虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/12/26(日)23:36:34 No.880434214

    クリスマスの次の日には、有馬記念があって もちろん、ドリームリーグに入ったアタシには見る側の方だけど、冬の大1番のこの時期は世間もトレセンも結構湧き上がるんだ 有馬記念のウマ娘を視察する人とか、予想する人でしょ?それと…クリスマス戦争って言うのかな、ウマ娘がトレーナーとデートする絶好のチャンスだって… 「はぁ…ダメだった…」 有馬記念の日、アタシはひたすら大きくため息を何度も着いていた。 マックイーンとかには直接言われたんだ、クリスマスはトレーナーさんを誘うといいって、ライアンにも遠回しに言われたんだよ、ブライトは…その、結構根回しというかしてくれたし ただ、…そんな風には上手くいかなかった

    1 21/12/26(日)23:37:00 No.880434364

    ~~~~~~~~ 「あのさ、トレーナー、今日…空いてる?」 「明日?年末はG1レースの視察とか席取りとかで忙しいからな~!明日はとりあえず有馬記念の子達の過去のレースの確認でしょ?それと…」 「あ、そう…なんだ、あのね…えっと…」 「ドーベル?」 「ううん、ごめん!なんでもないっ!」 逃げるように走り出して……気づけば部屋の中に居た。 (バカ、バカバカ!一緒に付き合うとか色々あったじゃん!なんで言えないのよ!) 蹲り、うーっと声を上げて泣いていた。 ~~⏰~~ 真夜中までうずくまって布団に隠れていたが、結局誰も来ない。休みの日なのにこんなに無意味に過ごしたのは初めてだった。

    2 21/12/26(日)23:37:18 No.880434474

    「…あ、タイキは帰ってこないんだ」 そういえば、外国ではクリスマスの日にパーティするんだっけ。 (寂しい…みんなクリスマスを楽しんでいるんだろうな) 部屋は暖かいのに、心は凄く寒い、今からでも間に合う筈なのに体はどこか怠惰で動けない。 マックイーンにダメだったった報告のラインも帰ってこない… ライアンは…凄く心配してから、代案を出してくれた。だけど、きっとあの子も楽しんでいるんだろうな。 ……悔しい…それよりも寂しかった。

    3 21/12/26(日)23:37:41 No.880434600

    街の中を歩くと、沢山のカップルが寄り添って歩いてる。 今日はクリスマス、行くあてもないのに、…ううん、いつも通りのアロマの店に行くために静かに歩いていた。 ネオンの光は眩しく、木と街灯には煌びやかな彩飾が施されて。 雪は粉のように降れば、次から次へとコートの男女が歩き、くっついて、また歩いてーー 「トレーナー!トレーナーっ!予約した店はどこ~!?」 「あはは、テイオーったら~!」 恋愛感情すらない2人すら、一緒になってて 「……いいな」 聞こえない声は白い息になって消えていく。 静かに、己の不甲斐なさと冷たい寂しさで包まれていた。

    4 21/12/26(日)23:38:22 No.880434859

    大きな商店街の、小さなお店 ガチャっと扉を開いて、いつも甘いアロマの匂いがするアロマ店に入る 「いらっしゃい、おや………安眠の香が、今安いよ、買っていくかい?」 店員は静かに…どこか理解してたのか、そう言ってくる。 「あっ…ありがとう…、あ、あとその…」 「ん?」 「一応、プレゼント用の良い物を選びたいから、最近入荷したのも見せて欲しい」 「はいよー」 店員が指さした所にある香を手に取って… 「…プレゼント、これでいいのかな」 どこか自信はもう消えていた。誇らしくもなれない、買ったところで渡せるのかな 本当に…必要なのかなーーー

    5 21/12/26(日)23:38:38 No.880434957

    本当に…必要なのかなーーー 「彼のだったら、それでいいと思うよ、だけどそれだけじゃ足りないな」 「えっ!?」 「…暖かい飲み物も必要だね、一緒に飲めるとなお良い」 「………うん」 ギュッと、買いたいものを握りしめて… 「ありがとう…これとこれください」 どこか、不安も少しだけ和らいだ気がした

    6 21/12/26(日)23:38:59 No.880435090

    そうして、次の朝になって、今日こそはとトレーナーに話しかけたのだ。 「トレーナー………」 「どうしたの!?ドーベル!?」 しょんぼりとした耳を見てたからか、いつもより彼は心配してた。 「その…あのね…」 「うんっ」 「今日…何するの、トレーナーは」 「今日は有馬記念の観戦だよ!トレーナーとして記録もして行かないとな」 「そっか」 今日も仕事なんだ 「……ねぇ……その…さ」 「ん?」 「昨日…クリスマス…なんだよ」 そう言い捨てて、どうしようも無くなって、アタシは逃げ出した。 「あっ!ドーベル…それは……ごめん!」

    7 21/12/26(日)23:39:41 No.880435340

    逃げ出した先はきっとどこでもない この上のレースになってからは、休みの日は確かに増えたよ、トレーナーと出かける日も…ちょっと増えた だけど、でも、昨日は特別だったから… 寂しい……寂しいよ、トレーナー… どうしようも無くて、悔しくて、ただ部屋の中で泣いていた。 「はぁ……ダメだった」 どうすれば良かったのかな、なんで踏み出せないんだろう その前の3年だって、あんなに強くなれたのにーー どうして、この1歩が踏み出せないんだろう

