虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

22/01/15(土)23:22:13 「思っ... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

22/01/15(土)23:22:13 No.887261571

「思ったより人が入ってるんスね…」 「ですね!!!!!!!お祭りみたいで楽しいです!!!!!!!」 「ちょっとしたファン交流祭ッスねもう。あ、どうぞ見てってくださいッス」 トレセン学園にて開催された、一般にも開放されたフリーマーケット 一時はあまりに急な事だったのもあってどうなる事かと思ったが、想像以上に人も入って大きな問題も発生せず、平和的に進行しているようだ その分治安維持側のウマ娘達は普段の数倍の苦労を強いられているようだが…そこは、自分は触らないでおこう 時刻は昼少し前。こうして今、エールちゃんと店番をしながらゆっくり雑談できるくらいには落ち着くことができた

1 22/01/15(土)23:22:40 No.887261760

「お待たせしました、飲み物買ってきましたよ。ほら、水分はしっかりとれメイケイエール」 「ありがとうございまあああああああああああああああああああああす!!!」 「なんか悪いッスね買いに行ってもらって。経費って事で売り上げから出すッスよ」 「あ、すみません。ありがとうございます」 戻ってきたソングラインちゃんも加えて3人。現在はこの三人での店番となっていた 魔女っ娘は買い物で回ってくると言い、姉貴は飲食スペースへ。聖剣先輩は運営側の手伝いを頼まれたらしくそちらへ 姐御はミニライブのステージの方で頼まれ事があったとか。まぁそういう場ではうってつけの人材だろうし、ウチのチームで一番こういうイベントに貢献できるだろうから頑張ってもらおう 「はい!!おつり150円です!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!」 「少し音量を下げろメイケイエール!!あ、いらっしゃませどうぞ見てってください」

2 22/01/15(土)23:22:52 No.887261859

うん、多少声の音量に難があるものの、二人ともしっかり接客してくれてる 色々不安要素の多かった今回の出店だが、実際のところはみんなそれなりに乗り気な方で助かったし、体のいい不用品処分のノリとはいえ出品もしてくれて助かった 半分ほど不許可になった時はどうしたんものかと思ったが、これなら予定よりすっきりした在庫で終わることができるかもしれない 今は他所に行っている面子も大半は店番もやってくれてはいたし。多分、こんな機会なかなかないから好奇心だったんだろうけど 「んー、じゃあ500円でどうッスか?そしたらオマケでこっちのシルバーのピアスも付けるッスよ」 「そのベストは暖かくていいですよ。春先くらいまで使えるので今からでも長めに着られます」 「この本はセットだと安くなります!!!!!!!お得でえええええええええええす!!!!」

3 22/01/15(土)23:23:05 No.887261961

各々お客に対応して、値引き交渉に応じてみたり、おススメを紹介してみたり 思ったより、というか想像してなかったほどに平和だ。自作のアクセサリーも普段の一般的なフリーマーケットよりも出てる。…やばい、ちょっと嬉しい 他のところも盛況みたいだし、このまま和やかなムードで……… 「こんにちプーイ。混ぜて欲しいプイ」 ……終わるわけ無かった とうとう来たかと顔を挙げてまずとれたリアクションは、絶句だった 本当にやりやがった、というか。まさか宣言通りどころか宣言以上のことをしてくるとは流石に思わなかった どころかエールちゃんもソングラインちゃんも言葉を失ってしまったようでピクリとも動かない 「ふっふっふー。せっかくだからバッチリ揃えてみたプイ。似合ってるプイ?」

4 22/01/15(土)23:23:15 No.887262040

ニタニタ笑ってるプイ先輩だが、こっちはそれどころではない 確かにある程度したらこっちに来るとは聞いていた このフリーマーケットの事前準備の際に自分から先行購入していった、犬と花の柄のスカジャン。これを着てくる、という宣言もまた聞いてはいた その時点で頭が痛かったがこれは流石に予想外だ そこにいるのは、間違いなく半分内のチームの居候みたいになってるプイ先輩で間違いはない 「…スカジャン以外どうしたんスかそれ!?」 そのスカジャンに、どこかのギャンブル中毒みたいなニット帽、薄いブラウンのサングラス ご丁寧に和柄の刺繍入りのダメージジーンズにイヤリングまで いや何処のチンピラだあんた。それは英雄のしていい格好じゃないぞ

