虹裏img歴史資料館

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21/10/19(火)01:45:25 トキノ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1634575525634.png 21/10/19(火)01:45:25 No.857879175

トキノミノルというウマ娘を担当できたのは、自分にとっての幸運だった。 春になって選抜レースに出た彼女は一着を悠々ともぎ取り、スカウトの波を平然と書き分けて自分達と担当契約を結んだ。 元々気性難と言われていた子でもあったから、彼女自体には文句は行かなかったがその分先輩たちの目線が来て怖かったのが自分達だ。それでも、トキノミノルの期待を、優しさを裏切りたくなくてますます二人で気合を入れた。 時を同じくして、変わったことがもう一つあった。 「同棲を始めた?」 そのことを言うとトキは眉をひそめて自分に向き直った。あの子が席を外している二人の時だった。 「それでな、その……プロポーズとかさ、何か月ぐらいしてからの方がいいんかな?」 「知りませんよ。というかまだやっていなかったのが不思議なくらいです」 「こっちもいろいろ準備ってのがな……あるんだべさ。こう、いろいろと……」 「つまり、今まであんなに一緒にいて言いだす勇気がなかったと」

1 21/10/19(火)01:46:31 No.857879432

担当ウマ娘の容赦ない言葉のナイフに、胸を痛ませながら項垂れていると、トキはクスリと笑った。 「別に、いつでもいいんじゃないんですか? 同棲しようがすまいがずっと一緒だったんでしょう、受け入れてくれますよ」 「そっか……そうだな。んじゃあトキと一緒にみんなで夢を叶えてからにするべ! その方が気合が入るってもんだ!」 「ハイハイ。さっさとお子さんの顔を見れるようにしてあげますよ」 「ばっ! 子供って、何ってんだべ! そういうのは……いや、欲しいけども! いやそうじゃなくて……!」 思わず子供のようにわたわたとテンパる自分にトキは呆れ混じり、微笑み混じりの表情を作って頑張ってくださいとだけ言ってくれた。本当はトレーナーがその言葉を使う方なのに。 トキノミノルというウマ娘はまさに三女神から愛された選手だった。でるレースのほとんどでレコードを記録し、一年目にしてトゥインクルシリーズで主役を張るようになり、取材やCMなどが増えていき、それに比例するようにトレーナー業もまた多忙を極めるようになった。

2 21/10/19(火)01:47:06 No.857879576

トレーニングメニューを考えながら、レースのローテーションを決め、その合間合間に入るインタビューなどの宣伝活動やファンへの活動の調節、あっという間に季節が過ぎていくような忙しさで同棲しても家で話すことと言えばトキの育成論。 それでも彼女と一緒ならば苦にもならなかった。楽しかった、嬉しかった。彼女の近くに入れることが、共にトキと夢を見れることが。 だが順調に進んだように見えた二年目で、あることが起きた。 彼女が血を吐いたのだ。

3 21/10/19(火)01:47:22 No.857879650

〇 あの写真を見てから数日後、何事もない日々が過ぎていました。 とはいっても、やっぱりあの事が気になって何処かぼーっとしちゃって練習中に何度もトレーナーさんから怒られてしまっています。 このもやもやをどうにかするにはやっぱりトレーナーさんに直接聞くのが一番だとは思うのですが、何故だかそうしようと思うたびにお母ちゃんの顔を思い出してしまって気後れしてしまいます。 ダービーも近いのに、あぁ、どうすればいいんだべ……。 「じゃあ、調べてみるっていうのはどうデース?」 そのことを食堂で友達たちに相談してみると、エルちゃんがそんなことを言い出しました。 「調べるって……どうやるの?」 「そりゃあ…………えーっと」 「エルったら、思い付きで言いましたね?」 「いやっ、でも、それしかないでしょう! それなら、トレーナーさんにも知られませんし!」 「でも、まぁそれがいいかもね~」

4 21/10/19(火)01:47:44 No.857879735

セイちゃんが綺麗にお魚から骨を抜き取りながら言いました。 「スぺちゃんのお母さんが昔ここにいたんなら、いろいろ資料は残ってるだろうし、調べられるんじゃないかな?」 「……私は反対するわ」 その中でキングちゃんがうどんをすするのを止めて、そう言いました。 「人のプライベートを無断で調べるのは、あまり褒められたことじゃないもの。本当に知りたければ直接聞くしかないんじゃないかしら」 「でもさ~スぺちゃんのお母さんが関係してるんなら、スぺちゃんにも知る権利があるとは思わない? トレーナーが教えてくれないってこともあるだろうし?」 「それだったら」キングちゃんの眼がじろりとセイちゃんを見つめました。「余計に、私たちが調べるような権利はないということよ」 セイちゃんの青空のような瞳と、キングちゃんの燃えるような瞳がしばらく見つめ合って、テーブルはどこかしん、としてしまいました。

5 21/10/19(火)01:48:09 No.857879828

「それでは~私たちはスぺちゃんのお母さまの若いころを見てみる。ということにしませんか?」 その中でグラスちゃんが綺麗に手をあげて、そんなことを言いました。 「ブエノー! いいですね、スぺちゃんのお母さんの現役時代、気になります! そこからトレーナーさんのことを調べるかどうかはその時に決めましょう!」 「う、うん……そうだね! 私と同じぐらいのころのお母ちゃんかぁ……気になるなぁ……」 ぎゅっと手を手で包むと、セイちゃんはふっと笑い、キングちゃんは目を逸らしてやれやれと言った表情でまたうどんをすすりました。 でも、どうやったら見れるんだろう。資料室とかあるのかな? こういう時はたづなさんが詳しいだろうし、聞いてみるべ!

6 <a href="mailto:s">21/10/19(火)01:48:43</a> [s] No.857880015

今日も懲りずにスぺちゃんのトレーナースぺちゃんのお父ちゃん概念の続きを書きました

7 21/10/19(火)01:49:51 No.857880266

着実に地獄の入り口に近づいている

8 21/10/19(火)01:50:32 No.857880381

キングはなんとなく気付きかけてる感じか?

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