21/10/09(土)22:03:25 【トレ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1633784605529.png 21/10/09(土)22:03:25 No.854600549
【トレセン学園 トレーナーも黄金時代突入か？】 情報収集のために定期的に買っているウマ娘情報誌 今回の特集はウマ娘ではなく俺達トレーナーの 特に新人(特集では資格習得から3年以内と仮定していた）のことについてまとめていた 内容をかいつまんで言うとトレセン学園は偶然か必然か 同時期に数多くの優秀な新人トレーナーの雇用に成功し 数多くの名ウマ娘を生み出すことが出来た 彼女たちの卒業後もその手腕によって また新たな名ウマ娘を生み出すことを期待できる、とのこと 優秀かどうかは別として自分たちが評価されていることは素直に嬉しい 次のページにはその優秀な新人トレーナーを何人か 担当ウマ娘と一緒に紹介している
1 21/10/09(土)22:03:56 No.854600768
メジロ家悲願の天皇賞制覇のために公私ともども支えたメジロマックイーントレーナー スカウトまでの経緯が伝説と化したキングヘイロートレーナー 引っ込み思案な性格から世紀末覇王に立ち向かえる猛将に育てたメイショウドトウトレーナー 魔王という異名を持ち自身も魔王やファンから神の子と呼ばれるスーパークリークトレーナー そしてその中に女帝の宰相というネーミングで俺とエアグルーヴのことが紹介されていた これにはにやけ顔が止まらない 「貴様…そこまでにやけ顔になるものか？」 トレーナー寮の自室に遊びに来たエアグルーヴが俺をジっと見た 「そりゃそうさ、エアグルーヴのトレーナーに相応しいと評価してもらえたんだ」 「喜ぶにしても程ほどにしておけ…外野の評価など次のレースの結果ですぐ変わる」 もちろんそれは百も承知 それがマスコミというものだから
2 21/10/09(土)22:04:22 No.854600976
「それに貴様はありえぬと思いたいが成功したからといって胡坐をかいてはならん 新人は仕事の要領を覚えてからが真価が問われるはずだ」 「もちろんそのつもりだ」 「それにだ」 エアグルーヴが隣に座る 「そんな評価がなくても最初から私が貴様の真価を理解してるのだ」 だから・・・と彼女は俺の唇にそっと口づけした 「こんな雑誌の評価は無用だ」 彼女との道を歩む中で彼女と心を通わせていつしか恋仲になっていた 「そうだな」 彼女さえいれば俺はいつだって無敵だ 今はそう思える
3 21/10/09(土)22:04:41 No.854601109
「…ところで貴様、来週提出予定の書類は？私のサインも必要のはずだが」 甘い空気から一変 エアグルーヴが険しい顔になった 「…トレーナー室だわ」 「今すぐ取ってこい！！」 恋仲になってもやっぱりこういうところでは彼女がしっかりしているし 今でも彼女に尻に敷かれてる感が凄い 自分もこういう抜けたところがある限りは 彼女が言う通り成功したとしても胡坐はかいてはいけない エアグルーヴの厳しい優しさに感謝する 急いで校内のトレーナー室で必要な書類を回収し玄関へ向かう通路 向かい側から同じように女性トレーナーがやってくる こちらが後輩なので軽く会釈した 「良い御身分ですね」
4 21/10/09(土)22:05:04 No.854601288
「先輩」 …顔をよく見るべきだった その人は俺の前任者 エアグルーヴの前トレーナーだ 「雑誌のトレーナー特集で貴方を見ました、【女帝を支える宰相に相応しい人格と実力】、と・・・」 その言葉のトーンにはトゲがあった この人がエアグルーヴ本人から拒絶され契約破棄されて すぐ俺が彼女と契約してからというもの 何かと彼女は俺に対して敵愾心をむき出しにしてくる 「その書類は？まさか彼女の記入欄がまだだから取りに来たと？ なぜ彼女の手を煩わせることをしてるの？私ならそんなことしないのに」 彼女からすれば俺は自分の担当バを奪った卑劣漢でしかないのだろう 俺は黙って聞いてるしかない
5 21/10/09(土)22:05:53 No.854601635
「新人のくせに成功したからといって弛んでるんじゃないですか？」 先ほどエアグルーヴと同じことを言ってるが その言葉にはありがたみを感じさせない 『新人のくせに』、その言葉が侮蔑の言葉に聞こえる 時折こういうことがあるのだ 俺だけでなく特集に載ってたトレーナーも 先輩にぐちぐち言われたことがあるとか 酷いときにはそのウマ娘の育成権をかけて勝負を仕掛けられたとか こういう時、新人という肩書は足枷にもなる 新人だから優遇されるときもあれば大目に見てもらえるときもある だが新人のくせにと、その肩書で妬みも侮られも起こる この先輩の場合はそれ以上に酷い 「生徒会や花壇の整理も手伝ってるそうですね、私は花が好きだってことすら知らなかった なんでプライベートの面まで貴方が、新人の癖に、新人の癖に…」
6 21/10/09(土)22:06:13 No.854601783
こちらが黙ってると先輩はさらにヒートアップしてきた 「エアグルーヴもエアグルーヴよ、なぜ新人の貴方にそこまで任せられるか理解できないわ！ 私ならもっと彼女に尽くしたのに何が理想のトレーナーよ、なんで私の気持ちを理解できずにあの子は」 エアグルーヴ本人の話題にまで発展した 止めなければならない 「先輩…俺への批難はいくらでもお受けします、でも彼女への批判はやめてください」 そう言うと彼女は黙った 流石に彼女自身の批判は臨んでいないだろう それほどまでに俺が憎いのだろう 失礼しますと軽く言って彼女の隣を通り過ぎた 「どうして貴方にそこまで心を許すの？」
7 21/10/09(土)22:06:28 No.854601912
どう言えばいいのか分からなかったし 声をかけたところでまた火だねにもなりかねない 何も言わず立ち去るほかなかった 俺はエアグルーヴトレーナー 理想の女帝の杖であり鏡、そして彼女の盾でありたいと思う 自分への批判なら彼女は自分の戒めとして受け入れることができる しかし…自惚れだが俺への批判だと彼女は心を痛めるだろう だからそのようなもの全てを跳ね除けて彼女を守りたい これは新人であろうとも誰にも負けない気持ちだ 「遅かったな、何か問題があったのか？」 自室に戻るとやはり心優しい彼女は俺を心配してくれた だから笑顔で答えよう 「いいや探すのに手間取っただけ」 「たわけが、しっかり整理しないからだぞ」 エアグルーヴの穏やかな声の説教が優しく俺の心に響いた
8 <a href="mailto:s">21/10/09(土)22:08:52</a> [s] No.854602987
アプリ版ウマ娘のトレーナーは新人であることから新人の成功に 侮りとか妬みとか受ける可能性があるのではと考えて書きました エアグルーヴにしたのはストーリーで彼女が前トレーナーと契約破棄したシーンがあるので 彼女の現トレーナーになることでトラブルがあるかもと思ったからです
9 21/10/09(土)22:11:47 No.854604346
いいなぁイチャイチャしつつ叱られるのいいなぁ…夜はお互いに甘えたりしてるんだろうなクソッ