ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/09/05(日)22:11:03 No.843025712
アオハルって何なのだろう 希望を持ち、理想を抱き、……異性を求める時期だと言う。 つまりは青春なんて物、1時の迷いが起こした誤ちでしかない。 …そんなもの、まがい物でしかない。…必要ないものだと知ってるから。 過去生きてて必要な事なんてーーー
1 21/09/05(日)22:11:19 No.843025851
そう、…アイツに会うまでは、そうだとずっと思っていた。 「へぇ…リトルココン…良~い肺だ!」 「えっと…誰?」 変なやつ、グイグイ来るし、なんか熱苦しいし。 「…うんうん、面白そーー」 「あの、勝手に話進めないでくれます?」 「あっごめん…」 「スカウトなら模擬レース走ってからにして、練習の邪魔なんで」 「…すいません…」 なにあいつ、練習の邪魔してトレーナーとしてどうなの? …良い肺…か。 1人でランニングマシーンを走ってただけなのにどうやって気づいたんだろ。
2 21/09/05(日)22:11:46 No.843026106
あの後、何となくその妙なトレーナーとしての高い能力に興味が引かれた。 「よー!なんだ今日もアイツの視察かー?」 「ちょっ…グラッセ…そんなのじゃない」 「よく言うねぇ、なんだかんだでいつも気になってるくせに」 「そんなんじゃないって!」 「知ってる知ってるって、まあかくいう私も不思議な奴だなぁと見に来ただけだし」 「……グラッセも?」 「そりゃぁ初対面で『スプリンターもマイルも中距離も行ける上にパワーのある足だ!ただレースの周り方はまだまだだな!』なんてちょっとジョギングしてる時に言われたらねぇ」 「……実際、的を得てるじゃん」 「的を得てるからだよ、普通、ジョギングだけでそこまでわかるトレーナーなんて見たことない、ウマ娘もそういう人はいるけど、あのトレーナーもそういう意味では一種の天才かもしれないし」
3 21/09/05(日)22:12:18 No.843026369
で、そのトレーナーは何をしてるのかと言うと…… 「……うん、やっぱりあの子の肺はおかしい、…脚は絶対凄いんだけど、小柄とあの肺を持ってる所を何とかしないと…、それだとまず逃げで走らせるのがダメだ…」 何やらぶつくさ言いながらプールで泳ぐウマ娘を観察してはバインダーに何かを記録していた。 「何?盗撮?いい趣味してるじゃん」 「…ちょっ!?ええっ!?」
4 21/09/05(日)22:12:30 No.843026492
「いやーそんな焦り方すんなら盗撮で間違いなさそうだなー」 「違う違うっ!!模擬レースでちょっと凄い子を見つけちゃってね、担当にする為にも情報収集してたんだって!」 へぇ、とグラッセはつぶやく。 「3回目の模擬レースで走るんだけど、見ない?」 「先に担当が見つかったら。まあそりゃぁ…」 「あらあ残念だ、まあその担当と上手くいった時はライバルだからよろしく」 「グラッセ…!?」 「ココン、言っただろう?これでもこの人の才能は間違いないなっては思ってるんだって」 「はあ……」 ……ほんと、なんでかムカついた。 グラッセに取られそうだから?違う。 もっと…そう……なんだろ
5 21/09/05(日)22:12:49 No.843026648
…視線がこっちに向けられてないから?
