虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 21/12/05(日)04:18:04 No.873230916

それから幾つもの日にちが過ぎ去りました。 外の天気が目まぐるしく変わっていきます。 春の陽光が段々と強くなっていって、木々は緑色の葉っぱを広げていきました。 空に浮かぶ太陽が日々を強く照らし、世界をより強く照らします。 私が不意にプールに行きたいね、と言うときりたんは遠慮がちな笑みを浮かべて私は遠慮しますと言っていました。 彼女は余りそういう場所が好きではないのでしょうか。 結局その夏も、私ときりたんは対して外に出ることもなく過ごします。 そうしている間にも日々はぐるぐると回っていて、気がつけばきらきらと輝いていた緑色の幅は乾いて地面に横たわり始めました。 外が段々と冷えてきて、私は彼女に外の紅葉でも見ませんかと言いました。 きりたんは少し、乗り気では無いようです。 何故だろう？ 私は夜のお作法を終えたときにそう言って尋ねました。 彼女は何も言わずに、私を見つめた後静かに苦笑いをこぼします。 言いたくないのでしょうか、でも私はそんな彼女のことも知りたくなりました。 もっと、もっと彼女のことを知るにはどうすればいいのでしょうか？

2 21/12/05(日)04:18:20 No.873230931

彼女の唇に舌を差し込んでも、彼女は小さく喘ぐだけで私に何も伝えてはくれません。 でも、きりたんが格好いいだけじゃないことは、最近分かりつつあります。 背後から抱きしめると、彼女は少しだけ小さく呻きます。 どうしてそんな声を出すのかな、そう思って彼女の耳に尋ねました。 彼女は恥ずかしそうに何も言わずに、ただ耳を赤らめます。 そのいじらしさに気がついたのは秋をすぎる頃でした。 段々と冷えていく夜更け頃に寝ぼけている彼女が、布団からはみ出ていたのでそっと抱き寄せると、彼女が小さく呻きました。 苦しかったのかな、と思いましたが彼女の体が妙に火照っていて、様子が異なります。 風邪を引いたのか心配していると、彼女が小さな声を漏らしました。 「今日は……もう止めて……」

3 21/12/05(日)04:18:39 No.873230947

そう、彼女は私に抱きしめられて、キスをされている夢を見ていたのです。 私はそんな彼女が妙に甘い匂いを放っていて、耐えきれずに彼女の口を貪ってしまいました。 寝ぼけていた彼女はされるがまま、私に口の隙間から粘着質な音を響かせます。 結局、私が満足するまで彼女は寝ぼけたまま、小さく喘ぎ声を上げ続けていました。 そうしている間に秋もあっという間に過ぎ去っていきます。 それから冬が来ました。 雪が積もっていくときに、何もすることがない私ときりたんはただ布団の中で抱きしめ合います。 いつも彼女は少しだけ乗り気ではないような事を言いますが、押し倒してしまうと私のことを受け入れてくれました。 彼女の目はいつも少し、卑屈げに私からそらされていて、頭を掴んでこちらを向かせると少しだけ何かを諦めたように笑います。 ……ああ、この人はこういう人何だな、と思いながらその日も彼女の口を奪いました。 自分に自信が無いから、積極的にこちらに手を伸ばせないのでしょう。

4 21/12/05(日)04:18:56 No.873230967

そう思うと、何だか愛おしく感じました。 とてもとてもいじらしくって、可愛い私の恋人。 ……この人のこの側面をわかっているのは私だけ、他の人には少しだって分けてあげない。 そんな事を考えながら、今日も彼女をぎゅっと抱きしめながら、布団の中にくぐもった声を鳴らしました。 そうして、布団にこもっていると気がつけば冬が明けていました。 春になって雪が溶けていく中、きりたんは時折物憂げに外を眺めていました。 その様子が、以前よりやわらいでいるように見えるのは、私の気のせいでしょうか。 そしてきりたんが幼稚園を卒業して、小学校への入学式を行う用になった時のこと。 「……気がつけばあっという間だったな……」 私はそんな事を言いながら、小学校のホームルームを聞き終えてノート端末の電源を落とします。 きりたんとキスをするようになってから、私は気がつけば彼女に離れている時間が減りました。 彼女と一緒に居ないと何だかそわそわします。

5 21/12/05(日)04:19:06 No.873230973

特に何かが心配というわけではないのですが、ただただ彼女が気になるのです。 気になる……というのは変な表現かもしれません。 ただ、気がつけば目で追っていて、彼女の体を抱き締めたくなるのです。 彼女は時折微妙な顔をして私を見ていますが、その行為を嫌がっているわけではないことを知っています。 ですから、彼女がどの様な事を言っても、ついそういった事をしてしまいました。 「……きりたんはどうかな」 そうつぶやいてから、勉強机から立ち上がって彼女の部屋に向かいます。 部屋の戸を開いて、彼女の部屋のドアを開くときりたんが私に気がついて、こちらを見上げました。 彼女はスピーカーで、校長先生の長くてつまらない話を聞いています。 ……恐らく大切な話をしているんだろうな、とはいつも思うのですがどうしてだか何時もこの時の彼らの声は響かないもの。 私はそんな事をぼんやりと考えながら、口を開きました。

