21/12/20(月)22:19:13 「ほん... のスレッド詳細
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21/12/20(月)22:19:13 No.878401970
「ほんと、ベタな事言いだしたッスね」 言いながらプレハブ小屋の室内を片付けて、人数分の寝られるスペースを確保。適当に持ってきた布団はしっかりと収まった 「いつも通りのある日の事、君は突然立ち上がり言った…でしたっけ?」 「今夜星を見に行こう、プイ♪」 ウキウキした顔でいつも以上に素直に手伝うプイ先輩は、なんというか遠足前夜の小学生そのものだ 普段はコタツが置かれていたスペースは大きく広げられ、四人分の布団が敷き詰められている。真ん中に積まれたお菓子の山は、まあ気にしない そして、その脇に積まれた巨大な横長の木箱。それに、いくつかの双眼鏡
1 21/12/20(月)22:19:35 No.878402119
「星座とかは詳しくないッスけど、ほんとにいいんスか?」 「とりあえず物は試しプイ。寒くないようにモコモコ装備も万全プイ!」 「まぁ、ドタバタにならないだろう案件ですし反対はしないッスけど」 事の始まりは、この外面大事な英雄サマが一昨日の練習終わりに言いだしたことだ。何故他所のチームのところにいたのかは今更だから割愛 さっきの名曲の歌詞そのままに近い。突然、「今夜天体観測するプイ」とか言いだしたのだ もちろん呆気に取られて、その後すったもんだあった末に出された結論は一つ。「今夜とか無理に決まってるだろ」 ただそれでもこの妖怪ププイプイの抵抗は凄まじかった。それこそ、ダダをこねる子どもそのもので そこで、姐御の提案で「外泊許可とその理由説明してオッケーならいいんじゃない?」と言いだされ。そのまま姐御が文面を考えて提出、まさかの後日開催に持ち込まれたのだ 内容としては、プレハブでの天体観測。寮の門限を大きく過ぎてしまう為に外泊という事でプレハブに全員宿泊する、というもの そして参加可能かつ希望する面子を集めた結果
2 21/12/20(月)22:19:45 No.878402184
「楽しみですねええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」 「うんうん。きっと楽しいい夜になるよ♪」 エールちゃんとカレンの姐御。この二人に、自分と言い出しっぺ。この四人での開催と相成ったのだ さらに言えば、そこに「せっかくだし、パジャマパーティーでもしてみない?」というカワイイモンスターからの提案が捻じ込まれた よって、各自パジャマを持ち寄ってのお泊り会のような要素を加えた天体観測イベントは動き出し、こうしてスタートラインに立ったのだ 「この木箱、望遠鏡ッスよね?じゃあ持っていきますけど、誰が持ってたんスかこんなもの」 「あ、それは借りたんだ☆そういうのが好きな子がいてね、旧式だけど性能はいいからって、使い方も教えてもらったよ」 そういうことか。やけに年季の入った見た目だから素人の持ち物ではないと思っていた しかし間違いなく高価な物だろうし、こちらの使用は姐御に任せた方がいいと判断。持ち運びだけはこっちでやろう
3 21/12/20(月)22:19:58 No.878402273
「じゃ、外に出るッスよ。全員、防寒対策は完璧ッスか?」 「見た目は変わらなくても中身はモコモコに着こんでるプイ」 「レッグウォーマーにネックウォーマーに手袋に、完璧でえええええええええええええええす!!!」 「大丈夫!じゃあ、観測中は小屋の電気消すね?」 そう言って外に出て、カレンの姐御が望遠鏡を組み立てている間に椅子とか色々準備を始める ただでさえ物でごった返して混沌としているプレハブだが、探せば色々出るわ出るわ。アウトドア用の椅子とかテーブルとか、いったい誰が持ち込んだものやら お菓子を入れた箱を抱えているプイ先輩は、こっちの持ってる水筒をキラキラした目で見ている。はいはいちゃんとお茶は温かいのを用意してますよ。コーヒーと紅茶の二種類 「おおー、もうこの時点で綺麗プイ」 「満点の星空でえええええす!!」 「あ、ちょっと声小さくしてるプイ」
4 21/12/20(月)22:20:22 No.878402436
