虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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21/08/14(土)21:39:27 「お待... のスレッド詳細

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21/08/14(土)21:39:27 No.835061624

「お待たせ!じゃあ行こっ!」 弾けるような笑顔に手を引かれて、デートスポットとしても有名なショッピングモールを歩く 周囲はその美しい葦毛に視線を釘付けにされ、通り過ぎる人達も思わず振り返る 「わぁっ!この服かわいいっ♪ね、試着するから見てて?」 「どう?お昼…作ってきたんだ…?口に合うといいな…」 「あっ、口におべんとついてるよっ…ぱくっ♪えへへっ♪」 通り行く男達の嫉妬の視線が突き刺さる それもそうだろう、男なら誰でも夢見る超絶葦毛美少女ウマ娘との甘々な休日デートだ 俺だって何回もこういう想像はした ただ問題なのは 「あのな、ゴールドシップ」 「ん?何?トレーナーってばへんなのっ♪」 ぎゅうっと腕に密着しているのが絶対にこんなことをしない筈の担当ウマ娘だということだ

1 21/08/14(土)21:40:00 No.835061843

切欠は昨日のトレーニング後 「っかあぁ~!!やっぱトレーニング後はコレだよな!」 「ただのスポーツドリンクだろ」 いつものようにゴールドシップの軽口に付き合っているとすれ違った生徒のふわりとそよぐ葦毛に目が行った 見たこともない生徒だが装いにも品があり、いかにも『女の子』という印象だった 「あぁん?おいおいトレーナーちゃんよぉ~目の前にこぉんなイカした葦毛ちゃんが居るのに余所見かよぉー」 なんとなく見つめているとゴールドシップがニヤニヤ笑いながらのしかかってきた 戯れてるつもりだろうがウマ娘の腕力で肩を思い切り掴まれると結構痛い 「気になっちゃうのか?ん?ん?ああいうのがタイプか~?」

2 21/08/14(土)21:40:16 No.835061958

こうなると彼女は面倒だ からかっているのか俺がはっきりと否定してもしつこく絡んでくる いつもなら「君で手一杯だから他のウマ娘なんか見てる暇ない」と言うところだが今日は殊更しつこかったので俺もいつもとは違う対応をしてみることにした 「ああ、ああいう可愛らしい子はタイプだな」 軽い気持ちで思ってもないことを言ったつもりだった 「あーあ、連絡先聞いとけばよかったなー」 つまらないこと言ってんなと一笑されるものだと思っていた 「…そっか」 けれど返答は思った反応とは全然違くて 「じゃな」 肩の重みがふとなくなって_____ 「…ゴールドシップ?」 気づくと俺はひとりだった

3 21/08/14(土)21:40:42 No.835062131

それからだ、彼女から呼び出しを受けたと思ったらこの状況 理由はひとつしかない 昨日の発言が原因だろう 「はやくはやくっ♪トレーナーっ♪」 解いた彼女のうつくしい葦毛がひらりと舞う 朗らかなかわいらしい笑顔が花開く 世の男なら誰だってこの光景を羨ましく思うだろう 一生手元から離したくないと願うだろう でも、違う気がした 『彼女』じゃないんだ このままだと『彼女』が一生帰ってこない気がして____________

4 21/08/14(土)21:41:23 No.835062399

「ごめん」 気づけば、口をついて出たのはそんな言葉で 「ん?何が」 「ごめん…ごめんよ…」 「トレーナー…?」 目の前の少女が不思議そうに覗きこんでくる その表情を見るのがつらくて、かなしくて 「いつもの…キミがいい…っ…!ゴールドシップがいい…っ!!」 みっともなく涙をぼろぼろ流しながら、大人気なく少女に縋りながら、泣いていた そっと、頭に手を置かれる感触があった

5 21/08/14(土)21:41:39 No.835062542

「…っ!」 顔を上げると不敵な笑みを浮かべたゴールドシップがいた 「はやく言えってのっ」 ニッとわらうその瞳に光ったのは涙だったのか幻か_____直後に彼女がかけたサングラスでそれはわからなかったけれど 「おっし!今日はトレーニング休んで遊ぶか!もちろんトレーナーのサイフで」 きっと彼女には永遠に勝てない そんな気がした

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