁寧に白い筋まで綺麗にとっていやがる。あ、アレ正式名称でアルベドって言うらしいぞ。ラテン語で白を意味するんだってさ、知らんけど。 「だって薄着だと寒そうって文句言うじゃないですか!」 「方便だわ! 普通に目のやりどころに困るんだよ!」 「あらっ! んふふふふ~、あなたってそういうとこありますよねえ……! じゃあうぶでいらっしゃる運命の御人の、御要望に寄り添いまして……」 「おいバカ、服脱ごうとすんな! 着たまんま温度を下げろっ!」
4 22/01/23(日)00:39:34 No.889577777
「いやいやいや、嫌ですよお。部屋は暖かくしておきたいじゃないですか。言っておきますがね、これでも我慢してるんですよ、私。あなたの懐事情を鑑みて……うーさぶさぶ……あ、アプリの更新時間だ、占いしちゃお」 「こら、ちょっとデコ貸せ!」 まさかと思いフクの額へ自分の手を当てる。触診程度でも熱の有無は判る……んだけど。手のひらに伝わる感覚に白目を剥きそうだ。 「マジかよ……熱ねえし……」 「あなたは私にお熱、ですけどねぇ~んへへ……」 「どんだけシバかれたいんだよお前は……」 妄言を吐き続けるナマケモノ型加湿器をスルーし、いったん窓を開けて冷たく新鮮な外気を取り込む。冬とはいえ暑すぎる、エアコンの設定も二十四度くらいに下げた。ぎゃひーだか何だか聞こえたような気がするが、無視だそんなの。 「今日は南国気分で居ることが大吉を招くとあったのに~!」 「ちゃんちゃんこ着て何言ってんだ」 南国感など皆無なのに、彼女の妄言は止むことを知らない。とりあえず少しは換気できたので窓を閉める。
5 22/01/23(日)00:40:30 No.889578134
フクはといえば、こたつから出ることは決してなく、身体を震わすジェスチャーをこれみよがしに見せつけながら、実に恨めしげな視線を送ってきた。 「なあ、冬休みとはいえさあ……その体たらくはどうなのよ、フク」 大学が休みに入ってからフクはずっとこの調子だ。年末だから良いんですとか吐かして、ここ数日は日課のジョギングと筋トレもサボっている。だらつくのが悪いとは言わないが、許容限度はどんなものにも存在しているわけで。要するに俺の堪忍袋の緒もそろそろ限界だったのだ。 「……で、だな……ん? 聞いてるか、フ……」 耳の痛いことを言ってやれば、何らかの反応はしてくるはずなのだが、ちっとも反応がなかった。どうにもおかしいと思い、フクの方を見れば。 「効きませんよ~むふふん!」 嗚呼唖然、あんぐりと口が開いてしまった……! コイツ、耳を折り畳んでほくそ笑んでやがる! 聞く耳を持たないのなら仕方ない、より高位の鬼になるとしよう。取り付く島もないように、なるべく冷たい声色で告げた。 「……最近。マジで肥えて来てるからな。顔、大福になってるぞ」 「あの、あなた。言って良いことと悪いことが」
6 22/01/23(日)00:41:00 No.889578343
「だって事実でしょ。冬になってから食っちゃ寝食っちゃ寝なんだから。大体、食う量に対して動いてなさ過ぎなんだよ。アスリートから半分くらい足洗ってるとはいえさあ。このままじゃお相撲さんまっしぐらだな、それもまあめでたいかも知れんが」 「お、お、お……乙女に対してあなたは……いくらなんでもデリカシーがなさ過ぎますっ!」 「知らん知らん。俺の知ってる乙女は変な叫び声上げないもん。うーさぶさぶ、こたつ入るからデカいケツのけのけ」 「あーっ、わざわざ隣に来なくてもいいじゃあないですかあ!」 「いいだろ、別に。あー、あったか……」 二十時を回ったテレビに映っているのは、今が旬の若手俳優とベテラン芸人が織り成す気楽なバラエティ番組。どっ、ワハハ。毒にも薬にもならない話題が沸騰しては通り過ぎていく。番組表を覗いてみたが食指の伸びそうなものはやっておらず、とりあえず隣接しているフクから熱気をお裾分けしてもらうことに集中した。 「今日何してたのさ?」 「ええ? 大学から出された課題やって、一段落したらこたつでぬくぬく寝てましたよ?」 「あれ、買い物とか行かなかったの?」