6 21/09/05(日)22:13:22 No.843026937
月日はあっという間に過ぎていく。 アタシの模擬レースはついに来週、 「タイシン…」 「情けかけんなら帰って」 「…いいや、ちょっと今日提案があってだな」 その時、思わず変な光景に少し吹き出してしまった。彼は大きなホワイトボードを持ってきて…何かを書き出す。 「こういう事だ!!オレはお前のトレーナーじゃないんだが!!これをやって欲しいんだ!!」 追込!前出ないで!行くな!!!………なんてアホな3単語か、……ちょっとかわいいと思ってしまった自分を殴りたくなった。 「あのさ」 「はい」 「…………書く必要ある?」 「…………」 ベキッ!! 「ぐうぁぁぁぁああ!!足がァァァァ!!」 「うっさい!…そこまでして言いたい気持ちは分かったから、変なことするな」
7 21/09/05(日)22:13:38 No.843027091
…そんな、初めての模擬レースの前に…視察がてら、ひとつ私の参加しない模擬レースを見ていた。 先程居たウマ娘はナリタタイシンと言うらしい。 退学勧告だなんかで噂になってたし、嫌でもその名は耳にしていた。 (そんな奴に加担するんだ、あの人) 小柄で、息切れしやすくて、…正直、よくここに来たなって思うほどの子。 …だけど、そんな子が現役のG1ウマ娘…ビワハヤヒデとの模擬レースの勝負に出たという。 それだけじゃない、今や期待の新星としているウィニングチケットに、ビワハヤヒデが経由で集めた数々の名高いウマ娘。 往々にして勝てるわけも無いレース。そんなのに参加したあの子は…本当に小さなウマ娘で、弱々しい体だった。
8 21/09/05(日)22:13:58 No.843027266
だけど、ここで見たレースは私の目から焼き付くように残ることになる。 ビワハヤヒデは智将と呼ばれるほどレースの展開が得意な人だ、少人数のレースなら間違いなく彼女の独壇場になるのは誰が見ても明らかで…実際、最後のコーナーに入るまで完全に主導権を握られるレースだった。 そう、その瞬間だった。 「っーー!」 …そこから形成がひっくり返ったのだ。
9 21/09/05(日)22:14:17 No.843027433
…恐ろしい程の末脚が巻き起こり、見てる全員が凍りつくほどの加速となって、彼女はハヤヒデをその手で倒す。 歓声が上がって、トレーナー達が急遽手のひらを返したようにスカウトしようとして…その段階で、嫌気が差して私は帰ろうとした。 でも、目が離せない、…不思議なくらいカッコよくて、ずるくて…羨ましかった。 (自分だけじゃわからない、導いてくれる人) 過去、己にずっと無かった存在。 自己研鑽のみで生きてきた私にとって、…本当にずるいくらい彼が眩しかった。 …ナリタタイシンは一直線に1人のトレーナーの元へ向かう。 「信じてた、…タイシン、えーっと」 「早く言ってよ」 「……感動したぁぁあ!」 バゴっ! 「痛っぁっ!!!!?」
10 21/09/05(日)22:14:48 No.843027677
「……言え」 「すいません、…君をスカウトしに来ました!」 「…うん、それでいい」 「…本当に、見事な末脚だ…おめでとう、タイシン」 「…あっそ」 無愛想で、協調性のない私のようにまともに合わせもしなくて。 「一緒に頑張ろうな!」 「うるさい!!」 それでも、ずっと傍で向き合ってくれる存在。 ……初めて見た…その…少女漫画のような展開。 現実にあるのかとも思うが、…同時に、ほんの少しだけ、ほんの少しだけ…羨ましかった。
11 21/09/05(日)22:15:09 No.843027839
それから私は、何度も模擬レースで模擬レースでいい結果を出した。 専属の契約が見つかるまで、何度も、何度も。 ……もし、私がナリタタイシンよりも早くこのレースを見せてたら…。 過去の記憶、散々な思い出、その上での人が言うであろう幾つもの失敗。 「…結局、些細な違いでしかないか」 ただ、そうつぶやくしか無かった。
12 21/09/05(日)22:16:26 No.843028407
っていうココンちゃんがタイシンにほんのりとした嫉妬から最終的なURAでの決着で心が捻れる怪文書を書きたかったんですけど あまりにも長文になりすぎて1週間で終わらないし書ききれないと判断したのでこの怪文書を供養します 誰か代わりに書いてくんない?
