虹裏img歴史資料館

1 21/08/23(月)20:04:59 No.838397133

「ネイトレに教えてもらってたんだ。思い出してよかったよ」 「…という事はネイチャさん達もここに？」 「いや、あいつらは来ないよ。なんか花火は見ないでそのままどっか行くって。どこ行ったんだろ？」 「さぁ・・・？」 ────────── 屋台のご飯が美味しかったとか、お面屋さんに会長の物があったとか。お祭りのあれこれを話していたら花火が上がりだした。 「わぁ…」 「綺麗だな…よく見えるいい場所だ」 「そうですね…」 裏山に、ポツンと開けた空間。 花火もよく見える最高のロケーションで私たち二人きり。会話は自然と、今日の出来事を振り返る。 「あの、トレーナー。今日は、その…嬉しかったです」 「ここに来れた事？」 「それもですけど、貴方が誘いに来てくれた事が一番…あとは手を繋いでいてくれた事です」

2 21/08/23(月)20:05:09 No.838397193

「ん、そっか…でもイクノの事泣かせちゃったから俺」 「も、もう…それは忘れてください…」 「ははっ、善処するよ」 「信用できません…」 「……なぁ、イクノ」 「な、なんですか？」 「"トレーナーに浴衣を見せたくて"みたいな事、言ってたよな？」 「えっ………と、は、はい…」 「それ、凄く嬉しかったんだ。俺のため・・・なんだよな？だから、ありがとう。君のその姿を見られて、本当に良かった」 「いえ…そんな…」 二人の間に沈黙が流れる。空に上がる花火の音が、やけに大きく響いているように感じる。 "もう少し、素直になってもいいんじゃない？" ネイチャさんの言葉を反芻する。どこまで、許されるのだろうか？でもこれ以上、素直になってしまったら、私は… 「あのっトレーナー！…わがままを言ってもいいでしょうか」

3 21/08/23(月)20:05:23 No.838397277

「ん？何？」 「思い出が、欲しいんです」 「思い出？」 「はい…」 「……」 「私、トレーナーさんの事が好きです」 「イクノ…それは」 「何も言わないで下さい！わかってますから…だから」 「…」 「ここで、私を、強く抱きしめてください。それだけでいいんです。それだけで、私は！」 「イクノ…！」 「っ！」 一際大きい花火が打ち上がった。彼の腕の中で、心臓が激しく脈打っている。 ドン！ドン！というその音は、花火のものか、私のものか。

4 21/08/23(月)20:05:33 No.838397362

「俺も、君の事が好きだ」 …完全に不意打ちだった 「本当…ですか？」 「嘘言ってどうする。俺は、一人の女の子として君が好きだ。イクノディクタス」 「っ！でも…」 「私は子供？トレーナーと生徒？」 「そう、ですよ…私は…」 「大人としてどうかしてるけどさ…そんな事もうどうでもいいんだ。君が好きなんだよ。それが全てだ」 「あ、あの…私で…いいんですか？」 「君がいいんだ」 「と…とれー、なー…っうっ、私！私も、トレーナーの事が大好きです…！」 「泣くなよ…」 「だって！絶対叶わないって思ってたからぁ！うれじぐで…！」 「はは…君は泣き虫なんだな…」 「うああああああああん！」

5 21/08/23(月)20:05:44 No.838397459

「よしよし…」 メガネが歪みそうになるのも気にならないくらい、彼の胸で泣いた。でも、夕方とは違って嬉しい涙。 「泣き止んだ？」 「ｽﾝ・・・はい…すみません、恥ずかしいところを…」 「良いんだよ。俺もきっと、弱いところ見せちゃうから…お互い様」 「っ…」 つい数分前とは違った距離感が、なんだかむず痒い。 そんな恥ずかしさとは裏腹に。人間とは…いや、ウマ娘とは愚かな物で、1つ2つわがままを受け入れられると、もっとわがままになる。もっと思い出が欲しいと。 「あの、もう一つわがまま。いいですか？」 「俺に出来ることなら」 「…キス、したいです」 「…もう、思い出作りの段階じゃないけど。良いんだな？」 「貴方が好きだから。好きな人に、初めてを捧げたいんです」 「そっか…ありがとう。・・・俺も君が好きだ。だから、キス。してもいいかな？」 「はい…」