7 22/01/23(日)00:41:33 No.889578577
「昨日行ったじゃないですか、アレで大体買いましたもん」 それにほら。実に陽気な調子で俺にスマホを見せ付けて来た。画面には写真、恐らく占いアプリのスクリーンショットがデカデカと映っている。なになに……運勢、坐して待つがよい。なるほど、フクのドヤ顔には大抵理由が付属しないけれど、今回に関しては一応の裏付けがあるようだ。 「はっ、もしやもしや無駄遣いしてもよろしいということで……?!」 いかん。良くない方向に話が転びそうだ。軽口ばかり叩く緩い口に戒めの意を含めて、置き場に困ってこたつの外だった冷たい指先を首元に当ててやる。 「ほんぎゃーっ!!!」 尻尾は刺激に対するアンテナだ。ウマ娘が持つふさふさの器官は、目や口よりも更に物を言う。そんな尻尾が、奇妙な叫びと共にものすごい勢いでぴんと立った、かと思えば。ほとんど反射のスピードで俺の背中を強かに打ち付けた。痛え。 「ごっほ……あたた……」 「いきなり何するんですか!」 「いや……指も温めようかと思って」 「じゃあほら、私の手をあげますから!」 「うーし、熱気貰いきったわ。ありがとな」 「あああああああ!!! もう!!! ずるい!!!」
8 22/01/23(日)00:42:58 No.889579199
舌戦で敵わないことは少ない。明らかに不満げな唸り声を上げられたが俺は知らんぷりを決め込み、こたつから抜け出てキッチンの方へと向かう。 「もうなんか食べたの?」 「そりゃまあ食べましたよ?」 「俺の分は?」 「レンジに入ってますよ~」 レンジを開ければ、ご飯のおかずにもってこいな料理がラップに包まれて置かれていた。野菜もりもりの豚肉炒めを取り出し、茶碗にもそっとご飯を盛り、冷蔵庫からタッパー詰めになった漬物とおひたしを出して、こたつの天板に並べていく。 「あら、珍しいですね。こっちで食べるんです?」 「一人でテーブルに座って食べるの寂しいだろ」 「相変わらずそういうところはかわいいですねえ」 「あー、うるさいうるさい」 からかいは片手で遮り、ついでにコップを二つ、天板に置く。それから自分のリュックに手を伸ばし、買ってきた焼酎一瓶を取り出す。 「フク、お酒付き合って」 「はあ~しょーがありませんねえ~」 こたつに潜るために布団を持ち上げ、フクの足の隙間を縫って足を滑り込ませる。箸はもちろん二人分用意している。料理のラップを剥がす傍らで、かしん、焼酎の蓋が開く音がした。
9 22/01/23(日)00:43:35 No.889579545
「ほらほら、コップを持ってくださいな」 唯々諾々と従って、コップの底へと手を当てたらフクの方へ差し出す。 「はい、いきますよぉ~」 「おおっ、おっ、おっ、おおぉ~、あ~、はいっ、ありがとうございます!」 「はあ……お酌してあげるといっつもそうですよねえ」 「親父の真似してたらこうなっちゃったんだよ、やめろよその目」 「おじさん度、高まって来てますねえ。そんなんじゃ担当さんたちにぽいってされちゃいますよ?」 「おい、そこまで言うなよ……辛くなってくる。ほら、瓶ちょうだい」 なみなみと注がれたコップを持ったままでは酌は出来ない。コップを一旦天板に置いて、フクから瓶を受け取る。 「んじゃ、フクもコップ持ってな」 「はいはい……あっ、ああっ、おっとっと……うふふ、ありがとうございます~!」 「なんだよフクもおっさんじゃないか」 「あなたに合わせてあげただけですよ?」 「はいはい、そりゃどうも。んじゃ、そろそろ」 「はいっ、今日もお疲れさまでしたっ!」
10 22/01/23(日)00:44:10 No.889579789
