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  • 菊花賞... のスレッド詳細

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    22/01/15(土)01:10:17 No.886956625

    菊花賞の激走を終えて。興奮冷めやらぬ中、私は控室でしゃがみ込んでいました。 傷んだ爪先を、押さえながら。 「だめ……まだ……もう少し、耐えて……」 いつもなら急いでトレーナーさんにケアをしてもらうところですが。今ばかりは、そういうわけにもいかず……。 それには勿論理由があって。その理由は他ならぬ私のせいで。 「こんな……昂ぶってる状態で、トレーナーさんに爪先を、なんて……」 専属になっていただいてから、毎日のように繰り返されてきた足の手入れ。最初はただの労りの作業でしかなかったはずなのに。 いつからでしょうか。その日々の営みの中に、邪な気持ちが入り込んできてしまったのは。 「お願い……我慢して、私……」 今も、すぐにでもトレーナーさんにこの足を差し出したい。差し出して、その柔らかな手つきで包んでほしい。 けれどその時の私はきっと、こんな言葉のように綺麗な私ではなくて……。 するとドアから、コンコンと控えめなノック。叩き方だけで誰だか分かります。 びくりと背筋に刺激が走り、この後を考えるだけで呼吸が荒くなります。 「カフェ、入っていいか?」 「…………はい」

    1 22/01/15(土)01:10:40 No.886956704

    足の痛みがばれないように、私は平静を保ちながら椅子に座りました。そしてすぐにトレーナーさんが部屋に入ってきます。 「お疲れ様。改めてG1勝利おめでとう、カフェ」 「ありがとうございます……でもこの結果も、アナタがいてくれたから……」 本当ならもっと心の底から喜びたい。そして、アナタに撫でて、抱きしめてもらいたい。けれど、私たちはトレーナーとウマ娘。その境目を越えては、いけない。 いけない、はずなのに。 「……どうして隠すんだい、カフェ」 「え……?」 「足の爪、痛いんだろう?」 ぎくり、と心が呻きました。どうして分かるんですか。 「あんな激走のあとに、そんな何でもない顔してる方が変だよ」 「……私、嘘が下手みたいですね」 「さ、足を出して」 トレーナーさんが私の前でしゃがみ込みます。そして傷ついた足先が傷まないように、ゆっくりとタイツを脱がせようとしてくれたのですが……。 「……っつ……」 「悪い、痛かったか」

    2 22/01/15(土)01:11:21 No.886956878

    「いえ、これは仕方のないこと……ですから……」 見れば、タイツの表面には血が滲んでいます。努めて堪らえようとしましたが、苦悶の表情は抑えきれず。 「少し怪我が酷いな……タイツ、切るぞ」 「ええ、お願いします……」 医療用のハサミで、肌を傷つけないように慎重にタイツが切られます。 締め付けから急に解放された勢いで逆に傷まないよう、トレーナーさんは静かに丁寧に切ってくれました。 無事痛みもなくタイツが脱がされ、安堵からかホッと息が漏れます。 ですが、その油断がいけませんでした。 「よし……触るぞ」 「ぁ……!」 トレーナーさんの指が、私の素足に触れます。その瞬間、レースを終えた興奮冷めやらぬ熱が再び戻ってきてしまって。 「ぁぅ……ん……」 必死に堪らえようとしましたが、口から漏れる声は御しきれなくて。 トレーナーさんに爪先を触れられているという事実が、私の邪な心を少しずつ大きくしていきます。漏れる吐息も、色を帯びていきます。 滲んだ血が拭き取られ、ガーゼが優しく当てられます。

