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シンボ... のスレッド詳細

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21/09/03(金)22:55:12 No.842279034

シンボリルドルフとトレーナー室でお茶を飲んでいたときのこと。 「そういえばトレーナー君。最近、生徒達の間で自身のトレーナーの恋愛経験を尋ねることが流行っているのは知っているだろうか?」 「マルゼンスキーから私も聞いてみると良いと言われてね。よければ教えてほしいんだトレーナー君の恋愛経験を」 「へー恋愛経験ねえ…えっ俺の…?」 「そう、君の恋愛経験だよ。もし差し障りがなければ教えてくれないか」 彼女から突然の質問に言葉を失ってしまう。 学園内で自身のトレーナーに恋愛経験を尋ねることが流行っていたのは知っていたが、まさかルドルフからそんなことを聞かれるとは思ってもいなかったのだ。

1 21/09/03(金)22:55:45 No.842279259

「閉口頓首と言ったところだね」 「あー…いや、ルドルフからそうしたことを聞かれるとは思っていなかったから」 「心外だな。私だって10代の女の子もつもりなのだ。たまにはこうした話で花を咲かせたりもするさ」 もちろんそのことは理解しているつもりだ。 ただ、普段のふるまいからルドルフが10代の女の子に見えないというよりも、恋愛映画を見ても感想や共感ではなく批評するあたり興味がないのだと思っていたのだが――。 「それで、どうだろうトレーナー君」 何故かルドルフから圧を感じる。どうやら答えずにやり過ごす方法はないようだ。 【あるよ】 【実を言うとないです…】

2 21/09/03(金)22:56:47 No.842279719

ニア【あるよ】 「ほぅ…」 いつ付き合ったのか、ウマ娘なのか違うのか、ルドルフにしては珍しく詮索してくる。こういうところはやはり年頃の女の子ということなのだろうか? 特にルドルフが食い入るように聞いてきたのが、思い出の場所やデートの行き先だ。 「デート先も思い出の場所も遊園地だなあ。なんせ遊園地に初デートに行って別れたからね。良くも悪くも遊園地が思い出の場所だよ」 ジェットコースターに乗るか乗らないか、お化け屋敷に入るか入らないか、で喧嘩になって別れることになったのだが、今となっては笑える思い出である。 そう答えると途端にルドルフの顔が曇り始める。 「ふむ…しかしそれは困ったな」 「え?」 「話が変わるのだが遊園地の1日フリーパスを2枚もらってね、もし君が良ければと思っていたのだが、そうした思い出があるのなら…」 「まあ、良くない思い出はあるが嫌いじゃないし。そういうことなら行こうよ」 そう答えるとルドルフの顔に微笑みが戻り次の休日に二人で遊園地に行くことを決めた。

3 21/09/03(金)22:57:38 No.842280056

リニューアルオープンなのもあって遊園地には大勢の人が来ていた。それ自体は不思議ではないのだが。 「なんというか…カップルばかりだね」 「これほど人気とは私も予想していなかったな」 右も左も若い男女の二人組、すなわち恋人同士ばかりだった。 俺とルドルフも、傍目にはそんな二人に見えるわけだが、当の彼女は気にならないらしい。 「最初のアトラクションだが…私が決めてもいいだろうか?」 もちろんと答えると彼女は嬉々として案内した。

4 21/09/03(金)22:58:18 No.842280334

ルドルフが一番先に乗りたいと言ったのはジェットコースターだ。 それを聞いた瞬間、よりによってジェットコースターかと思ってしまい、内心が顔に出たようだ。 「おや、もしかしてトレーナー君。高いところは苦手かな?」 ルドルフはしたり顔になって聞いてくるが、別に苦手ではない。高いところに好き好んでいきたくないと思ってるだけだ。 「まさか、遊園地といえばジェットコースターだ。望むところだよ」 これでせめて人が並んでいれば…そう思い行ってみるとそこまで並んでいない。 つまりあまり人気がないのじゃないか、そう思っていると後ろにどんどん人が並んでくる。単に運が良かった、否、悪かった。 「今回のリニューアルで目玉となる改装が行われてね、直径20mループを回ったあと、最後は50度の勾配を時速150kmで60m駆け抜けるんだそうだ。 時速150㎞と言えば私たちの本気よりも速いからね。ふふふ…」 ……人はどうしてこんなものを乗りたがるのだろう?そしてなぜ彼女はこうも楽し気なのだろう?

