ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/10/24(日)23:30:16 No.859833230
島の守り神カプ・キブルよ 先日ポケスペ純愛健全ゾロ目スレでレブル運ムンの話になりましたので三次創作を書きました どうかお受け取りください そしてなにとぞ、レブルと運ムンにお力添えください あらすじ 水着回
1 21/10/24(日)23:30:33 No.859833352
「レッドさんすげー身体してんな」 「そうかな…」 男用の脱衣室にて。 服を脱いで水着姿になるとサンに指摘され、レッドは照れ笑いした。 「うちのククイ博士もいい身体してんだけど、 レッドさんもすげーな」 「ククイ博士?」 「オレっちたちにポケモン図鑑くれた人でダチ。 たまにオレっちにプロレス技とかかけたりすっけど」 「それはまた…」 オーキド博士と大きくイメージの違う博士にレッドは戸惑う。 「ひでぇよな。ちょっとポケモン図鑑汚したから徹夜でクリーニングしてもらったくらいで」 「いや、それはお前が悪いだろ」 サンの言い分に思わずレッドは突っ込んだ。
2 21/10/24(日)23:30:52 No.859833501
「で、なんでアローラに来たんだ? ブルーさんの付き添い?」 「それもあるけど、ちょっと気分転換にな」 苦笑しつつ答えると、サンが首を捻った。 「まあなんでもいいけどよさ。 それより、せっかくアローラに来たんなら楽しんでけよ。 明日は花火大会やるしさ」 「お、それは楽しみだな」 「オレっちも屋台とか出すしさ。 よかったらそこで買ってくれよ」 「たはは。ちゃっかりしてるな」 頭をかきながら笑うと、ふとサンが真剣な顔になり、 「オレっち、ポケリゾート作りたくってさ。そのために稼いでんだ」 「そっか…」
3 21/10/24(日)23:31:10 No.859833673
彼の表情や言葉。 そこから、彼がその目標に向かって進む信念を少し感じる。 「いいよな。目標や夢があるって」 「レッドさんはねーのかよ?」 「あるよ。最強のポケモントレーナーになるって夢が」 そう言いつつ、レッドはため息をつく。 「ただ、不安になるんだ。 自分がほんとになれるのかなって」 「もうカントーチャンピオンなんだし充分つえーんじゃねぇのかよぉ?」 「いや、まだまだだよ」 かつての強敵たちを思い出す。 当時の自分の実力では勝てなかったものもいる。 現在でも、勝てるかどうかは自信が持てない。
4 21/10/24(日)23:31:32 No.859833866
「上を見たらキリがなくて。 オレはそこまで辿り着けるのかなって。 そう思うと不安になってさ」 ここに来たのも、そういった不安からの逃避かもしれない。 そう思っていると、サンが何気ないような口調で、 「そんなの、やるだけやってみるしかねーんじゃねぇかな オレっちだって、一億円貯めたことあったけど、もう無我夢中でやってどうにか稼げたし」 「そんなに稼いだのか…」 「ま、ポケリゾート建設にはまだまだ足んねーし、 もっと稼がねーといけねー。 どれほどかかるかもわかんねー。 けど、諦めたらそこで可能性も無くなっちまうしな」 「…そうだな」
5 21/10/24(日)23:31:49 No.859834001
肩をすくめ、同意する。 忘れていたかもしれない。 目標に対する貪欲さを。 何があろうとも突き進む必死さを。 目の前の少年は、それを持っている。 その身体一つで、大きな夢を叶えようとしてる。 それが、レッドには眩く見えた。 「ありがとな。頑張ろうって気になれたよ」 「いいってことよ」 屈託なく笑うサン。 この少年は、想像したよりずっと大人かもしれない。 そうレッドは思った。
6 21/10/24(日)23:32:04 No.859834130
「ブルーさんすごい…」 「ありがと」 女側の脱衣室にて。 服を脱いで水着姿になるとムーンに指摘され、ブルーはオホホと笑った。 「あなたももしかしたら大人になったらアタシみたいになるかもしれないわね」 「いえ、わたしはそこまでなりたいってわけでは」 「でも、さっきのサンがそうなってほしいって言ってきたら?」 「…その時は、考えてしまうかも」 と、ムーンがハッとした顔になり、 「いえ、運び屋さんとはそんな関係じゃありません!」 「そんなに否定することないのに」 ムキになって否定する彼女が可愛くて、つい顔がにやける。