5 22/01/15(土)23:23:26 No.887262104

「こっち行くときにナカヤマフェスタちゃんがコーデしてくれたプイ」 「何やってんスかあのギャンブル狂いは!!!!!てかその帽子やっぱり!!!」 案の定、悪影響の根源は予想通りだった 今度顔を見たら流石に苦情を入れておかねば。こんな治安の悪さを身に纏うような恰好をさせて、もしお偉いさんにでも見つかってしまえば大惨事だ ソングラインちゃんなんか声かけようと思っても言葉が出てきてない。若干怯えてないかあれ 「お疲れ様です!!!!!今日はイメチェンですか!!!!!!!???」 「そうプイ♪せっかくだしこのジャンパーに合わせてみてよかったプイ!」 「す、すごくイメージ変わりましたね…」 「ちょい悪っぽくて楽しいプイ。というわけで、このまま店番に混ぜてほしいプイ」

6 22/01/15(土)23:23:42 No.887262212

言うが早いか、上がりこんでスペースに腰を下ろすプイ先輩 持ってきたバッグの中身は…おそらくここで出したいという品物か しかし本当に何を持ってきたのか。まさか本当にお古の勝負服とか持ってきたんじゃないだろうなと今でも少し不安だ 他にもレースで使った靴とか持ってきかねない。そんなもの、並べた瞬間にこの周囲がパニックになってバンブーポリスが駆けつけてくるに決まってる そしてその期待は、今度はいい方向で裏切られることになった 「これ、一緒に並べてもらってもいいプイ?」 「うわぁこれ凄く綺麗ですよ!!いいんですか本当に!?」 「綺麗なカーディガンです!!!!!!!!こっちも綺麗なスカーフ!!!!!!!!」 「時々遠征先とかで冷える時に買ったりしたけどほとんど使わなかった奴プイ。こういう時に放出しちゃえば仕舞いこんだものも片付くプイ」

7 22/01/15(土)23:23:53 No.887262282

若干チンピラ三冠バに怯えてたソングラインちゃんが一転して目を輝かせるそれは、どれも上等な品だと一目でわかる衣服や防寒類だった 本人の言う通り何度も使ってないのだろう。とにかく綺麗なままで、新品として店に並んでいてもなんら気づけない程 それにデザインは高級感を確かに出しながらも決して気取り過ぎず、英雄モードのこの人とか大人っぽいい雰囲気を出せる人ならばその魅力をワンランク引き立てること間違いないだろう いや本当に、学生の出品するフリーマーケットに出るラインナップじゃない。これはこれでお客もびっくりしてしまうのではないか ただ、まあ。勝負服だの蹄鉄だのシューズだののお古をそのままお出しされるよりは全然いいし、別に文句を言うことでもない 「じゃ、この辺開けるんで並べてくださいッス。エールちゃん、その陳列道具貸してあげてくださいッス」 「はい!!!!!!!!!!綺麗に並べますよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「お、おい!落としたりして汚すなよメイケイエール!!あ、手伝います!!」 「ありがとプーイ。じゃあ、これはこうして…」

8 22/01/15(土)23:24:03 No.887262363

そうして、プイ先輩の持ってきたスカーフやカーディガン、マフラーや耳カバーといった品々はみんなの手で綺麗に並べられていく というか遠征先とかで冷えるから買ったって、それってつまり行きで準備をしていかなかったか甘かったということではないか?思いはしたがまぁ聞かないでおく わいのわいのやっていれば人目にもつくというもの。ある程度並べた段階で人が集まってきて、並べた先からどんどん値段を聞かれて売れていく 「ありがとうございますプーイ。あ、おつりこちらですプイ」 「そちらもおすすめでええええええええええええええええす!!!!!!!!!収納が凄く便利になりますよおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 「でしたら、こちらとセットでどうでしょうか。内容も似ていますのできっと気に入るかと。そしたらお値段は…」 「あー、じゃあこっちのデザインの方が派手すぎないッスね。クレイシルバーなんで安くて軽いからいいと思うッス」

