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21/08/22(日)00:29:48 「兄さ... のスレッド詳細

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21/08/22(日)00:29:48 No.837741788

「兄さん、来たぞ」 チャイムが鳴ったので出てみれば、お隣に住む女の子だった。 夏休みに女の子からのお誘い。 これが同年代であればすわ彼女かと思われるかもしれないが、あいにくこの子は小5である。 高3の俺がそういう相手として見るのはロリコンもいいところであろう。 それに、今からいくのもデートなどではないのだ。 「よし、いくか。今日は山だったよな?」 「うん。いつもの場所まで走っていこう」

1 21/08/22(日)00:30:06 No.837741886

そう。今からこの子と行うのはジョギング、そして山にある広場についてからはレースだ。 高3と小5という年齢差ではあるものの、この子と俺の800mのタイムは結構拮抗している。 なぜならこの子……ハツラツはウマ娘だからだ。 準備していた荷物をもって玄関を出ると、走りたくて仕方がないといった様子のハツラツ。 やはりこういうところを見ると小さくてもウマ娘なんだな、と実感する 「弁当は持ったか?」 「もった。大事だからな……忘れると兄さんのお弁当がなくなる……」 「俺の弁当をナチュラルに奪おうとしないでくれ……」 そりゃ、ハツラツの飯がないのは一大事だからあげるけども。

2 21/08/22(日)00:30:25 No.837742022

ウマ娘とはいえ本格化も来ていないハツラツと、人間である俺にとって800mの全力疾走は相当きつい。 連続では走れないから休憩を入れながら何度か走る。 「はぁ……はぁ……うーん……なかなかタイムが縮まらない……」 「焦ることはないだろ。はっちゃんはウマ娘なんだから本格化すればすぐ早くなるよ」 「それは何というか……ずるなんじゃないか?兄さんは本格化できないのに……」 「ははは、そうかもなあ」 「よし、もう一本走ろう兄さん」

3 21/08/22(日)00:30:54 No.837742204

「いただきます」「いただきます」 「いやーおなか減ったな。はっちゃんはどんなお弁当……」 「ご馳走様でした」 「いつも思うんだが早食いはやめた方がいいぞ?ちゃんと噛んでる?」 「……?一口30回は嚙んでるぞ?」 「そうか……」
 「よし、あとはもう一個の方のお弁当を……」 「相変わらずよく食べるな……」 「そういえばあれはやらないのか?あの食らうチンジャオロースとかいう……」 「クラウチングスタートな。あれ400mまでの短距離用だから最低でも800mは走るウマ娘には多分必要ないんじゃないかな。あれは瞬発力重視でスタミナが削れちゃうから」 「そうか……でも、気になるな。どうやるのか教えてくれないか?どれくらい疲れるのかやってみたい」 「いいぞ。まず腕はこう……」

4 21/08/22(日)00:31:14 No.837742340

アインシュタインの提唱する相対性理論によれば速く動けば動くほど、その人の時間は周りに比べてゆっくりとながれるそうだ。 つまり走り続けている俺たちが時間の経過を早く感じるのはそのせいなのかもしれない。 あっという間に夕暮れ時となり、ハツラツの門限が近づいてきた。 セミの声にうっとうしさと親しみを感じつつ、家までの道を軽く走る。 「いやー今日も走ったなあ」 「うん。そうだな……」 「……?」 どことなく寂しげな声色。その原因はどうやら俺にあるらしかった。

5 21/08/22(日)00:31:46 No.837742562

「いや、兄さんはもうじき受験勉強だろう?」 「あー……そうだな。そろそろ走ってばっかりってわけにはいかなくなるだろうなあ」 「それに東京の大学に行くと聞いた。そうなればもう簡単には会えないだろう」 「受かればな。このド田舎ともおさらばって訳だ。」 「む。ここはいいところだ。みんな優しいし自然も豊かだし」 「……今のは悪かった」 正直、田舎を出ることにあまり未練はないが、ハツラツと会えなくなるのは少し寂しいかもしれない。

