22/01/08(土)23:48:01 は?... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1641653281011.png 22/01/08(土)23:48:01 No.884936310
は? どうしたオコメ。 なに? アタシとオルフェとフェスタが親戚って聞いた? それでどうし、え? なんで学園では仲良くしないのか? そうか、オコメは中坊の頃は真面目に走っていたからな……。 アタシらのやってたことを聞いたりしてなかったろうし。 ……よしっ! いいだろう! 聞かせてやろうじゃないか! 菊も涙、皐月に桜花、天皇春秋そろって宝塚歌劇をご鑑賞ってなもんよ! あれは……親戚の列強連中からならず者ウマ娘としてゴルシちゃんやオルオルにフェスタんが指定されていた入学当初。 最強のウマ娘が集まるって聞いててメジロのババ様からも絶対に行けって言われたってのにさぁ、 学園が小学校と大して変わんなくてマジでちょうつまんねえゴルシって感じに期待できねえなって卯月病になっちまってたんだよ。 久しぶりに会ったオルオルもお嬢様小学校でものすげえ虐められてたらしくてめちゃくちゃグレてたしなー。
1 22/01/08(土)23:48:16 No.884936413
もうなんていうかフェスタの言う通り列強の支配にはもはや我慢ならん! 民族精神の回復と旧領の奪還は国家の責務! ローマを一つに! っていうからゴルシちゃんも当てられて、 オルオルの社会復帰とか人間性回復のためにも、野試合ってやつをやることにしたんだ。 「え!? それって中等部の時に習ったよね!? 道路交通法違反って」 それがなーオコメー。それは公共の話であってなー、私有地なら大丈夫なんだ。 ウマ娘が走るところ大好きおじさんおばさんたちがウマ娘たちのために私有地開放したりしててなー。 ……あ! これ言うんじゃねえぞ? で、まあ口を開きゃあマスクが邪魔するとか、東京は人が多すぎるとか、ウマ娘やめるとか、沈まれウチの獣性とか言ってるやつをなだめすかして裏URAの闇レースで暗黒杯に連れ出してたわけよ。 「……なにそれ?」 焼けた炭の上を走ったり、水の上を走ったり、針山の上を走ったりする……はっきり言って狂気の沙汰のレースだ!
2 22/01/08(土)23:48:43 No.884936596
アタシたちは戦った……古代ウマ娘文明の走行法を伝授している奴らや、暗黒ウマ王が擁するチーム闇黒と。 連中が全員青毛だったからジャスタの奴を助っ人で呼んだんだったかな? ま、あいつは幼稚園のころからアタシにいつもついてきてたしな! 走って、走って、授業サボって、単位ヤバくなって、慌てて勉強して、一夜漬けを毎日すればいいと気づいて、ハゼの干物がバカ高く売れるとフェスタの奴が企画立ててそんで許可取って操業して……。 そしたらいつの間にか学園最強チームとしてステゴブラッドfeatジャスタウェイと目されていた。 なもんでアタシら世代のユースリーグではレース出るやつがバカとか、本格化を気合でズラせとか言われたりした。 あとあのゴリラみたいにレース出る前に負けること考えるバカがいるかよって競争すなわち闘争であると覚醒した奴や、色物連中に振り回されずに万全の力で走り切ればいいとかいう猛者たちも現れてきて。 もうめちゃくちゃに熱い世代だと目されていった。全員が主人公だと、頭角を現す連中だけでは済まないと。
3 22/01/08(土)23:49:13 No.884936790
でもそのうちプブくんにみんなが面倒なこと全部任せていくうちに世代丸ごと不良の集まりのように語られて心外だったわ。 ゴルシちゃんの乙女心に564ダメージって感じで、あの時は……さすがのオルオルも、顔が青ざめていたぜ。 でもまっ、ジャスタと喧嘩してキレまくってたからなあー連るんでた時のオルオル。 の割にはあいつらアタシと一緒にしょうもねえ悪事するときにノリノリだったな……。 ジャスタが作ってる置物で生徒会室埋めようぜーって言ったら二人ともイェアー! ってバイブスがパネェ感じだったし。 そのあとにマジギレしたエアグルーヴからケツバット食らいそうになって死ぬ気でスプリントしたんだけど。 「そ……それで?」
4 22/01/08(土)23:49:49 No.884937036
そんでチームゴルシちゃんは学園から正式に相互接見禁止令が出されてしまいましたー! いわゆる集会の禁止ってやつだ。圧政や独裁や民衆弾圧の十八番だ。 アタシたちは最強だ……歯向かう奴なんて一人もいねえって慢心が、二人以上集まること是即学園への反逆の意として退学っていう制裁を呼んだわけさ……。 オコメ、だからこのことはチームのみんなには内緒だぞ? あと調味料、マスタードとかも少量なら焼肉のたれ作ってる日本の会社とかも製造してるから要チェックだぞ……。覚えておけ、オコメ。
