虹裏img歴史資料館

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21/09/11(土)18:46:26 ちょっ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1631353586766.jpg 21/09/11(土)18:46:26 No.844934041

ちょっと特殊性癖(TSネタ)注意

1 21/09/11(土)18:47:13 No.844934285

アオハル杯の復活でトレセン学園は以前よりも更なる活気に満ちているが、それは担当が着いているウマ娘とトレーナーの話。 赴任したばかりで未だに担当が見つからない俺も早くあの輪に加わりたいと思うものの、これが中々上手くいかない。 「マーーーベラーーースッ!」 今日も担当が見付からず、気落ちしながら寮へ戻ると、耳に届くけたたましい声。目線をそちらに向ければ、両手を大きく広げたウマ娘──マーベラスサンデーが友人達の前で瞳を輝かせていた。 「あの子は元気で羨ましいなぁ……」 俺もあの子みたいになれたら……と溜息を吐きながら帰路に着く。明日こそは担当が見つかりますように、そう願って目を閉じた。 「……え?」 そして翌朝、目が覚めた時。 俺は、マーベラスサンデーになっていた。

2 21/09/11(土)18:47:45 No.844934452

最初は、胸に息苦しさを感じた。重たい何かが身体の上に乗っかっているような。寝惚けた頭で"それ"を退かそうと手で触れると、むにゅっとした柔らかに指が沈み、そして自分の胸が触られている感触。 何かがおかしい、胸が腫れているのかと一緒思って、虫刺されのような胸の先端の突起を指でかくと、ピリッとした何かが目の前を走り、甲高い甘い声が喉の奥から漏れた。 「んっ♡……?……ッ!?」 一瞬で眠気が吹っ飛んだ。 慌てて上体を起こすと、反動で胸が揺れて、ボリューミーな髪の毛が勢いに振り回されて顔にかかった。 胸──おっぱいだ。俺におっぱいが付いている。そしてこの、甘いシャンプーの匂いを振り撒く長い髪。俺の髪はこんなに長くなかった筈だ。 辺りを見渡せば、見慣れたトレーナー寮の部屋ではなく、良い匂いのする女の子らしい空間。 一体何が起きているのか、混乱する頭で枕元に置いてある手鏡に目線を向けると──マーベラスサンデーが、俺を覗き返していたのだ。 「マーーーベラーーースッ!?」 反射的にあげた悲鳴も、マーベラスだった。

3 21/09/11(土)18:48:46 No.844934770

「ん……ふぁ、おはよ。アンタがいると目覚ましいらずだわ~……」 そんな俺にあくびを噛み殺しながら挨拶をしてくれるのは、ブロンズコレクターことナイスネイチャ。どうやら俺はマーベラスサンデーになっていて、ナイスネイチャは彼女の相部屋らしい。 この状況を夢だと思いたいが、さっき胸から感じたアレは明らかに現実のもので。信じてもらえるかは分からないが、事情を説明しなければ。 「マーベラースッ! だってネイチャ! アタシがここにいて、ネイチャと一緒に起きられる! それってとってもミラクルで、マーベラスなことなんだよ!」 ナイスネイチャさん、本当は俺はトレーナーで、何で分からないけどここにいるんだ──そう言おうとしたのに、言葉として口から出て来たのはマーベラス。 おかしい、思うように喋ることができない。ちゃんと口で説明しようとしても、単語や口調がマーベラスに置き換わってしまう。 「はいはい、朝から元気だねアンタも……よいしょっと」 俺がアタフタしている間にネイチャは慣れた様子でベッドから起き上がり、さっさと朝の支度を始めてしまった……。

4 21/09/11(土)18:49:14 No.844934928

どうにかしなければ、しかし何をどうすれば? 考える程こんがらがる頭とは裏腹に、身体は勝手に動いた。考えるまでもなく、朝の身支度を整えていく。 こんなボリューミーな髪の毛を纏めた経験なんてないのに、毎朝の日課をこなすかのように丁寧にツインテールを纏めていく。 パジャマを脱ぐと、その身長と年齢に不釣り合いな大きな胸が露わになる。ブラジャーに支えられているとはいえ、身動ぎをすると震度を伝えて来る二つの膨らみに理性が揺れる。 「今日もとってもマーベラス☆」 しかしそんな事は微塵も表に出さない、鏡に映る瞳を輝かせたウマ娘の顔。それはマーベラスサンデーそのもの。 考えている事は俺なのに、実際の言動はマーベラスになってしまう。まるで明晰夢を見ている時のような、意識はあるのに自由が効かない状態。 「今日もいっぱいマーベラスだよ、ネイチャ!」 「はいはい……朝だから声のボリューム落としてね」 トレセン学園の制服に袖を通し、スカートを穿く。本来なら着方なんて全くわからないのに、あっという間に着替えは終わった。