13 21/09/05(日)22:16:50 No.843028582
お 書
14 21/09/05(日)22:20:43 No.843030445
薬はいくつがいい?
15 21/09/05(日)22:22:45 No.843031369
タイシン持ってないしなあ
16 21/09/05(日)22:25:26 No.843032713
管理主義と真逆のことやってるから菊花賞で「それ見たことか」となり日経賞で脳が破壊されそう
17 21/09/05(日)22:26:20 No.843033170
当て付けみたいに走るようになるの良いよね
18 21/09/05(日)22:32:23 No.843035841
タイココいいよね…
19 21/09/05(日)22:38:07 No.843038512
そうしてチームファーストは最初の段階で1位の座を手にした。 対してアイツのいるチームは登録したての最下位、あんな状況で始めようとも思ったことも分からない。 だけど、冬のプレオープン、夏のプレオープンが来る時……彼のチームは確かに格上に勝っていく。 …思ったより、強かった。崖っぷちにいて沈むだけのチームだと思ってた。 「全成績を見ても…個々が強いだけだなぁ…なんならチームの担当の子が毎回常勝して3勝2敗ねぇ」 「すぐボロ出るでしょ、あんなチーム」 「そうかな?面白いと思うんだけどな、こういう変なやり方なのに勝ち上がるチーム」 「…あっそう」
20 21/09/05(日)22:38:22 No.843038620
「セオリーから抜けるところに、力の秘訣も運の秘訣もあるもんだって。…本当、あのトレーナーは面白い」 「………」 その名を聞きたくなかった。 アタシには、樫本トレーナーがいる。 だから、アイツは必要ない、そう、必要無いんだ。 「…キャロッツ…早く戦いたいなぁ…」 「……」 (言いがかりでもいい、…そう、どんな方法でもいい) アタシがアイツらより強いって証明出来れば、なんでもいい。 ふつふつと湧く黒い感情に、己の制御すらできなくなってる事実を……ただ無表情で押し殺した。
21 21/09/05(日)22:39:20 No.843039021
9月、タイシンの2冠を取り、残す最後の菊花賞に向けてトレーニングを行う中。 目下の時間に迫る中、俺はもうひとつの問題を抱えていた。 「チーム内での空気が悪いな…」 「……」 「タイシン?」 「別に、仲良くしたいチームなのに仲良くもなれないなら強くなれるわけも無いってだけ」 「……そうだよな、どこかで打開しないとならない。」 「…………」 「トレーナーさーん!!」 「はい!たづなさん?どうしました?」 「その…キャロッツのチームがファーストと模擬レースを勝手にし出しています!…それも…!グラウンドを使用許可を掛けて…!」 「ええぇっ!!!タイシンごめん!俺行かなきゃ!」
22 21/09/05(日)22:42:06 No.843040225
「…………」 過去に訪れた己の闇。 負けたことを見返したくて、強いと証明することも認めれなくて、ただ、勝って、見返したくて、その為だけに1人で走り続けていた。 それが今、こんな形で帰ってきてるというのなら その不和が、こうして崩壊を招くというのなら。 ………見返してやる、壊してやる、…あんなチーム、やっぱりアタシには必要ないんだって…必要… 『お願いだから!学園を救うと思って!』 ………そう、アイツらの思いは必要、チケットはどうすんの、あんなルールの中で生きていけるの?ハヤヒデだって、あんなやり方を好むわけが無い…! 彼がいなくなった部屋で……静かに呟く。 「はあ…ったく、どいつもこいつもバカばっか…!」
23 21/09/05(日)22:42:39 No.843040453
