21/12/12(日)15:36:56 目下を... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1639291016455.png 21/12/12(日)15:36:56 No.875616288
目下を白い雲が流れていく。 切れ間から覗くのはまっさらな海原で、そこに面白みはあんまりない。 「Beef,or Chickin?」 「あっ、はーい。Beef, please♪」 「oh……what a cute……!?」 「No,No. ……"Kawaii"♪」 「「「yeah!"Kawaii"!!!」」」
1 21/12/12(日)15:37:18 No.875616399
「ふぅ……」 可もなく不可もない昼食を平らげ、一息付く。 ……こんな昼食だって、たちまちご馳走にしてしまうスパイスがここには無い。 そんなことをふと考えてしまう。 「お姉ちゃん離れ……頑張らなきゃ」 無いものを理由にパフォーマンスを落とすのはカワイくない。 いつの間にかできた行列を捌きながら、決意を新たにしていた。 一方その頃、日本では…… 「一番じゃなきゃダメなのよ!」
2 21/12/12(日)15:37:34 No.875616480
~~~~~~~~~~ 春のファン感謝祭 ウマ娘達が、普段応援してくれているファンに向けてその感謝を示す……という建前の下行われる、文化祭のようなものである。 当然学園の敷地には老若男女問わずが殺到し、迷子になる小さな子も少なくない。 現にここにも一人、 「スカーレットー!どこー!?」 付き添いと離れた小さな子が、懸命に声を人ごみに吸わせ続けていた。 「良かった……見つかって……本当に……」 「全く……なんでトレーナーなのに学園で迷子になるの、アンタは」 「迷子じゃないよ!はぐれただけでしょ!」 「はいはい。ちゃんと手、繋いどかないとねー?」 「もーっ!」
3 21/12/12(日)15:37:59 No.875616603
休憩スペースで言い争う二人組。 片方はウマ娘。たなびくツインテールに、強気さを感じさせる釣り目が人目を引く。 少し目線を落とせば、学生らしからぬ肉感さを白いオフショルダーが際立てる。 丁寧な物腰も相まり、一見すると学生に見えないウマ娘四天王の一角とも言われる。 そしてもう片方はその妹…… 「お嬢さん、占いしていきませんか?」 「ん!」 「あっ、トレーナーさんでしたか」 「お嬢さんはやめてね~……はぁ……」 では無く、学園所属のトレーナー。 その童顔といい、背丈といい、こちらも一見してとても成人に見えないと評判である。
4 21/12/12(日)15:38:15 No.875616692
「クレープおいしいねぇ~」 「ちょっとがっつきすぎ。ほら、クリーム付いてるわよ」 「んんん~……一人で拭けるのに」 「いいじゃない。たまには世話焼かせなさい」 クリームの付いた紙ナプキンを近くのゴミ箱に放り込み、また手を繋いで歩き出す。 クラスのシフトまでの時間はまだあるが、足取りはどこへともなく、といった様子ではない。 「ねぇ、次どこ行くの?」 「……忘れたの?」 「………………あっ!」 「はぁ……」
5 21/12/12(日)15:38:25 No.875616741
~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 『────番、ダイワスカーレット!昨年度はティアラ路線を大いに盛り上げました!今年度も我々を魅せてくれることでしょう!!』 「ミストレでだって、一番になってやるんだから!」 ミストレセンコンテスト。 近年絶滅傾向にあるミスコンの一種ではあるが、ここの盛り上がり様は日本一とも言えるかもしれない。 何しろ美少女ぞろいのトレセン学園、その中でも我こそはという強者が集うのだ。 見た目はもちろん、心を打つスピーチやパフォーマンスの数々に推し変を余儀なくされるファンも多いとされたりされなかったりする。 「スカーレットー!可愛いよー!」 その付き添いとして、ステージ脇から飛んでくるトレーナーの声援にも十八番の「ふふん!」で答える。 並び立つライバルも逸材ぞろいだが、彼女ならそれすらも押しのけて────
