虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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21/12/25(土)22:53:33 「おは... のスレッド詳細

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21/12/25(土)22:53:33 No.880023362

「おはよープーイ」 「最近ついに初手でここに来るようになってきたッスね…おはようッス」 プレハブ小屋の鍵を開けて換気して掃除して暖房をつけて。ほぼ毎朝のルーチン それは昨晩クリスマスパーティーで盛り上がった後の休日でも変わらないし、むしろ掃除の要があるので少し早めに始めてたのだが… 一通り終えて外に出てみれば今まさに顔を出しに来た別チームのはずの英雄ウマ娘。あれだけ騒いでおいてこんなに元気なのは流石というかなんというか 「雪、派手に積もらなくてよかったプイね」 「ポツポツ積もってるくらいッスからね。凍結注意は出てるッスけど」 「かまくら作りたかったプイ」 「あれ本気だったんスか」 そんなに積もったら今頃自分だけで来ないで全員緊急招集だ。それどころか学園全体で聖夜の残響なんぞ簡単に消し飛ぶ大騒ぎになる

1 21/12/25(土)22:53:52 No.880023491

「でもマメプイねー。今日、授業お休みだし朝練もお休みプイよね?」 「まあそうッス。けど、昨日一応片づけたっていっても掃除しておきたかったんで。プイ先輩はどうしたんスか?確か今日は…」 「そうプイ。今日はこの後、お昼過ぎからお偉いさんとおパーティープイ」 そう言葉を紡いだ瞬間消えた目のハイライト ああ、だからいつもの服装じゃなくて勝負服に似たドレスみたいな正装してたんだと ブラウン系のダークカラーをメインにして金やダークイエローの縁取り、ブルーのマントとリボン。豪奢でも地味でも無い、それでいて気品を感じさせるあのデザインは、本当に憎たらしいほどによく似合ってる 今回のドレスもそれをイメージしているのだろう。本人の希望かは知らないが、やはり英雄の象徴的なものだから前に出すのだろうか 「出発前の少しくらい休ませろって振り切ってきたプイ。誰かいれば少しのんびりさせてもらいたかっただけプイよ」 「そのくらいなら全然いいッスよ。お疲れ様ってことで」

2 21/12/25(土)22:54:06 No.880023577

この言葉に他意も含みも無い。こればっかりは本当に同情してるし、その反動なのか昨日のはっちゃけっぷりだって納得できるものだった きっとここから長い時間拘束されて、いつもの気の抜ける語尾も封印してキリッとした顔での外交フェーズを要求されるのだろう 生徒会長サマと違って、プイ先輩はそういったことは本来底抜けに苦手な部類だ。ストレスの蓄積も酷いし、ガス抜きさせないとどんなタイミングで暴発するか分かったもんじゃない 「ちょっと中で休みますか。暖房も一応入れたッスよ」 「そうするプイ~。ガソリン補給しないとやってられないプイ」 大きなため息をつくプイ先輩をプレハブに招き入れ、自分も一つ休憩とする こんなよそ行きの服のプイ先輩を入れるのは流石に初めてだが、掃除しておいてよかった クリスマス会の翌日の朝は、こんなダラダラとした感じで始まった

3 21/12/25(土)22:54:33 No.880023743

● 「あれ?こんなのいつ作ったプイ?」 「以前カボチャ祭りになった時に姐御が色々持ち込んだんスけど、結構余りが出たんスよ。それを簡単なレシピのもので消費したッス」 先輩の目の前にはカップに入った白いスイーツ。一見すればババロアか何かにも見えるが、実はレアチーズケーキだ クリームチーズと砂糖をよく混ぜて無糖ヨーグルトと生クリーム、レモン汁を入れる。それにゼラチンを入れて細かい網で漉して型に入れて冷やす。これだけだ 姐御から貰ったやたらカワイイ文字のレシピメモとにらめっこしながら作ったが、わかってしまえば何のことは無い。初心者でもささっと作れてしまう 「あ、美味しいプイ!舌触り滑らかで、意外とチーズの風味が濃いプイ! 「少しジャム乗せてもいいらしいッスよ」

4 21/12/25(土)22:54:53 No.880023848

自分でも食べてみる。うん、大成功だ 柔らかくて滑らかなそれは舌の上でさらっと溶けて、しかしびっくりするほどにチーズが強烈。それをヨーグルトとレモンの酸味が上手く纏めてくれてる。見た目からは想像できないほどに味が濃くて、でもくどくない 本当はビスケットを砕いて無塩バターで延ばしたのを土台にしてケーキ型に入れるらしいが、手頃さを重視して今回はカップに詰めていった。この方が食べる方も食べやすいだろう 冷蔵庫の混沌をなんとか整理したかっただけだったのだが…存外、手軽におしゃれな物を作ることになってしまった 姐御には当然として、みんなにも食べさせてみよう。冷蔵庫に「一人3個まで」とメモを貼っておく。…効果の程は保証しないが 「でも、ちょっと残念だったプイ」 「え?なんか駄目でした?」 「いや、頑張ってお菓子作ってるところを見てみたかったプイ」 「絶対撮る気じゃないッスかお断りッス」

