虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 21/09/14(火)20:53:27 No.846101459

「た、タマ…大丈夫か！？た、先程フジキセキから聞いたんだが体調を崩して授業を早退して帰ってきたと…」 「いやそんな騒ぐほどの事やないやろ…ただの風邪や…ほらココ最近少し涼しなってきたやろ…？ウチ布団はだけてもうて…ちょ、何泣いとんねん！？」 「だ…だって…タマが…タマが…うぐっ…私が今朝気付いていれば…」 思い出してみれば今朝のタマはちょっと変だった…朝食の時も…私は鮭定食とカツ丼と生姜炒めとサラダと味噌ラーメンと…あぁ…あの時の鮭は脂が乗っていて美味しかった… 「今度は何ヨダレ垂らしとんねん！まぁ、ただの風邪なんやから安静にしとればすぐに…ゲホッ！ェホッ！」 「タマ！タマぁ！？」 いつも通りに振る舞おうとするタマだがやっぱり調子が悪そうだ…

2 21/09/14(火)20:54:07 No.846101752

「こんな時…クリークが居てくれたら…」 残念ながらクリークはレースで関西に行ってしまっている… 「いやアイツおるともっと面倒な事になるからホンマ良かったわ」 「よし…！タマ！今日は私が看病をしよう！いつもお世話になっているんだ！こんな時くらい頼ってくれ！」 「あー…これはこれで面倒な事になってきよったな…」

3 21/09/14(火)20:54:34 No.846101912

――数分後 タマはまたすぐに横になり布団を被る…布団で出来たタマモ饅頭…いつも元気なタマからは想像も出来ない光景だ…しかしタマモ饅頭は何味なのだろう… 「とにかく何か栄養があるものが必要だろう？私が用意して来よう」 「あー…確かにそりゃ助かるわぁ…昼も何も食べとらんからな…」 「任せろ！風邪の時といえば…そうだな…やはり飲み物…栄養も必要だな！なにか食べ物…後は薬だろうか？」 「せやな…とりあえず適当にその辺頼むわ…ちょっと…騒いどったら……スー…スー…」 タマは目を閉じて静かな寝息を立て始めた。きっと無理して元気なフリをしていたに違いない。私はすぐに寮の購買へと急いだ… ――1時間後 「ふぁ…あぁ…寝てもうたわ…」 「タマ、目が覚めたようだな…とりあえずはいくつか見繕ってきてみたんだが…口に合うだろうか？」 「なんでもええわ…とりあえず飲み物くれるか？」 「任せろ！」 すぐさま私は袋から缶を取り出してタマに手渡した。私だってこれぐらいの看病は出来るんだ！クリークが帰ってきたら自慢してやろう！

4 21/09/14(火)20:55:18 No.846102215

「おおきに…ん…？なんやこれ…？………ってこれおでん缶やないか！？はぁ！？なんやこれ！？」 「あぁ！凄いだろう！食べ物と飲み物が一体となった素晴らしい物だ！」 「おでん缶は飲み物やあらへん！！！なんでおま…ちょっと袋見してみぃ！！」 タマは私が買ってきた袋を取り上げて中身を漁り始める 「しるこ！」 「体があたたまるだろう？」 「喉乾くやろ！！」 「コンポタスナック！」 「軽いものが良いと言われてな」 「重量の重い軽いやないわ！！」

5 21/09/14(火)20:56:20 No.846102654

「桃缶！」 「やはり薬と言ったらこれだろう！」 「お前は田舎のおばあちゃんか！！」 「プロテイン！」 「栄養ばっちりだ！」 「運動する時に飲むもんやあああ！！」 「ネギ！！」 「これをタマのお尻にだな…」 「誰が尻晒すかアホぉ！！」 「はぁぁ…お前に頼んだウチがアホやったら…うぅ…騒いだら頭痛が…」 「だ、ダメだったか！？違ったか！？」 「いや…き、気持ちは伝わったからもうそっとしといてくれ…」

6 21/09/14(火)20:57:00 No.846102918

一瞬元気になったかと思ったタマがベッドにへたり込んでしまった。やはり…やはり私では… 「…づめ…」 「ん？なんだ…？」 「桃の缶詰…それが一番マシやわ…とりあえずそれ開けてくれ…後は水でええから…」 「わ、わかった！」 私が急いで缶詰を開けてくると、タマはゆっくりとそれを食べ、水を一杯飲んでまた布団に横になってしまった。 タマがいつもよりも小さく見える…こんなに弱ったタマを見たのは初めてかもしれない… それなのに…私は友人として何も出来ないのだろうか… 赤くなった顔で少し苦しそうにしているタマを見ているしか…

