ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/10/17(日)22:57:30 No.857501217
「はあぁ~~~、こりゃいいもんだわ……」 まったりと力の抜けたネイチャの声が響く。 まだ昼までには間のある時間帯、窓から入る夏の日差しは白く澄んでいて。 その光に照らし出された古アパートの浴室内は、夜に入る時とはまるで違う様相を呈していた。 薄暗さからくる重みは一片もなく、時代遅れのタイル張りの床と浴槽も艶が出て清廉さを感じさせる。 浴槽になみなみと讃えられた水も日光を受け、きらめきをちりばめた美しい紋様を描き出していた。 「アパートの浴室で水風呂。落ち着くし、これもなんだか風流じゃん?」 縁に腰かけたネイチャが足を軽く上げると、ちゃぷりと耳心地よい水音が生まれる。 「この気持ち良さは水の冷たさだけじゃないよね。デザインのせいかな…… 水を張ったタイルのお風呂って、明るい所で見るとなんでこんなに涼しげなんだろ?」 「金魚が泳いでいそうだから、とか……?」 浴槽の中、肩まで水に浸かったトレーナーがそのつぶやきに答える。
1 21/10/17(日)22:57:46 No.857501315
それを聞いたネイチャは、なるほどと小さく頷いた。 「あー、古~い民家であるよね。タイル張りの貯水槽に何匹も泳がせてるの」 そして自身の姿を眺めてはにかんでみせる。 「金魚、金魚ね……うん、確かにそれっぽいかも」 上は純白、下は鮮やかな赤の色違いのビキニ。 ネイチャ自身の赤髪とひらひらのフレアも相まって、水に濡れた様はそう例えるにふさわしい。 ちなみにトレーナーも海パン姿である。 「でも優雅に泳ごうにも、ここじゃ狭すぎるか」 「……だから当初の予定通り、プールに行ってればよかったのに」 トレーナーが呆れたようにツッコむと、ネイチャは気まずげに人差し指で頬を掻く。 「あー…。や、だって……ねえ?こんな派手な水着姿でキラキラな人達に混じろうだなんて、 おこがましいっていうか。アタシには行水の方が分相応ってやつで……」 慣れた口調でのシニカルな言い訳は、しかしトレーナーが向け続ける視線を受け徐々にフェードアウトしていく。 そして最終的に、耳や尻尾と一緒にシュンとうなだれた。
2 21/10/17(日)22:58:02 No.857501419
「ホント、ごめんね。水着買いに付き合わせて、プール行く予定まで立ててもらっといてこれですよ……。 いざとなったら尻込みしちゃってさ……誰が注目するかって。とんだ自意識カジョー」 「そんなことないだろ」 「へっ?」 「ネイチャは人を惹きつけるものを持ってる。みんな自然と目が行くと思うけどな」 「にゃっ……!?またそんな、心にもないお世辞を──」 「本当のことだよ」 トレーナーはますます視線に意志の力を込め、ネイチャへと送る。 「レースでしっかりと成績を残せるようになってきたし、注目される自分を受け入れていいと思う」 「ん、あ。それは……」 「まあ、それと」 「ん?」 軽く息をつき、トレーナーは声におどけの色を混ぜる。 「俺としては水着のネイチャと一緒にいるの、周囲に見せつけたかったんだけどな」
3 21/10/17(日)22:58:16 No.857501505
「────ちょ……っっ!!!」 まるでしゃっくりのような甲高い音がネイチャの口から洩れ、浴室内に反響する。 「ななな、何を言ってんの!!それがどういう意味か分かってます!? てか、アタシはそんなイイ感じの男女がやってるようなのが似合う女じゃ──」 「男としての本音。それにさっきも言ったろ?ネイチャはもうそれが似合うようになってるよ」 「~~~~ぁ~~…………」 唸りともつかない音をへの字に曲げた口からこぼしながら、ネイチャは足首を忙しなく動かし始めた。 しばらくちゃぷちゃぷと水をかき混ぜる音が続き、そして止まる。 「……実際、行ってみてさ」 おずおずとトレーナーを横目で見ながら、ネイチャは訊く。 「万一、いや億一……、アタシが変な男に声かけられたりしたら?」 「もちろん守るよ」
4 21/10/17(日)22:58:30 No.857501591
「それは、担当トレーナーとして?」 「いや。もっと単純な理由」 「え……」 「ネイチャのことが好きな男として」 「────!!」 その言葉に、ネイチャはしっかりとトレーナーに顔を向ける。 そして気付いた。最初からずっと、一度も自分から目を逸らさず話していることに。 「…………そっか」 素っ気なくもあるようなつぶやき。しかしその声色は喜びに震えていた。 「やっぱり行けばよかったな、プール」 「また時間作るよ。夏は始まったばかりだし」 「ありがと、トレーナーさん。次こそは無駄にしないから……よろしく」 「うん」 「じゃあ──」 「?」