5 21/12/25(土)22:55:08 No.880023938

そういうのは姐御やエールちゃんに任せておけ クラッカーを数枚渡すと、意図に気づいたらしく耳がぴこんと立つ。そのクラッカーにレアチーズケーキを乗せて…食べて、溶けた。お気に召したらしい 「まあ、クリスマスの残響ってことで。こんなおしゃれなもんいつも作ってられないッス」 「残響っていうか今日が本来の本番プイ?」 「なんでか24日のイブがメインって風潮あるッスよね」 まあすでにキリスト教圏のそれとは大きくかけ離れてしまってるので今更ではあるだろう 聞けば国によっては2日どころか一ヶ月以上に渡って祝祭が続くようなところもあるという。その辺はもう比較しても無駄なだけだ そうだ。クリスマスといえばだ 「そういえば、この間のプレゼント。普通に大成功だったッスね」 「あー、今日つけようか悩んだけどやめておいたプイ。ああいうのは楽しくも無い場に巻いていきたくないプイ」

6 21/12/25(土)22:55:27 No.880024066

あのクリスマス会の盛り上がりの中、定番だということであらかじめ予定されていたプレゼント交換会 プイ先輩が用意した謎のくじ引きボックスで交換されたプレゼントは、一発で全員それぞれにいきわたってそれなりに盛況となった 姉貴なんかは耳穴付のニット帽が当たって普通に喜んでたし。用意したのはソングちゃんらしい。…ただ、どこぞのギャンブル狂いを思い出したのは言葉にできなかった そんな中でまさかのまさか、自分が選んだプレゼントがプイ先輩にいくとは思わなかった 「プップップーイ♪帰ってからも巻いてみたけど暖かくて最高プイ」 「…そりゃよかったッス」 ええい、これ面と向かって言われると恥ずかしくなるってわかっててやってきてる 得意げに笑って首元をすくめてるのが、喜んでもらえてよかったというのと気恥ずかしさを増してくる とりあえず鼻摘まませてもらおう。この 「プキュウ!?」

7 21/12/25(土)22:55:52 No.880024235

5秒ほど摘まんでから解放。報復は完了した 自分が選んだ赤と黒のタータンチェックのストール。寒い時期はもちろん、春先くらいまでなら使えるだろうと思って選んだのだがあそこまで喜ばれてしまうとは もちろんそれは嬉しいが、予想をはるかに超えた反応を見せられると言葉に詰まる 「うぅ、最近いっつもお鼻摘ままれてる気がするプイ」 「されることしてるからッスよ」 言いながら電子レンジにマグカップを二つ入れてスイッチオン。これ、手軽で助かるなと最近いつも思う 「ん?なんかいい匂いプイ」 「簡単にできる嬉しい飲み物ッス。出る前に体温めた方がいいでしょうし」 照れ隠しも含めて強引に話を変えていく。すぐにピーピーとアラームが鳴って温め完了

8 21/12/25(土)22:56:08 No.880024328

「レンジでチンするっていうけど、あんまりチンッてなるレンジ見ないプイね」 「昔は多かったらしいッスよ」 取り出したマグカップから漂う甘い匂い。プイ先輩の激しく動く耳が早く飲ませろというメッセージを叩きつけてくる 今飲んだら絶対火傷するでしょうに コタツまで戻ってから、軽くスプーンでかき混ぜて渡してあげる 「熱いッスよ。ちゃんとふーふーするんスよ?」 「時々本気で子供扱いされてるプイ…あっプイ!」 「ああもう、だから言ったのに…」 言いながら自分はしっかり冷ます。うん、やっぱり手軽な割に美味しい

9 21/12/25(土)22:56:27 No.880024449

「…ん、これホットチョコプイ?」 「ホットミルクチョコって感じッス」 「結構甘いかと思ったけどミルクで口当たり柔らかくなってて、それにいい匂いプイ…」 「手抜きッスけどね。ホットミルク作るときに、ガ●ボを数個入れておいただけッス」 これはエールちゃんから教わったものだ。エールちゃんも他の子に教えてもらったと言っていたが、手間がかからず暖かくて甘いドリンクを用意できるというのは結構何度も助けられてる それにチョコレート菓子なら大抵買い置きがあるので、あとは牛乳だけあればいい ………時々さらに砂糖追加してるのもまぁ許されるだろう 「なんか今日は朝から幸せな気分プイ」 「なんとか乗り切れそうッスか?」 「頑張るプーイ。んっんっ、あー…誠心誠意、頑張ってまいります。このたびは本当に」 「やめろッス。突然英雄モード入られると温度差で風邪ひくッス」 「うん、正直疲れるプイ」

