虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。

  • iOSアプリ 虹ぶら AppStoreで無料配布中
  • 「おい... のスレッド詳細

    削除依頼やバグ報告はメールフォームにお願いします。 個人情報,名誉毀損,侵害等について積極的に削除しますので、メールフォームより該当URLをご連絡いただけると助かります

    21/08/25(水)00:44:16 No.838855384

    「おい!起きろよトレーナー!」 昼下がり。トレーナー室にそんな声が響き渡る。 当然、昼寝を楽しんでいた俺は目を覚ますことになる。 「…なんだよゴルシ…なんか用か?」 気付けば思ったより寝ていたようだ。いつもはもっと早く目を覚ますのだが…あんな夢を見ていたからだろうか。 「スケーリーフット採りに行こうぜ!」 「あー…いいけどインド洋まで行って深海潜るアテあんのか…?」 まだぼーっとしながらも答える。 「どうしたトレピッピ?まだぼーっとしてんのか?そんなんじゃ世界の荒波に押し流されちまうぜ?」 「いや…昔の夢を見ててな…まだちょっとぼーっとしてる。」 「トレピッピの昔の話かぁ…ちょっと気になるな…聞かせてくれよ!」 「いいけど…長くなるぞ?」

    1 21/08/25(水)00:44:27 No.838855453

    昔、栗毛の小さなウマ娘の子と知り合ったことがあった。ちょうど高校生ぐらいの頃だ。その頃、特に部活に入っていたわけではなかったので、放課後暇だった。なので、特に理由もないが、少し遠出して知らない公園に行く。という事をしていた。そんな時、とある公園で、遊具で遊ぶでもなく、ただ一人で佇んでいるその子を見つけた。最初はその子を遠巻きに見ていた。本当に佇んでいるだけで何かをするわけでもない。暗くなってくると、迎えであろうメイド服を着た女性がその子を車に載せると、どこかに走り去っていった。 翌日。その子のことが気になってまたその公園に行ったが、その子はいなかった。なぜか気になり、そこからは毎日その公園に通っていた。一週間後、 その子がまた公園にやってきていた。俺はなぜだか少し嬉しくなった。その子はまた何もせずに佇んでいる。俺はふと冷静になった。また会えたのはいいが、会って何をする気だったんだ?だが、何もしない彼女をそのまま見ていると、なぜだか心が痛んだ。なので、声をかけてみることにした。

    2 21/08/25(水)00:44:40 No.838855532

    「なあ」 「……」 「何してんだ?」 「おいおい無視か?答えてくれたっていいじゃねえかよ」 「わたくしに…話しかけているんですの?」 初めて聞いたその子の声は、透き通っていた。俺はその子の言葉にある意味で怖気付いてしまった。こんなお嬢様言葉、今時テレビでもそうそう聞かない。何者なんだ?この子は。しかし、俺は話しかけてしまった。ならば会話を続けるしかあるまい。 「そう。俺が話しかけてんのはお前だ。公園で遊びもせずに一人で何してんだ?」 「わたくしは…ここで休息をとっていますの。」 「休息ねぇ…パパとママは?仕事か?」 「知りませんわ。」 「知らない?どうしてだ?家で話したりとかするだろ?」 「わたくしはおばあ様とメイドさんたちとくらしております。両親のことはよくわかりませんわ。」 「あー…」

    3 21/08/25(水)00:45:02 No.838855651

    予想外に面倒なことになったな…何か他の話題を… 「えっ…えーっと…そ、そうだ!普段家で何してるんだ?毎日ここに来てるわけじゃないだろ?」 「訓練をしておりますの。」 「訓練?」 「走るための…訓練。強いウマ娘になるために。おばあさまがトレーニングをしてくれていますの。」 「ゆくゆくはトレセン学園…ってわけか?」 「…そうですわね。」 「それ以外は?」 「それ以外…?」 「ほら…本とか漫画読んだり…友達と遊んだりとかさ」 「してませんわ。」 「えっ?」 「していませんわ。訓練以外のことは。」

    4 21/08/25(水)00:45:16 No.838855737

    生まれた時から訓練一筋ってわけか…なんというか… 「つまんねえ人生だな」 「つまらない…?」 しまった。声に出てた。 「目標一筋なのはいいけどよぉ…それしか知らないってのはどうかと思おうなぁ〜いろんなこと知ってる方が多分強いと思うぜ?」 「…じゃあ、わたくしに教えてくれませんこと?」 「えっ?」 「いろんなことを教えてくださいまし!」 「お…おう…いいぜ。ところでお前、名前は?」 「わたくしは…

    5 21/08/25(水)00:45:33 No.838855836

    「えーっと…なんだったっけ…」 「んだよトレーナー…おぼえてねぇのか?」 「うーんとなぁ…全く思い出せねえわ…」 「そこは普通感動的なシーンになるところじゃねえのかよぉ!」 「しょうがねえだろ思い出せねえんだから!」 「仕方ないやつだなぁトレピッピも…まあいいや、続き続き!」 「はいはいわかったよ…」 ━━━━━━━━━━━━ その日から俺とその… ━━━━━━━━━━━━ 「はいはいストップストップ!」 「なんだよゴルシ!お前が続き言えっつったんだろ」 「ずっとその子じゃ要領得ねぇだろ?なんか仮でもいいから名前つけようぜ。」 「あー…確かにそうだな…じゃあ…栗毛ちゃんでいいかな」 「安直すぎるぜトレピッピ…コウモリダコもびっくりだわ…」

