虹裏img歴史資料館

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21/08/28(土)22:09:11 君、突... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1630156151725.jpg 21/08/28(土)22:09:11 No.840200713

君、突然だけど、本を読むことは好きかい? もう一個聞こう、書くことは好きかい? ……うん、よろしい。

1 21/08/28(土)22:09:27 No.840200819

では、最後の質疑をしよう。 君、『ゼンノロブロイ』という英雄を知ってるか? ほう、…解らない、か、うんうん。そうだろわうな よし、…それでは話そうか これは、一人の英雄が英雄になる為の旅路を最後まで歩んだ語り部が紡ぐ、物語。 黒き英雄 『ゼンノロブロイ』の小さな叙事詩だ。

2 21/08/28(土)22:09:50 No.840200973

実を言うと、この本を開く君が、読むのが好きで、書くのが好きで、ゼンノロブロイを知ってる者だとは思ってない。 だからこそ、Noと答えた君に知って欲しいんだ 彼女を…英雄とは何なのかを。

3 21/08/28(土)22:10:05 No.840201106

英雄と言ったが、物語の英雄というのは大半が初めから英雄では無い。 この語り部と彼女の出会いはとにかく些細な物だった。 いつの日かも解らない…都立図書館のどこか 個室が並ぶ部屋に迷い込んだ一人の少女は、ふらりふらりとその一室に迷い込んだ。 そこに、青年が一人机の上に大量に本を置いて何かを書いていた。 …多数の本を漁っており、それをまじまじ……黒髪の少女は見る。 この少女が後に英雄となる「ゼンノロブロイ」である。

4 21/08/28(土)22:10:24 No.840201248

「おや…迷い人かな?ここは今日1日貸切にしてた気がするんだけど」 「ふぇっ、あっ!あのっ……えっと…」 「ふむ………」 そっと本を指す。 「この本に…興味があるのかい?」 「あっ……」 彼女は呆然としていたが、こくこくと頷いた。 「アイヴァンホウマ」 「…えっとアイヴァンホー…?」 「アイヴァンホウマ・クイーントゥ・ナイツ、『騎兵』と呼ばれた6人のウマ娘による軍記物語」 「……気になります!」

5 21/08/28(土)22:10:41 No.840201362

うん、と彼は頷いた。 「6人の英雄と呼ばれたウマ娘が、それはそれは勇猛で、戦争と共に2つの人種が対立した戦争を描いた物語だ、最後は1人の王子の競走で共倒れしてしまうんだけど」 「英雄…」 「英雄が好きか」 「はいっ、カッコよくて、物語の主人公で、いつも勇敢で…」 「そうだな、英雄とは描かれればそれはそれは勇猛な存在だ」

6 21/08/28(土)22:10:52 No.840201452

この後、彼は少女の夢を潰すような話をした。 「だが実際の所…当時ウマ娘は個体数こそ少なかったが、今のような身体能力を持ってない、むしろ今の3分の1程度も無いんだ」 「えっ」 「勿論、それでも凄い能力者であった…が…当然6人で成し遂げれるわけも無い、それこそ、今と比べれば貧弱でしかない彼女たちは、もちろん分隊を組んで…ただしく敷かれた戦術の上での戦争をしていたのさ」 「……そんな…」 「だが、だからこそ思う、…英雄ってのはそこにいた6人じゃない、…全員が英雄なんだよ」 「……!」 難しい話をしてしまったね、と彼は静かに呟いた。

7 21/08/28(土)22:11:08 No.840201568

そして短い沈黙が訪れた。 静寂の中、震える声で彼女は話す。 「……私も英雄になれますか?」 「さあ、どうだろう」 「…なれませんよね」 「なれるさ、英雄というのは自己評価でなるものじゃない、…誰かが君を英雄と認めないとならない」 「……ウマ娘として…英雄になるなら…誰かが英雄と…」 ふっ、と彼は笑い、目の前のカーテンを開く。 そこから見える交差点に、多数の人が行き交っており…。 「…では、ゼンノロブロイ、ここから見える人達のどれが英雄だと思う」 「………それは…分かりません…」 「そうだね、そうだろう、…だから、英雄になるのなら誰かに知ってもらわねばならない」

8 21/08/28(土)22:11:24 No.840201686

「君、…ゼンノロブロイ」 「はい」 「覚えておこう、…いつか英雄になれる者として、私が1人目の英雄と思う者だ」 「……!」 「さ、もう刻限が近いよ、家におかえり」 夕方が近くなり、空は赤く染る。 少女はその時こう思った。 (不思議な人で、どこか若いのに何十年も生きてるように感じて…) どこか、綺麗で心が奪われる気がしたという。

