21/10/06(水)18:20:55 トレセ... のスレッド詳細
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21/10/06(水)18:20:55 No.853436191
トレセン学園学則第○条 人や他のウマ娘に危害を加える生徒は レース参加資格を剥奪し、退校処分とする 『7人の悪魔ウマ娘編』第1話 電撃戦
1 21/10/06(水)18:21:26 No.853436349
「拾わせてすみません!」 「いえいえ、この位は」 俺は廊下に広がったたづなさんの書類を集めていた 「ふむふむ…退学届け、ですか…」 「はい!夢見て入る生徒さんもいらっしゃいますし、夢破れる生徒さんも…」 「勝負の世界、ですからね…」 1枚1枚の紙に夢から醒めたウマ娘が記されていた… 「こうして自分から去られる方もおりますが中には…」 「中には…?」 たづなさんが表情を曇らせた 「困ったことをして追い出される生徒さんもいらっしゃいます…」 「そりゃあ…どこの学校でも聞く話ですね…」 「自分が悪いだけじゃなく、トレーナーさんや周りの人のせいでそうなられた生徒さんも…」 「それは…」 可哀想過ぎる…
2 21/10/06(水)18:22:00 No.853436515
「はい!これで全てです!本当にありがとうございました!」 「いえいえ!お役に立てて光栄です!」 「キタトレさん」 たづなさんが俺の両手を強く握った 「どんなことがありましても、キタサンさんを幸せにしてあげてください…!」 「も、もちろんですとも!」 笑顔で立ち去るたづなさんを見送りながら 俺はキタサンとの幸せについて思いを巡らせた…
3 21/10/06(水)18:22:21 No.853436617
「鞭を持ったウマ娘?」 自宅で団らんしているとキタサンが妙な話題を口にした 「そうなんです!機嫌を損なうとその鞭でビリビリにされてしまうみたいです!」 「鞭でビリビリ!?」 「はい!『俺達の時代はこれが普通だ!』なんて言われて!」 ウマ娘の指導にビリビリする鞭を用いた? 初耳だった 「テロリスト?」 「どうなんでしょうね?実際それで保健室送りになった方もいるみたいです!」 「実害が出ているのか…」 明日、ソダシに注意しておくとするか…
4 21/10/06(水)18:27:42 No.853438073
「ヨーイ、ドン!…あうう」 タイミングが合わず、ゲートの中で立ち尽くすソダシの姿があった 「何度やっても上手く行かない…」 苦手を克服しようと、彼女なりにトレーニングを重ねているのだ 「ゲート上手くならなきゃ…レースに出れない…」「おう!何だお前もゲート難なのか!」 見たこともない栗色の髪をしたウマ娘が声をかけてきた 「うるさい…」「そうつんけにするなや!俺様もゲートには相当苦労したんだよ!」 「ふーん」「なっかなかゲートとタイミングが合わなくてな?でもそれを克服して重賞勝ったんだ!」 「どうしたの?」「じゃ~ん!」 ウマ娘が取り出したのは一本の鞭だった 「なにそれ」「コイツは電撃鞭っつうて触ると電気が流れるんだ。勝負服の振りして持ち込み、開いたタイミングで自分に当てれば一」 「ソダシ!そいつから離れろ!」 俺は声を張り上げた
5 21/10/06(水)18:28:35 No.853438326
「おうおう!待ちかねてたぞキタトレ!」「トレーナー、知り合い?」「初対面だが一そいつは危険なやつだ」 「お久しぶりですね、テンリュウさん」 たづなさんも付いてきていた 「おやー?これは懐かしい!」「たづなさん、彼女は?」 「タカラテンリュウと言うウマ娘さんです」「誰なのトレーナー?」「実績までは…」 「知らんのかよ!一応これでも重賞勝ってんだぞ!」 テンリュウと呼ばれたウマ娘が地団駄を踏んだ 「彼女はゲートが本当に苦手なウマ娘さんで、苦心したトレーナーさんが一」「泣き叫ぶ俺様をこの電気鞭で何度も打ち据えたわけだ!イヤーあんときはホント死ぬかと思ったわ!」 そんな目に遭っていたウマ娘か… 「でもここからは同情の余地がありません。地獄を見た彼女は帯電体質となり一」「レース中にビリビリしてやったんだ!白眼向いて倒れるのを見るのがホント、楽しくてなあ!」 最悪だ…
6 21/10/06(水)18:29:09 No.853438494
「だから退学させた筈です!それが今頃どんな御用でしょうか!?」「あーたづなもその先は知らないか」 「…何でしょう?」 「俺、とっくの昔に死んだの。トレーナー巻き添えにして」 「「「えええええ!?」」」 「でも今生きてる」「そりゃ生き返ったからよ白毛の嬢ちゃん」 「なんだそりゃ!?」 「いやー理由は分からんけどさあ、そこのキタトレって奴をぶっ潰してくれって頼まれて、地獄から這い上がって来たわけだ」 狙いは俺?誰が?どうして?