    8 21/12/26(日)23:40:17 No.880435599

    っていうクリスマスに見事非リアの敗北者になったドーベルが好きなんで 誰か 続きを 書いて

    9 21/12/26(日)23:41:02 No.880435870

    お前が 書くんだよ

    10 21/12/26(日)23:41:52 No.880436195

    かわいそうなのは

    11 21/12/26(日)23:42:26 No.880436411

    抜ける

    12 21/12/26(日)23:42:37 No.880436491

    ちゃんと救うから待っててくれ… 書けて間に合ったら載せるから…

    13 21/12/26(日)23:49:40 No.880439367

    美しい…クリスマスに孤独なドーベルは実にいい概念

    14 21/12/26(日)23:51:06 No.880439839

    来年のクリスマスまでにはもっと踏み込めるようになっているんだろ!?

    15 21/12/26(日)23:55:36 No.880441605

    待ってるからな!

    16 21/12/26(日)23:56:36 No.880441996

    午後、何をするでもなくただぼんやりとターフを見ていた。 有馬記念が終わったあと言っても沢山のウマ娘が練習してる。寂しい、悔しい、…それでも、今日はもう一人でいたかった。 「……ドーベル!!」 「ひゃっ!?」 突然後ろから声をかけられて、その声に思わず振り向いてーー 「ごめん、…出かけよう!今すぐ!」 「えっ!……えっっ!?……ちょ、ちょっと待って!」

    17 21/12/26(日)23:57:04 No.880442231

    ~~~⏰~~~ 「…なんで、急にどうしたの?」 街中に急につれられて、2人で歩き出す。 「いや、メジロ家の色んなウマ娘に酷く怒られて……」 「…あっ」 一昨日そう言えばみんなにその連絡をしたんだ 返信がなかったり、大丈夫かと聞いてた子もいたけど… 「クリスマスに予定を入れるやつがあるかとか、ドーベルを置いて有馬記念にいくなとか、もうこっぴどく…こっぴどく怒られまして…」 「あはは…」 「だけど、ドーベルとはほら、結構日常的に出かけてたからさ…特別な日とか、そういうのがあんまり実感が無かったのかも」 「ううん、……いいよ、だけど寂しかった」 雪に包まれた街、ネオンは消えて、街灯の装飾は片付けられて、もう東京はお正月に向けて準備が始まっている。

    18 21/12/26(日)23:57:24 No.880442380

    「えっと…こうして連れ出した割にはさ…予約もなんもしてなくて…」 「じゃあ、どうしようっか…その…歩いてもいい景色なんて無いから」 「ううん、…一応、考えてるんだ」 トレーナーは途中、ウマーバックスに入ろうと提案してきた。 東京の空中庭園は雪で埋もれ、あかりは最低限であんまり綺麗じゃない だからこそ、人が少ないコーヒー店に入り… 「ドーベルは何がいい?」 暖かい物でも飲んで、ゆっくり歩こうと提案してきたのだ。

    19 21/12/26(日)23:57:57 No.880442565

    「あちちっ」 ココアを2つ、片方を渡してトレーナーは軽く飲む。 「駅前ならほら…ネオンはなくても、綺麗なライトはあると思って」 「…そうかな、…ううん、ちょっとキレイだよね」 その時…静かに脳裏によぎる言葉があった。 『彼のだったら、それでいいと思うよ、だけどそれだけじゃ足りないな…暖かい飲み物も必要だね、一緒に飲めるとなお良い』 暖かいココアに目を向けて、すっと白い息を吐く 「あのさ」 「ん?」 「プレゼント…あるの、…買う時すっごい変な目をされたんだよ…だから……その…受け取ってくれる?」 「…えっ!?」 静かに、アロマを取り出す。

    20 21/12/26(日)23:59:23 No.880443002

    「そのね、アングレカムっていう花のアロマなの、…結構値段がしたんだけど、要らなかったらいいから!…でも、良かったら受け取って」 「……もちろん受け取る!…えっとありがとう、あ、でも…アロマの使い方前教えてくれたけど分からないや…」 「それなら、一緒にトレーナー室で使おうよ」 「…うん!」 「あはは、またトレーナーと使う事になるの、ちょっと楽しみなんだ」 「じゃ。俺はもしかしたら覚えない方がいいかなぁ~?」 「それも悪くないかなってちょっと思っちゃった」

    21 21/12/26(日)23:59:45 No.880443178

    食べ物とか、美味しいものとか、ケーキとか そういうのあんまり似合わないって思ってた、…現に、今年は食べれてない。 だけど、この暖かいココアだけで、どこか満たされてる。 きっとそれは…本当に欲しい物は、そういうものじゃないんだって。 みんなが見てる、それは知ってる、だけと、今日だけはーー ぎゅっと、寄り添い、抱きついて 「…トレーナー…暖かい」 ゆっくりと、帰ろう 「うん、…俺も暖かい」 欲しかったのは、きっと、この温もりなんだ

    22 21/12/27(月)00:00:10 No.880443326

    終わりです ネオンが消えて完全にオフシーズンの冬を歩くドーベルも良いと思います

    23 21/12/27(月)00:00:45 No.880443534

    突発的に思いついたネタだから 出来に関しては許して