ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/11/17(水)21:03:42 No.867593528
◯月◯日 -今日一日は最悪だった -姉貴の推薦でブロッコリー大使とやらに選ばれたせいでCM撮影だなんだと山ほどブロッコリーを食べさせられた -野菜は全て食べられるものではないが、中でもあの青臭さは全く受け付けられない -飲み込めずにカメラを睨んでいるとアイツが、リスみたいだねと気の抜けたことを言うから意地で飲み込んでやった -いつかトレーナーの苦手なレバーを山ほど食わせて同じように言ってやろうと思う P221
1 21/11/17(水)21:04:36 No.867593982
□月□日 -今日は疲れた -今年から赴任した理事長代理がトレーナー達を急遽召集したそうだ -どうやら学園でのトレーナーとウマ娘間の風紀が乱れているから是正しろといった内容だったようだ -普段はすまし顔の会長様も女帝様も血相を変えて飛び出していき、他の生徒達と徒党を組み抗議活動を行っていた -屋上から眺めていたがもちろん授業はまともに行えるハズもなくボイコットの結果休日の外出は許可するがトレーナー寮への出入りは禁止となった -女帝様は横暴だ強権の乱用だなどと抜かしていたが、会長様から抜け道を示した地図を渡され笑みを浮かべていた -…コイツらはもう手遅れかもしれん… P222
2 21/11/17(水)21:05:02 No.867594201
----- ウォーミングアップ(コース外周を15分ジョギングペースで) 600mインターバルダッシュ10本 坂路3本 体調が優れない? →レースのイメージトレーニングへ変更 P218 -----
3 21/11/17(水)21:05:40 No.867594491
△月△日 -今日のトレーニングメニューはなんなんだ -私の体調が優れないように見えるからと、アイツは坂路の時間を映像を見るトレーニングに変更した -G1も近いと言うのに府抜けたことを言うものだからちょっとした言い合いになってしまった -ただ、本心ではないことを口にだしてしまったしアイツは常に一番に私のことを考えてくれているのは知っている -明日のトレーニングの時に謝ろう -アマさんに聞けばアイツが好きだと言っていたアレの作り方も教えてもらえるだろうか P223
4 21/11/17(水)21:06:13 No.867594722
✕月✕日 -いない -アイツが居なくなってしまった -携帯も繋がらずトレーナー寮の守衛に聞いたりしたが行方がわからない -日記帳のような厚さになった私のトレーニングメニューだけを残してアイツは影も形も無くなってしまった P224 -----
5 21/11/17(水)21:06:47 No.867594958
----- 坂路3本(無理させないように注意) ダウンジョギング→ウッドチップコース P219 -----
6 21/11/17(水)21:07:49 No.867595453
◇月◇日 -アイツが姿を消して一週間たつ -全てを投げ出してアイツを探しに行きたい -実際二日前まで思い当たる場所を学園には無断で抜け出し探し続けていた -収穫はなかった -手がかりも何も見つけることがなく私は学園に連れ戻された -今はアイツの残したトレーニングメニューを文字通りこなしているだけだ -…会いたい…アイツに会いたい… -アイツの笑顔が見たい、声が聞きたい、、独りは嫌だ… -…私も生徒会の二人を笑えないな… P225
7 21/11/17(水)21:08:04 No.867595592
----- ダメだブライアン P220 -----
8 21/11/17(水)21:08:23 No.867595743
§月∞日 -明日はレースだ -アイツの顔を見ること無く -腑抜けた私のままレースに出ることになるだろう -そうだろう?ナリタブライアン 今、読んでいる君だよ
9 21/11/17(水)21:08:46 No.867595927
「…ひっ!!」 なんだ…これは… 私の字で私の書き方で私の日常を綴ってある 「なん、なんだ…これは…っ!」
10 21/11/17(水)21:09:12 No.867596122
アイツの残した日記帳に載っていたメニューをめくっていた 何か手がかりがないかと しかし、最後のメニューのあとに続いていたのはまるで私が書いたとしか思えない日記だった パラッ…パラッ… 風なんて吹いているわけでもないのに ページが1つ、1つ進んでいく
11 21/11/17(水)21:09:41 No.867596342
----- -に ----- -げ ----- -ろ -----
12 21/11/17(水)21:10:03 No.867596519
直後に背後に気配を感じ私は一目散にトレーナー室を飛び出した 直感的に分かった、振り向いてはいけない トレセン学園の廊下を脇目もふらず駆け抜ける アイツが…きっと逃げろと言ってくれたのはアイツに違いない はやくどこか人のいる所へ 人のいるところ…?
13 21/11/17(水)21:10:30 No.867596738
そして、ふと気づいた 夕暮れ時とはいえこの時間に 誰ともスレ違わないなんてことあるだろうか トレセン学園の廊下はこんなに長かっただろうか 行き着く先の見えないほどに
14 21/11/17(水)21:10:57 No.867596952
カツン…カツン…カツン…カツン… 固い靴底が床を叩く音が聞こえる カツン…カツン 少しずつ大きくなる カツンカツン 近づいてくる カツンカツンカツンカツンカツンカツンカツン カツッ…
15 21/11/17(水)21:11:18 No.867597104
左肩に手が置かれ右の頬に手が添えられる ギリッギリッと万力のような力で私を振り向かせようとしている 振り向いてはいけない見てはいけない 分かっているのに身体は動かない目は閉じられない そう、振り向いた先にいたのは…
16 21/11/17(水)21:11:59 No.867597393
「おーいブライアン!そろそろ起きろー!」 頭がぼーっとする… 「屋上が使えないからってあんまりここでサボられるのも…トレーナーとしてはあまり良いとは言えないからな!」 安物のソファじゃ寝心地良いとは言えないし!とアイツはうるさいくらいの声で笑っていた なんだか長い夢を見ていた気がする コイツの顔が見られることが久方振りのような …長らく会えなかったような気がして…