5 21/09/03(金)22:58:55 No.842280584

カタカタと不快にさせる音を立てながらコースターは空へ向かって坂を上ってゆく。 山の上に付くと、ガタンと固定するような音が鳴る。ほんの数秒間、この高さで止まるのは設計者の性根が腐っているに違いない。 目の前には雲1つ無い青い、青い空。眼下にはコースターの無機質なレールと遊園地の敷地が見える。 笑顔のルドルフが何やら話しかけくるが何を言っているかわからない。 刃物をつきつけられているような気分の中、コースターは降りだし、視界が揺さぶられ、天と地がひっくり返って――――――。

6 21/09/03(金)22:59:36 No.842280846

「ああ…その、すまない。まさかそこまで苦手とは思わなくて」 「いや、大丈夫…大丈夫だ。それに苦手じゃないよ。ちょっと動悸が止まらないだけだ」 出口近くの、時速150kmの衝撃から立ちなれていない同胞たちが座っているベンチに相席させてもらう。 「でも…まあ…頂上から見る景色は良かったよ。今日は雲もでてないしね」 自分でも一体なにを褒めているのかわからないが、良かったところの1つくらい言っておくべきである。 出だしからこんなことになったからか、少しトーンの落ちた声でルドルフは言った。 「最初に私が乗りたいものを乗ったし、次はトレーナー君が行きたいところに行こうじゃないか」 ガイドマップを見ているとヴァイキング、観覧車、コーヒーカップ…おや。定番のお化け屋敷があるじゃないか。 「お化け屋敷、か…」 「怖いからダメ?」 「いや。遊園地自体来ることがあまり無かったが、そういえばお化け屋敷は一度も入ったことがないなと」 少なくとも乗り気ではないのは何となくわかったが、怖いから嫌なのか興味を持てないのかまではわからなかった。

7 21/09/03(金)23:00:31 No.842281196

こういうのは男のほうが先導するべきなのだろうか?何故か彼女に先導されてしまっている。 しかし、さすがシンボリルドルフというべきか。お化けが出てくれど出てくれど驚きも、怖がりもしない。 実を言うと俺自身もお化け屋敷は初めてなのだが、そのせいかあまりも冷静になってしまった。 「ふむ。薄暗闇にすることで想像力を豊かにさせ、無音状態を維持することで些細な物音に過敏に反応させると」 挙句の果てに演出の批評までするとは、これは失敗だったかもしれない…と思っていると。 「うわっ!」 廊下に置いてある人形の横を通り過ぎようとした瞬間、ケタケタと笑いながら踊りだしたことに驚かされ思わず声をあげてしまう。 隣にいたルドルフは喉の奥で押し殺すように笑っている。 「ここは笑うところじゃなくて怖がるところだろう!?」 そう俺が言うとよりいっそう笑い出す。一体君はどちら側の人間なんだ。 「ああ、いやすまない。もう折り返し地点だし、出口に行こうじゃないか」

8 21/09/03(金)23:01:11 No.842281470

そう言って、振り返り出口と思しき方向に向かって歩き出したときだった。 「ひゃあっ!」 突如、天井が割れ死体の上半身が垂れてきたことに驚き、ルドルフが悲鳴をあげてしがみついてくる。 「あー…ルドルフ?」 ルドルフはしがみついたまましばらく動かなかったが、1分も経たないうちに俺の体から離れて普段の調子を取り戻す。 「なるほど、これがお化け屋敷か。……トレーナー君、何があるかわからないから出口まで用心して行こう。傍を離れないでくれよ」 一体今のは?と尋ねることは許さないと言わんばかりの態度が、暗い中でも感じられるほどだ。 しかしお化け屋敷に用心とは。うす暗い中で見えるルドルフの耳は、常に周囲を警戒するようにピンと立て、 些細な物音が聞こえては音の方向へ振り返ることを出口に着くまで続けた。

9 21/09/03(金)23:01:51 No.842281722

そのあと1日かけてゴーカート、シューティング、謎解き脱出ゲームを回り、最後に乗るべきは…。 「観覧車、だな」 「うむ。1日の終わりを締めくくるにこれほど相応しいアトラクションはないだろう」 観覧車に乗り込み、係員が扉が閉めると、ルドルフの顔に悪戯っ子の笑みが浮かぶ。 「ところでトレーナー君。高いところでも観覧車は平気なのかい?」 悪事を覚えたルドルフは揶揄ってくる。 「だから、苦手じゃないって」

