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    21/10/05(火)06:07:10 No.852974604

    [不定期] 結月ゆかり(ロリ)がきりたん(70代・年金生活のロリババア)を将来的にメチャクチャにする話 [予定] ・13歳→18歳まで ・健全なロリババアきりたんを滅茶苦茶にする ・コッショリ

    1 21/10/05(火)06:07:25 No.852974610

    この所、少女の様子がどうにもおかしい。 家から帰ると、ぼーっとしていることが多い。 いや、元から口数が少ないからぼーっとしているように見えることは確かにあった。 だが、どうにも最近のは度を過ぎているような気がするのだ。 「よっ……と」 そんな事をぼんやりと考えながら、私はフライパンの上で美味しそうな匂いをたてるハンバーグにソースを掛ける。 熱せられたフライパンの上でチーズと、グレイビーソースが溶け合い、美味しそうな匂いが台所いっぱいに広がっていった。 長らく食べていなかったガッツリとしたお肉だが、歳はともかく久しぶりに食べると美味しいと気がついたのは少女が来てからだ。 妙なことだが、そういう巡り合わせも彼女が運んできたのだろう、そう思うとありがたくもある。 「ゆかりさーん」

    2 21/10/05(火)06:07:44 No.852974621

    ガスコンロのガスを閉じた後、私は少女の名前を呼んだ。 だが、何秒か待っても返事は無い。 こういう時は大体決まって、部屋でぼぉっとしている筈だ。 持っていたフライパンを一度台所に置いて、彼女の部屋のドアをそっと開ける。 部屋の中では少女がやはり一人、ぽつんと椅子に座って心あらずという顔で夕方の窓の外を眺めていた。 窓の外ではそろそろ熱くなっていく気配を放っており、淡い色の花びらは落ちて、緑々しい緑の草花が生い茂っている。 だが、彼女は決してその景色に心奪われ、私の声が聞こえていなかったという訳ではない。 先日は床に寝そべって天井を眺めていたのだから、今窓の外にある景色も今の彼女の瞳には写っては居ないということらしい。 「あの、ゆかりさん?」 「ん……あ、ごめん、どうしたの?」

    3 21/10/05(火)06:08:20 No.852974638

    そこでようやく少女は名前を呼ばれていたことに気がつくわけだ。 最初は聴覚の問題かとひやひやしたが、先月の学校で行われた定期診断では特に問題は無かった。 では一体彼女は何を考えて、心奪われているのだろうか。 「もう、晩御飯ですよ」 「あはは、ごめんごめん」 そう言って彼女は作り笑いを漏らす。 ……笑った顔の彼女を見ながら、私はそんな少女の思い馳せるものについてしばしば興味を引かれた。 だが、それを聞き出すべきかどうか、今一勇気が出ないのが今現状だ。 「今日はハンバーグですから、先に手を洗って来てくださいね」

    4 21/10/05(火)06:08:48 No.852974656

    そう言って、私は彼女より先に台所に戻って、皿にハンバーグを取り分けてご飯を器に盛り付ける。 味噌汁ばかりでは塩分が偏るからと、作ったコーンスープを陶器の器に注いでご飯たちをリビングの机に運んでいく。 そうしている間に少女は手を洗って来たらしく、運びきれなかったお皿を持って並べてくれた。 先ほどとは打って変わって、彼女はテキパキと私の手伝いをしてくれるのだからやはり彼女が考えていることは、何か深刻な事なのだろう。 「美味しそうだね」 そう言って彼女は椅子に腰掛けた後、私の方を見ながら微笑みながら口を開いた。 彼女の無愛想さは日にちをすぎる度に影を潜め、段々と表情の動かし方が上手になっていっている。 その集大成がこの笑顔なのだから、私も彼女の世話をした甲斐があったというものだ。 「ええ、では冷めない内に……いただきます」 「いただきます」

    5 21/10/05(火)06:09:11 No.852974674

    そう言って私達は両手を合わせて、フォークとナイフを手にとって、ハンバーグに切れ込みを入れる。 少しとろみの付いたソースが、切り開かれたハンバーグから漏れる肉汁と合わさって、私の食欲を煽った。 ゆかりさんから教えてもらった、インターネットの料理サイトは便利だなぁ……そんな事を考えつつ、私はハンバーグを口に運んだ。 口いっぱいに頬張ったお肉は柔らかく、噛む度に肉の味とチーズの味が混ざり合っていく。 「ふふ、上手に出来たようですね」 私はこっそり、そんな自画自賛をしていると、目の前の少女は私の顔をじっと見ている事に気がついた。 「……ゆかりさん、ハンバーグが冷めてしまいますよ」 「……あ、ご、ごめん」 そう言って彼女に食事を促すと、少女は漸く自分が呆けていた事に気がついたのか、目を瞬かせた後に手に持っていたナイフでハンバーグを私より大きな一口分切り取った。 少し口ごもるように謝る彼女にらしくもないななんて考えながら、私はまた一口分ハンバーグを切り取って口に運んだ。 彼女はフォークでハンバーグを一口運んで、品のある所作でそれを咀嚼して飲み込む。