5 21/09/11(土)18:49:49 No.844935122

マーベラスに振り回されて朝の身支度を終えた俺に、ふと疑問が湧いて出て来た。俺がマーベラスサンデーになっているのなら、彼女は今どうなっているんだ? もしかして俺に? ならば向かうべき先はトレーナー寮なのだが、寮を出たこの足は自然とトレセン学園へと向かっていく。 (頼む! 言うことを聞いてくれ!) そんな俺の願いが通じたのか、足が学園とは違う方向に駆け出した。その先はトレーナー寮。 やった、事態を打開できるかもしれない──!そう喜んだのも束の間、俺の足はとあるウマ娘の前で止まった。 「マーベラース☆」 「へ、え?」 ポカンと、口を開けるウマ娘の子。マーベラスサンデーの中で、俺もその子も同じ顔を浮かべていた。

6 21/09/11(土)18:50:50 No.844935454

「マーベラース! そこの元気がないアナタ! もっともっとマーベラスになろー?」 「あ、あはは……何か、悩んでたのがバカらしくなってきた……ありがと」 どうやら彼女は何か悩みを抱えていたらしく、マーベラスサンデーが暗い顔を浮かべていた彼女に気付いて声をかけた……という事なのだろうか。 「うんうん、笑顔の方がとってもステキ☆」 すいません、いきなり……自然と漏れたそんな言葉も、マーベラスな言動が優先されてしまう。 「今日も世界をマーベラスでいっぱいにしなきゃ☆」 その後も、隙を見てトレーナー寮に向かおうとしたのだが、全ての行動がマーベラスに置き換わってしまい辿り着く事すら出来なかった。 意識はハッキリと俺のもので、歩こうと思えば歩けるし話す事もご飯を食べることもできる。しかし、心の中で浮かべた内容を実際に出力するとマーベラスサンデーに塗り潰されてしまう。 少しでも暗い顔をしていたり、悩んでいる素振りのウマ娘を見かけると、マーベラスサンデーはそちらを優先してしまうのだ。

7 21/09/11(土)18:52:27 No.844935969

そして俺がマーベラスサンデーに閉じ込められている以上は、避けては通れぬ難問がやってきた。 「マーベラスちゃん、おっぱい大きくていいなぁ……」 「マヤノちゃんのおっぱいも、とってもマーベラスだよ☆」 風呂である。寮住まいのウマ娘は大浴場を利用するのだが、マーベラスサンデーも例外ではない。ウマ娘が集う女の園は俺には刺激が強過ぎる。 興奮の頂点に有るというのに一才の発散を許されず、頭がおかしくなりそうだ。そんな俺の前にマヤノトップガンの一糸纏わぬ未成熟な肢体が目の前にあり、つい目を逸らしたくなるが、マーベラスサンデーはそれを許してくれない。 「……ホント、マーベラスちゃんはキラキラでいいなぁ……」 「大丈夫! マヤノちゃんもとってもとってもマーベラス! わかってくれる人と絶対会えるよ!」 「……ホント?」 「うんうん! だから一緒にー? マーベラース☆」 「……うん! マーベラース!」 風呂場で一緒に両手を上げて高らかに叫ぶ俺(マーベラスサンデー)とマヤノトップガン。風呂場では静かに、と寮長からお叱りを受けるまで叫び続けていた。

8 21/09/11(土)18:53:30 No.844936298

非常に疲れた。そんな言葉を呟くことも許されず、消灯時間を迎えた俺はベッドに横になる。 もしこのまま、一生戻れなかったらどうしよう。不安が込み上げてきて、それと同時に脳裏に今日一日の様子が浮かぶ。 元気の無い子を励ましたり、マヤノトップガンを元気付けたマーベラスサンデー。 呆れながらも笑顔になった彼女達を前にして、充実感を覚えなかったかと言われれば嘘になる。 「こっちの方が……マーベラス……?」 もしかして。このままマーベラスでいた方が、多くのウマ娘を元気に出来るんじゃないか。 契約ウマ娘が見つからないトレーナーよりも、トレセンの為になるんじゃないか。 そんな考えが過ぎって、眠気が湧いて来て。ふと、視界の隅でぼんやりとした明かりが灯った。