「いつもありがとうな。乾杯」 「かんぱいです!」 ガラスが触れ合う小気味よい音が俺たちの周りに響く。残響を楽しみながらくっと酒を呷り、箸を手に取って夕食に舌鼓を打つ。テレビを眺めたりフクと雑談したりをながらながらに行っていれば、食べていたご飯はいつの間にやら目の前から消えて、あらかた胃の中に納まった。満たされた心地で腹を擦りながら、美味いお酒を気分良く飲む。ああ、なんというかこれが幸せなのかと口元が緩む。 「なあ、フク」 「はあい?」 「俺、幸せだわ……」 「ふふふ、私もですよ」 百薬の長であるアルコールの摂取は、往々にしてヒトを素直にさせる。正確には個々人の本性を詳らかにする。気分のいい飲酒とは人間をニュートラルにさせる力を持っているものだ。その力に俺はとても弱い。一杯飲めばいっぱいとまでは言わないが結構酔う。 そして、酒気にはとっても悪いところがある。 次の日頭が滅茶苦茶に痛いとか、なんか身体がむくむとかそんなのは大したことじゃない。一番の問題は、己が欲望に歯止めが効かなくなるところだ。
11 22/01/23(日)00:44:58 No.889580205
「あー……」 天井を見上げているとアルコールがグワっと回ってくる。すると胃のあたりから意味も理由も不明な亡霊みたいな声が沸き出てきた。あ、もう無理だ。アルコールに脳みそを譲り渡す。浅い眠気の中、妙に覚醒した思考だけが、俺の脳内の全てになる。目の前に見える、フク。酒の力でほんのり朱の差した頬に、下がり気味の目尻にとろんとした瞳、絶妙にもこもこした服装、あとこたつ内でぶつかってる足、脚、あし―― 「うん? どうしたんです、あなた?」 首を傾げながら、にこりと笑いかけるフク。 「かわ……いや……なんでも」 くそ、なんだこいつ、かわいいな。とは流石に酒のせいにしたって言えないので、ぶんぶんと頭を横に振って無理にでもお茶を濁す。 「そですか? あ、もしや私に見惚れてたのでは……?!」 「……違う、違う。酔い過ぎだ。そりゃ」 「もお~っ、照れなくても良いんですよぉ~、このこのぉ~」 これは駄目だ。何をどう言い訳してもフクの脳内フィルターによって都合よく解釈されてしまう。俺の内股をフクの足先がとんとんとノックする。こいつはきっとおばさん特有の手の代わりだろう。
12 22/01/23(日)00:45:54 No.889580617
なんだろう、無性にやり返したくなってきた。やられっぱなしもなんだし、なんかちょっかい出してやるべきか、そうだよな、うん。 そう想うとまあもの凄い思考速度で、リビングでやるにはまあ良くない想像ばかりが浮き上がってくる。こんなこといつもならしない。しないのだが。フクがあまりにも無防備なもんで、込み上げてくる欲求を上手く制御できなかった。 よし。こちょっと。 「んひゃあっ?!」 こたつの中に手を潜らせて、伸ばされた右足のその裏を。指先で優しく、それでいてテクニカルにくすぐる。すると大抵の場合刺激を受けたものは反射的に引っ込むだろう。しかし、俺はそんなことはさせてやらない。フクのパワーを抑制する方法はこの数年でそこそこ編み出した。逃げ出そうとする足を、俺の足で絡みつくように挟んで。フクに与えられるだろう自由を失わせていく。そのあとはもう俺の独擅場だ。 「あっ、やめっ、あははは、はは、ああっ、いやっ、はあ、はははっ!」 フクの顔が俺の視界から消える。恐らく耐え切れなくなって絨毯に突っ伏しているのだろう。ウマ娘たちのマッサージによって鍛えられた俺の指は、フクを悶絶させる程度児戯に類する。
13 22/01/23(日)00:46:33 No.889580838
