21/12/30(木)23:53:31 あの日... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1640876011267.jpg 21/12/30(木)23:53:31 No.881853496
あの日と同じ寒い日。バスの事故があった現場に来ていた。 もう10年近く前の話になるだろうか。隣に座っていたアイツも、喧嘩して殴り合ったアイツも、毎朝挨拶してたおっちゃんも、みんな死んじまった。 あれから随分といろいろあった。誰からも嫌われていた俺は、レースで力を示してやった。まあ、そうまでしてもクソ親父は俺のことを認めはしなかった。認められようなんてもう微塵も思っていなかったが。 そんなことを思いながら、花束を現場に供える。
1 21/12/30(木)23:53:43 No.881853573
「な…なあサンデー」 「あ？何だよ」 「キリスト教ってこういう時は手を合わせていいんだっけ…？」 「んなもん気持ちがこもってりゃ何でもいいんだよ。」 隣から俺に不安そうに作法を聞いてきたこの男は、日本から来たのだと言う。俺に惚れ込んだとか何とかで、日本に来ないかと言ってきた。引退後の進路に困っていた俺は、この男について行くことにした。今までみたいに毎年ここに来ることは出来なくなるだろう。でも、お前らのことを忘れはしない。 そんな事を思いながら、十字を切って祈りを捧げた。隣にいた男も見様見真似で十字を切ってから、手を合わせていた。
2 21/12/30(木)23:53:54 No.881853629
「よし、行くぞ。」 「えっ？もういいの？」 「ああ、あんまり長居するようなもんでもない。さっさと日本に行くぞ」 「えっ、今日⁉︎」 「Strike while the iron is hot. お前の国の言葉にも似たような意味の諺ぐらいあるだろ。」 「わ…わかったよ。チケットの手配しなきゃな…」 『行ってこいよ、サンデーガール』 「──────!?」 思わず驚いて、足を止めて振り返る。 「サンデー？どうかした？」 「お前…今の聞こえたか？」 「いや…何も…？」 「そう…か…」 気のせいだったのだろう。この世にゴーストなんているわけもない。でも、今のは確かに聞こえた。だから、俺はもう一度だけ振り返り、呟いた。 「行ってくるよ、おっちゃん。」
3 <a href="mailto:s">21/12/30(木)23:54:05</a> [s] No.881853701
「何か言った？サンデー？」 「なんでもねぇ！さっさと行くぞ。」
4 <a href="mailto:s">21/12/30(木)23:54:47</a> [s] No.881853984
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5 21/12/31(金)00:05:33 No.881858397
>気のせいだったのだろう。この世にゴーストなんているわけもない。でも、今のは確かに聞こえた。だから、俺はもう一度だけ振り返り、呟いた。 >「行ってくるよ、おっちゃん。」 いつか自分もゴーストとして見守ってたんだおっちゃんも見守ってくれててもおかしくないよね