9 22/01/15(土)23:24:14 No.887262445

だんだん商品もはけてきて、客足も落ち着いてくる プイ先輩の正体が何度かバレて騒ぎになりそうになったが、必死にお願いして黙っててもらったことが何度かあったが というかそれについては仮にも現役バリバリの競争ウマ娘の自分達だ、プイ先輩でなくても何度もあるがそれだけこの人は別格すぎるということだろう サインと握手に応じて、サングラスをずらしての英雄モードの笑顔でハートを射抜いてる辺り本当に流石だもう 「これみんなで食べてプイ。出先で貰ったお菓子だけどなかなかおいしいプイ」 「ありがとうございます!!!!!お茶いれますねええええええええええええええええ!!」 「うわぁ、綺麗なお菓子…いただきます!」 少し落ち着いてきたので、プイ先輩からの差し入れのお菓子と持参したお茶で小休止。なんだか、想像以上によく出てしまった。やはり場所の効果もあるのだろう こういうことなら、今後もちょくちょくやってもらってもいいかもしれない。学園祭的な感じで交流イベントを行うのはみんなの息抜きにもなるだろうし

10 22/01/15(土)23:24:24 No.887262513

「そういえば、アレ来なかったッスね」 「アレ?」 「カレンの姐御目当てで来る変態ッス」 「どっちですか!!!!!???」 おっと、さり気に酷いエールちゃん。否定は一切しないが 「いっつも『うぅ…』とか言ってる方ッス」 「そういえば来ませんでしたね…でもあの人なら、とうに居場所察知してミニライブのステージに行ってそうですけど」 「ああ、それならさっき見たプイ。多分来れないプイよ」 「運営側に拘束されてたんスか?早いッスね」 まぁ常習犯として名が通ってる半ストーカーだ。とっくのとうに身柄を抑えられていてもおかしくはないが

11 22/01/15(土)23:24:34 No.887262592

「なんかやたらグルグル回ってるウマ娘に追いかけまわされて悲鳴あげてたプイ。普段聞かない様な大声で逃げ回ってたから相当必死プイ?」 「どういう状況ッスかそれ」 「知らないプイ。向こうは向こうで色々交友事情があるプイ?」 それは交友というのか?まぁ、正直あのウマ娘もまた謎が多くて姐御目的に来てる時以外をあまり知らなかったりするのだが… ただまぁ、あの変質者が「うぅ…」とかじゃなくて叫んでるというのは少し想像しづらい。よほどのことなのだろう もう片方の、今回の話を持ってきた姐御目当ての変質者は今回ほとんど運営側みたいな感じになってるらしく、沸いて出ようにも時間が取れないのか姿を見ていない。そういうところは真面目だし、歯を食いしばって涙流してそうだ

12 22/01/15(土)23:24:46 No.887262694

「ん、しかしこのお菓子美味しいッスね…」 「絶対高いやつじゃないですか?しっとりしてて、バターの風味も上品で…」 「これ知ってます!!!!!!●●堂のですね!!!!!!!!」 「そうそう、こればっかりは普通に貰って嬉しいプイ。あ、お客さんプイ?」 「ウチ行くッス。はい、どーぞ見てってくださいッス」 そうして、少し落ち着いたフリーマーケットをプイ先輩も加えてのんびりとお茶しつつ忙しくしつつ店番して 途中で帰ってきた姉貴がプイ先輩の格好でチンピラだって爆笑したので同族嫌悪と言ったら喧嘩になったり いつもじゃ絶対見せないようなマジの半泣きで弱ったまま姐御についてきた変質者がいたり 出した以上の品を買ってきた魔女っ娘に拳骨したり こうして、トレセン学園でのフリーマーケットはなんとか平和なままに終わりを迎えることができたのだった

13 22/01/15(土)23:25:00 No.887262791

● 「お疲れ様でした。今回は大きな問題も無く終了して、各方面からの評判もよかったとのことです。今後も継続して何度か、という話もありましたよ」 「そりゃよかったッス。姐御は留守ッスよ」 「なんで引き留めておかないんですか使えないですね」 蹴り飛ばしてやろうか、と思ったのを何とか抑えて 夕焼け小焼けの撤収中、各所に報告とあいさつ回りに来た芦毛マニアを適当にあしらいつつ、肩を回して一日の疲れを感じる まぁ、ここまで盛況のまま問題も起きずに終われれば御の字どころか儲けものだろう。こっちの品もおおよそがはけてしまった 「では、私はこの後運営側に報告して夕芦毛の時間ですので。失礼しますね」 「おうおう、帰れ帰れッス。お疲れッス」

