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21/11/28(日)23:19:51 先日ポ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1638109191394.jpg 21/11/28(日)23:19:51 No.871338242

先日ポケスペダイススレ感想スレでレブルの話になりましたので便乗して書かせていただきました このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ >レッドさん親なしルートのレブルちょっと浮かんだから供養させて >「ブルーが両親とまた会えてよかったよ、オレのは物心つく前に死んじゃっててそうはいかないからさ!」とか言われたら「二人みたいなことがしたかったの!」って妬いてた相手が自分よりキツイ状況で自分の為に奮闘してたと知ったブルーしっとり目を通り越して感極まって泣く気がする >あとそこでますます意気投合するけど肌を重ねる段階で二人揃って「自分は親できるのか…?」みたいな苦悩しそう

1 21/11/28(日)23:20:44 No.871338528

昔は、あの人が羨ましかった。 そして、妬ましかった。 日の当たる場所を歩き続け、栄誉を勝ち取っていくあの人。 日陰の世界にいなければいけなかった自分とはまるで違う。 なぜ、違うのか。 同じ故郷の同じ歳の子供なのに。 彼に対してはそんな憧れと嫉妬の入り混じった想いがあった。 今は、お互いの弱い面を受け入れあった対等な仲間にはなれたつもりだ。 自分も知らなかった彼の弱い面。 もしかして、自分の知らない面が彼にまだあるとしたら。 その時、自分はどうするのだろうか。

2 21/11/28(日)23:21:01 No.871338613

「暇ねぇ…」 マサラタウンの道を歩きつつ、ブルーは呟いた。 マサラに引越し、両親と過ごすようになってから数年。 ここでの生活は平和そのものだ。 暖かい家庭。 のどかな人々。 だが、刺激にも飢えてきていた。 こういう時は、友人であるレッドを頼ろう。 同じマサラに住む同い年の図鑑所有者同士。 お互いに頼みを聞いたり遊ぶこともあった。 今日も彼の力を借りるとしよう。 そう思ってブルーは行き先をレッドの家へと定めた。

3 21/11/28(日)23:21:18 No.871338714

レッドの家に着き、チャイムを鳴らす。 が、反応がない。 「あれ?」 何回押しても同じだった。 今は午前中だ。 もしかしてまだ寝ているのだろうか。 「ちょっとごめんね」 レッド本人には聞こえないだろうが、小さく謝罪をする。 そしてメタちゃんを出して鍵に変化してもらい、玄関の施錠を解除する。 もし寝ているのなら起こしてあげよう。 彼なら家に上がられても許してくれるだろう。 そう思いつつ、寝室に向かう。

4 21/11/28(日)23:21:40 No.871338845

が、レッドの姿はなかった。 「…いない」 物音も気配もない。 単純に、留守にしているのだろう。 「…悪いことしたわね」 単に他人の家に留守中に勝手に上がっているだけになってしまった。 いや、いてもよくはないことだ。 さすがに反省し、この家を出た。

5 21/11/28(日)23:22:05 No.871338997

「…というわけで、ごめんね?」 「そんなことしてたのか…」 後日、レッドを呼び出しての外食。 そこでブルーはあの日のことを謝罪した。 「お詫びに、今日は奢るわ」 「いいのか?ここちょっと高いけど」 レッドがメニューを広げて値段を指し示す。 ファミレスやファーストフード店ではお目にかかれない値段がそこには記されていた。 「いいのよ。アタシも発明でそこそこ稼いでるし。 あ、あの時なにも盗んでないから安心して」 「いやそこは信用してるさ」 そう言いながらレッドが笑う。 ありがと、と信じてくれたことに感謝を込めて呟いた。

6 21/11/28(日)23:22:21 No.871339107

「いやー、食った食った」 「最初は遠慮してたけど、結構食べたわね」 店を出て、腹をさするレッドにブルーは苦笑した。 「ちょうどトレーニング帰りで腹減っててさ。 食い始めたら止まらなくなって」 「…トレーニング帰りにしてはいい匂いね」 顔を近づけ、匂いを嗅ぐ。 彼の髪から、心地よいシャンプーの香りがしていた。 「そ、そりゃ、汗の匂いしたまま会いにいくのはなんだしさ。 一回家に帰ってシャワー浴びてきたから」 「ふぅん…。レッドって案外気遣いできるわね」