    6 21/08/25(水)00:45:46 No.838855926

    その日から俺と栗毛ちゃんの交流が始まった。一緒に遊具で遊んだり、俺が家から漫画とか図鑑持っていって一緒に読んだり。そういえば…あの子深海魚の図鑑結構好きだったよなぁ… その後、半年ほど交流は続いた。その頃には彼女も随分と年相応の立ち振る舞いをするようになっていた。だが、そんな日々もあまり続きはしなかった。震災が起きたのだ。当然公園に行っている暇など無くなった。1ヶ月ほどたった後に、あの公園にまた行ってみたが、その子に会うことはその後一切なかった。 ━━━━━━━━━━━━ 「これで話は終わりだ…って話させたんだからせめて聞けよ!」 ゴールドシップはいつの間にか俺の私物の漫画を読んでいた。 「やっぱおもしれぇよなーこれ」 「おいそれ俺の寮の部屋に置いてあったやつじゃねえか…いつの間に持ってきたんだよ」 「いやー合鍵でちょちょっとなー」 「いつの間にそんなのを…」 まあ壁を破壊されたり窓を割られたりするよりはマシだろう。 ふと時計を見るといつの間にか、かなり時間が経っていた。もうそろそろトレーニングの時間だ。

    7 21/08/25(水)00:45:56 No.838855992

    「なあゴルシ」 「ん?」 「そろそろトレーニングの時間」 「ああ…今日はスピードトレーニングの気分だな。」 彼女はたまに自分でトレーニングを指定してくる。こうなったら従う他に道はない。 「はいはいわかったよ…んじゃ先行ってるから早く来いよ」

    8 21/08/25(水)00:46:06 No.838856062

    「漫画の趣味は昔から変わんねぇよなあ…」 トレーナーのいない部屋で、ゴールドシップは一人、そう呟いた。

    9 21/08/25(水)00:46:26 [s] No.838856188

    ウマ娘の過去にトレーナー絡ませたい協会の者です

    10 21/08/25(水)00:49:06 No.838857064

    ゴルシ…会えてよかったな…

    11 21/08/25(水)00:50:18 No.838857446

    あぁすげー暇そうな目をしてたってそういう…

    12 21/08/25(水)00:53:22 No.838858469

    ゴルシ逆指名の理由が過去にトレーナーと会っていたから概念はもっと流行れ

    13 21/08/25(水)00:55:55 No.838859291

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    14 21/08/25(水)00:56:49 No.838859562

    …アタシの人生、面白くなったよ、トレーナー

    15 21/08/25(水)00:57:16 [s] No.838859695

    >1629820555669.png 手書き!ありがとうございます…

    16 21/08/25(水)00:57:44 No.838859829

    これで初夜迎えたベッドの中で 「…あの時の深海魚図鑑、まだ家にありますのよ?」 とか言ってくるんでしょう!

    17 21/08/25(水)00:58:44 No.838860127

    いい…

    18 21/08/25(水)00:59:24 No.838860333

    むっ…本当に2人きりになった初夜に初めてあの時と全く同じ丁寧語で語りかけてくるゴルシ…

    19 21/08/25(水)01:00:52 No.838860786

    芦毛だとこういう感じにカモフラージュ出来るのが強いな…

    20 21/08/25(水)01:03:37 No.838861543

    >「目標一筋なのはいいけどよぉ…それしか知らないってのはどうかと思おうなぁ~いろんなこと知ってる方が多分強いと思うぜ?」 これゴルシも同じこと言ってトレピッピを無人島に連れて行ってそう

    21 21/08/25(水)01:03:39 No.838861551

    ベッドの上でヘッドギア外して初めてトレーナーが気づくんだろうな…

    22 21/08/25(水)01:04:29 No.838861772

    トレピッピの口調が移っちゃったんだね…いい…

    23 21/08/25(水)01:05:58 No.838862207

    ゴルシちゃんももしかしたらトレーナーが安直に名付けたのかもしれない

    24 21/08/25(水)01:06:22 No.838862322

    やっぱり過去にエピソードを割り込ませるのは強すぎる…

    25 21/08/25(水)01:06:39 No.838862385

    ゴルシのこの口調は自由への憧れだったのね

    26 21/08/25(水)01:06:50 No.838862452

    ねえこのおばあさまって…

    27 21/08/25(水)01:08:11 No.838862836

    メジロの跡継ぎですわ!芦毛ですわ~!

    28 21/08/25(水)01:08:21 No.838862886

    初めて出会った身内以外の殿方に惹かれていくお嬢様いいよね…

    29 21/08/25(水)01:10:14 No.838863399

    メジロシップですわ!

    30 21/08/25(水)01:10:26 No.838863456

    震災の時にメジロ家の権力でトレピッピの行方を探そうとした過去があるといいと思います

    31 21/08/25(水)01:12:21 No.838863974

    ゴルシの行動も好きな人に染められた結果と考えるととても可愛らしくなるな…

    32 21/08/25(水)01:13:48 No.838864358

    >「スケーリーフット採りに行こうぜ!」 >「あー…いいけどインド洋まで行って深海潜るアテあんのか…?」 寝起きでこれはゴルシオリジンの風格があるなこいつ…

    33 21/08/25(水)01:16:28 No.838865040

    昔のトレーナーも短期間だと芦毛とは気づかないよな…

    34 21/08/25(水)01:17:11 No.838865234

    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

    35 21/08/25(水)01:18:58 No.838865696

    スタンバってる親友きたな…

    36 21/08/25(水)01:19:08 No.838865753

    お 芦 誰

    37 21/08/25(水)01:19:22 No.838865809

    ジャスタ!(バシィ …秘密にしろよ?

    38 21/08/25(水)01:19:57 No.838865941

    それまぁ もちろんですが

    39 21/08/25(水)01:20:06 No.838865978

    雑学クイズに滅法強いゴールドシップ(と、トレーナー)