虹裏img歴史資料館

1 21/08/27(金)01:30:43 No.839545813

「……ふう。」 一息付く。前を向かせる為の言葉を、選ぶために。 「ドトウ。」 「ひゃ……ひゃい！？」 「ドトウは凄いウマ娘だ。強いウマ娘だ。」 「……。で、でも～……。」 「そしてこの学園に居るのはドトウと同じくらい強いウマ娘、そして凄いウマ娘だ。」 「……？そ、それは～……。」 「でも、そんなウマ娘達でも努力はしているよ？……オペラオーも、アヤベさんも、だ。」 「………。」 「そして俺は彼女達に勝てると思ってる。……君が、ドトウが、だ。」 「そ、そんなこと～……」 「でも……その為にはちゃんとトレーニングしなければ駄目だ、とも思ってる。」 坂路、併走、スタート訓練に……機具を使ったトレーニング……あらゆる事はレースに確実に紐付いている。

2 21/08/27(金)01:31:08 No.839545929

「つ、つまり……？」 「自分のせいで誰かに迷惑をかける、とかそういう事を気にしてられない、って事。それにね？」 「……。」 「ドトウが何か失敗したら俺も一緒になって頭を下げるから。安心して……とは違うけど、困ったら頼って欲しいよ。」 「……！は、はい！私、頑張りますぅ！」 「ん、よく言えた！」 じゃ……今日のトレーニング、始めようか！ トレーニング後── 　軽いミーティングも終わり、さあ解散、と言うタイミングの事。 「あ、あのぉ～……今日はありがとうございましたぁ……。言うタイミング……ずっと分からなくてぇ……」 どうやらお礼を伺っていたらしくおずおずと言ってくる。 「うん、その調子で明日もよろしくな？」

3 21/08/27(金)01:31:24 No.839545988

「は、はい！あ……それで、ですけどぉ……。」 「？」 「さっき凄いウマ娘だ～、って言ってくれたとき……お父さんの事思い出しちゃってぇ……。」 「もしかしてホームシック？」 「あ！そうじゃないんですぅ……私、ぜんぜんすごくないのに両親からはすごい子だ、なんて言われててぇ……。その事、思い出したらなんだか──」 どうやら両親の事を思い出させてしまったらしい。……正直まだ10代半ばの少女達が親元を離れて暮らしてるのだ。そういう気持ちになるな、という方が無理だろう。 寂しいのか？、そう言おうとしたところ── 「──安心、しちゃいましたぁ……。これ、変……ですかぁ……？」 そんな疑問を投げかけられてしまい 「……ははっ！」

4 21/08/27(金)01:31:50 No.839546108

つい笑ってしまう。 「や、やっぱり変なんですかぁ！？す、救いは～……。」 「いや、変じゃないよ。ただ……ちょっと安心しただけ。ドトウはやっぱり強い子……いや、すごい子だってさ。」 「は、はいぃ～……。良かったです～。」 そうして暫し笑い合っているとドトウが意を決したように告げてくる。 「そ、それでなんですけどぉ……トレーニングの前に…──」 そうしてされた提案は──

5 21/08/27(金)01:32:02 No.839546143

数日後── 「ハイ！マチカネセイヒンデキタルです！ドトウさんのトレーナーさんにお届けに参りました！」 「お、ありがとう。……なぁ、これ、どう思う？」 「ハイ！正直倒錯してると思いますが占いの結果は大吉ですのでご安心を！」 そそくさとトレーナー室から退出するフクキタルと眼前に置かれたA.T印の小さな箱。……中身はウマ娘用イヤホンと……音声データの入ったプレイヤー。 「大吉、なぁ……。」 ペンを弄びながらこれでドトウが前向きになるならいい事だ、と思うようにする。……少し悪ノリをした数日前を後悔しながらも。

6 21/08/27(金)01:32:16 No.839546213

　トレーニングコースでイヤホンを付けて音声を再生するドトウ。その姿は気力に満ちておりオペラオーや、アドマイヤベガ、ナリタトップロードにも劣らぬ気迫を見せていた。 「はい、が、頑張りますぅ！」 「うん、行ってらっしゃい。」 「……！はい！おと……トレーナーさんもお願いしますぅ！」 　そうして勢いよく駆けていく姿を視界に収めつつもプレイヤーを鞄に仕舞う。……停止ボタンが押されていないからか……少し耳に音声が届くことになってしまった。 『すごい子だ。』 『ドトウはいい子だよ。』 『俺が保証する。』 『オペラオーにも並べる。』 『ドトウが欲しいものはこれ？』 『ドトウは───』 なんて音声が。数日前の自分が収録した音声が。……流れるのだった。 　後日、一部のウマ娘から謎の熱い視線を送られるようになるのはまた別の話。

