21/11/23(火)07:00:25 [不定期... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1637618425234.jpg 21/11/23(火)07:00:25 No.869387525
[不定期] 俺は結月ゆかりと東北きりたんのロリインピオが見てぇよ [今の予定] ・5歳と7歳から満足するまで ・コッショリ ・7歳をどんどんヤバくして遊ぶ
1 21/11/23(火)07:00:53 No.869387553
視点:東北きりたん その日もまた暑い日だった。 庭では木々やら草花が濃い深緑を咲き乱れさせ、微かに鼻に青臭い匂いを届け、空には雲ひとつ無い晴れやかな天気が広がり、眩いばかりの日光で世界を照らし。 そして鳥は空を舞い、時折昆虫が植物の合間を縫って飛んでいる。 一方の私と言えば日射が縁側まで届いていて、じっとりと衣服を汗で濡らしていた。 世界が忙しなく駆けている中で私は何をするでもなく、ただただ外を眺めている。 夏休みというものをぼんやりと噛み締めているが、それにしてもこんなにもただ暑いだけのものだっただろうか。 かと言って、こんな熱射が降り注ぐ街に出ていくのも正気の沙汰とは思えない。 そうして何かをするわけでもなく、ただただ食べ終えたアイスの棒きれを咥えて外を眺めている。 何かをしようかと考えたとしても、空から降り注ぐ熱気が全てのやる気を削ぎ剥がした。 そんな時だ、背後から姉さんが声を掛けてきたのは。 「きりたん」 「……あ、ずん姉様」
2 21/11/23(火)07:02:16 No.869387648
ぼんやりと自身の姉さんの名前を呟くと、彼女は私の方を見ながら口を開く。 こちらを見ている彼女は、少しだけ心配そうな顔をしていた。 「遊びには行かないんですか?」 「……でも、外って暑いじゃないですか」 そうぼんやりと呟くと、彼女は手を組んでから顎を少しだけ撫でる。 何と言うべきかと悩んでいるようで、そんな彼女は暫くしてから口を開いた。 「それはそうですが……この所昼過ぎになってもアイスを食べてぼぉっとしてるだけじゃないですか」 「……別に良いじゃないですか、暑いんですから」 「うーん……友達とかは……」
3 21/11/23(火)07:02:46 No.869387670
そう言ってこちらを見る彼女に、私は思わず苦々しい顔をした。 別段友達が居ないわけではない、ただ普段遊びに行こうと思える程の中のいい特定個人が居ないだけである。 それを心配げに眺められるのだから、幼心も多少は傷がつくというものだ。 「別に……皆家で同じくぼぉっとしてるんじゃないですかね」 「もう……ほら、折角ですし夕方にお祭りでも行きませんか」 「……お祭り?」 思わず姉さんの呟いた言葉をオウムのように繰り返してしまう。 そんなもの……と記憶の糸をたぐると、確かに去年ばかしに薄ぼんやりとそんなものがあったような気がしてくる。 確か焼きそばを食べながら公園の隅っこで太鼓の振動を感じたり、花火が夜空にふわりと持ち上がって花開くのを口を開けて見ていたような。 だがしかし、そこに行ったとして果たしてなにか得られるものでもあろうものか。 「嫌ですよ、第一そんな所に行って何になるんですか」 「まあまあ、そんな事は言ってはいけませんよ」
4 21/11/23(火)07:03:52 No.869387740
そう言って彼女はくすりと笑みを零した。 ─── 「わぁ……」 私は普段見開きもせず、たじろぐことも少ない瞼を広げてそう言ってぽっかりと口を広げた。 広場には人が詰めかけ華やかな出店が立ち並び、様々な人の匂いと香ばしい食べ物の匂いが広がっている。 押し寄せる人の波は、子供が3チームほどで野球をしても有り余るような広い土地を埋め尽くし、これほどまでに人が居るのだと驚嘆させられた。 「ほら、来てみたら意外と楽しんじゃない」 そう言って姉さんは私の手を握ったまま、こちらに笑いかける。 私は少しばかり気恥ずかしさを覚えつつ、静かに頷いた。
5 21/11/23(火)07:04:30 No.869387781
