虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 21/11/19(金)21:39:43 No.868226189

「いつもファルコンちゃんをありがとねぇ」 「いえいえ！こちらこそ」 昼間際、休みの日のちょっとした時、彼女の家に俺は呼ばれていた。父母から感謝してるらしい、…割と学校でも浮き気味の彼女は、それこそ学校で親友も居ないという。 「あーっ！？来てたの！？」 「ん？」 「待って待って！ファル子今…髪の毛ぐちゃぐちゃだから！」 「あはは、俺はどっちのファル子もいいと思うけどなぁ」 「ダメーっ！」 髪を下ろしていた、ファル子は階段を駆け抜けて居なくなってしまった。 「ほんと、この子をいつも応援してくれてありがとうね、この子ったら、いっつも帰ってきたらあなたのことばっかり話すものだから」 「あはは、ありがとうございます、…ウマドル、か…」 「彼女の勝手な夢ですよ」 「…うん、わかってます、面白いものを考えてるなって」 ウマドル、か。

2 21/11/19(金)21:40:57 No.868226662

アイドル。何故か俺にやってきた変な運命。……スカウトがされやすい体質だったから。 『アイドルという夢はあるかな？』 生まれた時から、いい思いをしてない。 それなりにできた顔で、それなりに喋れて、それなりに声が張っていた。 だから、東京にいる時何度か……スカウトを受けていた。 『男性ボーカルになってみないか！？』 『君ならアイドルにーー』 中学生の時に幾度となく言われて、…親も一瞬その気になろうとして、…めんどくさいなと俺は嫌がった。 そんな俺が好きなアイドルが彼女で、その俺が何故か今アイドルになろうとしててーーー

3 21/11/19(金)21:41:12 No.868226767

だけど、………いつの日か、それがファル子にそれがバレていた。 「ねぇねぇ！」 「何？」 「アイドルのスカウトされたんでしょ！」 「あ、知ってるの？」 「うん！学校で噂になってたから」 「あはは、自己肯定感が低い俺には向いてないかな、…断る予定だよ」 そう言うと、彼女はちょっと寂しそうに空を見た。 「いいなぁ、私もスカウトされてみたい」 「そうかな、いい事ないよ？そんなの」 ぼんやりと言い放つ言葉、その言葉が、どれほど彼女にとって傷つけるような物なのかも分からず、ただ俺は突きつけるように話す。 「そんな事ないよ！…アイドルってね、いつもキラキラしてて…綺麗で…素敵なの！だから…だから…！」 彼女は立ち上がって、大きく指を差した。 「……うん！ファル子、ウマドルになるんだ！たっくさんのファンと一緒に大きな舞台で、いつか、いつかーーー｣ 「………そっか、そうだな、……ああ」

4 21/11/19(金)21:41:33 No.868226913

夢と才能は……得てして望む者にをやってこない。 だからこそ、俺は…… 「……いつかさ、その……本当のウマドルになったら」 「うん？」 「俺、最初のファンになる！お前を支える1番のファンに…！」 暗い顔を取り払い、前を見つめ直す。 「………えへへ、応援ありがとう！嬉しいなぁ」 はにかむ彼女に、俺も笑みが零れた。 「…いつか、そう、いつかだ！だから、絶対ウマドルになるんだぞ」 「……うん！」 彼女と俺は立ち上がり、お互いにぐっと拳をぶつけ合う。 「じゃあ約束！」 「えっ！？」 「ファル子がウマドルになるまで……アイドルになって！」 「ええ！！？」

5 21/11/19(金)21:42:19 No.868227235

あの時の約束から、いつか叶うその日に。 俺はアイドルを目指し、また夢もひとつその時決まっていた。 （ウマ娘の……ライブの…ああ、そうだ、俺は…俺の夢は…！） ……そうだ！走りぬこう…！ いつか彼女が来るその日に向かって、全力で！ 夢は諦めなければ必ず叶う……先に証明してやるんだ。 ファル子、見ていてくれよ、俺の事！

