ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/09/30(木)21:12:53 No.851410542
『マンハッタンカフェ!すごい末脚だ!届くか!?届くのか!? 届いたーーーーーーー!!! クラシック3冠の最後の一つを手に入れたのはマンハッタンカフェ!! 僅差で二度の敗北を喫したのは無駄ではなかった!! ついに念願のG1のセンターの座を手に入れました!!』 (やった! やった! 届いた! 見てますかトレーナーさん!! トレーナーさ) 「ふぁ!?」 ゴガッ! とでも表現するべきか、凄まじい衝突音と頭蓋を割るような衝撃が突き刺さり、夢のような高揚感……というか夢の中の高揚感から一気に灼熱の現実感に引き摺り落とされた。 頭頂部より少し横あたりに走った凄まじい鈍痛に呻き声を漏らしながら頭を押さえて悶え苦しむ。 ベッドのヘッドボードに頭を打ちつけたのだ。 「くっ……子供じゃないんですから」 呆れたような目で見てくる『友達』に気恥ずかしさを感じながらも、ベッドから体を起こす。 ようやく引いてきた痛みと、真っ暗な部屋、そしてこれだけ騒いでもまだ起きない同居人の様子にホッと一息をつきながら、まだ日の登らない窓の外に目を移す。 菊花賞を制してから三日、まだ私はあの夢のような心地から抜け出せないでいた。
1 21/09/30(木)21:13:29 No.851410829
削除依頼によって隔離されました 任天堂ダイレクトにて いきなり暗転 桜井政博「───"受け継がれる意志" "時代のうねり" "人の夢"」 スマブラファン「!?」「おい…これって…」ざわっ… 桜井政博「───これらは止めることのできないものだ」 外国人ファン「shit…」「oh my god…」「I CAN SWIM」 桜井政博「人々が『自由』の答えを求める限り それらは決して止まることはない!」 ?「───きたか、ルフィ」 ファン「あああああああああああああ!!!!!」「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」 シャンクス「覇王化をお前に教える」 「シャンクス、参戦!」どん!
2 21/09/30(木)21:13:55 No.851411006
「いらっしゃいませ!」 「……」 「な、なんとか言ってくれないかな」 「あ、いえ……」 興奮冷めやらぬ、浮き足立った日々を過ごしていた私ではあるが、今日はさらにもう1段階上の浮かれ具合であった。 もはや雲にも届かんほどの浮かびっぷりの理由は、勝利の興奮に加えて、以前約束していた通り、トレーナーさんが作れるという"喫茶メシ"をご馳走してもらうために家に招かれていたからだ。 というわけで、お昼頃に尋ねてみたのだが、ドアを開けると真っ白なコックシャツにショートタイ、それにソムリエエプロンまで身につけたトレーナーさんが見事なビジネススマイルを浮かべて私を出迎えたのであった。 照れるくらいなら、なんでそんなことを、というかその服は……? 「バイト先の店長がな、合格祝いに制服をそのまま渡してくれてたんだ。 箪笥の肥やしだったんだがせっかくの機会だし、と思って……」 「……意外と子供っぽいところがありますよね」 「言わないでくれ自覚はあるから」 「ふふ、似合ってますよ」
3 21/09/30(木)21:14:42 No.851411339
削除依頼によって隔離されました 検索用 シャンカー シャンクス モンジョン
4 21/09/30(木)21:15:03 No.851411488
「お待たせしました、カルボナーラのオムレツです」 「おぉ……」 その後部屋に案内された私がソファの上で座して待つと、事前に下拵えは終えていたらしく、あっという間に料理が運ばれてきた。 ふわりとしたオムレツに、ケチャップではなく白いカルボナーラのソースがかけられている。 「中身もパスタだよ、ソースの味を調整してるから普通のカルボナーラとは一味違う」 「美味しそうです……いただきます」 熱々の湯気たつそれに、我慢できずにフォークを差し込んでみると、思った通りにふわりと柔らかい卵の部分の先に、ちょうど良い茹で加減のパスタが絡み付いた。 うまいこと巻き取って一緒に口に運ぶと、濃厚なクリームソースとフカフカのオムレットにパスタの食感が絶妙な味わいだ。 「美味しいです……!」 「それはよかった。 ゆっくり食べてくれ」 「はい!」
5 21/09/30(木)21:16:04 No.851411932