9 21/09/11(土)18:54:12 No.844936554

薄目を開けて視線を向ければ、ナイスネイチャがテーブルスタンドの明かりの下で何かに指先で触れている。 「……トレーナーさん……」 よく目を凝らすと、それは折り紙で作られた皺くちゃのゴールドトロフィーだった。ナイスネイチャの呟きからして、彼女のトレーナーからの贈り物なのだろうか。 側から見ればただの子どもの紙細工にしか見えない。しかしそれを見詰めるナイスネイチャの横顔は、この世で一番の宝物を前にしたそれと同じ。 (……そうだ) そんな彼女を見ている内に、マーベラスサンデーに流されかけた気持ちが戻ってきた。そうだ、俺はウマ娘の為にトレーナーになったんだ、と。ただ状況に流されてウマ娘の笑顔を見るんじゃなくて、俺自身がウマ娘を笑顔にしたいんだ、と。 「……その為に俺は、トレーナーになったんだ……」 そう、ぽつりと口にして、俺は目を閉じた。

10 21/09/11(土)18:54:24 No.844936628

うんうん。それがアナタのマーベラスなんだね☆ 眠りに落ちる間際、そんな声が聞こえた気がした。

11 21/09/11(土)18:56:04 No.844937173

「……何か、変な夢を見たような?」 翌朝、何か腑に落ちないような。それでいて、どこかスッキリしたような、不思議な気持ちで目が覚めた。 今日こそは担当ウマ娘を見付けないと、と昨日までなら焦りと共に起床していたのだが……今は何やら晴れやかな気持ちだ。 鏡に向い身支度を整えて通勤する。何だ瞳もいつもよりキラキラしてる気がする。 天気も良い。晴れやかな空に相応しい、素敵な出会いがあるような気がして辺りを見渡すと、視界の端に暗い顔をしたウマ娘を見かけた。 「あの、君。何かあったのかい?」 いつもなら気付かなかっただろうけど、不思議と放っておけず声を掛けなければならない気がした。

12 21/09/11(土)18:57:57 No.844937767

話を聞くと、大事な髪飾りを落としてしまったとのことで。話を聞いた以上は放っておけず、俺は彼女から話を聞いて落とし物を探してあげることにした。 お陰で今日の本来の予定には遅刻してしまったが……無事、髪飾りは見付かり彼女を笑顔にする事は出来た。 「マーーーベラーーースッ!」 晴れやかな気持ちで空を見上げると、けたたましい声が耳に届く。目線をそちらに向ければ、瞳を輝かせたウマ娘、マーベラスサンデーが両手を広げながら、俺へと駆け寄ってきた。 何だ何だと戸惑う俺の手を取って、彼女はそのキラキラした瞳を俺に向けた。 「今のアナタ、とってもマーベラス! 今のアナタと一緒なら世界にマーベラスを広げられると思うの!」 それが、俺とマーベラスサンデーの出会いだった。

13 21/09/11(土)19:01:16 No.844938844

そうか…マーベラスとは…ウマ娘とは…

14 21/09/11(土)19:01:49 No.844939041

まあマーベラスならこういう事もあるか… 面白かった

15 21/09/11(土)19:03:09 No.844939542

マーベラスなお話だった…

16 21/09/11(土)19:03:25 No.844939639

これはマーベラス

17 21/09/11(土)19:03:45 No.844939738

トイレ描写とか着替え描写とかもっとガッツリTSネタに振っても良かったかもしれない

18 21/09/11(土)19:05:49 No.844940428

ちょっと身構えたけど良い話だった

19 21/09/11(土)19:06:02 No.844940517

次にマーベラスになるのはあなたかもしれません……

20 21/09/11(土)19:06:03 No.844940521

俺マーベラス分かってきたかもしれん

21 21/09/11(土)19:10:04 No.844941966

そのままマーベラスに流されていたらマーベラスに取り込まれていたかもしれない

22 21/09/11(土)19:19:23 No.844945407

こうしてマーベラスは世界に広がっていく

23 21/09/11(土)19:21:34 No.844946269

俺もマーベラスになりたい

24 21/09/11(土)19:25:57 No.844947915

最初は疲れたネイチャトレがマーベラスになる予定だったけどこっちの方がいいかな……って思って変えた

25 21/09/11(土)19:30:23 No.844949405

マーベラスはマーベラス同士惹かれ合うんだね…

26 21/09/11(土)19:30:54 No.844949607

ウマ娘のTSFは可能性を感じる

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