「ん? 俺は何もしてないぞ」 そもやめろと言われてやめるヤツは居ない。口端が緩やかに上がっていく、くすぐりの細やかさも、更に上げていく。 「あーっ、やっ、はははは、んはあっ、あはは、はぁ、はぁ、んぁ……」 ほとんど無抵抗のフクの足を弄び続ける。ちょっとだけ汗ばんできた足裏に指先を這わせながら、俺は冷や汗をかいていた。 いかん……少しやり過ぎてるかも知れない。 「あはは、はは、あぁ、うぅん、あははは、ひぃ、こほっ、うん、あはは……」 なんか声が妙に艶っぽくなってきてるし…… 「あー、どうしよっかな……」 「……ひぃひぃ、あははは……あ、あなたがその気ならあ……!」 躊躇いは間隙を産み、酔いは思考能力をこそぎ取る。 くすぐりの合間を縫って、フクが俺の靴下を剥ぎ取った。 はっ、まさか……! 「おい、待っ……!」 「待つもんですかっ、そりゃそりゃそりゃーっ!」 「ぐっ、あっは、はははははは、この、やった、な、あはははははっ!」
14 22/01/23(日)00:47:08 No.889581033
どった、ばったん。がしゃん、がたん、どたどたどた。そこそこ大きいこたつが天板ごと揺れる。くすぐり、くすぐり返し、やかましい笑い声を上げながら、とにかくくすぐり合う。繰り返し、繰り返し、互いの横隔膜が使い物にならなくなるまで繰り返せば。 「あはっ、はあ、ひい、ひい……」 「はあ、はあ、はあ……はあっ……」 当然のように俺は息も絶え絶えになっていた。 「あっ、ごほっ、ごほっ、はははは……」 ちょっとくすぐって終わるはずだったのに、なんかドッと疲れた。 「水飲も……」 空のコップ片手に立ち上がり、冷たい水を求めて台所へ向かおうとした。 その時。 「へ?」 手首を握られる感触がした。ぐん、と後ろ手が引かれた。引き攣った笑みを浮かべながら俺は、ゆっくりと振り向いた。 そこには。 「あなたが、悪いんですからねっ……!」 俺と同じように汗だくで、異様に上気した頬で、ほんの少し目元に涙を溜め、非常に色っぽくかつ物凄く目をぎらつかせたフクが、いた。 あっ。終わった。
15 22/01/23(日)00:48:17 No.889581419
「ま、待っ、待て待て待ってくれ、タンマ! わかった、俺が悪かった、本当やりすぎた。ホント、ホントに悪かった、謝る、ごめん、だから、待って、ば、晩ご飯の後片付けとかしてないし……!」 「もう……知りませんっ!!!!!」 「あっ、うおぉっ、あぁああああああっ――!!!」 冬は色んなものが煩くなる時期だ。親子、カップル、熟年夫婦まで。怒りなんてものとは無縁の雰囲気でめいめい楽しく騒ぎつつ、大掃除におせちづくりに年忘れもしたりして、安定した寝正月を過ごせるための準備を整える。俺たちの住まいでもそのはずだったんだけど、どうやら今日はその日取りではなかったらしい。 クリスマスも過ぎた年末の夜更けに、可哀想な男の叫び声がこだまする。そういえば明日からちょっとのあいだお休みだ。ああ、多分今日は寝れないや。ええと、そうだな、いい気になってやり過ぎた。からかい過ぎるのはよそう。スイッチ入っちゃうとなかなかオフに出来ないし。うん、来年からは。よし煩悩よ、疾く消え去れ。もうちょい雰囲気作ったあとにこうなるよう三宝に帰依し奉れ。
16 22/01/23(日)00:48:38 No.889581584
あ、フクのとこは神社だから念じたって意味ないのか。まあいつも俺が主導権握ってばっかだし、たまにはこういうのもいいか。 「俺も……色ボケしてんなあ……」 「何か言いましたかっ?!」 「いいや、何も……って、あっ、ちょっ、流石にそれはやめろ、力づくでシャツを、オキニなんだぞ、やめ……だっ、あああああああああ!!!」 除夜の鐘が点かれるまでおおよそあと三日ぐらい。煩悩にまみれまくった俺たちの都に、絹を裂くそのものの音と物凄く野太い悲鳴が、近所の人たちに怒られそうな勢いで響き渡った。こたつから無理矢理引っ張り出され、ほとんどされるがままの状態になった俺は、割に穏やかな心中で述懐を繰り広げる。まあ特に意味はないんだ、今回は流石に俺が悪いから。なのであとはなるようになれ。ナマケモノ化しているとはいえ、フクの体力と膂力はやはりウマ娘。マウントポジションなんて取られたら、成人男性とて組み敷かれるのは必至。にしてもこの重量感、ふくふくとしてていいなあ……とか言いたくもなるが。言葉にした瞬間根に持たれて、休み明けから弁当のおかず一品、いや二品は減らされかねないし、黙っておくことにしよう。