5 22/01/08(土)23:50:20 No.884937242
「というわけでよくわからなかったからその……オルフェーヴルさんにも聞きに来たんです」 トレセン学園裏手、チームプレハブの群れから更に離れて電気柵で囲まれた場所。 その中にポツンとある大き目のプレハブへライスシャワーは訪問していた。 炬燵に入れと進められて暖をとっているライスの前には栗毛と鹿毛のウマ娘がおり、目当ては栗毛のほう……オルフェーヴルだ。 「はー? ゴルシのやつ、そんなこと言ってたんスか!? ほんっと暇してる時のあいつの話ってわけわからねえよな~。 本当はこうっスよライス先輩ちゃん――」
6 22/01/08(土)23:50:35 No.884937326
――天衣無縫で鎖を付けられない虎と看做されたゴールドシップとは違い、一族の麒麟児と称された私<わたくし>オルフェーヴルは全寮制のお嬢様小学校へと入りました。 その先に待っていたのは優れたるものとしての教育ではなく規則と称した強烈な折檻。そして妬み嫉みとやっかみと暴力、暴力、暴力の嵐。 学校運営に傷痕を刻み続ける姉とは違い……可憐と儚さを身の内にして朝に咲き、昼には散る華の私にはそれはもう壮絶な嫌がらせとハラスメントと暴力が向かってきました。 そんな悲しい幼少期を過ごした私はもう精神の限界にあり、もはや死のみが私の在り様という思いに駆られるくらいに打ちひしがれていたのです。 ある日、スマホで動画を見ていた時に、それはそれは素晴らしい走りをする方が映っていました。 黒気味の鳶色を流れるままにしてすべてを置いていく、自身が彗星と化してゴールへと向かう衝撃。 私はそれを見て自分にはもう走ることしかないと思い、気が付けばありとあらゆる……ウマ娘たちの集う野試合場に訪れてただひたすらに走っておりました。 走って走って走って、気が付くと――ここにいたっス。
7 22/01/08(土)23:50:56 No.884937460
「う、うぐ! ひくっ! うぅぅ! なんて悲しい幼少期プイ……! それに私の走りを見てトレセンを志したなんてなんといえばいいのかわからないわ…!」 オルフェーヴルと同じプレハブにいる、長髪の女生徒が涙と鼻水を流していた。 誰かは思い出せない、だが優等生ではあるとライスは記憶している。 否、ライスシャワー程度では入れない……URAの国際強化選手に指定されていたはずだ。 鼻水を噛む鹿毛のウマ娘、彼女を凝視するライスシャワーの目の前にオルフェーヴルの手が振られた。 「あーいいっス、いいっス。ライス先輩ちゃん。この人は無視しておいていいっス」 「え……でもこの娘って確か」 「そしてわたくし!! オルフェーヴルが!! トレセンを! 目指したのはぁあ!」 「ひゃっ! 大きな声!」
8 22/01/08(土)23:51:23 No.884937608
私がトレセンを目指したのは、動画で見た素晴らしい走りをする鹿毛の方へ憧r――笑うのはやめてほしいっスよプイ先輩!――まあその強者への憧憬を抱いていたのは間違いありません。 ですがそれだけではなく、私の家系からすれば由緒正しい本家筋でもあるメジロ家、その大々高祖母でいらっしゃる御婆様かの薫陶を頂いたこともございました……。 優れたる者はその才覚と資質を徒に放置するのではなく、公共へ奉仕し、人々に知らしめる義務があると。 その言葉を聞いた時には、天より私の百会へ稲妻が落ちたかのように運命というものを感じたのです。 私の生まれた理由、宿命というも――。 「ブフゥゥゥゥゥッ!!!」 嬌声と哄笑、その波が打ち付けると同時にライスとオルフェーヴルが座しているコタツの天板に食べかけのサンドイッチ(食べたいときにはいつも売り切れている。購買の人気商品、ニンジンサンドイッチのカスクート風だ)が飛んできた。
9 22/01/08(土)23:51:58 No.884937848
「ブハハハハハハ! ぐ、ぐ、ぐまいっつかオルフェお前、ぶふふふ-!!」 波が打ち寄せ、サンドイッチが飛んできた方向、入口を見るとオルフェーヴルに似た鹿毛のウマ娘が腹を抱えて笑っている。 彼女が食べかけのそれを噴き出してしまったのだ。 「お前、愚妹。さすがに部外者へプロデュース1000%の嘘はついちゃいかんだろ」 ぐまい、妹と言っていることから彼女はオルフェーヴルの姉なのだろう。 たしかドリームジャーニーといったはずだ。 姉から指摘を受けたオルフェーヴルは顔を見る見るうちに赤くしている。 ライスが聞いているうち、確かに彼女オルフェーブルの語り口は虚飾が過ぎるように思えていた。 それは間違いではなかったようだ。 「お姉ちゃんは黙っててー!」 顔を赤くしたオルフェが姉へ抗議するのを微笑ましいもののように鹿毛の女生徒が見守っている。 「お姉ちゃんがオルフェちゃんの口から出たプイなー。相当テンパってるプイ」 目から涙を流すほどの笑いに包まれてドリームジャーニーがオルフェーヴルへと近寄って彼女の肩を小刻みに叩いている。