6 21/12/05(日)04:19:18 No.873230984

「……あ、入学式だ」 「ええ、そうですよ」 「私の方はホームルームだけだったから、もう終わっちゃった」 私はそう言ってから、彼女の隣に座ります。 きりたんも何処か退屈そうに、校長先生の話に耳を傾けていたようで、時折欠伸をしていました。 相手から顔が見えないから、マイクをミュートにすればバレないとはいえ、校長先生はどんな気持ちでこの長話をしているのでしょう。 「……ふぁぁ……先生の話、中々終わらないね」 そう言って、私はきりたんに釣られて欠伸をしました。 彼女はそんな私を見て小さく笑います。

7 21/12/05(日)04:19:28 No.873231002

「……ゆかりの時はもう少し早かったんですか」 「うーん……ここまで話の長い人じゃなかったと思う」 「へぇ……これも学校の特色みたいなものですかね」 「……うん、そうかも」 そう言って、ふと自分の時の入学式を思い出します。 確かあのときは、お父さんとお母さんも一緒に見てたんだっけ。 大画面液晶の前でソファーに座って、途中でお母さんが飽きて昼食を作り出した頃にお話が終わってホームルームが始まりました。 それでも20分は話していたと思いますから、大分お喋りをしていたんだと思います。 ……それにしても、この学校の校長先生のお話は長い気がします。 そのせいか段々飽きてきて、少し眠気が這い出てきました。 私がうつらうつらと眠気で船を漕いでいると、きりたんが私に口を開きました。

8 21/12/05(日)04:19:40 No.873231008

「……寝るなら、お布団で寝たほうが良いですよ」 「……ううん……もう少し、起きてる……」 そう言って目を擦りますが、また飽きてきて眠気が襲ってきます。 そんな事を暫く続けていると、隣の少女が小さく苦笑いをしました。 「……お茶でも入れましょうか」 彼女はそう言って私を見て居ることに気がついて、私は思わず恥ずかしくって顔が赤くなるのを感じます。 「え、えへへ……」 「眠いなら、寝てても構わないのに」 「……ううん、きりたんの入学式、見ておきたいなって思ったから」

9 21/12/05(日)04:19:53 No.873231023

そう言って、私は彼女に言葉を返しました。 ですが彼女は少しだけ、不思議そうに私を眺めます。 「別に……対して面白くも無いでしょう」 「……でも、きりたんと一緒に見てたいから」 そう言うと、彼女はさっと立ち上がると台所へと向かって歩いて言ってしまいます。 私はそんな彼女の跡を追いかけて、立ち上がりました。 居間は暖房を切っていた影響で、少しだけ冷えています。 ですがきりたんは特に気にする様子もなく、歩いて台所の前に進んでいきました。

10 21/12/05(日)04:20:03 No.873231038

「……せっかくだから、クッキーでも食べますか」 「うん、そうだね」 「……昔みたいに、立ちながら先生の話を聞いてたら、出来なかったんでしょうね」 彼女がそう言うと、私は彼女の言葉に首を傾げます。 一体何の話だろう、そう思っているときりたんがこちらを見て何かに気がついたような顔をしました。 「ああいえ……少し昔であれば校長先生の話は、皆学校に集まって立って見ていましたから」 「……へぇ、そうなんだ……何だか大変そう」 そう言って素直に感想を言うと、彼女は私を見ながら苦笑いをしました。

11 21/12/05(日)04:23:55 No.873231289

つづき：fu587232.txt まとめ：fu587233.txt 次回から起承転結の転 ゆかりがじとっとした性欲で、性欲を昂ぶらせられたきりたんを食い始める所、はっじまっるよ～ 今日はここまで

12 21/12/05(日)05:10:49 No.873233816

最近見つけて読んでるんだがこの村が百合と性行為に積極的すぎて駄目だった 性知識もない状態で行為だけ真似して体が勝手に反応するの良いよね…

13 21/12/05(日)06:30:01 No.873237364

嫌なのかな嫌いなのかな とか思ってたゆかりちゃんの姿綺麗さっぱりなくなってる…これもう手篭めとか囲いとかそんな言葉しか思い浮かばない

14 21/12/05(日)08:42:04 No.873250591

きりたんのセーフラインがどんどんグズグズに溶かされてていいですね