21/11/05(金)00:59:43 前回ま... のスレッド詳細
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21/11/05(金)00:59:43 No.863398841
前回までのウマ娘 快眠！薔薇親父ファームは 「今日は遊びに来たんじゃない。君と再戦しに来たんだ！」 「…なんの事だろうな。」 ﾌﾟﾍﾟﾍﾟﾎﾟﾋﾟｰ 「き…今日は帰るけど…再戦のこと忘れるんじゃないぞ！」 「今のって…」 「同期だ。それより早く帰るぞローズ。」 fu495607.txt
1 21/11/05(金)01:00:26 No.863398989
「ありがとうございました。またお越しください。」 「どうかお気を付けてー！」 一組の宿泊客をを送り出す二人。他の客もアドマイヤジャパンやエタリオウが送りだし、リゾートは忙しない客室清掃の時間になる。 「エタ君このシーツ持って行って！」 「了解っす！！！」 「ねーねーローズくーん、これ、多分さっきの人たちの忘れ物だよねー？」 「確かに…ジャパンさん連絡お願いできますか？」 「おっけー！」 ───そこから数時間経ってひと段落した頃、フロントに一本の電話がかかってきた。 「おーい！ローズ！電話かかってきてるぞー！」 「はいはい…全く…わかってるなら出てくださいよ…」 「はいこちらヴェルサイユ…はい。わかりました。」 「ギムさんに電話ですよー」 応対したローズは送話部を押さえながら、休憩していたギムレットに受話器を差し出す。
2 21/11/05(金)01:00:39 No.863399045
「俺に？ウオッカか？」 「違うみたいですよ？」 ギムレットは疑問に思いながらも受話器を受け取り、特に警戒することもなく名乗った。 「タニノギムレットだ。要件はなんだ？」 「ギムレット！」 電話から聞こえてきたのはライバル──シンボリクリスエスの声であった。 ガンッ！！！ それに驚いたギムレットは思わず壁に穴を開けていた。 「ちょっと何してるんですかギムレットさん！？」 電話の主はその音が聞こえなかったのかそれとも無視したのか、構わず話し続ける。 「昨日は邪魔が入ったけど今度こそは…」 「おーい！クリスエスさんどこプイー？！クリスエスさぁぁあん！！」 「ちょっとプイプイちゃん静かに…いま電話してるから…ね？」 誰かが電話中でも賑やかなのは二人とも変わらない。 双方それには慣れているので、問題なく会話は進む。
3 21/11/05(金)01:00:50 No.863399087
「何度も言うが俺はとっくの昔に引退した身だ。もう誰かと競い合って走るつもりはない。」 「どうして…また君はそうやって…！」 「第一お前だって引退して後進の育成にあたる身のはずだろう！」 「ああ、それでも走ることはやめてない！」 「たとえそうだったとしても、俺はもう違う。俺はもう走れない。」 彼女はそう言い放つと受話器を乱暴に戻して電話を切り、どこかへと去ろうとした─────が、その前に工具を用意し、ゴーグルとマスクを装着したローズに引き止められた。 「どこに行く気ですか。せめて補修の手伝いぐらいはしてもらいますからね。」
4 21/11/05(金)01:01:03 No.863399138
数日後。クリスエスは再びリゾートを訪れた。しかし──── 「ギムレット！…ここじゃないか。」 「おーい！どこだー！」 「ここにもいないな…」 目当ての人物は見つからない。 「あいつ…いったいどこに…」 これだけリゾートの中を彷徨っていれば、当然目当てでない人物と会うこともある。 「あれー？クリスエスさん？」 「えーっと君は確か…」 「アドマイヤジャパンです！いつもディープがお世話になってるみたいで…」 「あー！そうそうジャパン君！私もプイプイちゃんから話は聞いてるよ！」 「そうなんですか？うれしいなぁ〜」 「それで…ギムレットどこにいるか知らない？」 「ギムさんなら今日は朝からウオッカちゃんの所に行ってて不在ですよ？」 「えっ!?」
5 21/11/05(金)01:01:14 No.863399184
待ち人来たらず。今日のクリスエスの運勢はきっとそうだったに違いない。事実、彼女の今日の行動は全くの無駄であった。 「そ…そんなぁ…」 落胆するクリスエス。ジャパンはそんな彼女を談話室まで連れていくと、待っているように言い、とある人を呼びに行った。 「はぁ…ん？」 椅子にへたり込んでいたクリスエスは、談話室に写真立てがいくつもある事に気が付いた。立ち上がり、彼女はそれを手に取って見てみる事にしたようだ。
6 21/11/05(金)01:01:27 No.863399226
「あっ、プイプイちゃん」 最初に彼女が手にしたのは、ディープインパクトとアドマイヤジャパンが二人で写っているものだった。背景は京都レース場。それが菊花賞での写真であろう事は、そこで走ったことのない彼女にも容易に想像が付いた。 「いいなぁ…二人は決着を付けられて。」 誰に伝えるでもなく、そんな羨望の言葉が口から漏れた。 次に彼女の目に付いたのは、薔薇の髪飾りをしたウマ娘が、嬉しそうではあるものの、何処か不服そうな顔でトロフィーを持っている写真だった。 「これ…ジャパンカップの…」 その写真には、第30回ジャパンカップ優勝と書かれた優勝レイも共に写っていた。 「あっ…ギムレットだ」 多くの写真の中に、自らのライバルの姿を見つけたクリスエスは少し微笑むと、そのままそれがいつ撮られた物なのかを見ていった。 シンザン記念。アーリントンC。スプリングS。 「あれ…？なんで…！ない…！？」 なぜかダービーから後の写真は一枚もなかった。
