虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/08/22(日)03:55:58 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795166

    「うーん…一人で来るのは初めてだから、どうしたものかしら」 マルゼンスキー。 怪物と評されるほどの他を寄せ付けない圧倒的な走りで業界を牽引する屈指のマイラーである。 そのグラビアモデル顔負けのスタイル、少々時代錯誤な口調、 そしてその言動と相まって有り余る頼りがいからか、大人びて見られることが多く、ウマ娘裏掲示板ではOBが制服を着て歩いていると揶揄されることもある。 しかし彼女は名実ともにトレセン学園に在籍する生徒であり、その内面も年相応に未熟な部分があることは余り知られていない。 そんな彼女が、このバブリーランドに初めて一人でやってきた時の出来事である。

    1 21/08/22(日)03:56:26 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795234

    受験で苦労したのか、はたまた他に事情があったのか、ともかく彼女は憩いの場所であるこの施設にしばらく訪れておらず、 トレセン入学からしばらくして落ち着いたころ再びこの地にやって来たのだった。 「とりあえずディスコかしら!一人で踊るのは初めてだけど……」 と新調した水着のフリルを揺らし、音楽と人間ひしめく密室に足を向けた時だった。 「おいあれ見ろ!マジか!?」 「は?…うぇ!?本物!マジ!?」 「あら?」

    2 21/08/22(日)03:56:47 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795285

    どたどたと金髪を尖らせた二人組が慌ただしくこちらに向かってきたのだった。 「はぁ…はぁ…ま、まま、マルゼンスキー!?…さん、ですか!?」 「ハァイ、そうよ。私に何か用?」 「マジかマジだ本物だスゲー!」 鼻息荒くがっつく二人組だが、実はこのような反応は当時の彼女からしたら珍しいものだった。 マルゼンスキー自体は幼いころからこの施設を親同伴でよく訪れている。 その上このバブリーランドという施設自体が人を選ぶ類の物であり、新規利用者はその実余り多くない。 従ってこの場所に居る殆どの利用者は熱心なリピーターで、彼らは彼女が居ることに特に驚愕したりはしないのだ。 「あら、私のこと知ってるの?」 「デビュー見てました。凄かったよなぁ!?」 「マジマジ、カッ飛ぶみたいな走りサイコーでした!」 「うふふ、ありがと♪」 その上当時の彼女はまだデビューしたてで、知名度も大したことなかった。

    3 21/08/22(日)03:57:17 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795347

    「なぁ、おい……」 「あ?んだよ……」 ぼそぼそと急に内緒話を始める男二人。その様子を彼女は訝しんだ。 「何か……」 「ああいや!実は俺たち、ここ初めてで……」 「そうなんスよ。なんちゅーかノリもふ…合わなさそうな感じで……」 「それで、マルゼンスキーさんに案内してもらえたらなって」 「バカ、おひとり様邪魔するのはナシだろ!?」 正直なところ、彼女は初めて対面するファンの存在に浮足立っていた。 その上、久しぶりのバブリーランドを一人で回るのもどうかと考えていたことを考えるとこの提案は渡りに渡りに船である。 憧れを前にわたつく彼らに母性が湧いたというのもあるかもしれない。

    4 21/08/22(日)03:57:28 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795376

    「いいわよ。一緒に今日はフィーバーしましょうか!」 「マジぃ!?いいんすかマルゼンさん!?」 「いいのいいの、私もちょうどヒマしてたし一緒に楽しみましょ♪」 「やべぇ超ラッキーじゃん!ぜひぜひ!」 「よーしそれじゃあ、レッツラゴー!」 「「オー!!」」

    5 21/08/22(日)03:57:41 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795400

    ……………… 「じゃあこれ持って、あのお立ち台で踊るわよ~!」 「マジ…?正気か…?」 「ほらお前行けよ」 「ばっか押すなよ…」 「二人とも、ほら早く早く!」 「フゥー!!!」 「「イェーイ!!!」」

    6 21/08/22(日)03:57:59 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795441

    「なんでこの店ティラミス食べ放題なんスか?」 「ティラミスが今ナウいスイーツだからよ♪」 「ウマいけど納得いかねぇ……」

    7 21/08/22(日)03:58:20 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795490

    「イエーイ!!!」 「速え速え速え!?」 「うおすっげ……」 「バカ野郎お前、前見ろよ!?」 「バカはお前だ後ろ見ろ!」 「フゥー!!!!」 (( ↑↓ 「「すっげぇ……」」

    8 21/08/22(日)03:58:31 ID:a9UTrA5A a9UTrA5A No.837795515

    「死ぬかと思った……」 「おぇ……」 「二人とも大丈夫?頭から突っ込んだけど……」 「ヘーキっす、スライダー速いっすね……」 三人組はそれはもうリゾート施設を満喫した。 初めはジェネレーションギャップに戸惑った二人もすぐに順応し、自分のお気に入りを共有できた喜びで彼女自身も大満足であった。 「うーんうーん……」 「うーわ完全にグロッキーじゃん」 「医務室案内する?」 それを聞いて、彼らは一瞬目配せをした。 「いや…」 「……」