虹裏img歴史資料館

1 21/10/17(日)02:53:28 No.857177676

もうちょっと待ってね

2 21/10/17(日)03:18:55 No.857180850

「…うーん」 視界がぼやっとする。我ながらとても抽象的な表現だった。 より正確に言えば視界を感じている俺の頭がぼやっとしていた。理由はシンプルだ。 夜も回り、ベスパで帰っていった流姉さんが残したジュースを口にしたからだ。 コップに並々と注がれたオレンジジュースをそのまま残していったのはそういうことだろう。 つまり今日はバイクで来たのをウォッカとジュースを混ぜ合わせた段階で気づいたのだ。 俺はなんか変な味がするなと思いながら捨てるのはもったいないと思い全部飲み干してしまった。 うん。酔っ払ったというほどではない。ただ良い気分ではある。世の人が酒を愛するわけが分かる気がする。 ふわふわとした心持ちで漫然とニュース番組を見ていた俺は足音が間近に迫っていることにさえ気づかないでいた。 まったく油断し過ぎだが許してほしい。俺は酔っていたのだ。 「…テンカ？どうしたんだ。顔がほんのり赤いようだけれど…風邪でも引いたのか？」 不意に視界を誰かの顔が遮る。誰かとはつまりセイバーで、すなわち可愛かった。 椅子越しに俺の顔をひょいと覗き込んだかたちで、つまり鼻梁の筋がすらりと伸びていて、すなわち綺麗だ。

3 21/10/17(日)03:19:09 No.857180887

セイバーは風呂上がりで髪もまだほんのり濡れていて、頬も上気している。すなわちとても色っぽかった。 眉が寄り、やや心配そうな表情で俺の顔を間近で見つめていた。すなわち、もうなんでもいいや。 「セイバー」 「ん？なんだいテン…っ、て、テンカ！？い、いきなり何を…！？ちょ、待っ…！」 セイバーが何か喚いているがあまり気にならない。 俺は腕を伸ばしてセイバーを抱きしめた。腕の中に感じる、暖かな愛おしい人の感触。 すごい充足感だ。お酒万歳。何故こんなに良いものなのに憲法は未成年の飲酒を禁じているのだろう。これが分からない。 ばたばたと暴れるセイバーを無視して俺はセイバーを抱擁し続けた。 「酒の匂い…？テンカ、もしかして酔っているのか？」 「セイバー。セイバーがここにいるって本当は凄いことなんだよな。どうしよう、嬉しい。 　毎朝最初に顔を合わせるたびに綺麗だなって思うんだ。セイバーと会うだけで気分が良くなる。 　俺の作った料理を食べて美味しいって微笑んでくれるだけで舞い上がりたくなるんだ。 　幸せだな。セイバーがいるというだけで涙が出そうなくらいなんだ。好きだな、セイバーのこと。すっごく好きだ」

4 21/10/17(日)03:19:27 No.857180917

正直自分でも自分が何を言っているかまるで認識していない。 普段は心のなかで堰を設けて押し留めている言葉をそのまま垂れ流しているだけだ。大したことではないだろう。 セイバーを腕の中に感じていた俺はふとセイバーからの抵抗が無くなっているのを感じ取った。 変だな。さっきまで暴れていたのに。よく分からなくて抱きしめていた腕を緩め、表情を伺う。 ───そこには、表情に形容しがたい切なさを湛えたセイバーの蕩けるような顔があった。 心を散々に打ち砕かれて。もう、何もかも委ねるしかないという風の。 どきりとする。勘弁してくれ。そんな顔をされたら、もう止められない。 「…急に、そんな。やめてくれ、テンカ。 　私だってテンカが好きだ。なのに好き放題に気持ちを並べ立てられては私も抑えが効かなくなってしまう。 　好きだよ。私こそテンカに負けないくらいテンカが好きなのに。ひどいよ。君が悪いんだ。 　君が悪くて、だから───」 後のことはよく分からない。 気がついたら俺は間近にあったセイバーの唇に自分の唇を重ねていて、気がついたら─── 「…テンカ」 情欲に濡れるセイバーの眼差しが最後に覚えていた記憶だった。

5 21/10/17(日)03:22:55 No.857181357

メス顔させろということだったんで

6 21/10/17(日)03:31:56 No.857182552

ぱっしー見てるか これがかのカッコよかった騎士の末路だぞ

7 <a href="mailto:ぱしオル">21/10/17(日)03:33:33</a> [ぱしオル] No.857182755

そんなギャラハッドも素敵ですね…♥

8 21/10/17(日)03:37:19 No.857183179

>そんなギャラハッドも素敵ですね…♥ こいつ邪悪では？

9 21/10/17(日)03:41:53 No.857183653

こいつらエッチしたんだ！！！！