虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/08/19(木)02:14:24 泥の作用 のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

21/08/19(木)02:14:24 No.836680390

泥の作用

1 21/08/19(木)02:19:13 No.836681289

泥練りはまだガンには効かないがそのうち効くようになる

2 21/08/19(木)02:51:04 No.836686090

3 21/08/19(木)02:51:14 No.836686109

見るからに騎士という出で立ちだ。動き易さを重視した軽装の鎧に紅のマント。 腋に抱えて保持しているのは徒歩で扱うにはあまりにも長大と思える突撃槍だった。 貯水槽の上から宙空へと身を委ね、騎士が屋上の床へしゃなりと降り立つのを楡は注意深く身構えながら観察する。 鋼で身を包んでいるというのに着地の際に鳴ったのは鈴が奏でる程度の静かな音だった。 軽く一礼した騎士は楡と───何もない空間を一瞥して厳かに告げる。 「聖杯戦争に参加するマスターとそのサーヴァントとお見受けします。  推察はお済みかと思いますが、ご覧の通りクラスはランサーを拝命しました。  さて、早速ですが…敵であるマスターに宣告する。降伏していただきたい。さすれば危害は加えません」 口調は静謐さえ伴った穏やかなものだったが宿った敵意は本物だった。 アイスブルーの瞳に見据えられた楡はぞくりと背筋が泡立つ。…これが聖杯戦争。これがサーヴァントと対峙するということ。 覚悟はしてきていても直接命の遣り取りをするなんて初めてだ。吐き気を堪えながら楡は不敵に笑った。 そうとも。奇跡に縋ろうというのだから、立ち塞がる困難はこれくらいでなくては。

4 21/08/19(木)02:51:28 No.836686139

「冗談。駒を指し合う前から自分のキングを倒すプレイヤーなんていないわ。  まして命を賭けてここに立っているのはあなたも私も同じよ。得るべきものを得るか、全てを失うか。  そういうつもりで私はここにいる。途中で投げ出す気はさらさら無いの」 「そうですか。戦士として向き合っている以上、私の勧告は無礼と。そう仰るのですね。  失礼しました。では───その覚悟と見合う実力の程を試させていただく」 轟──────。 瞼を伏せて律儀に非礼を侘びたランサーだったが、次の瞬間突如として存在感が大きく膨らむ。 それは即ち、サーヴァントがサーヴァントとして戦う意思を固めたが故の凄まじい気迫だった。 ランサーが突撃槍を旋回させ、構える。その臨戦態勢を整える僅かな時間で楡は一目散に横のフェンスへと駆け出していた。 四方をフェンスに囲まれたこの屋上は少なくとも楡にとって不利だ。逃げ場がない。 なら開幕の一瞬を用いて、リスクを払ってでもこの屋上から飛び降りる───! できる限りの回転率で回る脚の魔術回路を意識しながら腰のベルトに隠していたナイフを取り出す。 勿論こんなものでサーヴァントに応戦できるはずなどない。

5 21/08/19(木)02:51:41 No.836686162

抜き放った刃で自分の掌をざくりと裂く。 楡は振り返るなりその背中へあっという間に肉薄を果たしていたランサーへ流れ出る血をぶち撒けた。 「───っ!」 ランサーが驚いた顔が一瞬だけ見えた。流れた血は炎となって夜闇を焼き尽くさんと燃え滾ったのだ。 当然こんなものはサーヴァント相手には目くらましにしかならないことは楡も重々承知だった。 稼いだ時間は、僅かコンマ数秒。その数秒の間に楡は脚の『強化』を終わらせていた。 屋上の床も割れよとばかりに思い切り踏み切る。『強化』された肉体は軽々と宙を舞い、一息もしないうちにフェンスを乗り越えていた。 直後、自由落下を開始する。校舎は4階建て。人間が落下して命を落とすには十分すぎる高さだ。 このままでは聖杯戦争を始める前に墜落死は免れ得ない───。 『───アーチャー。彼女、騎士らしいわね。あなたの嫌いなタイプ?』 『さてどうかしらね。まあ、私以外が騎士として振る舞うのは勝手にすればいいわ』 『あっそう。それじゃ───』 重力によって地表へ引きずり込まれ、内臓が浮き上がるような嫌な感覚の中、楡は念話ではなく喉で叫んだ。 「アーチャー!着地は任せたっ!」

6 21/08/19(木)02:51:54 No.836686196

③は今度な

↑Top