17 22/01/23(日)00:49:07 [おわり] No.889581805
あー、にしても。もう年末だし。明日動けなくなるの、嫌だなあ。いや、そこまではしないか。フクも限度は知っているだろうし、いくら怒ってるとはいえ、生命力一点ぐらいは残してくれるだろうさ。うん、流石に、恐らく、多分。 心のどっかで手加減してくれることを祈りながら俺は、フクのマッスルパワーによって片乳首を照明の下に晒される。ふんすふんす、女性とは思えぬ鼻息が俺の敏感なところを撫でていく。うっ、あっ、さぶっ。鳥肌を立てていれば、お次はベルトが弾け飛び、カーゴパンツが俺の足から逃げ去っていく。こんなことになるんならエアコンの温度下げるんじゃなかったな。お酒って怖いね。ははは、はははは……
18 22/01/23(日)00:51:10 No.889582677
力作来たな…
19 22/01/23(日)00:52:11 No.889583048
やったー!派手下着大学生のフクだー!
20 22/01/23(日)00:54:17 No.889583934
つよい…
21 22/01/23(日)00:54:57 No.889584129
毎度掛かってはあしらわれるフクが好きだし 相手が本気になると勝てないフクトレも好き
22 22/01/23(日)00:55:27 [s] No.889584309
fu736304.txt この前書いたやつと地続きだけどこんなに長くなる予定はなかった… こたつでイチャつかせたいだけだったんだ…
23 22/01/23(日)00:56:40 No.889584704
好きの直球で殴り合うの強すぎる
24 22/01/23(日)01:01:40 No.889586190
あなた呼びのフクはレギュレーション違反なんだが? 強すぎるんだが?
25 22/01/23(日)01:04:46 No.889587041
アスリート体型からちょっと肥えてふっくらしたフクはえっちで良い…
26 22/01/23(日)01:12:18 No.889589135
もともとふくふくしてたけどな…なんて不用意に呟く わからせられる
27 22/01/23(日)01:15:54 No.889590061
>もともとふくふくしてたけどな…なんて不用意に呟く >わからせられる コイツ…こっちが本気で抵抗しないのと 本気なら腕力で人間が勝てないの分かってやがる…!
28 22/01/23(日)01:17:57 No.889590600
これでも長距離差しウマ!パワーとスタミナに自信あり! …そろそろ神職の資格なんて考えてみる気あります?
29 22/01/23(日)01:19:35 No.889591043
お嫁さんが神社の娘だったりすると推薦で普通より短い期間で神主の資格を取れるんですよ
30 22/01/23(日)01:24:08 No.889592281
うぅ…俺には現担当達を見守る役目が…
31 22/01/23(日)01:24:36 No.889592395
スタミナ補正20%の子のうまぴょいは永くねっとりしてるのは知っているな?
32 22/01/23(日)01:26:05 No.889592757
じゃあカフェもそうなんですか?! …まぁそうだろうな…
33 22/01/23(日)01:28:19 No.889593386
>うぅ…俺には現担当達を見守る役目が… ねっ?…資格…取っちゃいましょ…?ねっ?
34 22/01/23(日)01:30:06 No.889593853
>>うぅ…俺には現担当達を見守る役目が… >ねっ?…資格…取っちゃいましょ…?ねっ? …半分別な人降りてきてんだろ破ァ!
35 22/01/23(日)01:35:59 [s] No.889595654
読んでいただき感謝… もっとバカみたいにイチャつかせたかった…