7 21/10/06(水)18:29:58 No.853438715
「そんな訳だ」 テンリュウは鞭を構えた 「恨みはないが…テンリュウ様と電撃戦と行こうじゃないか!」 「やめてください!」 たづなさんが立ちはだかった 「ここはトレセン学園です!私闘の場ではありません!」「なんだ邪魔すんのか…なら一」 テンリュウが鞭に力を込み始めた一 ま、マズイ! 「まずはお前をビリビリさせてやんぞ!」「たづなさん!全速力!」「は、はい!」 一目散に駆け出したたづなさん そんな彼女を追うように一筋の閃光が走った
8 21/10/06(水)18:30:56 No.853438984
「死ねえ!」「そ、そうはさせん!」 俺は自ら閃光の前に立ちはだかり、全身で受け止めた 「アンギャギャギャ!?」 「「トレーナーさん!?」」 「なんだなんだ自分から当たりに行って!バッカじゃねえか?」 「た、たづなさん…」「はいいい!」「誰か…助けを…」「わ、分かりました!!!」 たづなさんが再度駆け出したのを見届け、俺はゆらりと立ち上がった 「ほう一まだまだ余裕そうだな」「トレーナー、だからな…」 テンリュウがちらりと横を見る 目線の先には怯え、立ち上がれなくなっていたソダシの姿が…マズイ!!! 「頼む!その子は!」「分かってるって」
9 21/10/06(水)18:31:23 No.853439121
テンリュウは俺に向き直った 「そこの白いのはお前を潰してからだ。俺様の鞭で徹底的にゲート難矯正してやる!」「ひい…」 ソダシの顔から生気が消え、地に臥した 「ゆ、許さん…!」「おういいね!その顔!じゃあ残念なお知らせだ」 「な、何だ…?」「さっきの電撃一ありゃ、10%も力使って無いやつだぞ」 「ま、マジで…!?」 あの痛みで10%!? コイツどんだけ力があるんだ… 「じゃあ、早速潰させて貰おう!」 テンリュウの周りを何筋もの閃光が集まり始めた…
10 21/10/06(水)18:31:50 No.853439273
「いやー人間にしてはやるなあお前!」 テンリュウが手を叩いていた 「まさか90%の力まで耐えるとはなあ」「ひはひはひは…」 ここまで俺は全集中の呼吸を活用しながら避け続けていた まさかキタサンをキスで悦ばせる為に習得した技術がこんなことに役立つとは… だが、一向に近寄れそうにない 彼女の周りに電気の輪が…一撃…入れる隙がない… 「でもおっかしいなあ?」「なんだ…?」 「お前、いつスキル使うんだ?」 そうだ、スキルだ
11 21/10/06(水)18:32:46 No.853439543
俺はキタサンとの初夜を思い出し、レース用スキルをいくつか使用しようと試みた …が、駄目だ。発動しない 「同体化した筈なのに…どうしてだ…」「ま、理由は分からんがさっさとくたばれ!」 テンリュウが鞭を天に指すと、黒く鈍い音を立てた雲が現れ始めた‥ 「コイツが100%!必殺技ってヤツだな!」「アワワワワ…」 「行くぞ!【雷天龍】!」 龍にも見える巨大な閃光が雲から現れた ま、マジか…あんなの食らったら…
12 21/10/06(水)18:33:14 No.853439688
「トレーナーさん!」 キタサンの声が聞こえてきた 「キタサン…!?」「たづなさんから聞きました!これでスキルを使えるようになるはずです!」 「なんだ!同体化したのはそこで伸びてるお嬢ちゃんじゃなかったのか!そりゃお前、スキル使わんはずだ!」「どういうことだ…?」 「トレーナーさんがスキルを使うには、同体化した私が近くに居ないとダメみたいなんです!」 そんな制約があったのか! 「ま、今更スキルを使われても一」 巨大な龍が口を開く 「これで終いだ!」 刹那、自分を貫く龍の姿が見えた 「いやあああ!!トレーナーさん!トレーナーさーん!!!!!」 そして最後に聞こえてきたのは キタサンの悲痛な叫び声だった…
13 21/10/06(水)18:33:56 No.853439892
