ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/09/03(金)00:27:42 No.841986325
泥のエロい
1 21/09/03(金)00:40:35 No.841990300
ざあざあ、と。彼方此方を打つ、雨の音。 歩調を合わせる影がふたつ。大きな傘と、小さな傘。足音は紛れて、誰の耳にも届かない。 「……ずいぶんと降るな、今日は」 不意に彼が口を開く。 「うん」 と、彼女が一言。 素っ気ないようで、けれど冷たい印象は与えない。 それきり会話は続かずに、代わりの沈黙が暫し。 雨音は相変わらずに五月蝿くて。雨粒は傘越しにも肩口を濡らしている。 けれど、不思議と煩わしさは無かった。 それが彼にとってだけなのか。横を歩く、彼女にとってはどうなのか。 ―――彼女は今、何を思っているのか。 そんな柄にもない事を、彼は考えている。 横目でちらりと彼女の顔を見る。傘に隠れて仔細は分からない。そんなことに微かなもどかしさを覚える自分がいる。
2 21/09/03(金)00:40:55 No.841990418
「……野々緒」 ぽつり、と。沈黙を破ったのはまた彼の方だった。 「…………」 呼び掛けに応じる声は無い。或いは雨音に掻き消されたのかもしれなかったが、どちらにせよまたいつもの短い相槌であろう事を思うと、大差はない。 「本当に今日は、よく降る」 「うん」 そうだね、と彼女が短く続けて。 そんな意味の無い会話はやはりもどかしくて、けれど何処か心地がいい。 放課後。帰り道。雨の音。 住み慣れた屋敷はまだ随分と遠い。 いつもは厄介なだけのその距離が、今は少しだけありがたかった。
3 21/09/03(金)00:48:15 No.841992804
りせちゃんは魔性の女…
4 21/09/03(金)00:56:05 No.841995071
りせちゃんがエロい話?
5 21/09/03(金)00:58:47 No.841995787
急に静かになったな…
6 21/09/03(金)01:06:29 No.841997743
今日大量にお出しされた泥をゆっくり振り返るのも悪くない