「普段からこれだけ多ければ良いのに」 そんな事をぽつりと呟くと、ずん子は少しだけ困ったような顔をした後、露天を指差した。 「ほら、あそこに焼きそばのお店がありますよ」 そう言って微笑む彼女を見ていると、私が余り良くないことを言ってしまったのだと自覚させられる。 させられはするのだが、去年の冬に旅行に行った都会を思い出してしまうと、どうしても比較をしてしまうものだ。 お祭りがあるでなくても兎に角何時も人出があり、何時もおいしい食事や様々な遊びに溢れており、人々は洗練されていた。 そしてなるほど、確かに人の雑踏を見ると大きいお祭りであるがため、都会から来た人と地元にいる人が別れて見える。 すべての人が恐らく付近から来たわけではないのだろう。 そして、身なりのいい人をぼんやりと見ながら、私はそんな彼らがどこに帰っていくのかを考えると羨ましく思えてしまった。 「ほら、きりたん焼きそばですよ」
6 21/11/23(火)07:04:55 No.869387809
そうして渡される濃い口の太麺の焼きそばをマジマジと見ながら、私はぼんやりとそれを一口啜った。 「……うん、美味しいですね」 「そうでしょう、そうでしょう」 そう言ってニコニコと笑う姉さんに、私は内心去年もこんな味だったな、とぼやいた。 ここではこの味がスタンダードなのだ、濃い口のしょっぱさを覚えるほどのソースに、カリカリに焼かれた豚肉。 このお祭り会場では、多少の差はあれどもこれが普通なのだ。 ニコニコと私の手を引いて、焼きそばを一パック手に持っている姉は雑踏に飽きたのか、少し離れたベンチに私を連れて腰掛ける。 「今年も随分人が来ているわね」 「……そうですね、確か……去年もそうでしたっけ」 「もう少しで盆踊りが始まって、太鼓の音に合わせて踊った後、花火が上がって……」 「それで、お祭りも終わりですかね」
7 21/11/23(火)07:05:22 No.869387838
私がそう言うと、姉さんがしんみりとした声でそうね、と呟いた。 「……私、少し神社の方に行って来ますね」 「あら、一人で大丈夫かしら」 そう言ってまた顎に手を当てる姉に、私は言葉を返した。 「姉さんはお祭りが終わったら、帰ってて構いませんから」 「でも……そうね、何かあったら携帯に電話するのよ」 「はぁい」 私はそう言ってポケットの中のスマートフォンを開いて動作を確認した後、もとに戻してから歩き出す。 スマートフォンは都心でも、ここでも使っているものに機能的な変わりは無い。 不審な動きがあればすぐに携帯に向かって警察が駆けつけてくるのも変わりはない。 だがどうしてこことあそこでは、あんなにも違いを感じてしまうのだろうか。
8 21/11/23(火)07:06:00 No.869387887
街灯の頼りない明かりを道しるべに、公園から山の上の神社へ歩いていく。 公園から遠ざかっていくと、喧騒も潮が引いていくように引いていった。 時折響く虫の音に耳を傾けていると、薄ぼんやりと湿った空気が体に纏わり付いて来る。 「……あぁ、やっぱり嫌だな」 薄ぼんやりとした薄もやのような気持ちを抱きながら、私は食べかけの焼きそばをぎゅっと握りしめた。 くしゃりとプラスチックのひしゃげる音が響くのを感じながら、神社への石階段を登っていく。 人気が無い山道を一歩、二歩と歩いていると、先程までのざわめきが嘘のように感じられてしまう。 今街に居る人は皆、あのお祭りに行っているのだろう。 主体性を欠いた生き物のように、ぞろぞろと祭りに行く人々はそれを疑問には思わない。 多くの人は都会になど行ったことは無いのだろう、そしてここで一生を過ごして果てる。 彼らは目的も無くお祭りに行って、踊りを踊って花火を見てぼんやりと満足感を得る。 あそこの人々は濃い口のしょっぱい焼きそばにも、毎年同じ形の踊りにも、今一迫力に欠ける花火にも疑問を抱きはしない。
9 21/11/23(火)07:07:11 No.869387968
「……ついた」 ぼんやりとそう呟いて、街灯が幾つかついている神社の端っこにある、公園を一望できる高台にたどり着いた。 遠くではドン、ドンという太鼓の音がスピーカーで増幅され、街を掛けている。 私は手すりに膝を掛けて、ぼんやりと街を眺めながら私はまたため息を吐き出す。 何となく馴染めない、そんな事ばかり考えてしまう。 別に貧しい家庭というわけでもない、それなりの家であってもそんな事を考えるものだ。 娯楽に乏しいと気がつくのは、他に娯楽に満ちた場所があることを知っているから。 ここにあるものが世界のすべてを構成している訳ではない、と知ってしまった時に思い至るのは何時も不満だ。 勿論自分がわがままを言っているという自覚はある。 だが、満ちているものに気がついてしまえば、欠けている事にばかり目が行ってしまうもの。 そんな事を思いながら、公園に溢れた人集りを見ながら焼きそばを食べて溜飲を下げる。 「……美味しいは、美味しいんですよ」