その後あっという間にカルボナーラのオムレツを平らげてしまうと、食後のデザートと言って以前のパンケーキと、今日はグアテマラコーヒーを持ってきてくれた。 最初から最後まで、全部美味しそうだ。 「カフェ、改めて、ありがとう」 では早速、とパンケーキにナイフを差し込もうとしたところで、トレーナーさんがそんなことを言うものだから、私は思わず手を止めて、彼を見つめ返す。 その目は、真剣だった。 「君が頑張ってくれたおかげで、ずっと朧げだった夢に、手が届いた。 全部、君のおかげだ」 「夢、ですか?」 「まだガキだった頃さ、俺はウマ娘のレースを見て、憧れたんだ。 俺もこんなふうに輝きたいって」 まだ人間とウマ娘の身体能力の差もわからなかった頃の話だ、と彼は続けた。 その瞳は、どこか遠くを見ているようで。
6 21/09/30(木)21:17:26 No.851412530
「まぁ当然、すぐに俺ではあのレースには出られないと知って、結構へこんだりしたんだけど……ふと考え方を変えた。トレーナーになれば、あの輝きを放つ彼女たちの手伝いならできるんじゃないかって、間近で、それがどんなものなのか見ることならできるんじゃないかって」 それからというものの、トレーナーさんは何かに取り憑かれたかのように努力したのだという。 寝る間も惜しんで勉強漬け、お金が足りないからバイトも詰め込み放題詰め込んで、体を壊したこともあるという。 「そんで、死に物狂いでようやく『中央』に入れて……それで、君に俺を見つけてもらえた。 この上ない幸運だ。 君が頑張ってくれたから、俺も頑張れた。 君が輝いてくれたおかげで、君を輝かせる手助けができたおかげで、俺も報われたんだ。 だから、本当にありがとう」 真剣な顔で、頭を下げてお礼を言ってくるトレーナーさん。 それを見て……なんだかおかしくって、私は笑ってしまった。 「……ふふ、あはは……!」 「な、なんだ、笑うことはないだろう」 「だって……トレーナーさん、流石気がはやいですよ?」
7 21/09/30(木)21:17:47 No.851412689
「だって、まだクラシック期も終わってないんです……私たちのレースはまだまだ続くんですよ?」 「それはそうだけど」 「私も……トレーナーさんに見つけてもらったから、ここまで頑張れて、夢のG1レース勝つことができたんだと思います。 でも、私たちは、まだまだこれからです。 だから、お礼の言葉は先に取っておいてください、私も、取っておきます」 「……そっか、気が早かったのかな、君のいう通りに」 「そうですよ、きっと。 さぁ、冷めないうちに食べてしまいますね……」 照れ臭そうに首の後ろを撫でるトレーナーさんを眺めながら、改めて、甘いパンケーキを口に運ぶ。 きっと、これから先もずっと、貴方の隣で走りたい。 今の貴方の姿を見て、感じた想い。 それを告げたら、貴方はどう思うだろう。 砂糖を煮詰めたような甘ったるい感情と言葉は、今はコーヒーの苦味で流し込むことにした。
8 21/09/30(木)21:18:09 No.851412864
それじゃあトレーナーさん、来年の目標は、どうしますか? 私を、輝かせてくれるんですよね? ……そうだな、どうせなら、夢は大きくシニアの三冠を目指そうか。 望む、ところです。
9 21/09/30(木)21:19:16 No.851413380
おいしいものを食べて目を輝かせるカフェはいずれ癌に効くようになる 書きたいものは書いたので失礼する
10 21/09/30(木)21:21:55 No.851414588
ありがたい…
11 21/09/30(木)21:26:23 No.851416622
なんか腹減ってきたな…
12 21/09/30(木)21:33:07 No.851419788
やった!やった!が可愛すぎる…
13 21/09/30(木)21:35:08 No.851420702
子供っぽいカフェいいよね…
14 21/09/30(木)21:35:44 ID:Pmo1yAq2 Pmo1yAq2 No.851421003
削除依頼によって隔離されました https://hahakigi.fanbox.cc/posts/2788945 月額300円でウマ娘のR18絵を公開しています ご支援よろしくお願いします
15 21/09/30(木)21:48:20 No.851426885
可愛い…
16 21/09/30(木)21:48:47 No.851427065
カフェの一見すると大人びててクールで近寄りがたい感じがあるけど意外と子どもっぽいところもあるところいいよね…
17 21/09/30(木)22:07:21 No.851435217
これはお友達もにっこり
18 21/09/30(木)22:10:13 No.851436505
いい…