7 21/11/28(日)23:22:42 No.871339221

顔が近くなったからか、赤面しながら答えるレッドに感心する。 意外と、彼は心配りができる方だ。 自分も、それで世話になっている。 だからこそ、親しみを覚えるところはある。 「で、あの時出かけてたのって、何か用事があったの?」 ただの興味本位。 それだけの動機で聞いてみた。 が、レッドは今までの楽しげな雰囲気から表情を変え、 「ああ、えっと…」 「言いにくいなら言わなくていいわ」 明らかに返答の言葉を迷う様子。 それを見てブルーは質問を撤回した。

8 21/11/28(日)23:22:59 No.871339321

そもそも今回のことは勝手に家に入った自分が悪い。 彼なりの事情があるなら、それに無理に踏み込むことはしてはいけない。 「悪い。ちょっと言いにくいことがあって」 珍しく、眉を下げた笑みを浮かべながらレッドが言う。 「ううん。こっちこそ変なこと聞いてごめんなさい」 彼を安心させようとブルーは笑って返した。 それからは、他愛ない話をしながら帰途に着いた。

9 21/11/28(日)23:23:14 No.871339411

それ以来、その件は話に出すことは無かった。 レッドから言い出さない限りはつっつくべきではない。 彼自身も言おうとしなかった。 そのため、その時のことは記憶からも消えていった。

10 21/11/28(日)23:23:27 No.871339464

そうして、月日はながれ。 レッドとの関係も変化していった。 仲間から、恋人へと。

11 21/11/28(日)23:23:44 No.871339565

そんなある日。 「レッドの家族って、どうしてるの?」 ブルーが質問すると、レッドが少し表情を固くした。 「どうしてだ?」 「レッドとは付き合い長いけど、会ったことないからどうしてかなって」 レッドと知り合ってから10年以上。 楽しい時も辛い時もそれなりに一緒にいたはずだ。 だけど、彼の家族を見たことは無かった。 彼自身からもそのような話もされたことはない。 ここまで来ると、よほどの事情があるのだろう。

12 21/11/28(日)23:24:02 No.871339663

「…そっか」 レッドが、笑みを浮かべた。 だけど、そこには喜びはない。 後ろめたさと苦しみ。 それを誤魔化すように安心させようとして作った笑顔。 そんな風にブルーには思えた。 何故、そんな風に笑うのか。 そう考えたブルーはある一つの結論に至った。

13 21/11/28(日)23:24:30 No.871339834

「父さん、母さん。この人がブルー。 オレの恋人だよ」 「…初めまして」 レッドに連れてこられた場所。 そこは、墓地だった。 墓石の一つの前に、レッドとブルーはいた。 「…その、ご両親は」 「小さい頃に事故でさ。旅に出る数年前に。 それからは遺産もあったし1人で生きてて。 もうその頃の記憶もあんまりないけど」 寂しそうにレッドが笑う。

14 21/11/28(日)23:24:45 No.871339923

「だからさ。ブルーが両親と引き離されたって知って、辛い気持ちがわかってさ。 せっかく再会できそうだったのにロケット団に引き離された時はすごい腹が立って。 それでも最後は無事に会えてよかったって思った。 オレみたいに二度と会えなくならなくて」 知らなかった。 レッドがそう思っていたなんて。 知らなかった。 レッドにそんな過去があったなんて。 知らなかったとはいえ、そんな彼になんてことを。 「ブルー?」 「え…」 彼に呼ばれる。 何故か、彼の姿が歪んで見えた。

15 21/11/28(日)23:25:03 No.871340027

「あれ…」 そこで気づいた。 自分が泣いていると。 目元から涙が溢れる。 手で覆って隠しても、流れ落ちて止まらない。 「ごめんなさい…!アタシ、知らなかった…」 「オレが言ってなかったから。ブルーは悪くないよ」 そう言いながらレッドが頭を撫でてくれる。 でも、罪の意識は涙と共に止まらない。

16 21/11/28(日)23:25:18 No.871340103

「アタシ、子供の頃はレッドは何の苦労もしていないのにって思ってて…! レッドが、そんな辛い思いしてたなんて知りもしないで…!」 「オレも、昔はブルーが辛い経験してたなんて知らなかったから。 おあいこだよ」 彼に抱きしめられる。 力強く男らしい身体。 それに身を預けると、心が安らぐ。

17 21/11/28(日)23:25:53 No.871340286

彼も同じだ。 自分のように、家族を失った辛さを知っている。 でも、彼とは違う。 自分は、幸せな家庭を取り戻してしまったのだから。 彼のように、弟のように。 二度と家族と会えない人に何か言う資格はない。 「ブルー、今言うのも何だけどさ」 「…うん」 「結婚しよう。オレの、家族になってくれ」 「…うん」