7 21/10/24(日)23:32:21 No.859834235
「わたしは、運び屋さんの保護者みたいなもので、放って置いたら何するかわからないから…」 「あの子のこと、心配なのね」 その問いに、ムーンはコクリと頷く。 「あの人、すぐに怪我をして。 無理してばっかりで危なっかしいんです。 この前も、過労で倒れそうなくらいに弱ってて」 ため息混じりに言うムーンに、ブルーも同意する。 「わかるわ。アタシも心配な人がいるから」 「…それって、レッドさんですか?」 ええ、とムーンの問いに素直に頷く。
8 21/10/24(日)23:32:40 No.859834386
「あいつも、すぐ無茶をするの。 昔も、アタシのためにぼろぼろになるまで頑張って。 そんなあいつを放っておけないし、 それと同時にアタシのためにそこまでしてくれたことが嬉しいの。 アタシを大事に思ってくれているって思えて」 水着のズレを直しつつ、言葉を続ける。 「だから、旅行について来てくれた時は嬉しかった。 アタシを心配してくれてるみたいで。 もしかしたら、サンもムーンのことを心配して大事に思ってくれてるかもしれないわよ」
9 21/10/24(日)23:32:55 No.859834518
「…そうでしょうか」 「それはアタシよりムーンの方がよくわかってるんじゃない?」 ムーンは、何かを考えてるように固まり、そして赤面した。 「心当たりあったみたいね」 「いえ、あの!」 「ま、どうするかはムーン次第だから。頑張りなさい」 そう言い残して、先に脱衣室を出る。 後ろから慌ててムーンが追いかけてきた。
10 21/10/24(日)23:33:12 No.859834662
レッドたちは脱衣室を出てブルーたちを待つ。 そう時間を置かずに、彼女たちがこちらに来た。 「お待たせ」 「いや、そんなに待ってないよ」 「ならよかった。それよりどう?」 そう言われて、ブルーの姿を見る。 やや露出の多いビキニ。 それに包まれた細身ながらも起伏に富んだプロポーション。 異性の目を引く、美しい肢体にレッドはおもわず見惚れてしまった。 「すごい、いいと思う…」 「うふ。ありがと」 なんとか声を絞り出すと、普段と異なって彼女は顔を少し赤くして照れ笑いする。 いつもとのギャップで、さらにレッドの鼓動が速くなった。
11 21/10/24(日)23:33:30 No.859834801
「お客さんも水着似合ってんじゃん」 「ありがとう」 そう言うつつ、ムーンは内心ため息をついた。 サンの反応が、あまりにも淡白すぎる。 それでも褒めてくれただけありがたいのだが。 横のレッドほどではなくても、少しは照れてほしかったとは思う。 それなりに気合を入れてみた水着。 露出こそブルーよりは少ないが、セパレートにして自分なりに冒険してみたのだけれど。 「割とチラチラ見てるから、意識はしてると思うわ」 「言うなよ!」 ブルーに指摘されて、サンが顔を赤くした。 それを見て、ムーンは少し溜飲が下がった。
12 21/10/24(日)23:34:05 No.859835052
言いつつ、サンを見る。 自分達が大人になったら。 レッドやブルーほどに大きくなったら。 その時、自分達はどうなっているのか。 「運び屋さんは」 「あん?」 手を止めて聞いてみる。 「大人になったら、どうしてると思う?」 「そら、ポケリゾート建ててそこで働くか、相変わらず運び屋してんじゃねーかな」 予想通りの答え。 そこに、自分の居場所はあるのだろうか。 彼の隣に、自分はいるのだろうか。
13 21/10/24(日)23:35:18 No.859835621
「わたしは、どうしてるかな」 「さあな。それはお客さんが決めることだしな」 大きな放物線を描くほどにナマコブシを投げつつサンが言う。 その通りだ。 自分の道は自分で決めるしかない。 でも、という気持ちは自分の中に膨れて止まらない。 「でもさ」 「うん?」 「できればこうしてまたオレっちの近くにいてくれるとありがてぇかな」 「え…」 サンの言葉に、ムーンは目を見開く。
14 21/10/24(日)23:35:39 No.859835789
自分が言って欲しかった言葉。 それがサンから聞けて、驚愕する。 「お客さんならタダで面倒見てくれっからな。 金請求されないしありがてえ」 「無料目当て?」 やや拍子抜けするが、サンは腕を組み、 「それだけじゃねぇ。それだけじゃねぇんだけど上手く言葉にできねえな…」 うんうんと頭を捻りながら呻くサン。 そんな必死な様子にムーンは吹き出した。 「あんだよぉ」 「なんでもありません」