6 21/12/12(日)15:38:45 No.875616844
『と、ここでなんと!飛び入り参加者の発表をさせていただきます!』 どよめきが起こる。 関係者の殆ども事前に聞いていないのか、舞台裏でも小さな混乱が生じた。 (なにそれ聞いてないよ!?そもそもそんなのルール違……) と忙しない関係者を前に、まごまごするしかないトレーナー。 『では、紹介しましょう!』 その横を、 「……久しぶりっ」 「────────え」 閃光のように、乙女が一人駆けていく。
7 21/12/12(日)15:38:59 No.875616900
『前年のスプリンターの頂点にして、今や世界を股に駆ける有名ウマスタグラマー!我らが”カワイイ””カレンチャンです!』 「みんなーっ!会いたかったよー!」 「…………」 壇上に駆けあがり、そのまま他の参加者など目もくれず最前線でファンサービスを振りまく少女。 先ほどの盛り上がりすら塗りつぶす勢いの群衆を前に、心の折れた参加者が舞台を降りる。 そして、 「────────♪」 こちらにウインクを飛ばす、”宇宙一カワイイ”彼女は…… 「あっ、え────────────っ!?」 元担当にして、現在海外留学中の、カレンチャンだった。
8 21/12/12(日)15:39:23 No.875617019
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9 21/12/12(日)15:39:42 No.875617099
学園を二分し、ファンウマ娘を問わない大合戦と化したミスコンが終わった。 屍山血河と化して静まりかえる後者の片隅で、改めて再開を歓びあう。 「なんで連絡くれないのー!?」 「さぷらーいず♪ビックリした?」 「心臓飛ぶかと思ったよ!」 「……かわいい♪」 「頭を撫でるなーっ」 急な再会に展開される二人きりの空間。 そこに、呆れながらも割り込む姿があった。
10 21/12/12(日)15:39:55 No.875617161
「……随分仲が良いのね」 「あっ、ごめんスカーレット。紹介するね、こちら……」 「知ってるわよ。同級生だもの」 「そうだっけ?」 「そうだよー♪」 じっと、トレーナーの肩を持つ姿を見つめるスカーレット。 そして、それに対して全く笑みを絶やさないカレンチャン。 その二人の様子を心配そうにきょろきょろするトレーナー。 (慣れ慣れしいわね……それに、お姉ちゃん……?) (お姉ちゃんの新しい担当……ふーん……) (なんか雰囲気怖い……)
11 21/12/12(日)15:40:13 No.875617242
『ピンポンパンポーン!ダイワスカーレットのトレーナーさん!今すぐ本部にバクシン下さい!』 ヴン、と勢いのいい放送が沈黙を断ち切った。 「あっ、あー、なんか呼ばれたから行ってくるね!」 これ幸いと加速度を上げ、ぱたぱた走っていくトレーナーを見送った後、二人はベンチに並んで腰かけた。
12 21/12/12(日)15:40:25 No.875617326
「……ねぇ」 「何よ」 「お姉ちゃんの様子はどう。ちゃんとご飯食べてる?」 「……小さいけど、あれでもちゃんと大人なんだからそんな心配必要ないでしょ」 「……だよね」 「ていうかお姉ちゃんって、アンタたち姉妹だったわけ?」 「ううん、血は繋がってないよ」 「ふーん……」
13 21/12/12(日)15:40:46 No.875617485
夕焼けが長く影を引き、横顔を赤く染める。 たどたどしい沈黙の後、口を開いたのはスカーレットだった。 「……アンタたちって、どんな関係なの」 「知りたい?」 「そりゃそうよ。お姉ちゃん呼びとか、あの距離の近さとか……」 細い指を組み替えながら、ゆっくりと口を開く。 「……お姉ちゃんはね、カレンの宝物なの」 一番最初に夢を肯定してくれた存在。 一番最初にカワイイを魅せてくれた存在。 ……一番最初にカレンを見つけてくれた存在。
