虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/10/21(木)21:07:14 『お兄... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1634818034165.png 21/10/21(木)21:07:14 No.858719320

『お兄さま、今日も勝てたよ!』 『お兄さまがいるから、ライスは青いバラになれたんだよ』 『本当にありがとう、お兄さま……』 **************** ううん、懐かしい夢を見ていた気がする……。 あれ、誰かがタオルケットをかけてくれて……。 「あれ、お兄さま。起きちゃった?」 「うとうとしてたかな、ありがとう、ライス」 コタツに入りながら担当するウマ娘の資料に目を通していたら、どうもうたた寝をしてしまったらしい。 目をこすりながら、改めて資料に目を落とす。 「根を詰めすぎないようにね……はい、ホットミルク」 「助かるよ。ライスの分は?」 「ちゃんと用意してるよ」

1 21/10/21(木)21:07:32 No.858719428

ライスがにこにこしながら見せてきたのは、お揃いのマグカップ。 立ち上る湯気に、飲む前からお腹が温まっていくような感覚を覚えた。 「ライスもコタツに入りなよ」 「ううん、ライスはこっちがいいな」 そう言って、ライスは俺の背中にもたれ掛かってきた。 そして、ふー、ふー、とマグカップに息を吹きかけると、美味しそうにちびちびと、ホットミルクに口を付けた。 かつてトレセン学園に所属して最初に担当した愛バ、ライスシャワー。 無事にレース生活を駆け抜けて卒業してからは、一緒に生活を共にしていた。 と言っても、夫婦になったり恋人になったりしたわけではない。 『お兄さま』と慕ってくれる彼女が、文字通り、妹になったようなものだ。 現役時代から二人で過ごすのは居心地が良かったし、一人っ子の身として妹という存在に憧れていたこともあり。 自然にというか、なし崩し的にというか、同居生活が始まった。 実家は遠く、一人暮らしもそれなりに長かったため、こうしてライスと二人で過ごしていると、 「……やっぱり、家族っていいなあ」 などと思うことが多い。

2 21/10/21(木)21:07:50 No.858719558

「お兄さまにそう思ってもらえるの、ライスも嬉しいな」 そう言いながら、ライスが微笑みながら長い耳で首元をくすぐってくる。 ライスの好きな遊びだ。 「しかし、こんな生活ももう三年か……」 「なんか当たり前になってきちゃったね」 「その当たり前がまた、居心地がいいのだけど」 振り向いて、ライスの頭をくしゃくしゃと撫でてやる。 目を細めて気持ちよさそうにするライスを見ると、疲れも吹き飛んで、こちらまで笑顔になってしまう。 「担当の子、最近調子いいね」 「うん、次のGⅠでも本命の一角って言われてるからね。初めての栄冠を勝ち取ってもらわないと」 「対戦相手の子、この間の走りを見る限り……今回は早めに前に取り付いたほうがいいかも……」 ライスシャワー自身、凄まじい結果を残した伝説の名バと呼ばれている。 その経験は未だに、トレーナー業を続ける上で大いに参考になる部分が多かった。

3 21/10/21(木)21:08:05 No.858719665

担当してる子たちは大切だ。 トレーナー業である以上、どうしても日常的には彼女らを優先せざるを得ないわけで。 でもそんな状況でも、ライスは恨み節一つ言わず、いつも俺を支えてくれている。 勿論、もしも人生の岐路でどちらか選べと言われたら、間違いなく最愛の妹を選ぶのだが……。 「お兄さま、ぼーっとしてどうしたの?」 「ああいや、なんでもない」 最愛の妹。 果たして俺は、本当に妹として見ているのだろうか? トレセンで一緒に励んでいた頃や、同居し始めてしばらくは、間違いなく可愛い妹でしかなかったのだが……。 このところ、容貌も気持ち大人になってきた彼女に、正直どきりとするときがある。 妹ができるなんて初めてのことだから、これが正常な『兄』としての感情なのか、『異性』として意識してしまってるのかが分からない……。 それが、ここしばらくの悩みの種だった。

4 21/10/21(木)21:08:17 No.858719743

「ねえ、お兄さま。今度の週末、トレセンに走りに行ってもいい?」 「ああ、いいよ。なら手続きしておくから」 「うん、お願いするね」 トレセン学園では、一定の成績を収めた上で手続きをすれば、卒業後も一部施設を借りることができる制度がある。 競技生活は終えてもやはり走りたい本能には抗えないのか、著名なウマ娘の多くがこの制度を使っていた。 ライスもまたその一人で、時折、トレセンのターフを走っている。 「お休みの日だけど、お兄さまの担当の子たちはいるのかな」 「大きなレースの前だし、自主練はしてるんじゃないかな。無理はするなと言ってあるけど」 「……ふふ、そっか。あ、ちょっと夕飯の買い物行ってくるね」 そう言って小さく笑ってからライスは、一歩こちらに踏み出して、ちょいちょいと手招きをしてきた。