俺が着いた時にはレースが始まっていた。 「oh…また…」 …… 「ウララちゃん…ごめんねっ…」 また、負ける。 「ライスが原因だから…だから…頑張らないと…」 チームの不和、タイシンの言った言葉が過ぎる。 『仲良くしたいチームなのに仲良くもなれないなら強くなるわけもない』 ……あの子、意外と人のこと見てるんだ。 ……ドコッ!! 「いったぁっ!!!??」
24 21/09/05(日)22:43:00 No.843040607
「……あれ?タイシン?何で来たの?」 「黙って見てたけど、アンタら情けなすぎ」 「「……」」 「何?私情と他人を気にしすぎて負けんの?そんな時間あるチームだとは思ってなかった」 「ちょっ!?言いすぎだよタイシン!」 タイシンは軽く俺の事を蹴る。 「いたぁっ!!」 「トレーナー、あとチームファースト、空いてるヤツいる?何人でもいいから、勝敗もカウントに入れなくていい」 模擬レースは終わり、負けが確定した時、彼女がやってきた。 「へぇ、ようやく御大将のお出ましか」 グラッセが嬉しそうに腕を鳴らし… 「いーよ、最初に走ったから、体力は回復してる、あと数名こっちから出そうか」 「…本当、情けない奴ら」
25 21/09/05(日)22:43:15 No.843040713
ただ、俺は一抹の不安があった。 タイシンは…タイシンは最近の練習でついに危惧していた肺活量に異常が出ている。 このレース、無理をさせる訳には…! 「…タイシン、最近体の調子が悪いだろ?やめておいた方がーー」 「…黙れ、目の前でこうも無実で言われてるの、見てらんないから」 「……分かったよ」 タイシンがターフへと歩き出すと、同時に向かい側の2人も何かを話していた。 「あー…ココン、悪いな、先に戦わせて貰うよ」 「…あっそ」 「あははっ、素直じゃないなぁ、…うずうずしてるくせに」 「……」 「…よし、アップ完了、…行ってくる」
26 21/09/05(日)22:43:34 No.843040854
そのレースのタイシンは鬼神の様な覇気を感じた。 レースに出る前から、ビターグラッセ以外の…少なくとも樫本トレーナーの厳しい鍛錬を乗り越えたウマ娘が多数集うのに… 「……すーっ…はーっ…よし」 どこか全員が焦りと震えと…冷や汗を纏っている。 「…凄い緊張感だ、これがあのトレーナーの担当…」 いつしかその存在を看過することが出来なくなっていた。 最初の頃から知ってたし、多少問題になってたのも知ってた。 そんな小柄の子が…G1を三連勝でしかも三冠にリーチがかかってるって?どんなおとぎ話だよ。 あのチームは多数のウマ娘が集うが、本当に彼女だけは異質だった。 …直接彼の指導を受けてる唯一の存在、それが彼の実力なのか彼女の実力なのか、その割合を推し量ることはたぶん無理だろうけど。 (…惜しいよなぁ、もう少し上手くいってりゃ、樫本トレーナーのサブトレになれた可能性もあったのに) その力、源がもし彼であるのなら、正直かなり羨ましいと思う所もあるんだ。 つくづく…どっちも欲しいって考えるのは欲が深いんだろうけどさ。
27 21/09/05(日)22:44:16 No.843041193
「……おや、私たちの出番は必要なかったか」 「あれ?なんでハヤヒデがここに…?」 俺が聞くと彼女は不思議な顔をした。 「…ふむ?ああ、成程、あの子らしい…」 「…?」 「タイシンから頼まれたのだよ、『レースに一緒に出て欲しい』とな」 「…もしかしてチケットも?」 彼女は苦笑し、そうだと答える。 「流石にここには連れてこなかったよ、まあ、そんな事行ってもどこかで見ていそうだが」 「…ごめんな、こんなことに巻き込んで…」 「いや、いい、私も菊花賞に向けて実戦的な調整が必要だとも思っていたからな」 多くの先行バによる混戦の中、タイシンは後方のスペースを常に陣取り続ける。 「…さて、そろそろか、トレーナー君、知ってると思うがーー」 「……」 「そろそろだ、…息は止めておけよ」
28 21/09/05(日)22:44:34 No.843041337
