虹裏img歴史資料館

1 21/11/10(水)00:05:11 No.865071173

「調子に乗ってんじゃねぇ」 一瞬の浮遊感、そして背中に衝撃と痛みが走る。苦悶の声を漏らすと同時、間髪入れずに腹に重み。 「名刀、魔女……立て続けに気性難のクセウマ娘で結果を出したから、オレもイケると思ったか？」 腹に跨りマウントポジションを取った彼女は、息を整える間も与えずに、引き寄せるように俺の胸倉を掴む。 「そこいらの連中と、オレを──同列に見るんじゃねえよ」 「ぐっ……！？」 「オレはオレだ。ドリームジャーニーだ」 端正な顔付きが間近に迫る。艶やかな髪が、鋭い目付きが。 堪能する暇も与えられず、皮膚を吐息が撫でて、肌が湿り、鋭い痛み。俺の首筋に、彼女は犬歯を突き立てた。

2 21/11/10(水)00:05:29 No.865071267

校舎の裏で、止める者は誰もいない。俺の生殺与奪権を握った上で、ドリームジャーニーは一方的に口を開く。 「ほら。オマエが何を言うべきか──ふざけた事を抜かす喉は、いらねえよな？」 「俺は──」 ちろちろと、舌先が傷口を撫でる。より痛みを認識させるように。彼女は本気だ。次は無いぞ、と。本気で、俺を試している。だったら。 「──俺は、君をスカウトしたい！」 俺も、本気で答えるまでだ。 「……ハッ」 目を逸らさず、震えも見せず。ドリームジャーニーは、大きく口を開き──

3 21/11/10(水)00:06:24 No.865071575

「──と言うわけで。何とドリームジャーニーが我がチームに加入することになりましたー！」 ──引いた。 私の今の心境を端的かつ正確に言い表すのなら、その一言に尽きる。 とても嬉しそうに笑うトレーナーと、その隣で面倒くさそうに頭をかく彼女──ドリームジャーニー。 トレーナーの首筋には絆創膏。それは恐らく、彼女によって与えられた傷痕。 「ホラ、二人とも挨拶！」 「……デュランダルです」 「知ってる。オレの名前はコイツから聞いただろう、言う必要は無ぇよな？」 トレーナーとドリームジャーニー。二人の間で如何なるやり取りがあったのか、それは余人の預かり知るところではない。 同じチームの仲間として知るべき内容なのかもしれないが、下手に触れば彼女は文字通り噛み付いてくるだろう。 しつこくスカウトしてくるトレーナーに対して、ドリームジャーニーが根負けした──程度の認識で捉えておくとしよう

4 21/11/10(水)00:07:23 No.865071890

「ところでスイープは？」 「……彼女なら、補習です。恐らくもう間も無く来るでしょうが」 「アイツめ。だからメッセージに既読が付かなかったのか……よし、ちょっと二人で親睦を深めておいてくれ」 たづなさんに申請書類貰って来る、そう言い残してトレーナーは部屋を出て行った。 二人きりでトレーナー室に残され、対峙する彼女と私。 「……へぇ」 じっと、観察するように彼女が眼差しを向けて来る。 ドリームジャーニーというウマ娘を気性難に分類する事には、誰も躊躇いを覚えないだろう。 ナメんじゃねぇ──それが彼女の口癖だと、聞いたことがある。 気に入らないモノには従わない。調子に乗ってるヤツはぶっ飛ばす。かと言って簡単にへり下る輩も気に入らない。 それが風評で伝え聞く彼女の性格。 しかしトレセン学園にいる以上は、彼女も何か求めるモノがあって、それをトレーナーとなら掴めると確信したのだろう。

5 21/11/10(水)00:07:59 No.865072052

「ドリームジャーニー」 「あ？」 しかし、例え如何なるやり取りが二人の間であったとしても。彼のウマ娘として──彼の刃として、言わねばならない事はある。 「あなたが、どのような言葉をトレーナーと交わしたのかは知りません。知る気も有りません。 　しかし、彼に──私の鞘に、危害を加えるつもりがあるのならば。私はあなたに手を出す事に、躊躇いを覚えません」 「ハッ……そうかよ」 言わば、警告。耳にも尻尾にも、込める感情を隠さない。 対して、ドリームジャーニーは──面白いオモチャを見つけたと言わんばかりに、唇の端を持ち上げた。 「安心しな、ここにいる以上はダセェ事はしねぇよ……しかし、鞘か。補助輪の間違いじゃねえか？」 「……ふ。確かに、何にでも噛み付く幼児が相手であれば。そうなのかもしれませんね」 「……ハ」