14 21/12/12(日)15:41:00 No.875617567
「……だから、宝物」 「……」 「ね、スカーレットさん。スカーレットさんにとって……」 「……呼び捨てでもいいわよ」 「……スカーレットにとって、お姉ちゃんって何?」 「アタシは……」 『一番にこだわる、そんなあなたを支えたいの!』 『バカじゃないの!一番なんて、なれなかったら何も意味ないのに……!』 『でもなりたいからずっと努力してきたんでしょ!?』 『……そ、れは』
15 21/12/12(日)15:41:16 No.875617645
『一緒になろうよ!あなたの目指す一番に!』 ……面倒なアタシに、あの小さな体で頑張ってついてくる。 何もかも小っちゃいからアタシが手伝うこともしょっちゅうある。 でも、いやだからこそ 「いつも必死に頑張ってる、アタシの一番のトレーナー……かしら」 一緒に頑張ろうと思えるのかもしれない。
16 21/12/12(日)15:41:42 No.875617780
「ふ────────ん」 「……な、何よ」 口を尖らせ、不満をあらわにする。 目元は細められ、普段のカワイイを意識した笑顔とはかけ離れていた。 が、すぐに元に戻って 「ううん、なんでもない。さっすが私のお姉ちゃん♪」 「アンタそんな顔もできるじゃない」 「……だってこんなカワイくない顔、見せられないでしょ?」 「そう?……それだって十分”カワイイ”わよ?」 「もーっ!」
17 21/12/12(日)15:41:54 No.875617836
ちょっと意地悪く笑う影に、いつも通りカワイく抗議する影。 それらを長く照らす夕陽を小さな影が遮る。 「お待たせー仲良くしてた?」 「そんな子供じゃないんだから」 「もちろん、仲良しだよねー♪」 とこれ見よがしに手を取って仲良しアピール。 思わぬ行動に驚き、それでも引きつった顔で調子を合わせる。 「……そうね」
18 21/12/12(日)15:42:13 No.875617996
「お姉ちゃんの一番は渡さないから」 すっ、と冷たい声が差し込まれる。 その独占欲の強さに辟易しながらも、強気な彼女は一歩も引かない。 「姉離れだって必要なんじゃない?」 今の担当は自分だ。 それを差し置いて一番の横取りとはいい度胸じゃないか。 「良かったぁ。二人とも気が強いからケンカしてるんじゃないかって……」 「そんなことないよね♪」 「ええ」 そんな水面下に散る火花など知る由も無く、彼女の笑顔は夕陽に輝くのだった。 (やっぱりカワイイ……) (いい顔じゃない) 「?」
19 <a href="mailto:おしまい">21/12/12(日)15:42:43</a> [おしまい] No.875618202
ダスカレに挟まれる合法ロリトレーナーを書きたかった残骸になります 長すぎ
20 21/12/12(日)15:44:08 No.875618717
力作だ…
21 21/12/12(日)15:50:29 No.875620941
いい…
22 21/12/12(日)15:55:45 No.875622802
fu608845.txt このお姉ちゃんとカレンの馴れ初め ダスカが当て馬みたいになったのは反省
23 21/12/12(日)16:05:33 No.875625899
合法ロリトレーナー怪文書ありがたい…
24 21/12/12(日)16:05:38 No.875625931
合法ロリトレーナー良いよね……
25 21/12/12(日)16:13:56 No.875628725
男性トレーナーに比べて女性トレーナーは妙に容姿に関する設定付け足されるにはなんでだろ
26 21/12/12(日)16:25:22 No.875632367
>男性トレーナーに比べて女性トレーナーは妙に容姿に関する設定付け足されるにはなんでだろ 男性半分アバターで女性はキャラだから
27 21/12/12(日)16:27:12 No.875632948
ようはオリキャラの話がやりたいときに起用される感じか