予想以上に冷えるといけないということで、エールちゃんが持ってきてくれた毛布をそれぞれ受け取る。ほんと意外なほどこういう事に気が回る子だ。割と冷えるのでありがたい 準備を整え、空を仰げば満点の星空。星座に詳しいわけじゃ無いが、それでもこの光景はなるほど胸を打つ まじまじ見てみたことなど無かったが、見ればそれぞれ大きさも光り方も随分と違うのがわかる。一応用意しておいた解説本を手元のライトで見ながらなんとか探し出そうとしてみるが… 「なかなか難しいッスねこれ」 「うーん、ちょっと目がしぱしぱするかな?」 「老眼ッス?」 「 おっとー? 」 やば。 「とりあえず一番目立つものを見つけて照らし合わせましょう!!次のその周りを当てはめていくとわかりやすいです!!」
5 21/12/20(月)22:20:41 No.878402545
助かった。いつもより少し声を抑えめにしててもやはり騒がしい。ただ、言ってることはまさにその通りだ さっきもちょろっと思い浮かべた例の曲で出てきたのはデネブ、アルタイル、ベガだったか。でもあれは確か夏の物だったはず ならばもう一つの方冬の方の大三角とやらを探した方がよさそうだ 「あ、多分アレッスね。あの一番明るい奴」 「シリウスプイねー。誰かを思い出すプイ」 「ってことは、アレがベテルギウスッスか?」 「うんうん☆それで、その下が…」 一つきっかけを見つけてしまえば、ズブの素人でも意外とさっさっと見つけていける 少々目は疲れるが、一応視力は悪い方ではない。毛布をかけ、アウトドアチェアに背中を預けて空を見上げて星を数え、見つけ、名前を知る こんなこと言うと失礼だろうが、見上げただけで全面を覆い尽くすこれだけの光。これらを、ようもまぁ区別して命名しようなどと思ったものだ 本と空を見比べて指さしてはププイププイと喜んでいる英雄サマは、なんだかもうこのまま朝まで星を探してそうな勢いだ。そんなに新鮮な体験なのか
6 21/12/20(月)22:21:33 No.878402900
「あ、体冷えてきちゃうといけないから、これ飲んでみて♪」 カレンの姐御が取り出したのは、こっちで用意したお茶とは違う魔法瓶。人数分のコップまできっちりカワイイデザインで揃えている辺り、やはりさすがというか ライトで照らされた小さいアウトドアテーブルの上で注がれる中身。そこで、全員その香りに気づいて得心した 「ココアでええええええええええええええす!!!!」 「エールちゃん。声、声」 「寒い時にすっごく嬉しいやつプイ!」 「ちょっと甘めの暖かい飲み物はこういう時に最高だからね☆」
7 21/12/20(月)22:22:01 No.878403104
ほんと、敵わない みんな息は白く、暖かい飲み物を飲みながら並んで星空を見上げ、あれはなんと言う星だあれはなんて星座だなんて話して 姐御が借りてきた立派な望遠鏡を交代で覗きこんでは、初めて体験する圧倒的な光景に息を吞む。写真とか動画じゃなくてこうして視るのは初めてだ おやつとは別に持ち込まれた小さ目のサンドイッチも、これがまた素晴らしい味だった 具材の挟み方からチョイスまで見た目と質を両立させたそれはプイ先輩も目を輝かせていて、おそらく姐御かと思った。のだが まさかエールちゃんの持ち込みでしかも手作りとは思いもよらず、予想を超えた絶賛の声にキャパオーバーして真っ赤になってる姿を見たことでようやく判明したり …途中で見たUFOらしき何かは見間違えだろうから何も言わないでおく 「なんだか、凄く贅沢なものを見た気分プイ」
8 21/12/20(月)22:22:13 No.878403188
発案者は、終始ご満悦で。何を見て影響されたのか知らないが、また突拍子もない思い付きで随分周りを振り回してくれた ただまぁ、よしとしよう。確かに、これは贅沢な時間だ 騒乱狂騒大事件がお家芸みたいになりつつあるうちのチームだが、時にはこんなゆったりとした時間の使い方も許されるはずだ 様々な理由で不参加だった他の面子に自慢してやれる程度には、今自分も満足できているのだから 「名残惜しいッスけど、もうそろそろしたら片付けるッスか。問題は風呂ッスねえ」 「時間外での使用は許可取ったけど、問題は距離だよねえ」 「さっと行ってゆっくり暖まって、さっと帰ってパジャマに着替えるプイ」 「うんうん♡パジャマパーティーの時間だよ♪」 「それじゃ片付けまあああああああああああああああああす!!」 そう言って元気いっぱいに立ちあがったエールちゃんが足をもつれさせ、座っていた自分たちは根こそぎ将棋倒しに潰されることになったのは…まぁ、オチとしてはカワイイものだろう
