21/12/26(日)23:26:13 先日ポ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1640528773512.jpg 21/12/26(日)23:26:13 No.880430454
先日ポケスペ純愛健全ゾロ目スレでレブルとルサのネタが出ましたので便乗して書かせていただきました このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ レッドとブルーはホテルのディナーに だが緊張からうまくいかず…
1 21/12/26(日)23:26:46 No.880430672
ブルーとの交際を始めてしばらく経った12月。 レッドの自宅で2人はくつろいでいた。 「今年のクリスマスはどうする?」 「…え?」 クリスマス。その単語の意味を思い出すまで少し時間がかかった。 「やっぱり忘れてた」 「ごめん…」 自分にはクリスマスを祝う習慣なんてなかった。 その日は仲間たちも大抵家族との予定があり、 自分がそこに入るわけにもいかない。 そう思ってクリスマスの時期は1人で過ごすことが多くなった。 そうしてるうちに、クリスマスのことすら忘れていたのだ。
2 21/12/26(日)23:27:09 No.880430823
「ブルーは、両親とはいいのか?」 「確かにパパやママと過ごすのもいいわ。 再会してからは毎年そうしてたけど」 と、ブルーが手を伸ばしてきた。 鼻先に、彼女の人差し指が触れる。 「今年は、大好きな人と過ごしたいかな」 にこりと、笑いかけられる。 つい彼女のその仕草にどきり、としてしまう。 「お、おう…」 照れて上手く言葉が出せない。 ブルーはそれを見つつ嬉しそうに笑みを深くした。 その顔が魅力的に見えて、さらに照れが増していく。 「で、どこ行こうか?」 彼女にそう言われて、正気を取り戻す。
3 21/12/26(日)23:27:41 No.880431029
「そうだなぁ…」 改めて、レッドは彼女の質問に首を捻った。 ブルーが喜ぶようなところ。 何回かデートに行った記憶と経験から候補をいくつか頭の中で上げる。 映画もいい。 服を買いに行くのもいい。 彼女好みの店もなんとなくは分かる。 が、それではいつものデートコースだ。 自宅デート。 それもいいが普段通りすぎる。 というか今まさにそれの真っ最中だ。 せっかくのクリスマスだ。 たまには奮発してもいいのかもしれない。
4 21/12/26(日)23:28:07 No.880431169
「ちょっと調べようかな」 PCのあるデスクに向かい、電源をつける。 起動した後、クリスマスデートに行く場所を検索してみる。 ブルーが無言でこちらについてくる。 肩に手を置かれ、自分の顔の横に彼女の顔が現れる。 いい匂いがしてそれに心が奪われそうになるが、どうにか堪えて検索を続ける。 と、ブルーの視線があるところで止まったことに気づいた。 「ん?どうした?」 彼女の視線を追う。 と、そこにはホテルのディナーの記事があった。 「こういうの行きたいのか?」 「え?あ、うん」 レッドが聞くと、今度はブルーの方が戸惑いながら頷く。
5 21/12/26(日)23:28:33 No.880431331
「昔から行ってみたいって思ってたけど、今の暮らしになるまではそういうことにお金使うわけにはいかなかったし。 パパとママと暮らすようになってからも、家族と行くのはなんか違うって思うし。 だから行ったことなかったのよ」 そう言ってブルーが残念そうに笑う。 そんな顔をしてほしくない。 レッドは彼女の表情を見てそう思う。 いつもの笑みをしてほしい。 心からの笑顔が見たい。 そう思うと、レッドのやりたいことは決まった。 「じゃあ、クリスマスはここ行くか」 レッドがそういうと、ブルーは目を丸くした。
6 21/12/26(日)23:29:17 No.880431582
「…いいの?なんか催促するみたいになっちゃったけど」 「いいって。金ならファイトマネーとかで稼いで貯金してるし。 それにそれでブルーが喜んでくれるなら安いものだよ」 安心させるべく笑いかける。 すると、段々とブルーの顔が喜色に満ちていき、 「ありがと♡」 そのまま抱きつかれた。 とても柔らかいものが押しつけられ、途端に赤面してしまった。
7 21/12/26(日)23:30:20 No.880431944