15 21/10/24(日)23:35:59 No.859835931
一方その頃。 「あの2人、仲良いな」 「そうね。助け合って、パートナーって感じ」 レッドとブルーは水かけを中断し、話し合っていた。 「アタシたちも、側からはそう見えるのかな」 「だとしたら、嬉しいな」 そう言うと、ブルーに抱きつかれた。 柔らかな感触がダイレクトに伝わり、冷静さを奪われる。 「ちょ…!」 「なに?こんなことで照れちゃって」 オホホと愉快そうに笑うブルーを至近距離で見て、さらに紅潮する。
16 21/10/24(日)23:36:25 No.859836125
その様子に満足したのか、ブルーが身を離す。 「ほんとにレッドはすぐ照れるわね」 「オレが照れやすいんじゃなくて、ブルーが美人でスタイルもいいからつい…」 「あらありがと」 レッドの弁解に、ブルーが胸を張る。 豊かな乳房が揺れ、目を奪われる。 「えっち」 「ご、ごめん!」 謝りながらすぐに目を逸らす。 と、そこで気づく。 大きな波が近づいているのを。 「ブルー!波が!」 「え?」 言った頃にはもう遅かった。 波の直撃を受け、その中に飲まれる。
17 21/10/24(日)23:36:50 No.859836305
海の中に沈められ、なんとかそこから浮上する。 「ぷはっ!」 海面から顔を出して、酸素を肺に入れる。 周りをみると、ブルーもまた顔を出して一息ついていた。 「ブルー!無事だったか」 「ええ。なんとかね」 そう言いつつ近づいてくるブルー。 が、その姿に違和感があった。 その感覚の正体は何かと思い彼女を見る。 と、それに気づいてレッドは硬直した。 「レッド?」 怪訝に思ったのかブルーが疑問符を浮かべる。
18 21/10/24(日)23:37:15 No.859836511
「ブルー、水着の上、外れてる…」 なるべく胸を見ないようにしながらレッドは指摘する。 今度はブルーが硬直した。 そのまま動きを止め、軽い波に当てられる。 が、どんどんと顔を赤らめ、慌てて手で胸を隠した。 「…見た?」 「…ごめん」 言い訳をせずに素直に謝罪する。 「謝らなくていいよ。レッドが悪いわけじゃないから…」 先程までのこちらをからかう小悪魔のような様子から打って変わって、 しおらしい態度になる。 それに戸惑いつつも、レッドは周囲を見回す。
19 21/10/24(日)23:37:32 No.859836647
と、目当てのものが見つかった。 「ブルー、これ」 それを手に取り、彼女に突き出す。 流されていた彼女の水着の上だった。 「…ありがとう」 それをブルーが受け取ったのを確認すると、レッドは彼女に背を向けた。 「オレ、こっち向いてるから。 その間につけ直してくれ」 「うん。わかった」 彼女が作業を終えるまで、目を背ける。 その間に、先程見てしまったあの光景が。 彼女の乳房が脳裏にこびりついて離れない。 そのことに悶々としていた。
20 21/10/24(日)23:37:44 No.859836760
「おーおかえりレッドさんたち」 「あれ?2人とも顔真っ赤ですけど?」 「…気にしないでくれ」 よくわからなかったが、サンとムーンはとりあえず頷いた。
21 21/10/24(日)23:37:58 No.859836873
以上です 閲覧ありがとうございました
22 21/10/24(日)23:38:37 No.859837132
お疲れ様です いつもより遅くなっただけあって纏まりが凄い…
23 21/10/24(日)23:44:47 No.859840172
一回で終わらせる予定 ↓ 終わらなかったので前後編に←先週 ↓ それでも終わらなかったので前中後編に←今ここ! 多分次回で終わると思います 予想以上に長くなる…
24 21/10/24(日)23:46:37 No.859841013
どんどん内容が多くなるのも見てる側からすれば結構楽しかったり
25 21/10/24(日)23:48:58 No.859842053
いざ書くと他への繋げ方が浮かんで想定してた完成が遠のくなんてこともありますが気ぶりが伸びるのはいいことだと思います
26 21/10/25(月)00:16:15 No.859852750
ブルーはラッキースケベの被害にあっても怒らないだろうね ゴールドにセクハラされても怒らないくらいだし