6 21/11/10(水)00:08:14 No.865072129

お互い次の言葉を探り、口を閉ざす。沈黙が支配するこの場で、先に言葉を発したのは── 「待ちなさーい！」 ──乱入して来た、スイープトウショウだった。 慌ただしく近づいて来る声の方へ目線を向ければ、閉まりきっていなかったドアが開け放たれ、小さな影が滑り込んで来る。 「デュランダル！　捕まえて！」 こちらに向かって来た小さな影──ハムスターを屈んで捕まえる。 どうやらスイープトウショウはこのハムスターを追いかけて来たらしかった。大方、魔法の練習とやらに使う予定だったのだろうが。 「……スイープ。補習だったのでは？」 「ふふん♪ 有意義な時間の使い方を知っているのが魔法使いよ！」

7 21/11/10(水)00:09:46 No.865072681

得意げに胸を張る彼女を前にして脳裏に浮かぶのは、頬を膨らませるスイープトウショウと先生方に頭を下げるトレーナー。 およそこの後に待ち構えるであろう、これまでも何度も繰り返されて来た光景に溜息を吐き、ハムスターをスイープトウショウに返却する。 「……チ」 そしてこの空気の中でやり合う程、ドリームジャーニーも血の気は多くなかった。彼女は舌打ちを一つして、ソファに乱暴に腰掛けた。 「……え？　誰？」 そんなドリームジャーニーに首を傾げるスイープトウショウ。 こうして私達のチームは──まるで噛み合わない第一歩を、踏み出したのだった。

8 <a href="mailto:s">21/11/10(水)00:10:58</a> [s] No.865073049

姉貴の出会いを書き起こしてたら脳内で聖剣先輩とバチバチやり始めたので 今は険悪だけどこの後で聖剣先輩は後方正妻面するし姉貴は後方姉貴面するようになる

9 21/11/10(水)00:12:14 No.865073470

>今は険悪だけどこの後で聖剣先輩は後方正妻面するし もうしてない？ >姉貴は後方姉貴面するようになる オルフェの加入が楽しみだ

10 21/11/10(水)00:13:44 No.865073943

スレ画の姉貴の圧が強すぎる！

11 21/11/10(水)00:14:14 No.865074127

コイツらヤバイっス

12 21/11/10(水)00:14:19 No.865074156

オレは初対面で首に消えない跡つけたけどお前らは？

13 21/11/10(水)00:14:27 No.865074189

なんなんスかねこのチーム…

14 21/11/10(水)00:15:21 No.865074530

>コイツらヤバイっス トレーナーをシェア……シェア……できない……

15 21/11/10(水)00:15:52 No.865074698

バイオレンスすぎる…

16 21/11/10(水)00:16:43 No.865075023

>オレは初対面で首に消えない跡つけたけどお前らは？ 彼の携帯の待ち受けはずっと私ですが？

17 21/11/10(水)00:16:45 No.865075032

チビヤンキーと甲冑女がバチバチに…

18 21/11/10(水)00:17:00 No.865075139

助けて…シンハライト…カレンチャン…

19 21/11/10(水)00:17:22 No.865075253

こんな空間にカレンチャン入ってきて大丈夫なんスかね？ 平定してる…

20 21/11/10(水)00:18:56 No.865075811

セリフ回しが心地よかった

21 21/11/10(水)00:20:28 No.865076404

>>オレは初対面で首に消えない跡つけたけどお前らは？ >彼の携帯の待ち受けはずっと私ですが？ スマホの待ち受けはウチッスけど？

22 画像ファイル名:1636471239544.png 21/11/10(水)00:20:39 No.865076475

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

23 21/11/10(水)00:22:01 No.865076947

ikzeに今度トレセンに妹が入ってくるんだが性格難すぎてどうせどのチームにも入れないからうちに入れてやってくれねえか…ってドリジャが頼むんだよね… でもドリジャが頼んだのは絶対言うなって口止めされてるんだよね…

24 21/11/10(水)00:24:03 No.865077664

姉貴は最初はすげえツンケンするけど一度サークルに馴染むとめちゃくちゃだるたるになるタイプそう

25 21/11/10(水)00:25:37 No.865078220

>>>オレは初対面で首に消えない跡つけたけどお前らは？ >>彼の携帯の待ち受けはずっと私ですが？ >スマホの待ち受けはウチッスけど？ わたしはレース前に全身ナデナデしてもらったよ？