6 21/11/19(金)21:42:46 No.868227399

ーーー10年後ーーー あの日から、もう10年も経ったのか。 いつの日かアイドルの名を捨て、テレビで多少なりとも栄華を過ごしてーーー…ただ生きた心地のない日々は、記憶に残りもしなかった。 嫌気がさして引退した頃には…俺はいつの間にかトレーナーの試験と勉強をしていた そうして、1年目の勤務を過ぎた後ーーー サブトレーナーを経て、俺はようやくウマ娘のトレーナーとして働ける。 ただ……。

7 21/11/19(金)21:43:03 No.868227503

「そりゃお前、勤務一年目で広告塔にされるのは当たり前だろ」 創刊ウマ娘を開くと、最後のトレセン広告の顔に俺が使われていた。 「そうかな？…普通に嫌なんだけどな」 やれやれと、同期は実に呆れていた。 「お前なぁ、まず容姿はトレーナーの一種のステータスだって、キチンとした姿じゃないとスカウトも成功しないんだぞ｣ 「それはお前もそこそこだろ、俺じゃなくていいはずだって」 「俺は結構頑張ってこれなんだって！！…大体、高卒っていう超若い歳でトレーナーになった頭脳＋元アイドルの歌と声にダンス能力付きだぞ！トレセンが求める全てを最初から取ってるトレーナーなんだからな？」 「元アイドルじゃないって、スカウト受けて多少無理やりレッスンとかもさせられただけ、テレビにも出たけど…正直親の意思だ、本意ではーーー」

8 21/11/19(金)21:43:18 No.868227584

（静かにーーーその時、俺は彼女を思い出した） 『約束！ファル子がウマドルになるまでーー』 「ファル子……あの後どうなったんだろ」 ぽつりと俺は小さく呟いた。 「…？」 「ああごめん、なんでもない、…とにかく！俺はチームトレーナーもごめんだし、変に責任を負うのも得意じゃないんだ。大体さ、魅力あるからってそんな重要か？トレーナーはウマ娘に関係ないだろ？」 「あー……そうか、お前ウマ娘のファンは人間だけだと思ってるだろ」 「えっ？」 「トレーナーが"そういうの"だと、ウマ娘も人気が出るんだって」 「それ、そんなに大事なのかよ」 「………ああ、そうか。あんまり考えたこと無かったんだろうけど…｣

9 21/11/19(金)21:43:37 No.868227679

彼は少し話したくない顔だが…キチンと俺に語り掛けた。 「あんまり言えない話だけど、多少勝てなくても人気が出るウマ娘が生まれるんだ」 「……勝てなくてもか…」 「ウマ娘の今後を決めかねない要素なんだからな」 「そんなに大事なのか？……ファンなんて……」 言わせんなという顔に変わり、それでもキチンと言い放つ。 「大事に決まってるだろ…ウマ娘としての将来の生活の為にも、収入源だぞ、…言い方悪いけど」 「……」 最後の言葉に、残酷ながら…己が夢を見ていただけだと思い知る。 （勝てばいい、成績良ければって…それはトレーナーのエゴでしかないんだろうな。ファン数が入れば…ひとつ選手としての"売上"に繋がるんだから） それは……俺も例外じゃないんだろう。 金の成る木ならば、本人の意思はともかく、利用しない手は無いのだ。

10 21/11/19(金)21:43:53 No.868227767

夢を持ってきた、アイドルであるように、ひたむきに頑張る少女と共に…熱くあれることを望んでトレセンにやってきた。 だけど、そんな彼女達全てが報われる世界ではない。 模擬レースを見て…俺は痛いほどそれを思い知った。 「トレーナーである前に、ひとつの仕事なんだ、これは……」 ターフに向かって静かに呟く。 『あんまりこの部分は考えるなよ、ただ…頭の片隅には入れておくんだ、夢を叶えるトレーナーであると当時に、彼女の未来を決める役目があるんだから』 『ごめん、ありがとう』 『じゃあな。…悪いことを言った』

