ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/01/10(月)23:12:02 No.885706999
なんだまたアンタか。近頃よく会うな。首?もう諦めたさ。断ると大変なんだよ。拗ねてトレーニングにならないし、より酷い事になるからな。 また聞かせろって?そんなに面白いかね。まぁ少しならいいよ。アンタにしか話してないから、拡まったら容疑者はすぐ分かるしな。
1 22/01/10(月)23:12:46 No.885707283
どうやら今日俺は死ぬらしい。小さくて可愛い愛バの歯によって。 「grrrrr……」 「どうどうちょっと待て落ち着け誤解だ頼む」 俺をトレーナー室の隅に追い込んだ我が担当バは腰を低く落とし唸り声を上げてジリジリとにじり寄ってくる。その姿はまるで狙いを定めた野生の猫科の様。万事休す。もはや彼女を止める手立ては無いのか。俺は数刻前の俺を呪った。 ⏰……… 「……んん……トレーナーぁ……」 今日も今日とて俺は彼女に押し倒されていた。最近彼女はこうしてまず俺の胸にすりすり頬を擦り付けてくるのが定番になっていた。トレーニング後にシャワーを浴びてさっぱりしている彼女ならともかく、業務やらトレーニングやらで汗を掻いた俺は臭わないか気が気でない。そして彼女が擦り付ける度にふわりと香る甘いシャンプーの匂いにも反応しそうで気が気でない。
2 22/01/10(月)23:13:08 No.885707434
「……ん、はぁ……」 溜息が一つ聞こえたら彼女の頭が預けていた俺の胸からゆっくりと離れる。此方を向いたのは摩擦熱で赤らんだ頬にもそのままに目をとろんと細めた彼女の顔。見ようと思えば今にも眠そうな顔にも見えるのでそのまま寝てくれないか、と思うが彼女がこれで止まる訳もなく。 ぐいっと顔を近付けてくる彼女が目指す先は俺の首元に貼られたガーゼ。剥がされては貼り剥がされては貼りを繰り返し、常に新品のものが貼られてはいるが、その下はいつまで経っても治っていない。毎日消毒液で拭いてはいるがそろそろ膿を持ちそうで戦々恐々としている。と言う事で。 「んぁー」 「はいストップ」 「むぐゅ」 小さな口を目一杯開けてガーゼに齧り付こうとする彼女の口を手で塞ぐ。ぷにゅ、と掌に感じた柔らかさは見て見ぬ振り。いちいち反応してたら此方の身が保たない。
3 22/01/10(月)23:13:32 No.885707584
「…………あ?」 「今日はダメ。ちょっと我慢してね」 手を離すと開けた口のままポカンとしていた彼女。そろそろ我慢して貰わないと傷が膿んで首を差し出すどころではなくなるので、代わりのご褒美は用意するから今日は首は勘弁して下さい。そういう主旨の弁明をしようと口を開けようとした俺は、その一瞬で自分が致命的な間違いを犯した事を察した。 「テメェ、アタシに、お預ケんテ、イイ度胸だナ、ア゛ァ゛?」 あ、俺死んだ。 そしてそこからは西に東に上へ下へのどったんばったん大騒ぎである。凶暴化した彼女にぶん投げられるわ追い回されるわで部屋中めちゃくちゃです。そして冒頭に戻る。