ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/10/13(水)00:43:26 No.855785623
──穏やかな日差しの何の変哲もないお昼過ぎの事… 「うっひぃ～…まだこの季節は暑いなぁ…」 ウチはトレーニングを終えてウチらの部屋へと戻って来た。 鍵は開いとったから、どうやらオグリは帰ってきてるみたいやな ウチはドアを開けるなり、いつも通りに挨拶をした。 「お疲れさん…って…何しとんのや…？」 先に戻ってきとったオグリが冷蔵庫を開けて、何や不思議そうな顔しておった
1 21/10/13(水)00:44:13 No.855785883
「ああ…タマか…いや不思議だなと思ってな…」 「…？何がや？」 「この冷蔵庫…一体どうしてこんな涼しい空気が出てくるんだ…？」 ウチは思わずため息が出た… そないな事疑問に思うかフツー？ せやかてコイツは本気も本気…真剣な顔して向き合っとる 「あー…せやな…そんでいつからそうして眺めとるん？」 「ん？そうだな…私が帰ってきてからだから…大体４０分程だろうか？」 「今すぐ閉めろや！！！中身ダメになってまうやろ！？」 ウチは大急ぎで冷蔵庫のドアを閉めた。 道理で妙に部屋が涼しなってる訳や…
2 21/10/13(水)00:44:30 No.855785979
「全く…そないな事気にしてどないすんねん…」 「だが不思議じゃないか…そうだ！タマなら解るんじゃないか？どうやって冷蔵庫は涼しくなっているんだ？」 「ぅ…どうやってって…いやウチかて、そないな事…」 オグリが純粋無垢な目して見てきよる…ウチかてそんな事知るわけあらへん…せやけど…そんな目で見られると… 「ぁー…アレや！妖精さん！妖精さんがその…涼しなる空気出してくれとるんや！」 「そ、そうなのか！？」 「せ、せやせや…けどな？冷蔵庫開けっ放しにしとったら妖精さんずーっと冷たなる空気作らなあかんやろ？それで疲れてまうからな？せやからちゃんと閉めとかなあかんのや！」 「成程…妖精さん…流石はタマだ！」 やってもうたああああああ！！適当に嘘ぶっこいてもうた！！しかも何でコイツ信じとんのや！？ 納得した顔すな！冷蔵庫を撫でるな！！ でも言えへん…これネタバラシしたらまた落ち込む奴や…ああああウチのアホぉぉぉぉ！！ その日は冷蔵庫開ける度にオグリが「ありがとう」言うとったわ…
3 21/10/13(水)00:45:04 No.855786179
――翌日の食堂… 「今日は何にしよかな…んー…お好み焼きもええな～！せやけどこれご飯付かんからな～…なんでやろな～？」 「確かに不思議だな…うん、これも食べよう…」 ウチはオグリと一緒に食堂に昼飯を食いに来とった。 悩んでいるウチの隣でオグリは何枚もの食券を発行しとるが、いつもの事やからあんまり気にはせぇへん ─数分後… 「ん…？どないしたん？」 適当なテーブルで向かい合ってご飯食べとった時、オグリの箸が珍しく止まっとった。 こないな事滅多にあらへん…流石に心配になって声を掛けてみると… 「ああ…いやな…あの食券を出す機械…あれも思うと不思議だなと思ってな…」 「はぁ…？」 何を言い出すんやコイツ…とオグリの目の先の食券機をいっぺん見て視線戻した時には、既にオグリの皿に乗っとったハズのメンチカツ４枚が無くなっとった。
4 21/10/13(水)00:45:35 No.855786364
「あれも…もしやあれも妖精さんなのか？妖精さんがあの中で食券を作っているのでは…？」 「いや…あの中に妖精は…」 「違うのか？それならどういった仕組みで…」 あかん…まーた面倒くさい奴や…ウチかてなんとなく仕組みは想像付く、多分自動販売機と一緒言えばええんやけど… そしたらコイツ多分自販機もどうなってるとか言い出す奴や… ウチが頭の中でそう考えとる間にオグリの手元にあったドンブリ飯が空になっとった。 「ああ～…もぉ～……せや！妖精さん！よーせーさんや！もーあん中も！あん中も！ぜーんぶ妖精さんや！」 もうええわ…もう全部これでええやろ！ そもそも券売機に妖精さんおったら、一番困らせてるのはお前やろ！ 投げやりに説明しとるウチの隣で、オグリはまた目を輝かせとった…もう知らんウチは知らん！
5 21/10/13(水)00:46:07 No.855786536
