21/09/27(月)03:05:55 「ウマ... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1632679555794.jpg 21/09/27(月)03:05:55 No.850238940
「ウマ娘プニットシテダーリン…ねぇ?」 正座のままキングが読み上げたウマ娘キャバクラの名刺を見やる。友人に勧められて渡されたのはいいが行く機会もなければそのつもりもなかったのでいつしか忘れてしまっていた。すぐに処分するべきだったなあ、と思っても後の祭り。足が痺れてきたがとにかく問題はこの状況をどうするべきかということに尽きる。 「最近話題になってるみたいだけど、キャバクラ?って何をするところなの?男性は気晴らしによく行くらしい、とか。その内容についてはあまりいい噂を聞かないのだけど」 ああ、想定外だった。そもそもキングは中等部だった。 「まぁ、気晴らしは必要よね。それで、どんなことをする場所なの?私に教える権利をあげる」 これは困ったことになったぞ。キングにキャバクラがどういったサービスをする店なのか説明…?やや性教育に近いと言うか担当トレーナーレベルの口から説明すればそれは既にアウトなやつだろう。先程とは別の意味で嫌な汗が吹き出してきた。
1 21/09/27(月)03:08:58 No.850239320
苦しい立場に追い込まれたようだな!
2 21/09/27(月)03:10:54 No.850239540
とにかく、オブラートに包んで切り抜けるしかない。委細を話す必要はないはずだ。しかしキャバクラと言っても色々あるが…言ったことはないにしろ同性同士の猥談にはよく出てくるからその中のエピソードからライトなものを選べばいいだろう。つまりセクキャバは除外。 「ええと、女の子とお話ししながらお酒を飲むお店かな」 「それだけ?それであんなに険しい顔つきにはならないと思うんだけど…」 流石に厳しいか…?ええと、なんだっけ。他にもちょっとあれだけどでも完全アウトではない部分……。 「あ、あとはこう、隣に座るとか、足の上に座って近くでお話しするとか……スキンシップも楽しめる…らしい」 「…………ふーん。スキンシップ、ね」 ああ、もうだめだ。おしまいだ。キングの次の出方を見ていると、おもむろに彼女はソファーを指差した。 「そこに座って」 「え?」 「いいから早く、座りなさい」
3 21/09/27(月)03:14:13 No.850239940
痺れた足を極力ばれないように顔色を変えないように気を付けつつ立ち上がり、ソファーへ腰かける。キングはなにか考えているようで、痺れから立ち直る仮定のビリビリくる感覚に耐えつつ彼女の表情の推移を見守る。 「やってみた方が早いわね」 え?と聞き返す間もなくキングはこちらの足の上に跨がった。 そう、痺れた足の上に。 その日一番の悲鳴が口から勝手に出る。耐えられるはずもない。人類は正座をするように作られてはいないのだから。
4 21/09/27(月)03:19:01 No.850240459
「あ、足が痺れてるならそう言いなさいなへっぽこ!びっくりするでしょ!」 「だって正座してたら足ぐらい痺れるし…」 「そもそも正座をし始めたのはあなたじゃないのよおばか!」 突然の拷問に何事かと問いただしてみると、男性は足に座られると気分転換になるというのだから自分がそれをして同じ効果が得られるのならその方がいいだろうと言い出したのだ。意図的にぼかしたことが悔やまれる。気持ちは嬉しいのだがいくらなんでも敬愛する女性にさせることではない。 「それで、痺れはとれたのかしら?」 お陰さまで、と返すとキングはソファの隣に座る。 「じゃあ、続きよ。こう、かしら?」 近い方の足を軽くあげてこちらの足に絡める。止める間もなく体操服のハーフパンツでほぼ露出した太ももの感触が伝わる。
5 21/09/27(月)03:19:36 No.850240521
むっ!
6 21/09/27(月)03:24:17 No.850240962
「どう?これで合ってるのかしら?」 よくわからないがキングが近い!あと気持ちいい!キャバクラに行ったことがないから作法は知らないがあまりにもこれは劇薬過ぎる。ただでさえトレセン学園は禁欲的でいなければならないのだ。身体を支えるためにこちらに寄りかかるキングの感触に頭がどうにかなりそうになる。 「お酒は流石にダメだけど…これなら出来そうね。どう?」 どうじゃないが。どうじゃないが。こちらを見上げるキングの美貌が近い。近すぎる。必死に下半身に集まりそうになる血を散らさなくては非常に不味い。 「……ない」 「なにかしら?」 「行ったことないから…知らない…あとキングは無防備に異性に近づきすぎだ……」
7 21/09/27(月)03:28:36 No.850241348
「……っ!!おばか!!行ったことないのになんでこの紙があるのよ!!」 「それは招待状みたいなもので…友達に誘われたけど行ってなくてそのまま処分し忘れてたんだ」 「あと!これは違うのよ!!あなたが他の子に触られて気分がよくなるなら私だっていいじゃないって…あなた以外にこんなことしないんだから!このへっぽこ!!」 顔を真っ赤にしたキングが見るんじゃないわよと抱きつき、顔をこちらの服に埋める。どうやら考えすぎて互いに妙な誤解を積み重ねてしまったらしい。ごめん。ごめん。と謝りながらキングの頭を撫でると、しばらくの間だめ。もっと。と、気の済むまで頭を撫でさせられるのだった。
8 21/09/27(月)03:39:38 No.850242208
「それで、まだ聞いてないわよ?どうなのよ?」 どうっていうのは、どうということもない、いやある。彼女が膝に乗ったこの状態が気分転換になるかどうかという問いの続きだろう。正直、掛かりそうなほど心地よい。このまま調子に乗りたくもなる。しかし言葉は選ばなければ。 「ええと、すごくその、魅力的だよ」 「そうなの…?よくわからないけど、あなたがそう言うならいつでもしてあげるわよ。見られるのは恥ずかしいから二人きりの時だけだけならね」 先程から的確に理性を奪いにくるな……。 触れたキングの想像以上に女性らしい身体の虜になってしまいそうだ。
9 21/09/27(月)03:40:00 No.850242248
「私も一つ謝らないといけないわね」 何を?と問い返すとキングは身体を密着させたまま語りだした。 「キャバクラがなにか知らないなんて嘘よ。聞かないわけ、ないでしょ。聞いてて私すごくむかむかしたのよ。あなたが私以外のウマ娘を見てるなんて絶対にあり得ないわ」 ……衝撃的な話を聞かされた気がする。すっと身体を離したキングは腰を浮かせて目線を合わせる。 「一流の私をあげるわ。だから、一流のあなたは私のものよ。権利じゃなくてこれは義務」 いいながら近づくキングを止めることも出来ずに唇が重なる。 「でも、ありがとう。気遣ってくれたのよね?」 そう言ったキングの表情は、無邪気な子供でもなく恋する乙女でもなく…ただ当然のように相応しい相手と交わろうとする女性そのものであった。