6 21/08/23(月)20:05:57 No.838397577

腰を抱き寄せられる。少し背の高い、貴方の口元に近づこうと。首元に腕を回して、慣れない爪先立ちをする。 「ん…」 後頭部に手を添えられて、静かに口づけを交わす 触れ合うだけの、浅いけど優しいキス 1回、2回、3回。ついばむようなキスを繰り返す。4回目。口を少しだけ開いて、舌を出してみた。 キスをしながら、少し、彼の唇を舐めるようにすると。それに応えるように彼の舌が触れてくる。 そのままお互いが絡み合う。深いキスに溺れていく 「ん…ちゅっ、ちゅる…んんっ、ぷはぁっ…ん、ちゅ…」 いつの間にか花火は終わっていた。鈴虫の合唱の中に、唾液の水音が混じる。 「んっ、んー！っちゅる…ちゅ、ん…ちゅぅ…っ！っぷはぁ！はぁ、はぁ…」 流石に息が続かなくて、口元が離れた。 銀色の糸が月明かりに照らされて輝き、ぷつり。と、切れたところで 「そろそろ、戻ろうか」 「そうですね…戻りましょう」

7 21/08/23(月)20:06:07 No.838397651

彼の左腕を抱きながら、寄り添うように歩いた。お互い言葉は無かったけど、その無言も心地良い。 …合宿が終わったらマックイーンさんに改めてお礼を言わないと。その前に、ネイチャさんにもお礼と報 「あ、イクノじゃん」 「あ、あ……ね、ネイチャさん…」 合宿所の入り口で鉢合わせた。いや、鉢合わせてしまった。報告するつもりはあったけれど、心構えが全く出来ていない 「そっち方面裏山でしょ？何し、てた…の…って、その腕」 「あ、あ、あの…えと…」 咄嗟に口元を抑えてしまった・・・完全に無意識。多分、それのせいで・・・ 「・・・！そっかそっか～！いや～イクノさんも隅に置けませんな～…なんて…」 恥ずかしい…急速に頬と耳に熱が集まる……どうにも夕方の一件から、私の涙腺は我慢を忘れてしまったらしい。 彼の腕からズルズルと滑り落ち… 「うっ…ｽﾝ、ｸﾞｽﾝ…うえええん…」 地面にへたりこんで、また泣いてしまった 「えっ、ちょっと！！も～…！何で泣くのさ～！！」 「ああっ！おいイクノ！浴衣汚れちゃう！」

8 21/08/23(月)20:06:21 No.838397762

～その直後、宿泊部屋にて～ 「今日は色々あったけどさ…イクノ達がうまく行ってよかったよ。うんうん」 「あの…本当にありがとうございます。ネイチャさんのおかげです」 「いや、あたしは何も…してないわけじゃないか。でも最後に頑張ったのはやっぱイクノだし。 んじゃ、明日のために今日はもう寝ましょうかね」 「？…お風呂、行かないんですか？」 「あぁアタシはもう入ってきたからいいや」 「えっ？玄関で鉢合わせてからずっと一緒だったはずですが…いつの間に？」 「………………………あ゛っ」

9 21/08/23(月)20:10:29 No.838399422

fu274036.txt fu274038.txt 昨日一昨日の続きです。ホントはエッチまで行きたかったけどなんか流れ的に無理だった

10 21/08/23(月)20:18:31 No.838402923

いい… 無理にうまぴょいまで行かなくてもいいんだ…

11 21/08/23(月)20:22:26 No.838404773

イクノ怪文書助かる…

12 21/08/23(月)20:23:48 No.838405339

キスだけでもいい雰囲気だ気初体験が野外ぴょいなのも可哀想だからそれでいいんだ

13 21/08/23(月)20:35:55 No.838410367

関係なんてこれからじっくり縮めていけばいいんだ なあネイチャ

14 21/08/23(月)20:39:09 No.838411872

青春だ…夏も終わりだな…

15 21/08/23(月)20:39:36 No.838412088

>関係なんてこれからじっくり縮めていけばいいんだ >なあネイチャ （多分もうゼロ距離ですねこの2人）

16 21/08/23(月)20:40:46 No.838412667

合宿後に体を重ねる展開構想してるんだけど需要有る？

17 21/08/23(月)20:41:05 No.838412851

>合宿後に体を重ねる展開構想してるんだけど需要有る？ 待ってるね…

18 21/08/23(月)20:41:21 No.838412984

ある(鋼の意思)

19 21/08/23(月)20:42:55 No.838413702

あいつらお風呂行ってきたんだ…