21/09/23(木)18:08:56 前日譚:... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1632388136987.jpg 21/09/23(木)18:08:56 No.848885309
前日譚:シチーがライスにメイクを施すお話 fu368266.txt 「お、ライスじゃん。ここいい？」 お昼の学食。ライスがご飯を食べていたらシチーさんに声をかけられました。 「うん、大丈夫だよ……！」 慌ててスペースを空け、シチーさんが利用するだろうスペースを備え付けの布巾で軽く拭きました。 「ん、サンキュ。あ、そうそう、この前は素敵なお返しあんがとね！」 「ううん！むしろこっちこそ！メイクをライスに教えてくれてありがとう！お兄さまもすっごく喜んでくれたよ……！！」 「そいつは良かった、でもまだまだやる事はあるからね、またみっちり叩き込むよ！貴女の都合の良い時教えなさいね」 「あはは……お手柔らかにお願いします。……そういえば、シチーさん、どうしてライスにお化粧教えてくれるの？」 ライスに、あんなに熱心に教えてくれるのが不思議です。
1 21/09/23(木)18:10:00 No.848885647
「あー……なんだ、えっと」 「……ライス、言いにくい事聞いちゃった？」 聞かれたくない事をライスは質問しちゃったのかもしれません。思わず耳がへたり込んでしまいます。 「いや、そんな大それたことじゃなくってね。……昔、つか今のトレーナーが専属になる前のアタシってさ、容姿の事褒められるのが嫌でさ？そんなの関係なく競争バとしての実力を認めさせたいって思ってて」 一流のモデルでもあるシチーさんがそう思っていたなんてびっくりです……。 「で、最初モデルと競争バの二つの道目指して。うまくいかなくて、まず競争バ諦めかけて。で、その後、競走バとして成果を出すために今度はモデル捨てようとしたんだけどさ」 「そのどっちも、あいつ、トレーナーに止めない様に言われたんだ。『君は"君"を捨てなくていい』って。同じ言葉を二回ともぶつけてきてね。くっさい言葉でしょ？でも。それからなんだよね……」 シチーさんはとても嬉しそうな顔をしています。
2 21/09/23(木)18:10:43 No.848885865
「皆が見ているアタシも、皆に認めさせたいアタシも、どっちもアタシなんだ。こんなめんどくさいアタシを支えてくれるアイツがいる。なら、やってやる！ってね。でさ、せっかく綺麗だって言われるなら、一番言われたいヤツに言わせたいじゃん？」 「シチーさんはそのトレーナーさんの事が大好きなんだね」 「はぁ！？いや、まぁ、暑苦しいヤツだけどアタシをここまで引っ張ってくれて感謝してるし…………ああそうだよ、好きだよ！でもね、ライス、アンタだってそうでしょ！？お兄さまだっけ、アンタ自分のトレーナーのこと大好きでしょ！？」 「ふぇっ！？」 シチーさんの指摘に、ライスの顔がボッとなりました。 「健気に恋する女の子の顔したヤツが目の前に！しかもそいつはアタシと同じ一流の競争バ！極めつけに相手は専属トレーナー！？色々重ねちゃって、そりゃ、らしくもないおせっかい焼きたくなるわ！！」 「あー、うぅ……。えーと、そのね……ありがとう？」 「そこで感謝されるとこっちが困る、っていうか……なんかめっちゃハズい事言ってるよねアタシ……」
3 21/09/23(木)18:11:42 No.848886183
両手を顔に当てうなだれているシチーさん。 「アハハ……でも本当にありがとう。それに色々話してくれて嬉しいな」 以前は私と全く違うタイプの人だと思っていたシチーさん。でも、今はとっても親しみを感じます。それはきっと。 「ライスね、その、以前はもっと泣き虫でダメダメな子だったんだけど……。お兄さまがね、そんなライスの手を引っ張ってくれたの」 変わりたい自分がいて。なりたい自分があって。でもそんなの無理だと諦めかけて。だけど…………。 「ライス、人前で走る事でみんなをがっかりさせるんじゃないか、誰も幸せにできないんじゃないかって、怖くて。一人で泣いていたライスに、『君が諦めない限り、俺も君を諦めない』ってお兄さまがね」 そんな自分を信じて支えてくれる人がいる。 「だからね、泣き虫な自分が嫌いだったけど、私は皆を幸せにする青いバラになるんだ、って。なりたい自分になる為に頑張れる様になったの」 だから変わりたい。変わるんだってライスは思えました。きっとシチーさんも……。 「……アンタもアタシとおんなじなんだね」 シチーさんもそう感じてくれてとっても嬉しいです！
4 21/09/23(木)18:12:17 No.848886390
「えへへ……あ、そろそろ時間だね。シチーさん、これからもレースもモデルも、トレーナーさんともがんばってね……！」 「！……ったく、言うじゃない！アンタもしっかりやりなね、ライス！」 シチーさんが不敵な笑みを浮かべ右手を掲げました。 「う、うん！」 恐る恐る、ハイタッチ！ライスはシチーさんと別れ、食器を片づけに行きます。午後のトレーニングはいつもより、さらにがんばれそうです……！！ そういえば、お昼が終わったけど、アグネスデジタルさんが安らかなお顔で座り続けてました。どうしたんでしょうか……？
5 <a href="mailto:ν">21/09/23(木)18:13:32</a> [ν] No.848886777
ライスとシチーのやり取りが想像したらすごい楽しかったので続き。シナリオ思い返してみると結構似ている二人な気がしてきた。
6 21/09/23(木)18:21:39 No.848889467
ガールズトークしてるシチーさんいいべ……
7 21/09/23(木)18:22:01 No.848889577
あとは「」を間に挟めばこの作品は完成する
8 21/09/23(木)18:32:00 No.848892765
この二人のコンビって結構映える気がする