虹裏img歴史資料館

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21/10/04(月)00:57:40 泥しんや のスレッド詳細

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画像ファイル名:1633276660659.jpg 21/10/04(月)00:57:40 No.852635509

泥しんや

1 21/10/04(月)01:09:43 No.852639570

SSならもうちょっとで

2 21/10/04(月)01:11:08 No.852639963

じゃあ先になげちゃおう

3 21/10/04(月)01:12:00 No.852640162

いいよ

4 <a href="mailto:1/2">21/10/04(月)01:12:13</a> [1/2] No.852640227

「美味しいかい?」 アーサー王の執事、騎士ルーカンは頬杖をつきながら目の前の光景を眺めていた。 大皿に乗っていたポトフが一人と一匹によってあっという間に消えていくのはある意味爽快さすら感じられる。 「……はい!美味しいです!」 「フォウ!」 パーシヴァルは皿の上を綺麗に片付けると満面の笑みで答えた。 それを真似するようにキャスパリーグも鳴き声を上げる。 「それは良かった」 自分の作ったものを美味しいと喜んでくれたことに思わずルーカンにも笑みが浮かんだ。 「流石に騎士にネズミを食べさせる訳には行かないからねぇ」 パーシヴァルとキャスパリーグに食事を食べさせる事になったのは大した理由ではない。 食糧倉庫が騒がしいと料理番達に言われて見に行ったら備蓄狙いのネズミを巡ってパーシヴァルとキャスパリーグが大喧嘩を繰り広げていたのだ。 聞けば腹を空かせて食べられそうなネズミを捕まえようとしたところキャスパリーグと獲物の取り合いになったという。 あんまりにもあんまりなので、厨房のクズ野菜などでポトフを作り食べさせたと言うわけだ。 「す、すみません。どうも森で暮らしていた癖が抜けなくて…」

5 21/10/04(月)01:13:24 No.852640542

書き込みをした人によって削除されました

6 <a href="mailto:2/2リクエストがあったので">21/10/04(月)01:14:13</a> [2/2リクエストがあったので] No.852640738

気恥ずかしそうに頬を掻くパーシヴァル。 「君は確か、グルネマンツ公に師事していたのだったか」 「はい、先生には何からなにまで……!ど、どうか今回の事は先生にはご内密に!」 話をしている途中にはっとしたように立ち上がると顔を青くして頭を下げるパーシヴァル。余程グルネマンツにバレるのが怖いらしい。 「大丈夫、誰にも言いやしないよ」 苦笑しながら手を振るルーカン。 「良かった…むっ、食べてすぐ横になると牛になるそうですよ、キャスパリーグ」 「フォ、フォウ…!」 食べ終えて満足したのか、パーシヴァルとルーカンの話を寝転んでいたキャスパリーグの腹をわしゃわしゃ揉む。 「ルーカンさんご馳走さまでした!お皿は私が洗っておきます!…お前もおいで、キャスパリーグ」 「フォウ!フォウ!」 皿を抱え、厨房に歩いていくパーシヴァルと後を付いていくキャスパリーグ。 「ああ、よろしくね」 頷くルーカンはパーシヴァルの後ろ姿にある騎士を思い起こしていた。言動、姿、似ているところ等髪色位なのに何故かとても似ていると感じてしまうのだ。 「確かに後は頼むと言われたけど、君の妹の世話をすることになるとはね…」