6 21/08/22(日)00:32:16 No.837742769

「……何、今生の別れになるわけでもないし、そのうち帰省するよ」 「!本当か?」 「ああ。いい大学入って、バリバリ研究論文とかサークル活動なんかもやって、キャンパスライフに飽きたらいつかは帰省するよ」 「約束だぞ!ちゃんと帰ってくるんだぞ!」 「……ああ、約束だ」 実をいえば、そんなに頻繁に帰省する気はなかった。 守る気もない約束をするべきではないとは思っていたが、この子の悲しむ顔を見たくなかった。 少し罪悪感はあるが、中学に上がってしまえばいろんな出会いもある。 近所にいた年上の誰かなど忘れてしまう事だろう。

7 21/08/22(日)00:32:28 No.837742847

「明日も走ろう!」 「明日は塾があるから午後からかな…」 「ええー!」 こうしてこの子と過ごす時間をもう少し大切にしなければと思いながら。 沈みそうな夕日を追いかけて、家へと走った。

8 21/08/22(日)00:33:29 No.837743265

クソボケトレーナー!クソボケトレーナーじゃないか!

9 <a href="mailto:s">21/08/22(日)00:33:33</a> [s] No.837743294

オグリキャップ幼少期怪文書を書きたかったけど適性が足りない……ハツラツ感が出ない……

10 21/08/22(日)00:34:27 No.837743608

両クソボケきたな…

11 21/08/22(日)00:34:51 No.837743753

なんかこういう健全な関係いいよね…

12 21/08/22(日)00:35:47 No.837744078

幼馴染のはっちゃん久しぶりすぎる

13 21/08/22(日)00:36:02 No.837744153

爽やかで良いじゃない…

14 <a href="mailto:s">21/08/22(日)00:37:25</a> [s] No.837744640

意外と覚えてる人が多くてうれしみが深い

15 21/08/22(日)00:38:07 No.837744898

あれは本当にいい怪文書だった

16 21/08/22(日)00:42:23 No.837746375

オグリと一緒に遊ぶ幼少期を過ごしたいだけの人生だった

17 21/08/22(日)00:44:05 No.837746982

まあこの2人ならほとんどハッピーエンドが決まっているから許すが…

18 21/08/22(日)01:01:16 No.837752703

2人とも帰省したら同郷だったやつか…あれは良かった

19 21/08/22(日)01:02:05 No.837752990

このころは髪もそんなに白くなかったんだろうな…

20 21/08/22(日)01:06:04 No.837754422

ハツラツ怪文書は短かったが夢が広がる大好きな怪文書だった 今からでも夢を広げてほしい…

21 21/08/22(日)01:06:16 No.837754493

クソボケはクソボケでも微笑ましいクソボケだからなこいつらは

22 21/08/22(日)01:07:05 No.837754747

再開した時完全に他人だったあたりこいつほぼ帰ってないな アプリ時空に続くとしてだけど

23 21/08/22(日)01:08:21 No.837755191

その分しっかり勉強して中央のトレーナーという狭き門を突破したんだ 大目に見てやってくれ

24 21/08/22(日)01:08:28 No.837755234

>再開した時完全に他人だったあたりこいつほぼ帰ってないな >アプリ時空に続くとしてだけど 中央トレーナーになるための試験とか学習ってヤバそうだからな…手紙くらいは送ってたんだろうけど

25 21/08/22(日)01:13:59 No.837757267

時系列的に後日の話あるの?

26 21/08/22(日)01:18:23 No.837758926

>時系列的に後日の話あるの? お互いに兄さんとハツラツだと気付かずにトレーナーとオグリキャップとして栄光を掴んだ後の話まである

27 21/08/22(日)01:20:28 No.837759678

丁度保存切れそうだから読みなおすかって思ってたところだから凄く嬉しい

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