7 <a href="mailto:s">21/08/27(金)01:33:16</a> [s] No.839546475

タマスレ画のドトウ…袋からインスピレーションを得ました

8 21/08/27(金)01:35:26 No.839546947

大丈夫？変な中毒になったりしない？

9 21/08/27(金)01:35:30 No.839546965

スパダリトレーナーの自分をひたすら褒め称える囁きを耳に帯びる ドトウはめちゃくちゃになった

10 21/08/27(金)01:36:18 No.839547139

朝昼晩常にトレーナーの応援を摂取できるようになってしまった もうおしまいだ

11 21/08/27(金)01:36:35 No.839547220

>　後日、一部のウマ娘から謎の熱い視線を送られるようになるのはまた別の話。 りゅ…流出してる…

12 21/08/27(金)01:37:02 No.839547315

バランスを取るために「昔の自分に戻りたくないよね？」から始まる言葉攻めバージョンも用意しておこう

13 21/08/27(金)01:39:56 No.839547919

>　後日、一部のウマ娘から謎の熱い視線を送られるようになるのはまた別の話。 トレーナーを取られたくないと思ったドトウが王。になるんだよね…

14 21/08/27(金)01:40:59 No.839548128

トレーナーの言葉が有ればどこまで頑張れるドトウが生まれてしまった…

15 21/08/27(金)01:41:14 No.839548164

>りゅ…流出してる… 耳のやつから漏れ聞こえたんだろうな…

16 21/08/27(金)01:42:06 No.839548364

全肯定トレーナーASMRは劇物過ぎるって！

17 21/08/27(金)01:43:18 No.839548625

あーあれが例のドトウの…

18 21/08/27(金)01:43:24 No.839548644

この歳で全肯定音声の虜になるのは危険すぎる

19 21/08/27(金)01:44:37 No.839548914

>A.T印の小さな箱。……中身はウマ娘用イヤホンと……音声データの入ったプレイヤー。 またいいように使われてる…

20 21/08/27(金)01:45:29 No.839549109

一部自分のトレーナーに頼み込む娘も出てきそうだ

21 21/08/27(金)01:45:33 No.839549124

親代わりだからセーフ！セーフです！

22 21/08/27(金)01:57:51 No.839551754

果てなき自己催眠の結果杏奈ぐるぐる目に…

23 21/08/27(金)02:00:54 No.839552396

いまお父さんって

24 21/08/27(金)02:02:55 No.839552797

プレイヤーなくした時のドトウ死にそう

25 21/08/27(金)02:05:25 No.839553305

大丈夫？ベッドの上でも聞いてたりしない？

26 21/08/27(金)02:08:30 No.839553928

いつかはオペラオーの時のように依存からの脱却をしないといけないのに...

27 <a href="mailto:s">21/08/27(金)02:31:14</a> [s] No.839557748

「ドトウのトレーナーくん！少し話があるのだが……。」 オペラオーに声をかけられる。 「……どうかした？ドトウがなにか──」 若干面くらいつつも頼みとやらを聞こうとすると 「最近のドトウなのだけど……君の事を父親代わりと勘違いしている節があるんじゃないかい？」 「……はは。まさかそんな……──」 「……！オペラオーさんとおとう……トレーナーさぁん！な、なにかあったんですかぁ～……！？」 「……ね？」 「……だな。」 「……？……？？ふたりともなんでそんなに目をそらすんですかぁ……！？」 「すまないねドトウ！今度のレースについて君の出走予定を確認していたのさ！ではまたトレーニングで！はーっはっはっは！」 そう言って去るオペラオーはすれ違いざまに一言、言い残す。 「退くも地獄、進むも地獄だよ。」 「……ああ。」 なんとか、しなくては。