「幸せ、終わっちゃったね♪」 暗闇の中でまた、栃栗色の髪をしたウマ娘に会った 「うっせえ…」「折角力を貸してあげたのに今度は自分が丸焦げ!今、どんな気持ち?どんな気持ち?」 「うっせえ!うっせえ!」 俺は顔を伺ってくるウマ娘を手で払った 「身体ちょうだ~い」「…はっ?」 「 だ か ら !身体ちょうだい!精神は勘弁してあげるから!そしたら助けてあげるよ!」「あ、あげたらどうなるんだよ…」 「キャハハ♪あなた、あたしになるのよ!」 ウマ娘が薄気味悪い笑みを浮かべた 「それともこのまま丸焦げになって大切な人の記憶だけに残り続けたい? 一 生 癒 や さ れ な い キ ズ と し て 」「分かった…」 俺は頭を地面につけた 「助けて、くれ」「もっと丁寧に言ってよ♪」 「た、た、助けてください!お願いします!」「良く出来ました~!」 【Lightning kick】
14 21/10/06(水)18:38:10 No.853441128
「俺はまだ死んじゃいねええええ!」 地を蹴り上げ、脚で龍を切り裂くとそのまま雷雲に突入した 「な、なに!?」「と、トレーナーさん!?」 雲はかなりの電流を纏っている 俺はそれらを口から吸い込み、足に集中させ一 「ス~パ~イ ナ ヅ マ!キーック!」 テンリュウ目掛けて一直線に下降した 「ぐべらば!?」「同体化、いや、合体した俺達をただの人間だと思わないことだ」 「くっくはぁっ…」 「キタサンへの、キタサンへの想いがこもってるんだ馬鹿野郎!」「トレーナーさん!!!!!」 キタサンが飛びついてきた 「心配かけて済まなかったな…」「私こそ…遅れてしまって本当にごめんなさい…」
15 21/10/06(水)18:38:38 No.853441268
ふと見るとテンリュウがゆらりと姿勢を崩し、 そのまま潰れたジャガイモに変わった 「な、何だこれ…」 さ、先程まで生きていたウマ娘がジャガイモに…? 気持ち悪さからか目が回り、俺はそのまま意識を飛ばした…
16 21/10/06(水)18:39:27 No.853441516
「トレーナーさん!!!!」 目を開くとキタサンが飛びついてきた 「こ、ここは…?」「病院です!全身火傷で数日生死を彷徨っていたんですよ!」 「ま、マジか…」 俺は頭をかいた 「看病、本当にありがとう」「ううん!良いんです!良いんですから!」 「いやあ~本当に良かったよお~」 キタサンの親父さんも目に涙を浮かべていた 「本当に本当に良かったよお~!」「御心配をおかけしました…」 「あとはその、なんというかのお…」「ん?」
17 21/10/06(水)18:40:05 No.853441742
「と、トレーナーさん…起きがけに申し訳ないですが…」「ふむ」 「ご自身で耳と胸と、その、お股を触って見てください…」 耳に胸に股?なんの事だ? 耳…ふむ。頭の上に付いてるな…でもこんなに尖っていたか? そして胸…むむむ!?何だこの柔らかさ!形、張りと良いキタサン以上…ん?胸、柔らかい…!? 俺は急いで股を触った お、俺のバベルの塔が…ない!?
18 21/10/06(水)18:40:49 No.853441955
顔を伏せながらキタサンが手鏡を渡してきた 「な、何じゃこりゃあ!?」 鏡に写っていたのは栃栗の髪をした、グラマラスなウマ娘だった… 「そ、その、全身火傷治療の為に皮膚移植しようと駄目になった皮膚を捲ったら…」「中からその姿が現れた、つう話なのよう」 「アワワワワ…」 「トレーナーさん!」 キタサンが両手を強く握ってきた 「安心してください!私は女の子でも大丈夫ですよ!」「おい待ってキタサン!どういう意味だ!?」 「息子が娘っ子にのう…これも時代かのう…」「親父さん!!!」 これが代償か… 俺は頭を抱えた…
19 21/10/06(水)18:41:20 No.853442122
バトル物を書いてみました お目汚し失礼しました
20 21/10/06(水)18:44:37 No.853443103
熱量がすごい…
21 21/10/06(水)18:50:55 No.853445108
思ったより怪文書だった