26 21/11/10(水)00:26:56 No.865078658

>ikzeに今度トレセンに妹が入ってくるんだが性格難すぎてどうせどのチームにも入れないからうちに入れてやってくれねえか…ってドリジャが頼むんだよね… >でもドリジャが頼んだのは絶対言うなって口止めされてるんだよね… 察してあいつにも姉妹の情があるんだな…素直じゃない奴めってデュランダルとスイーピーとカレンチャンが後方チームメイト面するんだ

27 21/11/10(水)00:28:26 No.865079143

新馬戦で早速脇腹縫う怪我させたのってそういう…

28 21/11/10(水)00:28:36 No.865079207

今じゃ↓この辺にドリジャされるギャグキャラな姉貴にもキレたナイフの時代があった

29 <a href="mailto:s">21/11/10(水)00:28:58</a> [s] No.865079364

貼り忘れたけどデュランダルとの3年間 fu510957.txt >1636471239544.png いつもありがたい……

30 画像ファイル名:1636471803011.png 21/11/10(水)00:30:03 No.865079701

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

31 21/11/10(水)00:30:11 No.865079739

マイラーズカップあたりでどん底まで落ち込むけど トレーナーと聖剣の激励で徐々に覚醒しそう

32 21/11/10(水)00:35:15 No.865081471

>>>>オレは初対面で首に消えない跡つけたけどお前らは？ >>>彼の携帯の待ち受けはずっと私ですが？ >>スマホの待ち受けはウチッスけど？ >わたしはレース前に全身ナデナデしてもらったよ？ レーンは愛されウマ娘っスね～～～ …ちょっと用事思い出したんで失礼するっス

33 21/11/10(水)00:37:39 No.865082241

キレたナイフのようなジャーニーを笑顔で撫でるトレーナーの名画がある

34 21/11/10(水)00:37:55 No.865082321

>姉貴は最初はすげえツンケンするけど一度サークルに馴染むとめちゃくちゃだるたるになるタイプそう 半年後にはプレハブ小屋でトレーナーの漫画読んでゲラゲラ笑ってるドリジャ…

35 21/11/10(水)00:38:33 No.865082516

いつの写真見ても赤いなこのトレーナー…

36 21/11/10(水)00:39:20 No.865082748

身長のせいででスイープと同じような子ども扱い受け始めるんだよね

37 21/11/10(水)00:39:21 No.865082754

「なぁオマエ──冠に興味はねぇか？」 未だ春の遠い校舎裏。数ヶ月後には数多くの花弁を舞い散らせる木々も、今はまだ寒さに耐えている中で。 俺を呼び出しドリームジャーニーは、開口一番そう告げた。 「……ま、聞くまでもねぇか」 冠。その言葉が指すものは、言うまでもなく。 「お行儀の良い戴冠式とはいかねぇだろうが──オマエにとっては今更だよなぁ？」 >ikzeに今度トレセンに妹が入ってくるんだが性格難すぎてどうせどのチームにも入れないからうちに入れてやってくれねえか…ってドリジャが頼むんだよね… >でもドリジャが頼んだのは絶対言うなって口止めされてるんだよね… こんな感じの導入が浮かんだ

38 21/11/10(水)00:39:53 No.865082945

きっとドリジャの服も多分赤い

39 21/11/10(水)00:40:41 No.865083249

聖剣携え魔女を従え臨んだ夢の旅路で可憐なる金細工師と出会う物語 ッス

40 21/11/10(水)00:41:40 No.865083558

fu509507.mp4 やめないか人前で…

41 画像ファイル名:1636472588577.png 21/11/10(水)00:43:08 No.865083940

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

42 21/11/10(水)00:44:04 No.865084189

ドリジャだけ生でダメだった

43 21/11/10(水)00:44:37 No.865084356

RPGみたいなチームだな…

44 21/11/10(水)00:46:46 No.865084953

本日の練習メニュー ・フルアーマー素振り ・電気柵設営 ・噛み合わせ強化 ・雪中スイープ待ち

45 21/11/10(水)00:46:54 No.865084989

デュランダル　後方正妻面 スイープ　ワガママだけど実は一番空気が読める ドリームジャーニー　切れたナイフ後に後方姉貴面 カレンチャン　ボス オルフェ　舎弟 レーン　今日も可愛い そんなチームキボンヌ

46 21/11/10(水)00:48:13 No.865085387

レーンちゃんはみらい君と世界を獲りに行くって…

47 21/11/10(水)00:48:25 No.865085452

「あなたは彼女達に甘すぎる」 「みんな可愛い子だからね」 そんなやり取りをするトレーナーと聖剣先輩