9 21/12/20(月)22:23:37 No.878403753
「また、いつかみんなでもう一度やるプイ♪」 そんな笑顔一つ。好奇心旺盛なわがまま英雄さんの言葉には、はいはいとだけ返しつつマスクの下でクスリと笑って
10 21/12/20(月)22:23:50 No.878403848
● 本当のオチは、別にあったとは 「…違うんです」 暖房をしっかり効かせたプレハブの室内。そこに敷かれた布団に集まって座ったまま、全員が言葉を失っていた 白が基調で襟元に赤の刺し色の入ったカワイイ全開のふわふわモコモコパジャマを着た姐御は、口元を覆って顔を赤くして黙ってしまった なんかよくわからない得体のしれないキャラクターの着ぐるみパジャマという予想外の展開を見せたプイ先輩も顔真っ赤で口が閉じない ワインレッドのシンプルなパジャマの自分はともかく、本来子の面子ならそこでポカン状態のプイ先輩のパジャマこそが全員からのツッコミどころになるはずだった 実際、さっきまではそうなっていたのだ
11 21/12/20(月)22:24:09 No.878403964
「その…実は、出る直前に準備忘れてたの思い出して…焦ってて。確認もしないで、適当にバッグに入れちゃって…」 小声で必死の弁解を続けるエールちゃんは、笑顔の形こそ保っているもののすでに涙目でパニック状態。顔はこの場の誰よりも真っ赤に染まり切ってしまっている そう、今回のこの空気の原因はエールちゃんのパジャマ…というか、寝間着 「決して、その。普段からこういうのばっかり着てるわけじゃ…その、自分の物なのは間違いないですけど…」 そろそろ涙がこぼれそうなエールちゃんは、謎の色気に包まれていた 誰が予想できるというのか。あのハイテンション名古屋ガールのメイケイエールの私物の寝間着というのが
12 21/12/20(月)22:24:19 No.878404048
「…スケベじゃないんです」 黒をベースに赤のアクセントが入った、多用されたレースの向こうがあちこち透けてるネグリジェだなんて 「…スケベじゃ、ないんです」 表情だけは笑顔のまま、ぽろぽろと真っ赤な頬に零れる羞恥の涙 本当ならここで落ち着かせるための言葉をかけてあげるべきなのだろうけど、あまりのアダルトインパクトにその言葉すら出なかった 結局、エールちゃんをなんとか落ち着かせた後も姐御主催のパジャマパーティーはどこかソワソワした空気が漂い続けて 翌朝、あまりの衝撃の影響でなかなか寝付けなかった自分たちは揃いも揃って寝不足を獲得してしまい、姉貴に呆れられる羽目になったのだった エールちゃんは一日休んだ。
13 21/12/20(月)22:24:40 No.878404193
以上。酒を飲んだので舎弟したくなった
14 21/12/20(月)22:24:44 No.878404218
スケベエールちゃんいい…
15 21/12/20(月)22:25:09 No.878404411
毎日酒飲んで舎弟してるな…ありがたい…
16 21/12/20(月)22:26:24 No.878404925
ありがたい…けど肝臓には気をつけてネ…
17 21/12/20(月)22:26:30 No.878404977
穏やかな時間にスケベの衝撃
18 21/12/20(月)22:27:06 No.878405184
プイプイに襲いかかるスケベインパクト…
19 21/12/20(月)22:29:31 No.878406154
プイプイは絶対変なパジャマ持ってるという謎の信頼
20 21/12/20(月)22:29:41 No.878406233
エールちゃんは名古屋の女 名古屋の女は派手好き
21 21/12/20(月)22:29:53 No.878406305
たぶんエールちゃんのネグリジェはソダシちゃんの影響
22 21/12/20(月)22:29:59 No.878406351
プイは怪獣オグリパジャマとか着てそうだ
23 21/12/20(月)22:30:23 No.878406571
エールちゃんはエッチだなぁ
24 21/12/20(月)22:30:38 No.878406694
ネグリジェエールちゃん提案したものだけどありがたい… 天体観測もついて素晴らしい…