21/10/09(土)16:35:41 シニア... のスレッド詳細
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21/10/09(土)16:35:41 No.854467501
シニア級となりURAを終えた私は、ドリームトロフィーリーグへは進まずに 学園を卒業。トレーナー養成専門学校へ進学した。 勝ち星はいくつか挙げたけれど、私の実力ではドリームトロフィーを戦うのは難しい。 そう自己分析したうえでトレーナーに相談。彼は、私と一緒にさらに上を目指したいと言ってくれた。 凄く嬉しかった。こんな私を、一人の選手として評価してくれていたこと。 私でもさらに成績を残せると信じてくれたこと。私みたいな気難しいウマ娘と、一緒に居たいと言ってくれたこと。 思わず泣きそうになるほどだったけど。そんな感情だけでやっていける世界ではないと、 どこか冷めた心を持っていたのも事実だった。
1 21/10/09(土)16:36:00 No.854467609
私が装蹄師に憧れている事。そして独学で装蹄に関して学んでいることを知っている彼は、私の背中を押してくれた。 「次に会うときは、トレーナー同士として」 彼から言われた最後の言葉。 中央へ赴任できると信じて疑わない、今思えば少し気恥ずかしいような。 そんな別れ方。
2 21/10/09(土)16:36:42 No.854467820
入学からしばらく経ち、同じ装蹄科目を選んだ生徒の友人ができた頃。 「イクノさんって、中央の生徒だったんでしょ？」 「？はい。そうですが・・・」 「チームの同期とかいた？」 「えと、同級生はいますが。私は専属のトレーナと二人で」 「そうなんだ！女性トレーナーさん？」 「男性ですが」 「男の人かぁ。その人とはどうだったの？」 「どう、とは・・・？」
3 21/10/09(土)16:37:15 No.854468001
「異性の専属さんがいるウマ娘はそのままくっつく率が高いって、そういう話」 「え、あ、あぁ・・・いえ、私のあの人はそういうのでは・・・」 「そうなの？片思いとか、そういうのも？」 「か、片思いって・・・そんなのじゃないです・・・」 「ふーん、そなんだ。結構有名な噂だけど、案外そうでもなかったり？」 「そうですね・・・私の周りでは一切聞きませんでした」 「なーんだそうなんだぁ・・・ごめんね？変なこと聞いて」 「いえ・・・気にしないでください」
4 21/10/09(土)16:38:26 No.854468367
その日の晩、ウトウトとしながら会話を思い出していた。 ・・・そういえばネイチャさんやテイオーさんは、卒業と同時に担当トレーナーと付き合い始めたんだったか。 一切聞いたことないなんて否定したけど、しっかり例を知っている。 あのうわさが嘘じゃないことをよく知っている。 ・・・私は、どうだったんだっけ。 いまでもあの3年間を鮮明に思い出せる。 ドリームトロフィーでも一緒だと、将来を信じて疑わない彼の言葉。 進路の相談をした時の彼の寂しそうな顔に、別れ際のあの会話が纏っていた空気。 思い出せるはずなのに、なぜか、その時の私の感情だけが思い出せなくなっていた。 私はどんな思いで別れを告げたのだろう。 私があの人の表情を覚えているように・・・あの人なら、私の表情を、気持ちを覚えているのだろうか。 彼に会いたい。今すぐ会って話がしたい。 このモヤモヤを解決できるのは、彼しか居ないから。
5 21/10/09(土)16:39:24 No.854468673
過去に書いたイクノtxt見たら約1か月振りの投稿でした はやく育成来て
6 21/10/09(土)16:47:11 No.854470881
とてもいい…すごくいい…続き書いて…
7 21/10/09(土)17:20:37 No.854481448
いい…
8 21/10/09(土)17:21:51 No.854481893
久しぶりにイクノを補給できてありがたい…
9 21/10/09(土)17:25:32 No.854483186
続きは…続きはまだですの！？
10 21/10/09(土)17:26:45 No.854483684
しっとりしてるというかメロドラマみたいというかうまく言えないけど雰囲気がいい…