7 21/11/05(金)01:01:43 No.863399295
「ダービーの写真は飾らせてくれないんですよ。ギムさん。」 いつの間にかジャパンに呼ばれ、ローズが談話室に来ていた。 「君は…ギムレットと一緒にいた…」 「はじめまして、僕ローズキングダムって言います。」 「この写真のもたしか…」 「ああ、これですか…この時はいろいろありましたからね。」 ローズは苦笑いするような顔で自分の写真を見る。 「なんでギムレットはダービーの写真を…そんなに私の事…？」 「そうじゃないですよ。ギムさんはそういう人じゃありませんから。」 「じゃあどうして私と再戦を…！」 「ギムさんはあなたにライバルのままでいて欲しいんですよ。」 「それって…どう言う意味？」 「ギムさんの引退理由、知ってますか？」 「…！…それは…アイツは何も発表してないし…」 「でも、噂のことは知ってますよね？怪我の話。」
8 21/11/05(金)01:01:55 No.863399342
「それ…は…知ってるけど…でも…ギムレットは私のライバルなんだ…私は…アイツとまた走りたい…！私はそれを…あきらめきれない…！」 「ふふっ…そういうところはお二人ともそっくりなんですね。」 「二人とも…？」 「ギムさんもきっと、あなたとまた走りたいと思ってますよ。」 「じゃあどうして！」 「ギムさんもウマ娘ですから、走るのをやめたかったはずがありません。事実、今でも引退する時のことを夢に見て泣いてたりするんですから。でも、ギムさんは怪我であの時みたいにはもう走れません。だから、あなたとまた走って幻滅されるのを恐れてるんですよ。」 「アイツ…バカだな…本当に…！」 クリスエスは心の底から嬉しそうにそう言った。 「それにギムさん自分の部屋に優勝レイずっと飾ってるんですよ？しかも一番目立つところに。」 「それ本当！？」 それを皮切りに、二人はしばらくギムレットの話で盛り上がっていた。
9 21/11/05(金)01:02:06 No.863399384
「ただいまー。」 「お帰りなさいギムさん」 「おかえりギムレット！」 「クリスエス！？お前いつから居たんだよ！………再戦なら受けないぞ。」 「その話なら一旦取りやめるよ。でも私はライバルのお前を追いかけ続ける。今度は私がお前を差すんだ。」 「…そうか。」 「………ありがとな。」 ギムレットはわずかに聴こえる程度の大きさの声でそう言った。
10 <a href="mailto:s">21/11/05(金)01:02:20</a> [s] No.863399446
続きモノを書くと必ずエタる症候群が出そうになりましたがなんとか抑えました ↓過去のやつです fu495620.txt fu495623.txt
11 21/11/05(金)01:03:45 No.863399777
エフフォーリア…君はライバルが走ってるうちに白黒つけるんだぞ…
12 21/11/05(金)01:04:25 No.863399928
ウワーッ！大長編！
13 21/11/05(金)01:20:38 No.863403792
書き込みをした人によって削除されました
14 <a href="mailto:Cパート">21/11/05(金)01:21:00</a> [Cパート] No.863403898
「せっかくだし泊まっていきませんかクリスエスさん？」 「じゃあそうしようかな〜ギムレットがおもてなししてくれるんでしょ？」 「…仕方ないな。」 「あっそうだー、今度ディープも呼んできてくださいよー」 「いいですねジャパンさん！せっかくだからドットさんとシャトルさんにも来てもらいましょうよ！」
15 <a href="mailto:s">21/11/05(金)01:50:45</a> [s] No.863409574
明日は多分短いの書きます
16 21/11/05(金)02:08:30 No.863412454
ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!
17 21/11/05(金)02:17:34 No.863413747
ありがとうこれで快眠できる
18 21/11/05(金)02:19:47 No.863414053
>1636045710372.png ありがとうございます…続きを書く活力になります…
19 21/11/05(金)02:20:11 No.863414100
ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!
20 21/11/05(金)02:32:10 No.863415567
ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!
21 21/11/05(金)02:38:30 No.863416334
さらに二枚も…！ありがとうございます！
22 <a href="mailto:絵「」">21/11/05(金)02:44:29</a> [絵「」] No.863416983
自分にセンスがないせいで見にくいスレ絵を更新できなくて申し訳ありません…いつも楽しく読ませてもらってます！
23 <a href="mailto:s">21/11/05(金)02:46:32</a> [s] No.863417230
いつも手書きいただいてるのが本当に助かってます