(よし…このまま余裕だな、抜け出すにしてもペースも充分にあるし使い切って勝ちだ) かなり後方からスタートした彼女は馬群に飲まれて見ることは出来てない、…マークしたかったが情報が足りない。このまま抜け切るしかないか 「…加速…行くぞっ…!」 コーナーに入り始め、一気に足に力を込めーー。 「ーーーーっ!?」 …急に、身体の奥底から何かが震え上がる。 ゲートインの前に感じた恐怖、そう、…あの感覚。 (なんだよこれっ……後ろから…確かに何かが来てる!) それが誰なのか等、見なくても分かってしまう。 恐ろしく冷たい空気、凍りつくような心、…それが己の冷や汗から出るものなのか、それとも本当に出ているのかすら分からない。 (なんだよこれ!?体の熱が一気に冷えきってーーー!) ゴォーっと、耳をつんざくような風がした。 抜け切る存在に、静かに顔を横に向けるとーー! 「……ふん」 あの時の必死の形相の彼女ではなく。実に…見下すような、…敵にも思わないような表情のナリタタイシンがいた。
29 21/09/05(日)22:44:50 No.843041415
~~~~~ ハヤヒデが呟き、しばらくして…最終コーナーを回る時…。 ドォンと、深い音がした。 いや、実際には聞こえてない、空気が切り裂くのか、はたまた波動の様に動いたのか…。 心臓の鼓動のように、確かに世界は揺れ動いた。 その鼓動は自分だけではない、レースを見てる全ての存在が確かに察知していた。 「…こわいっ…!」 ウララが小さく呟く。ライスシャワーも静かに震えていた。 それだけじゃない、キャロッツの全メンバーから不安の感情を奪いさり、代わりに恐怖を与える。 「…ああ、これだ、この感覚…相変わらず、実に恐ろしい…」 ハヤヒデは冷や汗を拭き取り、静かにレースを眺める。
30 21/09/05(日)22:45:14 No.843041581
タイシンがーーー動き出した。 Nemesis、怒りの神、または復讐。 それは正しく彼女の怒りや復讐、…そして己の勝つという強い貪欲が生み出した、一種のゾーンと呼ばれるもの。 「…初めて皐月賞で感じた時は、誰も前に進めることが出来なかった、少なくとも、チケットも私も凍りついた」 「…俺も正直慣れないや…」 「ああ、ここにいる全員が感じるだろうな、…規格外が過ぎると、諦めない熱意を持つウマ娘すら押し殺す程の強烈な脚…」 そのまま3バ身と差を開き、彼女は勝利する。 「……あはは、勝っちゃった…」 「よし、それでは私は失礼するよ、いい物が見れた」 「ああ、ありがとうビワハヤヒデ」 「そちらこそ、タイシンをこれからもよろしく頼む」 「……ああっ」
31 21/09/05(日)22:45:37 No.843041754
「………ふう」 夕暮れが光るターフの中、彼女はただ空を見ていた。 「……参った、完敗だ、手も足も出ないをまさか自分の身体で学べるとは思わなかった」 「あっそ」 「随分、勝ったのに嬉しくなさそうじゃないか」 「……負ける程弱くない、それにアンタらも万全な体力だったとは言えない、この勝利はどっちにしろノーカウント」 「…そう…かい…ま、どっちにしろ無効試合にはなりそうだけど」 去り際、彼女はチームキャロッツ、チームファーストどちらにも静かに、確かに言った。 「ざまあみろ」 「「「……」」」 「タイシンっ!仲間割れはダメだって!!」 「…帰る」
32 21/09/05(日)22:45:52 No.843041872
「……はぁ」 「…すごい強かったよ、アンタの担当」 「記録タイムよりも1.5秒も短いから、単純に連続出走だと思うけど?」 「まあ、ココンもそう言うけど本当は分かるだろ?あれは走れないじゃなくて走れなくなったんだって」 「ただ、その…」 「どうした?」 「いや、タイシン、胸を抑えてた、…何とも無いといいけど…」 「………気にしなくていいよ、アイツなんて」 「こら!ココン!担当なんだぞ!」 「…まあ、どちらにせよ菊花賞は病院の検査を兼ねてからにしないとダメだ…今日はありがとう、…あとまあ、グラウンドは一応代理に問いかけておくよ」 「あははっ、半分冗談な話だったから頼むね、ほら、ココン、帰ろう」 ビターグラッセが彼女を半ば強引に引っ張って連れていくと、俺は大きくため息を着いた。 「……半分冗談じゃ無かったのかよ……」