9 21/08/28(土)22:11:45 No.840201840

だからこそ、彼女は突拍子もなく叫んでしまう。 「あのっ…あのっ!私、この本に書かれてる英雄になりたいです!ずっと…内気で目立たなくて…トレセンに入って…!誰よりも強くてすごい英雄に…」 「…では、私がそれに応えよう」 「…だって…だって…」 すっと頭を撫で、ゆっくりと語る。 「君は僕の英雄だ、ここにやってきた運命、その瞳、その美しさ、…お前以外の英雄がどこにいる」 「……!」 「もし君がこれからウマ娘として活躍するなら、その輝きを覚えよう、そうだな…先行投資だ、私は君のファンであり…麗しき英雄なのだから」

10 21/08/28(土)22:11:59 No.840201930

「…ああ、えっと…その…今までこんなこと言われたことなくって…!」 「…はは、流石に詩的すぎたな」 ゆっくりと立ち上がった彼が、最後に話した。 「また会おう、ゼンロブロイ」 振り返り、空を見る彼に少女は言う。 「…いつか、私も貴方のような英雄になりたい、…貴方のようなトレーナーは、きっと居ないですから、今日はありがとうございました」

11 21/08/28(土)22:12:58 No.840202332

彼女が居なくなったあと、彼は呟いた。 「英雄か…一目惚れとどこが違うのだろう」 もう暗くなった月を眺めて、1人思う。 ひとつの恋、愛する者、それ即ち…1人の英雄なだ。 ああ、困ったな、頭から彼女が離れない。 「また会おう、か」 ……ははっ、そうだな、それもいい 「全く弱ったな、トレーナーになる理由ができてしまった」 男は不思議な笑みを浮かべた。 人生が狂ったとしても後悔は無い。 その時なのだ、男は………語り部は………そう、私はそう強く決意したのだから

12 21/08/28(土)22:13:09 No.840202402

これは後に英雄と呼ばれる、とある少女と語り部の物語。 愛する英雄の…長く、遠い物語だ。

13 21/08/28(土)22:14:12 No.840202894

序章第2節 「そして男は」 そうして月日が経てば、彼女も私を忘れるだろう。 だが、それで良い もう一度、私は同じことをするだけだから。 多くトレーナー達がスカウトするなか、3番手に終わり、少しだけのスカウトに囲まれるロブロイの前に、青年は現れた。 「へっ……トレーナー……だったんですか!?」 その言葉を無視して…青年は跪く。

14 21/08/28(土)22:15:14 No.840203363

「我が英雄、ゼンノロブロイ…迎えに参りました」 その言葉で彼女は解った。 そう、これは英雄の物語 英雄の物語とは得てして華やかな始まりだ、前日談ではない、美しく、強く…素晴らしいスタート地点。 彼女は微笑み、意味を理解して…… 「…ああ、本当っ…はいっ!お待ちしておりました、我がパートナー」 「共に…どこまでも参りましょう」 「ええ、勿論!」 これを似て序章は終わり、2人の物語は幕を開ける。 英雄となる乙女と、それに随伴する彼の…長き物語 今しがた、読者の君たちは、そのまま読んで頂きたい

15 21/08/28(土)22:15:31 No.840203475

っていう怪文書が好きなんですけど 次のページが無かったのでこれで終わりです

16 21/08/28(土)22:16:24 No.840203860

こう…今までのと違って凄い神秘的で良い……

17 21/08/28(土)22:21:24 No.840206137

謎空間で英雄ロブ・ロイ本人に出会ったのかと思った

18 21/08/28(土)22:21:56 No.840206356

語り部調の怪文書初めて見たけど どこか美しい感じがしていいな…

19 21/08/28(土)22:22:35 No.840206639

>謎空間で英雄ロブ・ロイ本人に出会ったのかと思った もしかしたらこのトレーナーはロブ・ロイの生まれ変わり…?

20 21/08/28(土)22:30:42 No.840210312

あの…ここから続きは……

21 21/08/28(土)22:34:38 No.840212164

ここから先は育成で…って解釈した

22 21/08/28(土)22:36:48 No.840213198

ここからの続きは書こうにもレース数の多さがあって書けなかったので 誰か代わりに書いてくんない?

23 21/08/28(土)22:39:09 No.840214252

お 書 頼

24 21/08/28(土)22:49:58 No.840218884

牛に囲まれるロブロイだったら危なかった

25 21/08/28(土)22:50:51 No.840219260

正統派ロブロイ今まで全然無かったから普通のロブロイで困惑してる いや…普通の怪文書のテイストではないけど…

26 21/08/28(土)23:01:14 No.840223538

英雄路線を進むロブロイと語り部トレーナー良いな 続きを是非お願いしたい

27 21/08/28(土)23:02:24 No.840224070

本来のゼンノロブロイ来たな…

28 21/08/28(土)23:03:40 No.840224702

むしろずっと待ってた あの時のレスのリクエスト拾ってくれてありがとう とても嬉しい…

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