5 21/10/17(日)22:58:46 No.857501689
「二人きりの今だからこそできる──サービス」 ネイチャの足が少しずつ左右にずれていき──大きく開いた。 「…………っ!!?」 水着の赤いラインに隠された股間部。 その丸みを帯びた膨らみがトレーナーの目前に曝け出される。 トレーナーが息を呑む中、一粒の水滴が腹部からこぼれ、中央のスリットをつたって落ちていった。 「────ってえぇええええ!!!」 しかしそれもほんの数秒。ネイチャの叫びと共に、勢いよく足が閉じられる。 「これ、違っ……!あわっ、あ、な……何やってんだアタシぃぃーーー!?!? 見せるにしてもフツーは胸でしょ!?これじゃ痴女!痴女じゃんっっっ!!!!」 羞恥にわななきながら、両手で少しでも股間部を隠そうとする。 その顔は髪にも劣らないほど赤く染まって。 「んにゃあぁぁーーーっ顔が燃える!!トレーナーさん交代!水に浸からせて!!」 「…………悪い、無理」
6 21/10/17(日)22:59:01 No.857501773
「ちょ!?こんな時に意地悪は無しですってば!!」 「そうじゃなくてだな……その、俺も、冷やさないと……」 「え……」 トレーナーは肩どころか、口元近くまで顔を沈めている。 その脚は不自然な内股になっていた。 「…………え、それって……」 一瞬怪訝な顔をするネイチャだったが、すぐに事態を把握する。 「もしかして、さっきのアタシので……?」 「…………ごめん」 「あ、いや……お互い様っていうか、えっと……」 「………………」 「……………………」 トレーナーが端に寄り、どうにかスペースを空ける。 ネイチャはゆっくりとそこに腰を下ろし、トレーナーと向き合う形になった。
7 21/10/17(日)22:59:17 No.857501874
「……ぬるくなってんじゃん」 「ああ……」 「……熱が抜けたら、上がる?」 「……そうだな。冷蔵庫のスイカも冷えてるだろうし」 「ああ~いいですねえ。まだそこまで暑くなってないし、窓開けて簾と風鈴つけて……」 「いいな……」 「………………」 「……………………」 言いつつも、二人とも腰を上げようとはしない。 会話の途切れた浴室内。遠くからの蝉の鳴き声がやけにはっきりと聴こえて。 早く過ぎてくれ──…… そんな二人の願いとは裏腹に、夏の時間はゆったりと流れていくのであった。
8 21/10/17(日)23:00:19 [s] No.857502268
以前書いたこれの時系列的に前のお話 fu441458.txt 夏の間に投下するつもりがここまでずれ込んでしまった…
9 21/10/17(日)23:02:09 No.857502933
こいつら交尾してない?
10 21/10/17(日)23:02:45 No.857503151
抱けーっ!
11 21/10/17(日)23:03:11 No.857503303
このあと定点カメラになってコップに入った氷がカランッって音を立てて溶けるまでやりまくるやつ
12 21/10/17(日)23:03:35 No.857503445
>このあと定点カメラになってコップに入った氷がカランッって音を立てて溶けるまでやりまくるやつ もうちょっとこう 風情ってもんを
13 21/10/17(日)23:04:16 No.857503706
>もうちょっとこう >風情ってもんを 痴女ムーブやってる時点で
14 21/10/17(日)23:06:54 No.857504782
こういうのが公式で見たい
15 21/10/17(日)23:09:30 No.857505856
アタシも見せたんだからさ…トレーナーさんのも… ぐらい言えよぉ!?
16 21/10/17(日)23:10:51 No.857506380
>アタシも見せたんだからさ…トレーナーさんのも… >ぐらい言えよぉ!? このネイチャはまだURAまでいってない時期っぽいから そこまでの度胸はついてないんじゃないかな…
17 21/10/17(日)23:11:56 No.857506815
URA後ネイチャは洗いっこできるかな…
18 21/10/17(日)23:12:44 No.857507117
それでいつ結婚するんです?