「さてと…」 後日、レッドはディナーの予約を入れていた。 ネットでの評判もいいし、このホテルなら大丈夫だろうと判断した。 これならブルーも喜んでくれるはずだ。 「あ、オレテーブルマナーとかしらないや」 今更ながら、そんなことに気がついた。 とりあえずネットで軽く調べてみる。 「…なんか色々と細かいマナーがあるんだな」 つい不満を口にしてしまう。 だけど、これもブルーのためだ。 なんとか覚えようと目を通していった。
8 21/12/26(日)23:30:44 No.880432085
そしてクリスマス当日。 「お待たせ」 「いや、そんなに待ってないよ」 レッドの自宅前でブルーと待ち合わせしていた。 「結構、オシャレしてきたな」 ブルーの服装を見る。 いつもの服装ではない。 肩にかかったケープコート。 膝下まで届くスカート。 素足を見せないタイツやブーツ。 露出を抑えて、大人っぽくそれでいて可愛らしい服装となっていた。 「そういうレッドこそ、おめかししてるじゃない」 彼女に自分の服装を眺められる。
9 21/12/26(日)23:31:09 No.880432250
今の格好はスマートカジュアルというものだ。 ややラフだが、最低限このくらいならばディナーに行っても問題ないらしい。 あいにく、自分にはこういったセンスはないためブルーに選んでもらっていた。 「大丈夫かな?スーツとかの方がいいかな?」 「大丈夫よ。アタシが選んだんだし何かあったらアタシのせいよ。 もっと気を楽にしていいわ」 「…まあ、そうかな」 そう答えて歩き出そうとする。 と、裾を掴まれて歩みを止めた。 振り向くと、不満げに半目を向けるブルーがいた。
10 21/12/26(日)23:31:29 No.880432375
「かわいい彼女に、何か言うことないのー?」 「あ、ごめん。すごい似合っててかわいいよ」 彼女に急かされて、慌てて褒める。 「ありがと♡」 だが、ブルーにはそれで充分なようで嬉しそうに微笑んできた。 「じゃあ行きましょう。そろそろ行かないと遅刻しちゃう」 「おう。行くか」 自然と手を繋いで歩き出す。 慣れない服装だけど、足取りは慣れたものだった。
11 21/12/26(日)23:31:49 No.880432491
ホテルに到着し、席につき。 「…緊張するな」 レッドは落ち着きを失っていた。 落ち着いた店内。 静かな空気。 窓の外の綺麗な景色。 普段踏み入ることのない場所。 そこに自分がいるということが実感できない。 どこか浮いた存在なのではと思ってしまう。 「えっと、ナイフとフォークってどっちがどの手だっけ」 緊張で思い出せない。 前日には確認できたはずなのに。 「こうよ」 「ああ、ありがとう」 実際に手にフォークを持って掲げて見せたブルーに礼を言う。
12 21/12/26(日)23:32:16 No.880432648
彼女の真似をして左手にナイフ、右手にフォークを持つ。 「それにしてもまだかな」 一旦は皿に置いて周りを見る。 まだ料理は来ていない。 予約してたとはいえそれなりに混んでいる。 自分たち以外の客の分の料理を用意して遅れているのだろうか。 と、他の客の様子が見えた。 「あれ?あの人たち右手にナイフ持ってる」 「あ、ホントね」 ブルーも見えたようで同意する。 「…あれ?他の人もそうなってるような」 「…ひょっとして、アタシの方が間違ってたのかも」
13 21/12/26(日)23:32:41 No.880432785
そう言ってブルーがポケギアを取り出して調べだした。 「…ごめん。アタシが間違えてたわ」 「い、いや。オレだって覚えてなかったんだから同じだよ」 謝るブルーを宥める。 「一応ここに来る前にマナー調べてたんだけどさ。 緊張して忘れてて」 「アタシもよ。やっぱり実際にやると違うわ」 「ブルーもか…」 ふっ、と笑みが溢れる。 「おんなじだな。オレたち」 「うん。お似合いね」 笑い合うと、緊張が少し解れる。 ちょうどそのあたりで、料理が届き出した。
14 21/12/26(日)23:33:01 No.880432921
「普通、だったわね」 「ああ…。普通、だったな」 帰途についてる最中。 2人は料理の感想を言いあっていた。 「評判の割にはあんまりって感じだったかな。 不味いわけじゃないんだけど」 「オシャレな情景なのは確かだけどね。 そういう空気を楽しむのがメインってことかしら」 はぁ、とため息が同時に出た。 「…ごめん、ブルー」 「どうしたの?急に」 ブルーに聞き返される。 が、レッドは言葉を続ける。
15 21/12/26(日)23:33:18 No.880433016