7 21/09/14(火)20:57:43 No.846103235

「そ、そうだ…ちゃんとした飲み物を買ってくる…お茶でいいか…？」 慌てて踵を返した私の服が突然引っ張られた…見ると布団から伸びた小さな手が裾を握っている… 「どうしたんだ？だ、大丈夫だ。おでん缶もしるこも買ってこないぞ？」 「ええから…ええからもうちょっとだけ…そこに居てくれ…」 「どうしてだ？私なんかが居ても何も…」 「ええから…！その…調子悪い時に一人っきりは…さ、寂しいやんか…言わせんなやもうっ！」 布団から出ているのはタマの頭だけ…その耳が真っ赤になっているのは熱があるからだろうか？それとも… 「こ、この事は…絶対に…クリークにも…イナリにも言ったらアカンからなっ！絶対やからなっ！」 「…あぁ、わかった」 いつもタマは強がっては居るが、それでも一人で関西から出てきているのだから寂しさを感じる事もあるのだろうと、クリークも言っていた…

8 21/09/14(火)20:58:08 No.846103394

私が布団から伸びるタマの手を握ってやると、布団から出ている耳が一瞬ピンっと跳ねた後少しずつ力が抜けていった。 私は何も出来ない、きっとクリークの方がこういう時は頼りになるだろう… だが私は友として一緒に居る事位は出来る、タマがそれで安心出来るのなら…それで十分だ…。 幾分かしてタマはまた寝息を立て始めた。今度は布団をはだけてしまわぬ様にタマが寝返りを打つ度に布団を直してあげた。 途中でお腹が空いたが…丁度買ってきてあったおでん缶を食べた。美味しかった。

9 21/09/14(火)20:58:46 No.846103645

――翌朝 「ほら、はよ起きい！」 元気な声が聞こえる…私はどうやらベッドの脇で眠ってしまっていた様だ… 「あぁ…おはよう…」 「まさか付きっきりで看病しとったんか？全く…そこまでせんでも大したことない言うたのにい！」 ぼんやりとしながらタマを見れば、昨日の具合の悪そうな様子は見受けられない… いつもと同じ様子で文句を言っているタマがそこに居た。 「調子良くなったみたいだな…！良かった！」 「まぁ～…ひ、一晩ぐっすり眠れたお陰やな…後…後ぉ…」 「どうしたタマ？まだ調子が…」 まだ調子が悪いのだろうか、心なしか顔が赤い気が… 「その…お、オグリがそのぉ…一緒に…」

10 21/09/14(火)20:59:04 No.846103740

タマが何か言おうとした時、フラっと身体から力が抜けるのを感じた… 「ど、どないしたん！？」 慌てて手をついた私にタマが焦った様に声をかける。 …？なんだろうか？そういえばボーっとした視界が晴れない… 「タマ、とりあえずご飯でも…」 そう言って立ち上がろうとした所で私の身体は横転した… 「おまっ！？う、移ったんか！？ちょっ！？」 「タマちゃん！？大丈夫！？…って、どうしたの！？」 クリークの声がする…そうか…帰ってきたのか… 「ウチの風邪が移りよった！クリーク！はよベッドに運びい！すぐ看病や！」 「ええ！任せて！」 なんだか騒がしい…でもやっぱり…タマは元気な方が良いな… そんな事を考えながら私は…

11 21/09/14(火)20:59:35 No.846103960

──1時間後の食堂… 「はー…何や、腹空かせとっただけかいな…」 「うむっ…おでん缶だけでは…むぐっ…足りなかったみたいだ…！」 「アホはなんとやらって奴やな…」 「…何のことだ？それよりも昨晩のタマは…」 「だー！！！それは言うなって言うたやろ！！！！」 「うふふ…♪ふたりとも元気になってよかったわ～」

12 21/09/14(火)21:01:13 No.846104683

めちゃくちゃ長くなりましたがオグタマのある日を書いてみました お目汚し失礼しました

13 21/09/14(火)21:04:31 No.846106073

素直になれないタマちゃん良いよね…

14 21/09/14(火)21:05:19 No.846106409

オグリ燃費悪いな…

15 21/09/14(火)21:09:04 No.846107998

>素直になれないタマちゃん良いよね… 良い…

16 21/09/14(火)21:13:44 No.846110100

いい…

17 21/09/14(火)21:15:24 No.846110821

この二人の漫才は良いものだ…

18 21/09/14(火)21:16:42 No.846111352

自分で立てて自分のスレをカタログとかで探せなくなってました このスレ画視認性最悪ですね… 今後もオグタマでまた思いついたらなにか書いてみます！

19 21/09/14(火)21:25:23 No.846115062

素晴らしいオグタマだったから次も楽しみにしてるよ 視認性は確かにアレかもしれない…！

20 21/09/14(火)21:27:37 No.846116005

よかった

21 21/09/14(火)21:28:23 No.846116342

オグリイケメンでタマ可愛いのいいよね…

22 21/09/14(火)21:31:46 No.846117748

前のオグリとタマモのアイスの「」だろうか