    3 22/01/15(土)01:12:42 No.886957173

    それでも微かに感じる刺激は、快楽的な痛みにも感じて。 仄かに被虐性愛じみてきてしまった自らの感覚に、恐ろしさと恍惚を同時に覚えていて。 「……さあ、終わったよ。ウィニングライブに出なきゃだから、新しいタイツを……」 その時、確かに聞こえました。 私の口から漏れる荒い吐息とは別の、誰かの、堪えるような熱っぽい吐息が。 その事実に気づいた瞬間。私は足の痛みも無視して衝動的に立ち上がると、トレーナーさんを背後の壁に押し付けていました。 「カフェ!?」 両手をウマ娘に捕らわれ、身動きができないトレーナーさん。その顔は、私と同じ、邪な色に染まっていて……。 「やめてくれ、カフェ……見ないで、くれ、こんな俺を……」 「……トレーナーさん……アナタは……」 苦しげに目を瞑り、天井を仰ぐトレーナーさん。目が合ったとき、その瞳には確かに狂気の気配が垣間見えました。 追及するような私の言葉に、トレーナーさんは。 「……最低なんだ、俺は……痛みを堪えるカフェを見ていたら……その細い足に触れていたら……」 トレーナーさんの足腰から力が抜け、その場にズルズルと沈み込んでいきます。

    4 22/01/15(土)01:13:40 No.886957377

    そんなトレーナーさんの顔を見ていたら。 嗜虐と被虐、二つの相反する欲望が、捻じれ絡まり、私の中で薄黒く蠢き始めて。 私もしゃがみ込むと、トレーナーさんの両頬に手を添え、無理矢理正面を向かせました。 「なんだ……アナタも、私と同じじゃないですか……」 「え……?」 恐る恐る目を開くトレーナーさん。私は歪んだ笑みを浮かべてから、トレーナーさんの右手の人差し指と中指を、つぷりと口に含みました。 「やめっ……!?」 トレーナーさんの言葉を無視して、その指を甘く噛みます。 日々、私の爪先を労ってくれる優しい指に穏やかに舌を這わせ、時折切なく歯を立てて。そのたびにトレーナーさんの身体はびくりと震え、熱を含んだ深いため息が何度も漏れています。 ぷぁ……と口を離すと、その指は私の唾液で塗られていました。 「カフェ、駄目だ……こんなの、俺たちは一線を越えちゃ……」 「……手遅れなんですよ、私たちは……」 爪先のガーゼに血が滲むのを感じます。ですが今は、それすらも心地良くて。 「ほら……トレーナーさん……」 未だ私の唾液が貼り付いたトレーナーさんの指を、爪先のガーゼに誘います。

    5 22/01/15(土)01:14:34 No.886957604

    そして血の滲んだ部分に触れさせ、その指の上から、僅かに力を加えると。 「んぅ……!」 「カフェ、怪我してるところを……!」 自ら生み出した痛みに一瞬、顔が引き攣ります。しかしやはりそれは痛みだけでなく、イケナイ感情を含んでいて。 そして、目の前のトレーナーさんは……。 「……ふふ、ほら……そんな、慮るような声を出しながら……」 その表情は、いつもの優しいトレーナーさんではなくて。愉悦をうっすら浮かべ、苦しむ私に欲情していて。 「随分と……熱情的な表情じゃないですか……」 「ぁ……あ……!?」 仮面を剥がされて、逃げ場をなくして。 トレーナーさんは震えながらも、最早隠す必要がなくなった感情を抑えられなくなっているようでした。 そんなトレーナーさんを、私は静かに抱き締めて。そのまま、ゆっくりと後ろへと倒れ込みました。 私の黒い長髪が、孔雀の尾羽根のように床へ広がります。それを見つめながら、トレーナーさんの呼吸はますます荒くなっていきました。 「とれーなーさん……」 私は勝負服を肩からずらし、甘い声で誘います。

    6 22/01/15(土)01:15:31 No.886957842

    「アナタの痕をここに……残してくれませんか……?」 「そこまでしてしまったら、俺は本当に……」 しかし尚も、あと一歩を踏み出そうとしないトレーナーさん。 「いいんですよ……さぁ……」 トレーナーさんの頭を抱き、ゆっくり私の肩へと引き寄せます。 最後まで戸惑いの気配がしましたが、とうとう観念したように、トレーナーさんはようやく私の肩に歯を立てました。 「……はぁっ……ふ、くぅ、ん……」 肩に走る痛みに、思わず恍惚とした声が漏れます。 思わずトレーナーさんを抱き締めると、その力に応じて、トレーナーさんの噛む力も強くなっていきます。 既に互いの呼吸は、ヒトのモノでもウマ娘のモノでもなく。 再びトレーナーさんと見つめ合ったとき、そこにいたのは二匹の獣でした。 「……カフェ」 「一線、越えちゃいましたね」 私たちは、これまで何を耐えていたのでしょうか。 こんなにも狂おしく愛おしい世界なのなら、もっと早くに染まっていれば良かったのに。