18 21/11/28(日)23:26:07 No.871340366

断れるわけが無かった。 彼に、家族を与えたい。 彼の、家族になりたい。 そんな思いが、ブルーの中に込み上げていた。 罪の意識はある。 でも、そんなことよりこの人が愛おしい。 ずっと、彼と共に生きていたい。 そう思って、ブルーはレッドの肩に顔を埋めた。

19 21/11/28(日)23:26:30 No.871340491

帰り道。 2人は手を繋いで、並んで歩いた。 「これから、ブルーと家族か」 「そうね。それでそのうち子供も産んで」 「それはまだ先かな…」 笑い合いつつ、自分の腹を撫でる。 「でも、いつかは産みたいな」 「多分、女の子ならブルーそっくりな美人になるよ」 「男の子なら、レッドみたいなヤンチャになるわね」 言い合いながら、歩き続ける。 「でも、オレが親になれるかな」 また、レッドが不安げな顔になる。

20 21/11/28(日)23:26:51 No.871340629

「親の記憶もろくに無いオレがさ。 親になれるか不安で」 「だからこそ、なれる…と思う」 ブルーがそう言うと、レッドは目を少し大きく開けた。 「そうして、失った辛さがわかるなら。 今ある子供に優しくなれると思う。 アタシも、そうでありたいと思うから。 だから」 足を止めて、レッドを見つめる。 彼も同じ事をして、視線を交わし合う。

21 21/11/28(日)23:27:15 No.871340813

「一緒に、頑張って親になりましょう」 「…ああ!」 こちらが笑うと、レッドも笑う。 心からの彼の笑顔。 それを見ていると、なんでもできる気がする。 「じゃ、帰ろ?」 「ああ」 改めて、歩き出す。 手には、あの人の手の感触。 それを握り返す。 ずっと、一緒に歩いて行こう。 そして、いつかここにまだ見ぬ我が子が入る時が来る。 ブルーは、そう信じた。

22 21/11/28(日)23:27:27 No.871340902

以上です 閲覧ありがとうございました

23 21/11/28(日)23:28:30 No.871341282

お疲れ様です 文章として出力されると凄い…良い…

24 21/11/28(日)23:33:01 No.871342896

書き込みをした人によって削除されました

25 21/11/28(日)23:33:34 No.871343072

>あとそこでますます意気投合するけど肌を重ねる段階で二人揃って「自分は親できるのか…?」みたいな苦悩しそう (「」^)>供養部分がここ止まりだったのでハッピーエンドになってて安心しました >「アタシ、子供の頃はレッドは何の苦労もしていないのにって思ってて…!レッドが、そんな辛い思いしてたなんて知りもしないで…!」 >「オレも、昔はブルーが辛い経験してたなんて知らなかったから。おあいこだよ」 レブルはカモ・詐欺師という底値から上がった好感度が特色なので底値時代を活かしつつ二人のらしさが出てるここが特に好きです 供養して良かった拾ってくれてありがとう

26 21/11/28(日)23:38:45 No.871345071

レッドが家族いない説は自分でも思いついたことはありました でもブルーが不幸な過去を持ってるのに対してレッドはレッドはそういうの無しの方がいいかなと思って今までそんなに書いてませんでした でもゴークリ「」が書いてくれたネタが琴線に触れて書くか!という気になれました ネタ提供になってありがとうございました

27 21/11/29(月)00:04:27 No.871353799

レッド家族いない説は突き詰めるほどしっくり来るよね…

28 21/11/29(月)00:05:22 No.871354155

>レッド家族いない説は突き詰めるほどしっくり来るよね… 既に書かれてるけど特にロケット団がレッドの家族に限って狙わなかったところとかね…

29 21/11/29(月)00:13:14 No.871357253

レッドの家族はいないのでは説はいずれ長文解説する機会があればそこで突き詰めていきたいです その時には多分スレ画をいつものと変えると思います 怪文書の時と区別した方がいいかなと

30 21/11/29(月)00:17:51 No.871358942

>>レッド家族いない説は突き詰めるほどしっくり来るよね… FRLG後グリーン曇らせ思い付いた あの事件の後振り返って >既に書かれてるけど特にロケット団がレッドの家族に限って狙わなかったところとかね… でレッドの親について察しがついて(昔とはいえ孫にしか見られず悩んでたオレは一体…)的な ただここから話が一切広げれずグリーンが凹むだけなんだよね

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