28 <a href="mailto:s">21/08/27(金)02:31:57</a> [s] No.839557848

　そうは言っても結局、短期間でなんとかできる方法なんてすぐに見つかるわけもないのが現実である。ここで下手に急いでプレイヤー取り上げる、なんてことをしてしまえばかなり依存の進んでいるドトウのメンタルがどうなるかわかったものではない。故に── 「時間、かけるしかない、な。」 時間をかけてでもドトウ自らがプレイヤーを手放すようにさせなければ……意味がない。 　まず行ったのが使用時間を決める、という事だった。 「これからはトレーニングとレースの前後10分だけにして欲しい。持ち帰るのも、無しだ。」 「ううう～……。で、でもこれがないとぉ～……。」 「寝れないなら電話してあげるから、な？」 「な、なら……。」

29 <a href="mailto:s">21/08/27(金)02:32:28</a> [s] No.839557920

………次に行ったのが── 「またキミか……。キミのおかげで全肯定トレーナー囁きボイス集を作らされるハメになって困っているのだがねぇ……？」 「それについてはすまないと思っている。でもあと一つだけお願いを聞いてくれないか？これ、見返りと言ったらなんだけど……」 「ふぅん？……ドトウくんの数ヶ月のデータ、ねぇ……。音声を聴く前と聴いたあとの心拍数、脳波、呼吸数……──」 「頼む。」 「……仕方ないから聞いてあげるよー……。」 音声データの追加である。 　……一日に一つづつ厳しく責める様な内容を追加していくのだ。嫌われる為にやるのはなかなかキツいものだが……これもドトウの為、そう思って声を当てる。 「ねぇモルモットくぅん……？これ、使えないかい？」 「───」 「……だよねぇ……。」

30 <a href="mailto:s">21/08/27(金)02:32:41</a> [s] No.839557944

聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするが……今はそれどころじゃないのだ。 『ドトウはそれでいいの？』 『ドトウは誰かに頼ってばっかりだな。』 『ドトウは昔の自分に戻りたいのか？』 『ドトウは──』 うん、これで……少しずつ離れてくれるだろう。嫌われても、仕方ないな、なんて思うけどこれが必要だと信じてるから、やるのだ。ドトウはここで終わる様なウマ娘じゃないから。 　後日、何故かまた別のウマ娘から熱い視線を向けられることになった。

31 <a href="mailto:s">21/08/27(金)02:33:21</a> [s] No.839558042

このあとドトウは時間こそ減ったものの無事悪化しましたとさ

32 21/08/27(金)02:35:20 No.839558319

ドトウの性癖すごいことになってそう

33 21/08/27(金)02:36:46 No.839558517

もう完全に言葉責め音声作品じゃねーか！

34 21/08/27(金)02:37:15 No.839558596

まあそうなるわな…

35 21/08/27(金)02:38:03 No.839558681

わからせトレーナーの調教ボイス集

36 21/08/27(金)02:38:08 No.839558700

カウントダウンもお願いしますぅ～…

37 21/08/27(金)02:41:20 No.839559121

思春期の女の子の性癖が完全に破壊されてしまった

38 21/08/27(金)02:42:07 No.839559233

>　後日、何故かまた別のウマ娘から熱い視線を向けられることになった。 また流出してる…

39 21/08/27(金)02:42:33 No.839559283

片耳に肯定ボイスをもう片耳に否定ボイスを流し込まれたドトウの性癖はもうボロボロ

40 21/08/27(金)02:43:59 No.839559434

音声の代償行為で激しいソロぴょいをしてるドトウを見逃す優しさがシャカールにはあった

41 21/08/27(金)02:44:18 No.839559485

流出というか絶対ドトウは聞いてるときにイヤホンが抜けて垂れ流しにするって信頼あるし…

42 21/08/27(金)02:46:25 No.839559764

父性を感じてる間はまだしもそれが別の愛に変わった時が…

43 21/08/27(金)02:58:23 No.839561091

父の愛に包まれながら激しい言葉の責苦を受ける気分はどうだ 感想を述べよ

44 21/08/27(金)03:10:55 No.839562325

かぐや様のミコちゃんが励ましボイス聴いてるの思い出してダメだった

45 21/08/27(金)03:20:01 No.839563052

テイエムオペラオーを殺せボイスが低確率で流れるやつか…

46 21/08/27(金)03:22:12 No.839563233

垂れ流しになっててもシャカさんなら黙っててくれるって謎の安心感がある