    7 22/01/15(土)01:16:29 No.886958071

    「こんなのがバレたら、大変だな」 「誰にも言わなきゃいいんですよ……」 そして私たちは、どちらからともなく。 唇を重ね、舌を絡め合いました。 互いの両手も相手の身体を締め付けて離さなくて。脚は自然と交差するように重なり合っていて。 そして唾液が混じり合う音が消え、トレーナーさんが私の勝負服を脱がせようと、手を伸ばしかけたとき――。 コンコン、と控室のドアがノックされ、ライブのために舞台袖へと来るように催促されました。 「いけない、そんな時間か」 「夢中になってしまっていましたね……」 私たちは我に返って。トレーナーさんは急ぎ、新しいタイツを差し出してくれました。 「履けるかい?」 「……履かせていただけますか……?」 不完全燃焼の中、せめて最後にひと甘えを。

    8 22/01/15(土)01:17:01 No.886958187

    「なら……座って、足を出して」 「はい……」 少しサイズの大きなタイツを慎重に慎重に、ゆっくりと履かせてくれました。ですがやはり時々爪先を擦ってしまい、そのたびに我慢しきれない小さな悲鳴。 それを聞くたび、トレーナーさんは一瞬動きが止まり、そして深呼吸をしてから再び手を動かします。 そんな、私の一挙一動に染まってしまったトレーナーさんを見ていると、我に返った筈の熱がまたこみ上げてきてしまって。 「……よし、よく痛みに耐えたな。ウィニングライブ、頑張っておいで」 「ええ……それとトレーナーさん、あの……」 「うん?」 私は立ち上がり、ドアノブに手をかけながら。 「ライブを頑張れたら……菊花賞を勝ったご褒美、貰えますか……?」 「ご褒美?」 「はい……」

    9 22/01/15(土)01:17:28 [おしまい] No.886958294

    私は、生命を狂わせる満月のような瞳でトレーナーさんを見つめながら。 「帰る前に……寄り道、したいんです」 「……外泊届はいるかい?」 「そうですね……念の為、お願いします」 言葉はなんてことはないのですが。その声色は二人とも、深く濁った色合いをしていて。 「……なら待ってるよ、カフェ」 「ええ……待っていてください、トレーナーさん……」 黄色い瞳はいつしか、暗く、闇の色になっていました。

    10 22/01/15(土)01:17:50 [お友達] No.886958404

    いけー!!

    11 22/01/15(土)01:18:39 [s] No.886958562

    俺は闇のトレーナー 思春期カフェもいいけど倒錯カフェもいい カフェとどこまでも狂おしく堕ちていきたい

    12 22/01/15(土)01:21:22 No.886959174

    倒錯的だねぇ…

    13 22/01/15(土)01:21:39 No.886959242

    菊花賞ってやっぱり…

    14 22/01/15(土)01:27:28 No.886960647

    だいぶ掛かりすぎでは?

    15 22/01/15(土)01:28:25 No.886960838

    >だいぶ掛かりすぎでは? レースのペースには合ってますよ!

    16 22/01/15(土)01:31:06 No.886961516

    この二人狂ってるよーモルモットくーん

    17 22/01/15(土)01:48:29 No.886965718

    >菊花賞ってやっぱり… 風評被害だねぇ!

    18 22/01/15(土)02:06:30 No.886969382

    >この二人狂ってるよーモルモットくーん モルモットくんの瞳も狂ってるじゃないかー!

    19 22/01/15(土)02:11:49 No.886970348

    >>この二人狂ってるよーモルモットくーん >モルモットくんの瞳も狂ってるじゃないかー! タキオンは色んな意味でトレーナーの人生狂わせてる自覚しようね

    20 22/01/15(土)02:11:51 No.886970356

    並ぶな

    21 22/01/15(土)02:13:51 No.886970718

    >並ぶな 片や結末片や至るまでの怪文書

    22 22/01/15(土)02:18:27 No.886971644

    菊花賞の時点でアレかな…と思ったらもっとアブノーマルだった

    23 22/01/15(土)02:27:13 No.886973262

    みんなススズさんに毒され過ぎだよ!