11 21/11/19(金)21:44:06 No.868227864

「……夢を叶える、そして彼女達を生かす…か」 それは正しく………己の仕事の重みをイマイチ認識にしてなかった俺に対する深い鎖のような言葉。 「………はあ、まだまだだな、俺も」 なかなかどうして目の前のレースに集中できない、俺は今日は諦めて明日切り替えてレースを見ようと心に決めた。 夢、夢か…トレーナーとして何が大切なのかを見直さないと……。

12 21/11/19(金)21:44:31 No.868228010

～～～⏰～～～ 帰り道、夕方の河川敷を俺は何をするでもなく歩いていた。 「……」 生まれた意味、生きてく理由。 あの時の同僚の言葉は、俺の過去を抉るように現実を教えてきた。 人気は金になる、金が回れば更に人気になる、勝つだけでなく、ひとつ持つべき魅力もまた…武器なのだと。 「だけど、だからこそ俺は…」

13 21/11/19(金)21:44:52 No.868228153

沢山の強いウマ娘が、俺の噂を聞いて逆スカウトをしてきた。 魅力は武器だ、利用すれば俺は確かにいい道を歩めるかもしれない。 「…だけど、…だけど…」 選んだレールを選びたくない、エゴだ、分かってる。 「…夢を叶えたくてこの仕事に着いたんじゃないか」 「～～♪～～♪」 静かに、綺麗な声が河川敷に聞こえてくる。 「……？」 そこにーーーあの日から、確かに背が伸びて…だけど、いつものまんまるな面影が映る彼女がーー 「ファル子？」 「…えっ」 夢を、夢をひたむきに追い続ける彼女が居たのだ。

14 21/11/19(金)21:45:07 No.868228237

「…ずっと続けてたんだな」 「うん、諦めて無いよ！」 「…そっか」 踊りをとめたことを俺は謝る。 「…アイドル、辞めちゃったんだ 」 「知ってたか」 「だってだって…！」 彼女は何かを言いたげだったが、静かに首を振る。 「……ううん☆あのね！明日模擬レースに出るんだ！」 「えっ！？｣ 「ファル子のことちゃんと見てて！お願い！」 そう言い切り、彼女は芝を…ちょっとおぼつかない脚で走っていった。 「待って！…ファル子、トレセンに居たんだ」

15 21/11/19(金)21:45:21 No.868228329

何時に出るかも言わないで走り出した彼女に、俺はため息を吐いて、そして笑う。 「夢、夢か、…綺麗だったな」

16 21/11/19(金)21:45:40 No.868228475

次の日、俺はターフのファル子が出るレースを見ていた。 「お、みっけ」 「ああ、お疲れ様」 「そっちこそ、誰を見てるんだ」 「9番」 「スマートファルコン…っと…ふーん…」 足を大きく踏み込み、揺れは大きく、芝の逃げとはちょっとかけ離れた走り スピードはムラがあり、どうにも不一致というか… 「適正外だな」 「…バッサリ言うね」 「砂のレースなら…間違いなく圧倒的な力があるんだが…どうもこの子、模擬レースは全部芝で出ているな」 「……」 「ま、大した理由があるんだろ、…スカウトするのか？」 「…まだ、決めてない、けど…」

17 21/11/19(金)21:45:51 No.868228544

彼女は大きく差をつけられ、最後に着いた。 「…けど、夢を持ってるなら、例え現実が厳しくても、叶えてあげたいって思うんだ」 同僚は凄く驚いていた。同時に、そっか、と一言だけ呟き 「憑き物が落ちたみたいだな」 ただ。優しい声でそう話した。 「うん、現実は勿論向き合う、その上で夢を叶えてやるって決めたから」 「頑張れよ」 「そっちこそ、達者で」

18 21/11/19(金)21:46:09 No.868228649

「…見せたくない姿見せちゃった」 ターフの取り残された彼女は、そう俺に話しかけた。 「ううん」 「でもでもっ、アイドルもウマ娘も…成長する姿が醍醐味だって言うよね！」 「…｣ 「あのね！…夢なの、芝で、センターで…みんなの前で踊って、歌って、キラキラって！」 「ファル子…君は…」 俺はどうすれば良いのか、分岐点に立たされていた。彼女はダート向きだ、現実に向き合うなら…ダートを行かせるべきだ、それが幸せに最後は繋がるはずだ。 …だけど、彼女の夢はなんだ、大舞台で、沢山のファンの前でーー 「…いつか、いつかだよ！大舞台で！みんなの前で！いつかきっと……いつかって、いつだろう」 項垂れて、最後に呟く。 「ダートの方がいいって、知ってるの、でもね。10年も続けても夢は叶えられないことも知ってるの、でも、でも…」