33 21/09/05(日)22:47:03 No.843042414
彼女の勝利後、チーム内で瓦解が起きると同時に、ひとつ関係が修復されていった。 「………」 「いいの?」 「んな事言ったやつ、戻るわけないじゃん」 「……あっ!タイシン…さん…!」 「……何」 「えっと…戻ってきて欲しいんだ…あのね…チームのみんな。ちゃんと話し合ったから…」 「…………チッ」
34 21/09/05(日)22:48:52 No.843043281
「……本当、素直じゃないなータイシン!!」 「何が」 「あの時だって、……本当は無効試合にしてやりたかったんだろっ!?なんせビワハヤヒデから聞いてるからな!わざわざ3人集めーー」 「うっっっっつさい!!!!!!」 「ぎゃぁぁぁぁ!!」 あははと笑い合うみんなを背に、俺はこのチームの復活を喜ぶ。 それは、…これからのどんな試練にも乗り越えられる気がしたんだ。 ああ、……勝つぞ、ファーストに!全員勝利で終わらせてやる!
35 21/09/05(日)22:49:14 No.843043433
これで前編終わり かなり端折ったので許してください たぶん続かないです
36 21/09/05(日)22:49:44 No.843043642
前編なのに続かぬだと? もっと読ませろ
37 21/09/05(日)22:50:57 No.843044167
やっぱタイシンとココンの組み合わせいいな…
38 21/09/05(日)22:51:51 No.843044554
あの…こうやってタイシンもしっかりチームの一員になった来月に訪れるのって………
39 21/09/05(日)22:55:26 No.843046137
お互いの因縁にトレーナーへの感情まで加わったらもうぐちゃぐちゃじゃないですか!
40 21/09/05(日)22:57:23 No.843046957
このトレーナーもちゃんと割り切った友達関係とはいえ樫本代理と遊びに行ったりする…のか…?
41 21/09/05(日)22:59:50 No.843048060
>このトレーナーもちゃんと割り切った友達関係とはいえ樫本代理と遊びに行ったりする…のか…? サポカ構成から作った怪文書なんで まあ…樫本さんとも…友達なんじゃないかなと思う… いいかな…地獄かも…?
42 21/09/05(日)23:01:47 No.843049032
ココンちゃんの心が死んでしまう…!
43 21/09/05(日)23:05:07 No.843050523
目的としてた彼にチームとして圧勝してざまあみろと考えてたら 突如現れ真のライバルにグラッセがそのまま完膚なきまでに倒され それを見せられる上に言葉としてざまあみろと言われるココンちゃん 心が歪むどころじゃねぇ
44 21/09/05(日)23:06:02 No.843050966
後半楽しみだ ココンちゃんは是非脳を破壊されてほしい
45 21/09/05(日)23:06:57 No.843051364
思春期特有の性差年の差を何より敏感に意識して しかし見栄が邪魔して誰にも相談出来ない年代の子の脳を破壊するのはやめろ!
46 21/09/05(日)23:07:26 No.843051578
菊花賞→日経賞は感情の上下が大きすぎて心が割れる
47 21/09/05(日)23:07:34 No.843051634
すぐ曇らせる…
48 21/09/05(日)23:08:07 No.843051905
10時10分の「」はどうしていつもウマ娘の脳を破壊するの