5 21/10/21(木)21:08:30 No.858719835

「どうした?」 「あのね……」 なにか囁くように口元に手を添えていたので、顔を同じ高さまで下げると。 「……んっ……」 小さな吐息とともに、頬に暖かい感触。 「……あっ、ライス!」 「えへへ、行ってきますのキス、だよ!」 マヤちゃんに教わったんだー、と言い残して、ライスはパタパタと出ていってしまった。 一人残された俺は、頬に残った感触に、まだ少しどきどきしていて。 最近のライスは、たまにこういう悪ふざけをするけれど……。 「……だから尚更、意識しちゃうんだよなあ……」 やめろやめろ、可愛い妹だぞ、と自分に言い聞かせて。 頬をぱんぱんとはたき、再び資料を見るためにコタツへと戻った。 ****************

6 21/10/21(木)21:08:44 No.858719933

買い物へ向かいながら、ライスはご機嫌でした。 「えへへ、お兄さま、顔真っ赤になってたな」 今日は夕飯、何にしようかな……鍋物か、煮込みか、揚げ物か……。 でもどんな料理を思い浮かべても、すぐにお兄さまの照れた表情が過ぎって、ライスもちょっとどきどきしてきちゃった。 「……ライス、すっかり悪い子になってきちゃったね」 さっきのキスも、勿論わざと。 本当はマヤちゃんと二人でカレンチャンさんに、こうしたらドギマギさせられるよ、って教わったんだ。 「お兄さま、少しは意識してくれてるといいなぁ……」 お兄さまがライスの大切な『お兄さま』なのは間違いないけれど。 それとは別に、トレセン学園の頃から胸に抱いていた、ささやかな気持ち。 憧れのようなものだったけど、卒業して一緒に暮らすようになってから、どんどん膨らんでいって。 「お兄さま、なんて甘えられるのも、あと何年かなあ……」 ライスもどんどん大人になるんだから、いつまでも妹ではいられないよ。

7 21/10/21(木)21:08:59 No.858720029

「邪魔をするつもりはないけれど……」 時々トレセンに走りに行くのも、走るためだけじゃなくて、担当の子たちが気になっちゃうから。 そこでお兄さまが結ばれるようなことがあったら、ライスはちゃんと祝福してあげるつもりだけど。 「……いつかライスに振り向いてくれるといいな、お兄さま」 それまではお兄さまの、ちょっと小悪魔な妹で。 それとも……お兄さまがライスのこと、一人の女の子として見てくれるように、もっともっと悪い子になっちゃおうかな? でもどうするにしても、きっとお兄さまとの生活は、これからも幸せがいっぱいで。 「うん、今日はお兄さまが好きなシチューにしてあげよっと」 美味しい美味しいって食べてくれてるお兄さまを想像してたら、なんだか嬉しくなっちゃって。 にこにこしてたら、お肉屋さんが少しおまけしてくれました。 明日からも頑張るぞー、おー!

8 21/10/21(木)21:09:09 No.858720115

ごめんねライス最近ずっとカフェに浮気してて…… 二人とも可愛いからお兄さまどうしようもないんだよ許してくれるよね 老後まで一緒に穏やかに過ごそうねでもまたカフェ書くね

9 21/10/21(木)21:10:57 No.858720914

いいじゃないか…とてもいい…

10 21/10/21(木)21:12:27 No.858721593

かわいい…

11 21/10/21(木)21:12:48 No.858721759

なんかナチュラルにずっと一緒にいそうだよねこの二人

12 21/10/21(木)21:13:34 No.858722123

抱けー!抱けー!

13 21/10/21(木)21:14:10 No.858722380

ライスがちょっとずつ積極的になってきて嬉しい

14 21/10/21(木)21:25:22 No.858726850

和むね…

15 21/10/21(木)21:27:42 No.858727766

健気な…

16 21/10/21(木)21:34:32 No.858730481

内縁のウマじゃん…

17 21/10/21(木)21:54:20 No.858738613

同期たちがめっちゃきぶってそう

18 21/10/21(木)21:57:03 No.858739788

ああ潰しに行くんだ…と思った俺は心が汚れているんだ

↑Top