虹裏img歴史資料館

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21/11/08(月)00:11:21 パッツ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1636297881187.jpg 21/11/08(月)00:11:21 No.864454057

パッツはマリオンクラブハウスの元クラブチャンプである アマチュアの中から見ても飛ばない方であるドライブは200ヤードが関の山である彼がチャンプの座に君臨出来ていたのは緻密な計算に基づく堅実なゴルフの成果だ しかし彼はチャンプの座を奪われた そして奪った者は全てのクラブハウストーナメントを制し…マッチプレイにおいても各クラブチャンプ全員を倒し…現在のグランドチャンプとなっている 噂によると伝説のゴルファーであるマリオにも勝利したらしい… そんなグランドチャンプとは対照的にパッツの評判といえば… 『とりあえずパッツを超えよう』 『パッツとしない人』 『噛ませメガネ』『セコセコメガネ』 今や多くのゴルファーの踏み台として名を馳せている状態であった

1 21/11/08(月)00:11:45 No.864454194

飛距離だ…飛距離が足りない…ボクに足りないのはドライブだ 300ヤードを飛ばすグランドチャンプにもドライバーを提供したとされるクラブ職人のもとを訪ねたパッツ まずは今使っているドライバーを見せてほしいと言われ手渡す 職人がドライバーを鑑定するかのように見た後… 「あンたに渡す俺のクラブはないね…断る」 「なっ!何故なんですかーッ!」 「飛ばないのはクラブじゃなくてあンただからさ」 「ボクが飛ばないのはわかっていますッ!だから飛ぶクラブを…」 「あンたのゴルフはドライバー一本だけで変わるようなゴルフなのかね」 「うッ…!」 「あンたのクラブを見りゃわかる。あンたのゴルフはもう完成してるンだ。だから変えたいのならクラブじゃなくてあンたを変えなきゃならン」 「ボクを…変える?」 「そう。長年付き合ってきた相棒を変えるんじゃなくてあンたのゴルフをね」

2 21/11/08(月)00:12:11 No.864454332

リンクスクラブ―――この地方では屈指の難度を誇るコースに二人はやってきた 2H 523Y PAR5 直線ではなく湾曲したこのコースに二人は立つ 「あンたのゴルフを見せてくれ。普通にプレーしてくれるだけで良い。俺の見当違いなら俺のクラブを持っていくがいい」 「わかりました。」 カキャッ.. パッツのティショットはフェアウェイのど真ん中に落ちた 「よし次は俺の番だな」 ガキッッ 職人のティショットはラフに入る手前のフェアウェイに落ちる…パッツのボールを大きく追い越して… 「す…すごい…260は飛んでるかな…」 職人はニヤッとパッツに笑みを返した

3 21/11/08(月)00:12:28 No.864454432

「次はどこを狙うんだい?」 「あのバンカーの手前のフェアウェイを狙います」 「ホ!刻むねェ」 「ボクの飛ばしじゃあのバンカーは超えられませんからね」 カシュッ パッツのスプーンは宣言した通りの場所へボールを運んだ 「言った通りにショットか…流石元チャンプ」 ムッ…元チャンプという言葉にパッツは顔を顰める 職人のセカンドショットはグリーン手前のラフに落ちた 「ラフに捕まっちゃいましたね」 「うまくアプローチできりゃあいいンだがね」

4 21/11/08(月)00:12:44 No.864454525

バンカーの手前のフェアウェイ…ピンまで140ヤード 「2番アイアン?いくら飛ばないといっても強すぎじゃァ…」 「まあ見ていて下さい」 ドシュッ... パッツの打ったボールは高く弧を描きグリーンのど真ん中に落ちほとんど転がらずに止まる 「!! 高いボールでランを殺したのか…」 職人のボールは深いラフに包まれピンまで20ヤード…しかしそこからグリーンに乗せてもピンに向かって強い坂がある そこで職人が選んだクラブは5番アイアンであった 「! ピッチングウェッジは使わないのか…?」 「うぉぉーッ!」 ラフごと削り取る勢いで振り抜きグリーン手前のセミラフにボールは落ちるもその勢いでグリーンを走りボールはピンのすぐ側で止まった 「な…なんてゴルフだ…なんて力強いんだ…」 パッツは今までに出会ったことのないゴルフに身が震えていた そして何かを…感じ取っていた

5 21/11/08(月)00:12:59 No.864454618

「これを沈めりゃバーディだな先生」 なだらかな坂を上がる形でのライン…パッツはパターを握る コツッ.. しかしボールは坂を上がりきれずピン手前で止まる 「ううッ…!」 そして残ったパットを決めてパーで終わった 「大したもんだぜこのコースをパーオンしてパーとはな。流石せンせイと言ったところか」 「先生と言うのはやめて下さいッ!それでボクのゴルフはどうでしたか?」 「クラブハウスに帰りながら話そうか」

6 21/11/08(月)00:13:24 No.864454774

「結論から言えばあンたに俺のクラブは渡さん」 「わかりました諦めます。しかしボクのゴルフのどこが悪いのか教えて下さいッ!」 「言った通りあンたのゴルフは完成している。どこも悪くない。ただ俺から言わせりゃあンたのゴルフには冒険が足らン」 「冒険…ですか?」 「そうだ。フェアウェイに落としてフェアウェイに刻んでグリーン真ん中に落としてパットで刻んで入れる。なるほどお手本のような安定さだ。まさに先生だわな」 「飛ばないから刻むしかないンです」 「じゃア最後のパットは?あれを一発で沈めりゃバーディだったじゃないか」 「そ、それは…」 「俺のゴルフはどうだった?ギリギリフェアウェイに残してラフに突っ込んでアプローチでグリーンに寄せる。あンたのゴルフとは正反対だが結果は同じ3オンさ」

7 21/11/08(月)00:13:42 No.864454899

「ゴルフは上がってなんぼなんだぜ!あンたのゴルフには攻めが足りない!アグレッシブさが足りないンだ!グランドチャンプに俺が目をつけたのは…俺がクラブを渡したのはあいつの攻める姿勢を見たからさ!」 「! 攻める姿勢…!」 「あのキングオブキングスと謳われたジーンだってフェアウェイキープ率は6割なンだ。でも強い。刻めば刻んだ分パットに余裕がなくなる。」 「じゃあどうすれば…」 「もっと飛ばすンだ。もっと攻めるンだ。」 「いやだから飛ばしたいからあなたのクラブを…」 「ドライバーだけ飛んでどうするーッ!鍛えろ!鍛えるンだッ!甘えるンじゃねーッ!身体の鍛え方なら教えてやる!」 「は…はい!よろしくお願いします!」 リンクスクラブの夕陽がバッグを担ぐ二人を包み込む パッツの第二のゴルフがこれから始まろうとしていたのであった…

8 21/11/08(月)00:14:36 No.864455202

パッツの夢小説初めて見た

9 21/11/08(月)00:28:15 No.864459797

ホールの設定適当かと思ってGB動かしてみたら設定通りだった

10 21/11/08(月)00:31:54 No.864460982

>ホールの設定適当かと思ってGB動かしてみたら設定通りだった アゼリアちゃんいいよね…

11 21/11/08(月)00:49:28 No.864467306

懐かしい…と思ってスレ開いたらなにこの力作

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