19 21/11/19(金)21:46:23 No.868228748

「…夢、叶えるぞ」 「えっ」 「…ウマドルになるんだろ！！ダートも芝も勝つぞ！！どっちも天下とってやるんだ！！！」 心の底から、腹の底から俺は叫んだ。 「！！！……うんっ！！！」 「ファル子、お前をスカウトしたい！…1番目のファンとして！お前を！！」 「うんっ！！…うんっ…！！」

20 21/11/19(金)21:46:37 No.868228837

それから、俺と彼女は邁進した。 「2冠を取ったのに、どうしてジャパンダートダービーにでるんだと騒いでる」 彼女と俺の誓いを果たすため、俺はひとつだけ、彼女から貰ったサイン用紙を見る。 『夢を叶えるウマ娘になる』 『夢を叶えるトレーナーになる』 2つの文章を見て、俺たちは顔を合わせる。 世間は彼女で持ち切りで、だからこそ怪我を考慮してもダートはやめろと声が高い。 「大丈夫！帝王賞も勝ったから☆ファル子、このレースでも沢山の人に見せるんだっ」

21 21/11/19(金)21:46:51 No.868228921

今日も、彼女は勝利して地方のライブ会場を人で満たす。 「…ただ、…何故だろう」 彼女はどこか嬉しそうでは無かったのだ。 「あのね」 次の日、彼女は俺に話しかけた。 「どうした」 「昨日のウィニングライブ…見たんだ、芝のファンばかりが集まってて…ダートの人達は私を敬遠してるって」 「……」 「ファン、沢山増えたの、だけど、…ファル子これで良かったのかな」 「良かったと、俺は思う」 「そ、そうだよね！ううんっ、こんなこと気にしちゃダメだよね☆、ファン数は高いほど、ウマドルとしての価値は高くなってて、それでーーー！」 彼女はううん！と叫び、行ってきますと言って軽めのメニューをこなす。

22 21/11/19(金)21:47:09 No.868229047

彼女がいなくなったトレーナー室で静かに呟く。 「…これで、良かった、これが夢だった、そうだろ…？…だけど、なんでこんなに俺たちは空っぽなんだ…」 沢山のウマ娘の夢を砕いて手に入れた物が、彼女に取ってどうしてこんなに空虚なのだろう。 芝も勝った、ダートだって勝った。沢山ファンを集めた。ファル子は今まさにトップアイドル…いや、トップウマドルのはずだ。 目指して手に入れた名誉が、なぜ寂しいのだろうか。 「分からない…ただ、なんでこんなに俺は辛いんだろう、彼女の幸せでないことをやってるように感じるんだ、どうして…」 ただ、何故か出る涙を俺は抑えていた

23 21/11/19(金)21:47:28 No.868229189

～～～～～～～～～ 「……みんな、ファル子のこと応援してる、菊花賞は出れなくて、代わりに天皇賞・秋に目標を定めて…そしたら次はダートのJBC、そしてチャンピオンズに……そしたら沢山の人達が私をーーー」 …私を？私をどうするの？ 「…応援してくれる、そう、ファル子を応援するの、…そのためにはファンが必要で…」 あれ？ 「……なんで、ファル子、誰のために走ってるの」

24 21/11/19(金)21:48:17 No.868229468

クソ長文失礼しました っていう感じのファル子とトレーナーの幼なじみな怪文書が好きなんで俺が書いた トレーナーとうまぴょいするまで俺が書く 代わりに待っててくんない？