10 21/09/03(金)23:02:46 No.842282077

観覧車が頂上へ向かって動き出すと、いくらでも話すことがあったはずなのに、二人して黙ってしまう。 いよいよ、ゴンドラが天頂へ達しようとしたとき。 「「今日は」」 2人一緒に言葉と声が重なってしまう。ルドルフの方を向いて頷き言葉を譲った。 「ああ、本当に今日は楽しかった…」 「トレーナー君は?」 「俺も、今日一日楽しかったよ。」 それは何よりだと、微笑みを見せたあと、彼女は窓の外に視線を向ける。 陽が傾き、紺色と橙色の濃淡が描かれた夕焼け空、照らされる彼女の横顔は、いつか出会ったばかりのあの時と同じで、魅入られる穏やかな笑顔だった。 シンボリルドルフのやる気が上がった! 「地固め」のヒントLvが3上がった 「独占力」のヒントLvが3上がった

11 21/09/03(金)23:03:36 [選択肢 ない版 終わり] No.842282402

ニア【実を言うとないです…】 「へぇ…」 言い訳をするなら学生時代に惹かれるほどの女性が居なかった…のだが思い返してみれば単に斜に構えていたかもしれない。 話として何も面白くないので気まずい空気が流れる。 「…まあ、無いということが悪いことじゃないさ。うん、私はそんなこと気にしないぞ」 よくわからないまま慰められ、それを打ち消すようにルドルフは別の話題を出してきた。 「ところでトレーナー君は知っているかな?ここの遊園地、改装が終わってリニューアルオープンするんだよ」 「私は1日フリーパスを偶然2枚もらってね。どうだろう、次の休日に気分転換にでも行かないか?」 遊園地か。ルドルフとはよく出かけてはいるが、遊園地は一度もなかったな。 ルドルフの息抜きになればと思い快諾すると、彼女に微笑みが浮かび次の休日に二人で遊園地に行くことが決めた。 それにしても遊園地か、一体いつぶりになるのだろう?

12 21/09/03(金)23:04:26 [s] No.842282699

恋愛経験云々を書くはずが 遊園地で遊んでる部分が膨らんでしまった

13 21/09/03(金)23:06:50 No.842283598

むっ!…いいねぇ…

14 21/09/03(金)23:08:40 No.842284411

双方の展開を書いて頂く御心遣い痛み入る……

15 21/09/03(金)23:09:07 No.842284624

ある、って答えた方が独占力ヒントなのね…

16 21/09/03(金)23:09:50 No.842284915

>山の上に付くと、ガタンと固定するような音が鳴る。ほんの数秒間、この高さで止まるのは設計者の性根が腐っているに違いない。 苦手を通り越して憎悪に入ってる…

17 21/09/03(金)23:12:09 No.842285870

>「ほぅ…」 ここのルドルフの視線絶対鋭い

18 21/09/03(金)23:12:16 No.842285928

>苦手を通り越して憎悪に入ってる… わかりみ

19 21/09/03(金)23:12:28 No.842286011

でも性格は絶対悪いと思う

20 21/09/03(金)23:12:37 No.842286082

カップルばかりの遊園地に2人で来るとか恋愛経験云々以前に付き合ってますよね?

21 21/09/03(金)23:12:53 No.842286206

いい…

22 21/09/03(金)23:14:38 No.842286915

あるって答えた方の会長 デート先や思い出の場所を上書きする気満々な気がする

23 21/09/03(金)23:17:50 No.842288153

お化け屋敷でしっかり怖がっちゃう会長可愛い

24 21/09/03(金)23:20:02 No.842288952

お化け屋敷に入って耳を後ろにした会長がトレーナーに抱き着き尻尾も巻き付けるとかどうです?

25 21/09/03(金)23:23:47 No.842290376

そういやこの2人夏合宿で肝試しで脅かす側やってたな…

26 21/09/03(金)23:33:08 No.842293605

真っ当にいちゃついてるなこいつら…

27 21/09/03(金)23:34:36 No.842294147

遊園地に行くたびに会長はトレーナー君をジェットコースターに乗せて トレーナー君は会長をお化け屋敷に連れ込むのが見える

28 21/09/03(金)23:40:01 No.842296025

遊園地の屋台でチェロスを食べる会長とそれを優しい目で見るトレーナーとかいそうですね

29 21/09/03(金)23:43:11 No.842297040

落ち着いた男女が普通に遊園地楽しんでるのもいいな…

30 21/09/03(金)23:48:51 No.842298802

一年後にはルナちゃんになってお化け屋敷でトレーナーに抱きついてそう

31 21/09/03(金)23:49:52 No.842299076

嫉妬した会長って凄い表情してそう

32 21/09/03(金)23:50:52 No.842299359

ジェットコースターをノリノリで楽しむけど お化け屋敷は演出批評するのは確かにやりそう