――翌朝… 「おはよう！目覚ましの妖精さん…起こしてくれてありがとう！今日もいい朝だな…！」 「………お、おはよーさん…」 ――昼過ぎ… 「凄いな！ポットの妖精さんはこんなお湯を…！流石だ！ありがとう！」 「………せ、せやな…」 ――夜… 「ん…？もしやこの明かりも妖精さんが…？夜遅くまでありがとう…！」 「………」
6 21/10/13(水)00:46:36 No.855786704
あかん…こいつ電化製品何もかもにお礼言い出しとる… 昼も食券発行する度にお礼言っとったからめっちゃ変な目で見られとったし… 何や知らんがダイタクヘリオスとかがマジパネェリスペクトとか言って喜んどったけど… だめや…どうにかせな…でもどないしよ…コイツ絶対落ち込む奴や… せやけど…せやけど…せやけどぉ…！！ そんな風に、ウチが頭抱えとったら… 「タマ？どうした…？調子でも悪いのか…？」 オグリの奴が心配そうな顔してウチを見て来よる… 何やもう…元はと言えばオマエが… …いや、そうやないな…
7 21/10/13(水)00:47:02 No.855786831
やさしすぎるから…
8 21/10/13(水)00:47:28 No.855786972
「…あんな、オグリ…すまんかった…」 「…？ど、どうしたんだタマ？」 「妖精さんちゅうのはな…全部ウソっぱちなんや…」 「えっ…そ、それは…どういう…」 「ウチもホントは解らんかってん…せやのに適当な事言ってもうただけやったんや…ほんっとスマン…」 「そうか…いや、良いんだ…私もタマなら何でも知っていると勝手に思ってしまっていた…」 「ゆ、許してくれるんか…？」 「許すも何も…別に謝られるような事ではないさ…」 「そか…堪忍な…」 コイツはいっつも素直で真っ直ぐで純粋で… お陰でウチはいっつも面倒を見るハメになったり、張らんでも良い維持張ってもうたり でも…コイツのそういう所に救われてきたことかて数え切れん位ある。
9 21/10/13(水)00:47:57 No.855787146
「は～あ…今度スマホで調べといたるわ…冷蔵庫どーなってんやろな？」 「ああ…よろしく頼む。タマ…」 まぁ…しゃーないな…
10 21/10/13(水)00:48:29 No.855787317
――数日後… 「タマ！タマ！！これはどうなっているんだ？どうして電子レンジに入れるとご飯が温かく…」 「ああああ！！！もう！！そないなことウチが知るかぁぁぁぁぁぁ！！！！！」
11 21/10/13(水)00:50:40 No.855788041
ということでタマ視点初挑戦でオグタマを書いてみました タマだとモノローグというか説明文が賑やかになって楽しいですが口調大丈夫かとハラハラでした 乱文失礼しました
12 21/10/13(水)00:51:46 No.855788402
純朴なオグリいいよね
13 21/10/13(水)00:53:33 No.855788967
タマおかーさんいいよね…
14 21/10/13(水)00:54:45 No.855789356
タマママとオグリ良い… アシゲが揃って親子関係的な違和感もなくて良い……
15 21/10/13(水)00:55:01 No.855789449
オグタマありがたい…
16 21/10/13(水)00:57:19 No.855790114
いい…
17 21/10/13(水)00:59:41 No.855790757
オグリは純粋すぎる…
18 21/10/13(水)01:00:00 No.855790853
子供のねぇどうして？期だ…
19 21/10/13(水)01:01:40 No.855791312
今回でオグタマ４作目で毎回タマが苦労ばかりしているイメージで書いてしまっていますが 別にタマはそれを嫌がっている訳ではなくオグリを大事に思ってるからこそなのだと言うことが書けていると良いなと思っています また何かひらめいたら書いてみます
20 21/10/13(水)01:02:44 No.855791650
そのうちオグトレに丸投げするようになる
21 21/10/13(水)01:06:09 No.855792629
オグリが大真面目だからこそタマもつい真っ正面から答えてしまう関係がいい…
22 21/10/13(水)01:08:10 No.855793132
オグリがありがとう連呼しながら食券発行してるの想像するとちょっと笑う
23 21/10/13(水)01:10:14 No.855793693
ゴルシとか姉貴あたりならわかりやすく説明してくれそう 思ったけど全員芦毛だこれ！