25 21/11/19(金)21:48:44 No.868229639

いくらでも待とう

26 21/11/19(金)21:48:50 No.868229673

うまぴょいするんですか！？ファルコンさんが！？

27 21/11/19(金)21:50:28 No.868230257

待つから早くかけ

28 21/11/19(金)21:50:53 No.868230417

>うまぴょいするんですか！？ファルコンさんが！？ フラッシュ！！（ﾍﾟﾁｯ

29 21/11/19(金)21:51:39 No.868230716

>「大丈夫！帝王賞も勝ったから☆ファル子、このレースでも沢山の人に見せるんだっ」 待て待て待て！クラシック級は帝王賞走りたくても走れないぞ！

30 21/11/19(金)21:51:45 No.868230758

このファル子ならゴールまで行けるな

31 21/11/19(金)21:53:24 No.868231425

>>「大丈夫！帝王賞も勝ったから☆ファル子、このレースでも沢山の人に見せるんだっ」 >待て待て待て！クラシック級は帝王賞走りたくても走れないぞ！ ウワーッ！！！ミスってる！！！ごめん！！帝王賞じゃありませーん！！！何書いてるの！！俺！！

32 21/11/19(金)21:55:20 No.868232193

早くうまぴょいを見せてください

33 21/11/19(金)21:57:43 No.868233196

最近ファル子熱が高まっているところにいい劇物が投下されていた いくらでも待つぞ

34 21/11/19(金)22:00:24 No.868234381

「最近お前とファルコンの話題ばかりだよ、創刊ウマ娘に既に半分も制圧しちまうなんてな」 「嬉しい…そう、嬉しいんだ、だけどなんでか喜べない」 「…んー」 同僚は何故か静かに悩む。 「俺にはお前ら2人が幸せには見えないな、少なくとも、今の状態じゃ」 「…なんでだろう」 「お前の持ってる夢、違うんじゃねぇの」 「……？」 「本当は、お前、スマートファルコンが幸せになるのが夢だろ、幸せじゃねぇならお前もその顔になるに決まってるだろ」 「……ファル子の幸せ…」 あの子の幸せってなんだ？…ウマドルになって…そしてどうしたかった？ そうだ、大きな舞台で…… 違う！…もっと、もっと前だ… あの日の夕焼けと同じ、そうだ！俺とアイツのあの日の約束… 最初のファンである、俺はーーー彼女が幸せであったことーーそれは……

35 21/11/19(金)22:00:45 No.868234526

「ファル子！」 「どうしたのっ！？」 「路上ライブに行こう！あの河川敷で！」 「ええっ！？」 誰もいない路上ライブ、いや、河川敷ライブ。 あの日とは違う、彼女の名は売れていて今と違って確かに人が溢れていた。 だが、だからこそ、俺は忘れていた。 彼女のライブの意味を、いつも……『誰にみせてくれていたのかを』 「ファル子ー！！！」 「……っ！！？」 「いつも応援してるぞ～！ずっと！ずっとだー！」 そうだ、俺と彼女の約束、それは…俺がファンで、お前がウマドルだったってこと 「…………うんっ！！応援ありがと☆」 彼女沢山涙を流して、そして俺も笑った。 キラキラと光るその涙と夕焼けは、正しく……彼女の力になったんだ。

36 21/11/19(金)22:01:08 No.868234730

～～～～～ 「なんだ、お互いまた憑き物が着いてたのに早いな」 「……ははっ、気づいてたんだ」 「いや、お互いに頑張れよ」 同僚は笑って、遠くにある2人のサインを見る。 そこには、確かに同じ文だが、2人で追加した文があった。 『誰かの夢を叶えるウマ娘になる』 『誰かの夢を叶えられるトレーナーになる』 …と。

37 21/11/19(金)22:01:28 No.868234856

というわけで終わり うまぴょい見せます

38 21/11/19(金)22:01:38 No.868234921

来るんですね！？

39 21/11/19(金)22:02:20 No.868235223

「あのね、今日集まってきたみんなに言わないとならない事があるの！」 URA優勝…その輝かしき名レースに名を刻んだファル子がーーー地元の、地方の、中央のーーー その全てに集った老若男女問わずのファンの前で、しっかりとした声で話す。 「ファル子、今更だけどね、トレセンに来るまで…ううん、来てからもーーーウマドルになりたい！……って努力して、アピールをして…、でも誰も拾ってくれなかったんだ、才能を間違えてる、向いてないってーーー」 「だけど！！……拾ってくれた1人のファンが居たの！その人がずっと…ずーっとファル子が道を間違えても付きっきりで……ずっと支えてくれたんだ」 ファンがしーんと静かになり、同時に幾ばくが俺の名を叫ぶ声がする。