10 22/01/08(土)23:52:36 No.884938075
「おねーちゃんにもっかい聞かせてくれ愚妹ー。あのほらあの、さっき言ってたやつ!」 「……なに?」 「あれだよ! ブシェシェシェ! かれんと……ウププププ、はかなさを身のうははははは! いひひひひひ!」 姉の馬鹿笑いがプレハブへ響きわたっていくうちに、顔を赤くしていたオルフェーヴルからみるみる血の気が引いていく。 それに連れだって目つきもだんだんと狂気を帯びていった。 お暇をすればいいのか、彼女の擁護なりをすればいいのか……? ライスが判断にあぐねて往生していると、今度は鹿毛の女生徒がライスの目の前に手を振る。 彼女を見れば黙って首を振っている。早く出ていったほうがいいと言っているのだろう。 「あ、その……ライス、お暇するね。お話聞かせてくれてありがとうオルフェーヴルさん……」 返事は帰ってこない。
11 22/01/08(土)23:53:11 No.884938293
――んだあオラ! 姉と言えどもそんな侮辱は容赦しねぇっス! はー……またプレハブが壊れるプイなー……。 大暴れしたお前が何を言うか愚妹ー。 ウマ娘じゃない子がかわいそうだからやっちまえって言ったのお姉ちゃんじゃん! まーたその話プイな……。平行線になるからやめておくプイ。 何やらわからない身内同士の喧嘩を背にし、ライスシャワーは早々にプレハブを去っていった。 あと二人ほど……ナカヤマフェスタやジャスタウェイに話を聞かねばならないようだ。 聞いた内容のどれもが、語り手の信用できない情報だ。 つまらない好奇心から始まった惰性の探求、いつしかライスシャワーはそれへとのめりこみ始めていた。 終わり
12 22/01/08(土)23:54:46 No.884938875
エミュがすごい完成度だ...まるでゴルシ博士だな…
13 22/01/09(日)00:00:53 No.884940966
顔真っ赤舎弟かわいい
14 22/01/09(日)00:02:03 No.884941445
舎弟の嘘が大胆すぎる…
15 22/01/09(日)00:02:05 No.884941456
>「お姉ちゃんは黙っててー!」 ここいい…
16 22/01/09(日)00:04:06 No.884942201
一番まともに語れるのはドンナかヴィルだけど一番情報が詳細に乗ってるのはジャスタだよ台本持ってるから
17 22/01/09(日)00:06:37 No.884943152
仮に虚飾が通ったとしてそう信じ込んで接してくるライスにどう対応するつもりだったんだよ
18 22/01/09(日)00:07:30 No.884943536
ライスシャワーはG13勝してるし程度ってことはないんじゃ…
19 <a href="mailto:s">22/01/09(日)00:09:14</a> [s] No.884944393
>ライスシャワーはG13勝してるし程度ってことはないんじゃ… 50m15秒の人間の嫉妬ということで許してください 許して
20 22/01/09(日)00:10:45 No.884944963
私は許そう
21 22/01/09(日)00:11:51 No.884945363
>私は許そう だがミホノブルボンが許すかな!!
22 22/01/09(日)00:13:39 No.884946031
多分女帝は世代全員の趣の全く異なる奇行に振り回されまくって胃痛が止まらなかったんだろうな… しかも全員学園に名前を残す程の成績持ちだから無下に扱えない上に大半は賢くて学業成績も良いだろうし
23 22/01/09(日)00:16:10 No.884946931
>しかも全員学園に名前を残す程の成績持ちだから無下に扱えない上に大半は賢くて学業成績も良いだろうし 普通にしてれば頭のいい頑丈で優秀な名馬なのにやらかしとか性格の特徴がどの媒体にもあるのどうなってんだ12世代
24 22/01/09(日)00:16:56 No.884947279
>ライスシャワーはG13勝してるし程度ってことはないんじゃ… ただこの話に出てくる奴の中には本気でライスですら程度に出来るほどの化け物がいるんだよな…