虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    22/01/10(月)00:08:34 No.885368861

    今日はギムさんが、久しぶりに実戦と同じ距離を模擬レースとして走る日だった。 まだ誰かと競い合うわけじゃない。それでも今日は、彼女が再びターフを駆け抜けるまでの一つの大きな区切りになる日だった。 僕はトレーナーさんに事情を話して、トレーニングを早めに切り上げてもらい、彼女が走るところを見に行っていた。 カッコ良い。久しぶりのはずの彼女の走りは、僕にそれ以上の感想を抱くことを許さなかった。 走り終えた後の彼女に僕は駆け寄って行った。でも、最初に彼女に話しかけたのは僕ではなかった。 「良かったぞギムレット〜!!これでまた戦えるね!」 「ああクリスエス…見てたのか。」 「当たり前だろう!私のライバルの復活への第一歩なんだから!」 悔しかった。僕は彼女と同室でも、同じ世代じゃない。彼女とクラシックを共に走ったことのあるクリスエスと僕の間には、大きな差があった。僕は、それに気付いてしまった。

    1 22/01/10(月)00:08:50 No.885368973

    「ローズ!お前も見ててくれたのか!」 足を竦ませてしまっていた僕に彼女は気付き、声を掛けてくれた。 「あっ…はい!カッコ良かったです!…」 僕はどうしても、暗い顔を取り繕うことができなかった。だから、彼女に目を合わせられなかった。フードを被って俯くことで、それを隠そうとした。 「ギムレット、知り合いか?」 「ああ、紹介するよ。俺の同室、ローズキングダム君だ。」 「よろしく…お願いします」 「シンボリクリスエスだ。よろしく!」 彼女は手を差し出してきた。でも、僕はその手を取れなかった。 「……どうした、ローズ?気分でも悪いのか?」 「い…いえ、そう言うわけじゃ…」 「大丈夫かいローズ君?保健室でも行くかい…?」 「大丈夫です!……すみません。先、部屋帰ってますね。」 そう言って、僕は踵を返して部屋に走って行った。その途中、後ろから声が聞こえてきた。

    2 22/01/10(月)00:09:01 No.885369060

    「じゃあクリスエス、ストレッチ手伝ってくれるか?」 「もちろん!お前とまた走るための手伝いならなんでもするさ!」 悪手を打った。そう思った。

    3 22/01/10(月)00:09:13 No.885369141

    「ああああ”あ”あ”あ”ー”ー”ー”っ”!”!”!”!”」 部屋で一人、枕に顔を埋めて叫んだ。 あの時僕が先に話していれば。いや、僕があの場に居続ければ。きっと彼女の手伝いをするのは僕だったはずなのに。そんなことばかりが脳を駆け巡っていた。 きっと今、彼女らは二人きりでストレッチをしている。それだけじゃない。僕よりも彼女に親しい人間がいた。そんな状況は、僕の精神をぐちゃぐちゃにした。 ぐちゃぐちゃになった僕の精神はなにを求めたか?答えは当然、彼女だった。でも彼女は今ここにいない。なら最も長く彼女に触れ、彼女の残滓を最も残すものは何か。それは、今僕が寝ているベッドから正反対。 彼女のベッドだ。

    4 22/01/10(月)00:09:26 No.885369220

    「んっ…♡ううっ…♡はぁ♡」 彼女の布団、彼女のマットレス、彼女の枕、彼女のビーズクッション。 全てが僕を包み込んでくれる。最初に嗅いだパーカーとは桁違いの快楽が僕に走る。 「ギムさん…ギムさん…♡ギムさん♡…!ギムさん♡!」 彼女の甘い香りの強く香るクッションに強く抱きつき、足も絡めながら彼女の名前を呼ぶ。鼓動は早く、息は荒くなる。 「〜〜〜〜〜ッ♡♡♡♡♡♡♡」 脳神経が焼き切れそうな情報量の感覚が、一気に全身を駆け巡っていった。 少し経った後、蕩けた頭のまま、体を無理矢理起こしてベッドのふちに腰掛け、呼吸を整える。 「はぁ♡はぁ…♡はぁ…♡はぁ…はぁ…」 その時だった。

    5 22/01/10(月)00:09:36 No.885369296

    「ただいま〜ローズく〜ん」 「えっ?ギムさん⁉︎」 彼女が帰ってきた。 「いやっあのっ…これは…これは違くて…」 「なんだ〜?ろーずくんベッド間違えたのか〜?」 帰ってきた彼女は様子がおかしかった。具体的に言えば、眠たげだった。 「あの…どうしました…?」 「いや…ちょっと…ねむ────」 彼女は僕の目の前まで来ると、僕を押し倒してきた。 …と言うより、僕の上に倒れ込んできたと言った方が正しい。 「だっ…大丈夫ですかギムさん!?」 僕は最初、彼女が病気か何かで倒れたのかと思った。だが、耳に当たる穏やかな寝息で僕は察した。これ寝てるだけだ。と。 「なんだぁ…」

    6 22/01/10(月)00:09:50 No.885369369

    安心した僕は、今度は別のことに気付いた。今、僕は彼女と密着している。彼女から発せられる香りはダイレクトに僕の嗅覚に伝わる。全身で彼女の体温と重さを感じている。彼女の放漫な乳房は、ちょうど僕の顔面に当たっていた。 「あ…ああっ…」 焼き切れる寸前だった僕の脳神経は、状況を正しく認識して今度こそ焼き切れた。僕の意識は天へと羽ばたいて行ったのだった。

    7 22/01/10(月)00:10:03 [👁] No.885369457

    「ん……ふわぁ〜あ…」 部屋に戻ってきてすぐに寝落ちしてしまったようだ。時計は3時を示していた。俺の下敷きにしてしまったローズ君はまだ寝ていた。 久しぶりに走って疲れていたとは言え少し情けない気分になる。と言うか、なぜ下敷きのままローズ君は寝ているのだろう。そんな疑問が脳裏に浮かんできたが、眠かったので気にしないことにした。 俺たちは二人、同じベッドで並んで、再び眠った。

    8 22/01/10(月)00:10:44 [s] No.885369710

    性癖を垂れ流します クリスエスさんは今回本当にただの友人です

    9 22/01/10(月)00:12:11 No.885370346

    性癖が濃い…

    10 22/01/10(月)00:24:52 No.885375317

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    11 22/01/10(月)00:28:39 [s] No.885376870

    手書きありがとう…

    12 22/01/10(月)00:29:59 No.885377355

    焦燥から本当に気持ちに火が付いていくのいいね…

    13 22/01/10(月)00:33:41 No.885378696

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    14 22/01/10(月)00:37:49 [s] No.885380213

    明日も多分投げますがこれのつづきじゃないです

    15 22/01/10(月)00:44:14 No.885382358

    最近の快眠薔薇親父ファーム好き…

    16 22/01/10(月)00:55:12 No.885385894

    書き込みをした人によって削除されました

    17 22/01/10(月)00:57:45 No.885386708

    なるほどこれは快眠

    18 22/01/10(月)01:01:35 No.885387949

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    19 22/01/10(月)01:03:01 [s] No.885388421

    手書きたくさんたすかる