10 21/12/25(土)22:57:02 No.880024652

ほんと燃費の悪い外面だ そうして少しの間、コタツでホットミルクチョコを飲みながらくだらない話をして 真面目なお仕事の前のこの先輩の休息に、こっちものんびり付き合ってしまった ● 「プキュゥゥ…おしごといやプイ」 「突然疲れたOLみたいにならないでくださいッス。気持ちはわかるし同情はするッスけど」 「これ以上予定詰め込んだら本当にボイコットしてやるプイ」 外に出て寒空の下そんな事をいう目は本気のそれだった。絶対大騒ぎになるだろうからそれは回避してもらいたい こっちも用事はもうないし、適当に片付けて帰って休むとしよう。姉貴に捕まって振り回されなければの話だが 「じゃあ、そろそろ行ってくるプイ。あのホットチョコ、今度もまた飲みたいプイ」 「あのくらいなら作ってあげますよ。んじゃ、頑張ってきてくださいッス」 「プーイ。ご馳走さまプイ、いってきまーす」

11 21/12/25(土)22:57:14 No.880024735

手を振って歩き出すプイ先輩。…あー、うん やっぱ、言わないとダメだろう 「あの、プイ先輩」 「プイ?」 こういうのは柄じゃない。けど、あそこまで正面から言われてしまえばこっちも返さないといけないはずだから 「こっちも、アレ嬉しかったッス。ちゃんと飾らせてもらうんで」 その言葉を聞いたプイ先輩の顔は、最初は鳩が豆鉄砲くらったようで 次に、ああ、とでも言うように納得して 最後に、プッキュウウ、とニヤついてきた。おのれ

12 21/12/25(土)22:57:27 No.880024818

「どういたしましてプーイ!じゃ、いってきまプーイ!」 「その挨拶は無理矢理すぎッスよ…」 一瞬で機嫌をよくして走り去る先輩。時々、先輩だということが信じられなく…いやその手合いは割と身の回りにいるけど 頭を掻いてため息一つ。踵を返してプレハブ小屋に片付けに向かう 頭に浮かぶのは、自室の机に置いてある例のアレ 「…何入れるべきッスかねぇ」 まぁ、クリスマスに貰ったものだ。最初の一枚は、クリスマス会の時の一番見栄えがいいやつでいいだろう あとで部屋に戻ってやることは決まった。携帯の中から写真を漁ってみて、プリントアウトしてくるとしよう。コンビニでできたはずだ 確かエールちゃんや姐御も随分撮ってたし聞いてみるのも…いや待て。あのエールちゃんが映ってるのを飾っていいものか 自問した後、とりあえず許可を取ってみるとしよう 鼓膜が破れそうなほどの音量で却下される未来がありありと見えるけど

13 21/12/25(土)22:58:00 No.880025041

それは互い違いに重なった、4枚入れのフォトフレーム 暗めの青に、綺麗なシルバーの蹄鉄のワンポイントのデザイン。正直、悔しい位に綺麗だと思った まず一枚は昨日の写真として、後は何を入れるべきだろうか 今までから選ぶべきか これからで選ぶべきか どちらにせよ、どうせ遠くないうちに全て埋まるはずだ 「そういう写真向きの出来事には…事欠かないッスもんねぇ、うちは」 全部埋まったら、一度プイ先輩に見せに行くのも悪くない いつもよりずっと静かなプレハブ小屋で、いつか全てが埋まったそれを空想しながら最後の照れ隠しでため息が漏れた

14 21/12/25(土)22:58:19 No.880025165

以上。ようやく酒が飲めたので舎弟した

15 21/12/25(土)22:58:53 No.880025411

今日も酒飲み助かる

16 21/12/25(土)22:58:54 No.880025421

オルプイは我々に尊さを与える。

17 21/12/25(土)22:59:24 No.880025594

オルプイいい…

18 21/12/25(土)23:00:15 No.880025928

肝臓を犠牲にした幻覚……ありがたく頂戴した……

19 21/12/25(土)23:02:28 No.880026757

プイプイのプレゼントのセンスがいいだと…

20 21/12/25(土)23:03:28 No.880027115

舎弟の部屋で公開されるスケベエールちゃん…

21 21/12/25(土)23:04:36 No.880027519

酒呑み「」弟のおかげでオルプイの波が来ている ような気がする ありがとう

22 21/12/25(土)23:04:40 No.880027551

姉貴はフェスタみたいなニット帽をドヤ顔して被るんだろうな

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