    6 21/10/05(火)06:09:32 No.852974681

    「……うん、美味しい」 そう言って彼女は何かを確かめるように呟いた後、スプーンでコーンスープを一口飲み、ご飯を口に運ぶ。 ……食欲が無いわけではない、かと言ってこのように突然呆けてしまうのだから、私もしばしばどうしたものか、と考えてしまう。 ─── そうこうしている内に、あっという間に初夏が来てしまった。 本格的な夏が徐々に近づいてくるのを感じながら、私はリビングで湯呑の麦茶を啜った。 一方少女はというと簾の下で外を向いて本を読んでいたと思ったら、閉じて少しため息を吐き出す。 ……一体どうしたんだろうか……そんな事を考えながら、私は彼女にそっと近づいて眺めていた本に目を向ける。 本のタイトルは推理小説でした、なるほど……彼女はきっとこの小説の内容について思いを馳せているのだろう、そう思いました。 何しろこの小説はドラマにもなるほど有名な作品ですし、読んでいるのはその途中まで。 ならばきっと、この小説の犯人や犯行の方法について思いを馳せているに違いないでしょう。

    7 21/10/05(火)06:11:24 No.852974740

    「ゆかりさん、その小説どうですか?」 そう言って、少女に声を掛けると彼女は少し驚いたのか、目を見開きながらこちらを向き直りました。 少女は少しだけ浮かないような顔色をしていて、どうしてだか少し落ち込んでいるようにも見えます。 「ん、あ、ああ……面白いですよ」 「あ……お、お邪魔でしたかね」 私はそう言って彼女に話しかけたことを少し後悔しながら、その場を後にしようとして彼女に呼び止められます。 「いや、良いよ……少しこっち来て」 「え、あ、はい」

    8 21/10/05(火)06:11:38 No.852974753

    どうしたのだろう、私はそんな事を思いながら彼女の腰掛けている隣に膝をついて座り込みます。 「……きりたんさんは、愛ってどう思う?」 「……え?」 余りに突拍子もない話に少し驚きつつ、私はふと彼女が読んでいた本の内容を思い出します。 本は読んではいませんでしたが、ドラマでは確か愛する女性のために彼女の犯行のアリバイをする男性の話だった気がします。 たしか……ああ、なるほど、と私はふと何かが腹落ちしたような気がしました。 「あ、あぁ、その本の事で考え込んでいたのですね」 「……そうかも」

    9 21/10/05(火)06:11:54 No.852974764

    そう言って彼女は栞を挟んだ本の表紙を手で撫でた後、目線をこちらに戻しました。 なるほど、まだ多感な年ごろですから、この本の登場人物の心の機微がまだ理解しかねているのでしょうか? それならばと、私は彼女の言葉に対して、少し考えながら口を開きました。 「えぇっと……そうですね、無償の愛という言葉もありますが、この本の登場人物なら……その愛は彼らにとっては必要なものだったのかもしれません」 「……というと?」 「うぅん、そうですね例えば私がゆかりさんを育てているではないですか」 私がそう言って彼女の目に合わせると、少女は目を少し見開きながら話に聞き入ります。 「ゆかりさんにとっては無償でご飯を食べさせてくれて、日用品を買ってくれているからこれも無償の愛とも言えるのかもしれません」 「そうだね」 「ですが、私にとってはその対価として、この歳になって漸く人を育てる権利を授受しているのです」 「……それは対価になり得るの?」

    10 21/10/05(火)06:12:12 No.852974777

    そう言って少女は少し目を細めながらこちらを見ます。 私はそう言って少し疑うような表情の彼女に、にぃっと笑顔を零しました。 「確かに子供というのは手のかかるものですし、親というのは精一杯の愛情を注がなければなりません」 「ですが、その対価に子供は日々の成長と、色々な変化を親へと返しているのですよ」 「……ふぅん」 「……何か、まだ納得してないような雰囲気ですね」 「別に……ただ、それで得られる対価がよくわからないだけ」 そう言って彼女はまた外を眺めました。 私はどうしたものかと思いながら、顎に手をついて少し考えた後にまた口を開きます。 「うぅん、まだ納得出来ていないようなので、続けますよ」 「……うん」

    11 21/10/05(火)06:18:54 No.852975064

    今日はここまで 今日の続き:sp94903.txt 今日までのまとめ:sp94904.txt 起承転結ごとにゆかりさんの心象変化を書くことで、アンタッチャブルのコントめいた心象差を表現する さて、皆でこの時ゆかりさんが何を考えていたのか考えてみよう、実質現代文問題ですね

    12 21/10/05(火)06:40:27 No.852976125

    自分が両親から貰った愛と 今きりたんから享受してる愛と 自分の抱いている感情が どうやら全部違う愛だと考えている どう?

    13 21/10/05(火)07:40:38 [s] No.852980362

    >自分が両親から貰った愛と >今きりたんから享受してる愛と >自分の抱いている感情が >どうやら全部違う愛だと考えている それもLove、これもLove 答えは5話位後で

    14 21/10/05(火)08:17:48 No.852984651

    日常が積み重なる事で期待と不安が募っていく…いい…