40 21/11/19(金)22:02:33 No.868235300

「……だから、もう、ファンのままで居たくない」 「ウマドルが…こんな事言っちゃ、ダメなの分かってるの…だけどーーーこの場で言わないと、ファル子…一生後悔するから！」 ファル子ーー！ああ……そうだよな、俺も…ケジメを付けないとな。 「だから、お願い…！！｣ 「来て…！！トレーナーさん……！！」 その言葉がする前に、俺はスタッフに一言声をかけた。 「マイクと照明、それとーーを、1人分だけで大丈夫ですから」

41 21/11/19(金)22:02:45 No.868235381

静まる空気の中、ファル子、ぽたぽたと涙を零す。 「ごめんね、…やっぱり…ファル子は…！」 「ファル子！！！」 あかりが着いて、俺にスポットライトが浴びせられる。 「そうだ、俺はお前のファン1号、そしてーー！！！」 「……っ！！」

42 21/11/19(金)22:02:56 No.868235440

「お前と共に歩む、ウマドルさ！！！」 「………………えっ」

43 21/11/19(金)22:03:10 No.868235531

テーデン！テーデデッデッデデー！ 「えっ」 「みんなー！これから歌うひと時のアンコール！ちゃんと着いてこいよーー！！」 デデデー！デーデン！デーデン！デデデデーン！デデデデーン！デデデデデデテンデデーン！ ＼＼ワアアアア！！！／／ 「あの」

44 21/11/19(金)22:03:28 No.868235637

位置についてーーー！ 「……」 よーーーい！ドン！！！

45 21/11/19(金)22:03:42 No.868235724

うーーーーー！！！うまだっち！！ うーーーーー！！さんはい！ ＼＼うまぴょい！　うまぴょい！／／ うーーーー！＼＼すきだっち！／／ うーーーー！？＼＼うまほい！／ ／ うまうまうみゃうみゃ！？＼＼3 2 1 Fight！！ ／／ おひさまぱっぱか快晴レース はいっ！ ＼＼ちょこちょこなにげに／／ そーわっ So What！ 第一第二第三しーごー！？ ＼＼だんだんだんだん出番が近づき／／ めんたまギラギラ出走でーす！！ ＼＼はいっ！／／ 今日もめちゃめちゃはちゃめちゃだっー！ ＼＼ちゃー！／／

46 21/11/19(金)22:03:55 No.868235802

がち追い込み！？＼＼糖質カット！！／／ コメくいてー！＼＼でもやせたーい！／／ あのこはー！？＼＼あ゛っ！！（尊死）／／ そのこはー！？＼＼ミ゛ッ／／ どいつもこいつも　あららぁ？ ＼＼リバンドー（蘇生）／／ 泣かないでー！＼＼はいっ！！／／ 拭くんぢゃねーっ！！＼＼おいっ／／ あかちん塗っても！？＼＼なおらないっ！／／はーっ？ きょうの勝利の女神は 俺だけにチュゥする（何名か倒れる音） 虹のかなたへゆこう！！ 風を切って大地けって？ きみのなかに光ともす！！ ＼＼どーきどきどきどきどきどきどきどき／／ 俺の愛馬が！！！

47 21/11/19(金)22:04:01 No.868235845

アイドルは笑顔でないと…

48 21/11/19(金)22:04:06 No.868235884

うまぴょいってそっちかよ！！！！！！！！！！！！

49 21/11/19(金)22:04:08 No.868235899

「……………………しゃい」

50 21/11/19(金)22:04:44 No.868236150

ずきゅんどきゅん！　走り出しー！＼＼ふっふー！！／／ ばきゅんぶきゅん　かけてーゆーくーよー こんなーレースーは　はーじめてー ＼＼3 2 1 Fight！！／／ ずきゅんどきゅん　胸が鳴り！＼＼ふっふー！！／／ ばきゅんぶきゅんだいすーきーだーよー？（何名か倒れ） 今日もーかなでーるー！ はぴはぴ ハニー 3 2 1 Go Fight うぴうぴ　はにー 3 2 1 うーーーーー！！！