10 21/11/23(火)07:07:40 No.869388002
不味いわけではない、だがうどんのような太さの麺ではなく細麺だったり、薄味だったりしても良いものではないか。 そんな事を考えながら、少し柔らかくなった豚肉を噛む。 そうして焼きそばを食べていると、ドンという音に合わせて遠くの海の方から細い光が登って、弾けた。 ドン、ドン、という音を聞きながら、私は登る花火を焼きそばを食べながら見上げ続ける。 暗い夜空に幾つか花火が散って、街を微かに染め上げる。 白、赤、緑、青。 私はそれを見ながら、食べ終えた焼きそばの割り箸を咥えて、恐らく花火の方を見ている人々を眺めた。 あの人々の中の何人かは祭りを見終えて、自分の街に帰っていくのだろう。 あの人々の中の何人かは祭りを満喫して、自分の生活に帰っていくのだろう。 それが私には堪らなく嫌だった。 「……おや」 私はふと、ポッケの中で振動を感じ取り手元で広げる。
11 21/11/23(火)07:08:07 No.869388031
「……先に帰っています、か」 まあ、そろそろ祭りも終わり、賢い地元住民は波に飲まれないように帰っていくものだ。 ……それでも私は、スマホに少しゆっくりしてから帰ります、とだけメッセージを返した。 やがて街を染め上げた花火がひときわ大きく夜空に花を開くと、徐々に祭りの会場から人々が自分の家へと帰っていき始める。 遠かったざわめきが近づいて、離れていくのを感じながらぼんやりと出店の数が減っていくのを眺めた。 ……ああ、終わってしまった。 祭りというよりも、喧騒が溶けだして消えていくことに哀愁を覚える。 日常から離れたこの場所も、段々と日常へと帰っていく。 「……はぁ」 私はひときわ大きくため息をつくと、手すりから飛び降りて神社のゴミ箱に焼きそばの残骸を放り込む。 また飽き飽きするような、そんな明日が来るのだろう。 そうして薄暗い街灯を頼りに、山を降ろうとすると微かになにかの音が耳に響いた。
12 21/11/23(火)07:08:34 No.869388056
小さく、けれど虫の音に混じって微かな声が聞こえてくる。 少しだけ、夏に浮かされた気持ちのまま声の方へと近づいていく。 何かを期待しているのだろうか、そんな事を思いながら声の主の元へと近づいていく。 声の主に近づいていくと、その声が啜りを含んだ泣き声であることに気がついた。 ……それ以外に音はせず、私は少しだけ警戒心を抱きながらその声へと歩いていく。 「……もしもし」 そう言って、泣き声の主に声を投げかけると、泣き声が突然止まって風が蒸すような境内に吹きかける。 蒸し暑いような空気が流れ、小さく虫の鳴く声が響いているのを感じていると、恐る恐るという雰囲気で幼い声が耳に届く。 少し遠い街灯の近くで、電灯が瞬き私と同じくらいの子がこちらを向いている。 「……だぁれ」
13 21/11/23(火)07:14:50 No.869388447
続き ①fu550448.txt ②fu550449.txt ③fu550450.txt ④fu550451.txt ⑤fu550453.txt ⑥fu550454.txt ⑦fu550455.txt まとめ:fu550456.txt ロング怪文書が増えない 悲しい 師匠言う 一発のロング怪文書 書人増えない 嘆くな 一発で駄目 十発書け 十発で駄目 百発書け 了解 ゆかきり書きます……
14 21/11/23(火)08:04:09 No.869392940
俺 お前の文 好き でも 俺 怪文書かけない 何も返せない すまない…
15 <a href="mailto:s">21/11/23(火)08:15:23</a> [s] No.869394711
>すまない… いいんだ… 楽しんでくれれば それでいいんだ