7 21/10/04(月)01:15:12 No.852640953

いいぞいいぞ この調子でどうかよろしくおねがいします

8 21/10/04(月)01:17:32 No.852641537

こんな調子でいろんな騎士からいろんなこと学んでたんだろな…

9 21/10/04(月)01:24:57 No.852643228

製作者同じなら作りやすいだろうしぱっしー×判定機とかどうだろう

10 21/10/04(月)01:30:22 No.852644456

ぱっしーだったか まだもうちょっとSSかかるので再放送しておこう

11 21/10/04(月)01:30:38 No.852644520

「はい、では私が声を出しますからよく聴いて同じ音を出してください」 そう言ってトリスタンは喉を涼やかに震わせた。 彼の声はどちらかというと男性でも低い方だったが、しかし野太い汚さがない。 古木を切り倒す時に幹が奏でるような、重たいけれど同時に軽やかさを伴っている矛盾を孕んでいる。 白亜の城の外れにある庭園にあって、パーシヴァルは耳へ朗々と響き渡るトリスタンの声を真似て発声した。 程なくして互いの音程が合致し、庭園に美しいユニゾンが響き渡る。 それは妖精さえもこのキャメロットで申し付けられている仕事を放り出して聞きに来るような、そんな麗しい音だった。 やがて互いの声が止み、パーシヴァルは勢いづいてトリスタンへと訪ねた。 「ど、どうしたか!?ちゃんと出来ていたでしょうか!?」 「…」 「あ、あの!何か仰ってください!卿に黙られては私も不安が募ります」 気を揉みもする。合わせろと言った相手が顎を指で擦りながら黙りだしたのだ。 暫し思案に耽っていたトリスタンはやがて真剣な顔つきでパーシヴァルを問い質した。 「どなたか師を得て声楽を学んだ…ということはないのですよね?」 「はい、王に誓って…」

12 21/10/04(月)01:30:51 No.852644578

本当だ。あらゆる分野においてパーシヴァルの師はグルネマンツ卿をおいて他にない。 他にあるとすれば、強いて言うならそれは幼きパーシヴァルを育んだかの森そのものだ。 トリスタンは普段浮かべている緩い笑顔を引っ込め、芸術家の側面としての真剣な表情でパーシヴァルへ言った。 「だとするならばパーシヴァル卿。あなたの声は生来よりの神が与えし恩寵です。  どうか大事になさるといい。何の教えも受けずこれほどまでに歌声麗しき方を私は知りません。  そして、よくよく声楽を学ばれるとよろしい。さすれば卿の歌声に惚れ込まぬ者などきっとありはすまい。  人の調べを知らぬ獣とてあなたの調べには聞き惚れることでしょう」 他の誰かであればあまりにも多分な賛辞だと聞き流していたかも知れない。 だがそう言ったのは円卓でも随一の知識人、多くの雅に通じるトリスタンだ。 武勇一辺倒に非ず、宮廷の作法の細々とした全てに長けているような、典雅そのものという騎士である。 だからこそ、ついパーシヴァルは言ってしまった。 「…我が王も、お認めになってくださるでしょうか?」 そう。誰に認められずともいい。真に認められたい相手はひとりだ。

13 21/10/04(月)01:31:01 No.852644613

「例えば、我が王の前でこの声を披露して…。  我が王は、騎士王は、アーサー王は…心華やいでくださるでしょうか?」 微笑んでくれるだろうか、とさえ言いはしない。 本当に認めて欲しいのは他の凡百の騎士ではなく、指導を受けているトリスタンでもない。 仕えるべき真の君主たるアーサー王。その人に他ならない。 かの方が例え微笑まれずとも、快いと感じてくださるのならば、きっと。 果たしてトリスタンは然と頷いた。同じ君主へ敬意を抱く者にしか分からぬ熱を帯びた首肯だった。 「無論です。パーシヴァル卿。あなたの天上より授かりし声を磨けば、間違いなく。  多くを癒やし、多くを育むであろうあなたの歌声はきっと我が王にも届くことでしょう」 「…はいっ!では、ご指導ご鞭撻、よろしくお願いします!」 元気よく答えたパーシヴァルは知らない。この指導が遙か遠い未来に役立つことを。 そして、トリスタンが言った通りにその遙か遠い未来にあって偶然に次ぐ偶然から己が主へとその声が届くことを。 白亜の城の片隅に美しい歌声は響く。それはまだ見習いのそれだったが、将来を感じさせる響き。 いつかどこかで届くべく空気を震わせる歌だった。

14 21/10/04(月)01:32:28 No.852644948

再放送助かる…

15 21/10/04(月)01:36:17 No.852645781

ぱしトリは男女の関係とかそういうのではなく師匠と弟子っていう気持ちよさがあっていいね…

16 21/10/04(月)01:41:00 No.852646765

建て替えがあるとすると2時過ぎか じゃこっちのSSはその冒頭で

17 21/10/04(月)01:44:24 No.852647357

ルーカンは料理上手なんだったっけ

18 21/10/04(月)01:56:53 No.852649563

ポトフはフランスの家庭料理… ブリテンに調理法が伝わっていたかというと…ギリギリの線…?

19 21/10/04(月)02:06:55 No.852651342

ポトフとか煮込むだけだし… 煮込むだけができないのがブリテン料理?そうだね×1

20 21/10/04(月)02:09:21 No.852651801

>ぱしトリは男女の関係とかそういうのではなく師匠と弟子っていう気持ちよさがあっていいね… そんな師匠が旅路の果てに精神壊れた弟子に見送られて後悔と嘆きに塗れた余生を過ごしたと思うと捗りますね

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