51 21/11/19(金)22:04:56 No.868236239

「さ、その手を取って……一緒に行こう…ファル子…！アイドルの……ウマドルの道を！！」 ねぇ、フラッシュさん メジロドーベル先輩が大成功したライブ告白、ちゃんと間違いなくできたと思うの 「……うん☆」 ……うん。できたと、思うんだ。 『俺の愛バが！』「君の愛バが！」 これさ、…本当に私が悪いのかな…………？

52 21/11/19(金)22:05:17 No.868236366

ライブは大盛況で終わり… 後日俺は突然レコーディングの仕事に呼ばれ、ファル子と一緒にうまぴょいをする事になった…。 そうして、ひと月も立ったあと…… 『謎のアイドル兼トレーナー……URAに乱入！？1週間でミリオン超えで止まらない！！』 『うまぴょい伝説、トレーナー×スマートファルコンがCD売上を一瞬間で更新！男女問わず大盛況に！』 『トウカイテイオーのトレーナー、URA最後の長距離レースにて乱入！テイオーと共にうまぴょい伝説を一緒に歌った後、無事プロポーズを経て入籍！』 『トレーナーバージョンのうまぴょい伝説のCD需要が爆上がり！？来年のURAファイナルズに向けてデュエット練習するウマ娘が爆増中！』

53 21/11/19(金)22:05:29 No.868236440

なにこれ…なにこれ…？

54 21/11/19(金)22:05:48 No.868236586

クソボケがー！！

55 21/11/19(金)22:05:50 No.868236608

「ファル子、見てくれ！これ！この新聞を！！」 「うんうん☆」 「俺たちは夢を叶えられる存在になれたんだ！！これからもどこまでも一緒に頑張ろうな！！俺たち2人で！！」 「…………………………………しゃいっ☆」

56 21/11/19(金)22:06:09 No.868236741

ダメだった 本当にダメだった

57 21/11/19(金)22:06:17 No.868236790

クソボケがー！！

58 21/11/19(金)22:06:31 No.868236894

これで終わりです ファル子！！一緒にどこまでも頑張ろうな！！

59 21/11/19(金)22:07:14 No.868237166

にぶにぶにぶにぶ

60 21/11/19(金)22:07:51 No.868237408

どうして どうして

61 21/11/19(金)22:08:00 No.868237465

ク ソ ボ ケ ★

62 21/11/19(金)22:08:50 No.868237776

これはファル子悪くねえよ…

63 21/11/19(金)22:09:38 No.868238051

でもよォ この元アイドルトレーナーとデュエットするファル子のライブ見たくないかと言われたら超見たいぜ？

64 21/11/19(金)22:09:42 No.868238089

推せるーっ！

65 21/11/19(金)22:09:48 No.868238129

ファル子はよく頑張ったよ…

66 21/11/19(金)22:10:01 No.868238211

なまじテイオーが告白成功してるのがまた………

67 21/11/19(金)22:11:02 No.868238566

よし押し倒せ

68 21/11/19(金)22:11:54 No.868238913

前半のガチシリアス感動物からの落差でダメだった

69 21/11/19(金)22:12:16 No.868239059

皆の前で二人でうまぴょいしたから許すが…いや許さん温泉旅行に行け

70 21/11/19(金)22:14:47 No.868240154

フラッシュさん！？なんで突然殴ったの！？ファル子のトレーナーさんまで殴る必要はあったの！？！？

71 21/11/19(金)22:15:53 No.868240610

この分量で高卒元アイドル幼馴染オリトレは渋に載せた方が伸びそうだな

72 21/11/19(金)22:16:18 No.868240777

>この分量で高卒元アイドル幼馴染オリトレは渋に載せた方が伸びそうだな ページ変わってから怒涛の展開すぎる…

73 21/11/19(金)22:16:54 No.868241042

前半のファル子が幼なじみのトレーナーがアイドル辞めてトレーナーになったのとか先に夢を叶えてたトレーナーの末路との対比とかのドロドロ感凄い良かった けど何これ…何これ？