「オレ、あんまりリードできなくてさ。 マナーもうろ覚えだったし。 あの店選んだのもオレなんだから、ブルーが変な気持ちになったならオレのせいだって」 罪悪感があった。 ブルーが夢見た場所なのに、満足してあげられなかった悔いがあった。 もっと上手くできたらという想い。 それが頭から離れなかった。 「ねえ、レッド?」 「…なんだ?」 ブルーの顔を見る。 こちらを攻める顔ではない。 大きな目で、ただこちらを真っ直ぐに見つめていた。 「これから、レッドの家に行っていい?」 「…ああ」 その真っ直ぐな目に押されて、レッドは頷いた。
16 21/12/26(日)23:33:42 No.880433134
家に着いて。 レッドはリビングで待っていた。 ブルーにここで待機しておくように言われたからだ。 彼女にどういう意図があるのか。 レッドにはわからなかった。 「メリークリスマス!」 と、ドアが開いて声がした。 少し遅れて、クラッカーの鳴る音が室内に響く。 ブルーを見る。 その姿は、先程までとは違った。 鮮やかな赤と白の衣装。 脚線美を強調する短いスカート。 ミニスカサンタの衣装に身を包んでいた。 輝くような笑顔を浮かべながら。
17 21/12/26(日)23:34:01 No.880433258
「……」 「…レッド?」 レッドは無言だった。 何も言えない。 彼女に見惚れていた。 笑顔のブルー。 それも可愛らしい格好で。 それを見た途端、頭の中が真っ白になっていた。 「レッド、ねえ。レッドってば」 「…お、おお」 頬を軽く叩かれて正気を取り戻す。 安堵したのかブルーはため息をつき、レッドの隣に座った。 「ありがとう。レッド」 「…お礼言われるようなことはしてないさ。 失敗もしてたし」
18 21/12/26(日)23:34:16 No.880433358
そう言ったが、ブルーは首を左右に振り、 「アタシのために頑張ってくれたんだから。 失敗もあったけど、それでも嬉しかった」 肩にブルーの頭が乗る。 「慣れないことでもアタシのためにそうしてくれる。 そんなあなたがありがたいって思った」 だから、とブルーにまた真っ直ぐに見つめられる。 「改めて言うね。ありがとう」 「…うん」 目を閉じて、唇を重ね合う。 薄くだが塗られていた口紅がいつもと違う感触を付与していた。
19 21/12/26(日)23:34:34 No.880433469
「今度、またディナー行こうか。 今度はもっと上手くやるからさ」 「…うん。期待してるね」 彼女の肩を抱く。 そして笑い合う。 彼女の笑顔。 心から笑う姿を見るのが好きだ。 それをこれからも見ていたい。 ずっと一緒にいてほしい。 だけど、それを直接言うのは憚られた。 それは今度上手くいってからだ。 もう少し自信をつけてから。 ブルーを見つめる。 綺麗な青い目に見つめ返される。
20 21/12/26(日)23:34:55 No.880433597
自分の気持ちをわかっているのか。 あるいはそうではないのか。 レッドにはわからない。 だけど、それでいい。 わからないなりに頑張ろう。 彼女と共にいるために。 そう思ってレッドはブルーを抱きしめた。 ブルーは拒まず、抱き返してきた。 レッド自身を受け入れるように。
21 21/12/26(日)23:35:34 No.880433854
以上です 閲覧ありがとうございました
22 21/12/26(日)23:37:20 No.880434487
お疲れ様 ブルーがしっかりしてていい… あとリアタイ出来ないとか言ってたのに見ちゃった
23 21/12/26(日)23:48:50 No.880439061
今更ですがクリスマス回です あのダイスはレッドがディナーに誘っても上手くいかないよなと解釈一致してました ブルーもなんでも上手くこなせるようでこんなふうにたまには失敗くらいするだろうとも思います ただドレスコートどうしようと悩んでしまいました 怪文書書いてると普段調べないことまで調べてるようになっていく
24 21/12/26(日)23:51:18 No.880439925
>怪文書書いてると普段調べないことまで調べてるようになっていく ポケギアの時もだけど…ん?ってなって調べちゃうのすごく分かります 下記もそんな副産物ですがクリスさんのHGSSで着せられてたオーバーオールっぽいのは現実じゃサロペットと呼ぶそうですお納め下さい
25 21/12/27(月)00:13:35 No.880447729
調べたら色んな発見ありそうだよね ポケスペ本編でも気づいてないだけで読み返したら新たな発見があるかもしれない