14 22/01/15(土)23:25:11 No.887262861

そんな習慣知りたくもない おおよそ荷物を片付けて、残り僅かな撤収作業。他のものを手分けして持って行ったメンバーにはそのまま解散してくれと伝えてある さて、こちらももう終わりだ。残り僅かな在庫を持って… 「お疲れ様プイ」 ふわりと、後ろから首にかけられる柔らかい感触 見れば、自分の首に巻かれた上質な布地。ダークレッドの落ち着いた色合いに、包まれるような肌触り それは、自分が使うようなものとは違う、しかし間違いなくスカーフだった 「プイ先輩。戻ってきてたんスか?」 そこには、相変わらずスカジャンとサングラスに帽子というスタイルでにっこりいつものように笑うプイ先輩

15 22/01/15(土)23:25:32 No.887263023

「うん、これ渡し忘れてたプイ」 「これって…プイ先輩が今日持ってきた出品物じゃないんスか?確か、見た覚えが…」 「ああ、実はそれが間違ってたプイ。紛れてたのに気づいて、すぐキープに回したプイ」 わからない。つまり売るつもりは最初から無かったという事か 触っただけでわかる、その品質。間違いなく安物などではない。淵に彩られた金糸が華美に走る事のないまま暗い赤を引き立ててその存在感を品よく引き立てる 夕焼けに照らされたそれはあまりにも美しく、その赤い反射に思わず息を吞むほどで 「今日一日お疲れ様ってことで、プレゼントプイ」 「いや、それじゃ申し訳ないッス流石に。ちゃんと…」 「いいプイいいプイ。このスカジャンのお礼と、こっちに混ぜてもらったお礼プイ。おかげで肩肘張らずに楽しめたプーイ♪」

16 22/01/15(土)23:25:53 No.887263168

なんだそれは。スカジャンはお代払っておいて…それに 肩肘張らずに楽しめた、というのであれば。それは 「それに、出先で買ったにしてはいいものだし、きっとプイよりも似合うと思ったから持ってきたプイ」 それは、こっちこそ言わないといけない言葉なのかもしれないのに 「というわけで、お出かけの時にでも使ってくれたら嬉しいプイ♪」 ……敵わない。いつまでたっても、この自由な英雄には

17 22/01/15(土)23:26:05 No.887263263

「ありがとうッス。大事に使うッスよ。ただ…」 「プキュ?」 「ちょっとしたお礼って事で。明日でもプレハブ来てもらえます?簡単なお菓子なら焼くッスよ」 「プイ!!!?行く行く行く、絶対行くプイ!!!何作るプイ!?」 「いや、簡単なもんッスよ?じゃ、チョコのマフィンとか…」 ……なんだかんだ。呆れたり、頭を抱えたりしながらも 余計な力を入れずに過ごさせてくれるという意味では、こちらも感謝しているのだ 絶対に。絶対に、絶対に本人には言わないけど 自分のチームよりこっちに寄って来がちなのを……少し、ありがたくというか ちょっとだけ。得意気に思ったりもしないわけじゃないのだから 「じゃ、今日はひとまず帰るッスよ。打ち上げは明日ッス」 「チームの打ち上げは今日やるって言ってたプイよ?おねーちゃんが早く呼んで来いって言ってたプイ」 「マジッスか?うわぁ、また勝手に…」

18 22/01/15(土)23:26:15 No.887263345

カラスが鳴くから帰りましょう そんな歌じゃないけど。聞こえるのは生徒たちの笑い声と、運営側の放送と、某龍王の悲鳴…は無視して 「じゃ、行きますか。ホットチョコミルクでいいッス?」 「お砂糖追加でお願いプーイ♪」 帰ろうか 私達の場所に。 あの、騒がしすぎるプレハブ小屋に

19 22/01/15(土)23:26:43 No.887263520

以上。酒を増して舎弟した もっとペース戻したい

20 22/01/15(土)23:27:57 No.887264047

肝臓は労れ しかしもっと酒飲んで書いて

21 22/01/15(土)23:28:36 No.887264333

一応前回の続きになっちゃってるので前回投げます fu714298.txt

22 22/01/15(土)23:28:44 No.887264390

酒送るから舎弟もっとキメてくれ 待ちきれねえ

23 22/01/15(土)23:29:30 No.887264704

仕方ねえバレねえようにコーディネートしてやるってフェスタがやったんだろうな 割とノリノリで

24 22/01/15(土)23:29:30 No.887264710

>魔女っ娘は買い物で回ってくると言い、 トレーナーと回ってそう

25 22/01/15(土)23:29:33 No.887264730

プイプイの鳴き声かわいい

26 22/01/15(土)23:30:24 No.887265095

>>魔女っ娘は買い物で回ってくると言い、 >トレーナーと回ってそう krs…

↑Top