74 21/11/19(金)22:21:07 No.868242839

ヒットチャート独占する男女ユニットじゃん…

75 21/11/19(金)22:22:38 No.868243420

わあ凄えや エイシンフラッシュさんの真顔が目に浮かぶよ

76 21/11/19(金)22:23:28 No.868243743

トレーナーが元アイドルという伏線の見事な回収劇だった

77 21/11/19(金)22:24:11 No.868244020

トレーナーもアイドルとして酸いも甘いも経験してるからか恋愛する気がまるで無い…

78 21/11/19(金)22:24:51 No.868244263

うまぴょいだけどさぁ！！！！！！

79 21/11/19(金)22:25:30 No.868244494

幼馴染の関係でファル子はトレーナーのこと好きだしトレーナーもファル子が好きだしで結構ラブラブではあるとは思うんだけど…決して悪い訳ではないし寧ろ好きな関係性だけどなんで！

80 21/11/19(金)22:25:41 No.868244559

>トレーナーもアイドルとして酸いも甘いも経験してるからか恋愛する気がまるで無い… いいパートナー関係ですよね

81 21/11/19(金)22:25:53 No.868244635

>『俺の愛バが！』「君の愛バが！」 ここを捉えた報道用の写真が賞を取るぐらい美しいのはわかる

82 21/11/19(金)22:26:02 No.868244685

それから幾年もたった 「改めて、お疲れ様」 最後のライブ、終わりの前に彼女の前に俺は現れた。 長い旅、ボロボロになったあの日のサインを胸に乗せて、俺たちは本当に長い時間を掛けやってきた。引退の日 「それと、…あの時のライブ、逃げでごめん」 「えっ」 「俺さ、アイドルだから…サプライズしてあげようとか、免罪符を入れてたけど…お互い、特にファル子はまだ学生じゃん、だからここで告白なんて出来ないって」 「………遅い」 「ごめん」 「遅いっ！！にぶトレーナー！！…にぶ…トレーナー…」 「受け取って欲しい」 全観客の前で、俺は跪く。 「……ほんと、にぶちん…嬉しいっ！嬉しい！！！」 「……あはは、ありがとう、ずっと…傍に！お前のファンで居させてくれ！」 「…うんっ！」

83 21/11/19(金)22:26:16 No.868244791

皆さんが求めてたのを出して寝ます

84 21/11/19(金)22:27:00 No.868245058

スマートファルコン差し切ってゴーーーール！！！！

85 21/11/19(金)22:27:22 No.868245205

>トレーナーもアイドルとして酸いも甘いも経験してるからか恋愛する気がまるで無い… 元一流アイドルなんだからコンプライアンス完璧に決まってるだろ トレーナーとウマ娘だぞ

86 21/11/19(金)22:27:38 No.868245325

逃げて数年デュエットするなや

87 21/11/19(金)22:28:32 No.868245655

>スマートファルコン差し切ってゴーーーール！！！！ 一歩間違うと刺して切るまであったからな…

88 21/11/19(金)22:29:03 No.868245844

お互い忍耐力凄いな！

89 21/11/19(金)22:29:16 No.868245919

ウマ娘だと地方ならともかく中央ではどうやっても同年代トレーナーは無理だろって思ってしまう

90 21/11/19(金)22:29:37 No.868246033

逃げ差しか…

91 21/11/19(金)22:29:56 No.868246129

スレッドを立てた人によって削除されました つまんね

92 21/11/19(金)22:30:16 No.868246259

書き込みをした人によって削除されました

93 21/11/19(金)22:35:05 No.868248123

このトレーナーよくファル子の友達ウマ娘からファル子と一緒に密室に閉じ込められたり逃げるなゴラァって襲撃されたりしなかったな…