21/09/24(金)21:04:22 夏。 ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1632485062056.jpg 21/09/24(金)21:04:22 No.849312734
夏。 燦燦と降り注ぐ陽光と、それに負けないくらい輝くウマ娘たちの笑顔があふれる季節。 トレセン学園恒例の夏合宿では、秋のGⅠ戦線へ向けて名だたるウマ娘たちが汗を流している。 また、春の激戦を制した強者たちは、その疲れを癒すべく体を休め、気の置けない仲間たちとかけがえのない時間を過ごす。 だが、そんな青春の輝きに反比例するように、この時期の競バ場では、深い陰を湛えた鬼気迫るウマ娘たちの姿が数多く見られる。 「大丈夫…大丈夫…私は天才なんだ…地元で一番速かったんだ…ここで勝って…秋から本格化するんだ…」 「今度こそ勝てるはず、絶対に勝てるはず、私はこんなところで終わる器じゃない、私は絶対に重賞制覇できるウマ娘なんだ」 「こんなはずじゃない…こんなはずじゃ…何かの間違いよ…あのズブウマ娘が一抜けで、私が足踏みだなんて…」 彼女たちは、メイクデビューを走ってから、一度も勝てていないウマ娘たち。 ここで負ければもう後がない、引退寸前のウマ娘たちだ。
1 21/09/24(金)21:05:19 No.849313227
ある者は、碌に指導できないトレーナーに向けて呪詛を吐いて拳を握っている。 ある者は、吐き気でひっくり返りそうな胃を抑えうずくまっている。 ある者は、Make debut!のセンターの振り付けを何度も何度も確認している。 各々やることの違いはあれど、誰一人として笑顔のものはいない。 残されたチャンスが片手で足りるほどしかない事実が脳裏に重くのしかかっていては、笑えるはずなどない。 「皆さん時間になりました。これより第5レース始まりますので、各自返しウマの後スタートゲートに入ってください」 そして、彼女たちの運命を決める未勝利戦が始まって───惜しむ時間もないほどあっという間に終わるのだった。
2 21/09/24(金)21:06:08 No.849313586
その後に行われるMake debut!のライブは、独特な雰囲気に包まれている。 初々しさに溢れるのは、センターをおぼつかない足取りで踊るたった一人だけ。 その後ろでは、滂沱の涙を流しながらこなれた振り付けをこなすウマ娘たちの姿がある。 くっきりと分かれた明暗に、客席の皆が感情を揺さぶられ───そして、明日には忘れている。 敗者はステージを去り、勝者はほんの一時の勝利に酔いしれる。 「やった！やった！これで私もオープンクラス！ここからどんどん勝ち上がって、いつかきっと重賞を！」 彼女が浮かれて語ったそんな夢を、一足先をゆくオープンクラスのウマ娘たちが、渇いた笑顔で眺めていた。 ああ、自分も初めて勝った時はあんなことも考えていたな、と。
3 21/09/24(金)21:06:26 No.849313762
───これから訪れる秋戦線。 駆け込み乗車を果たした彼女が、更なる現実に打ちのめされるかどうかは、運命の三女神しか知らない。
4 <a href="mailto:s">21/09/24(金)21:09:36</a> [s] No.849315294
>たくさんのモブウマ娘がこれだけを2着以下で笑顔で歌って踊って引退したんだろうなと思うとかなり残酷な曲な気がしてきた というスレを見て思いついた！ これは怪文書のネタにできるかもしれない！ というわけで書きました 実際は格上挑戦できるけどそれで大成した子って原作でもすごいガッツだなって思います
5 21/09/24(金)21:23:27 No.849322313
乙 つらい…
6 21/09/24(金)21:49:30 No.849335650
勝負の世界だから仕方ないことなんだけどね… ワリィ…やっぱつれえわ…
7 21/09/24(金)21:56:28 No.849339386
ライブ辛くて直視できなさそう