虹裏img歴史資料館

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21/08/08(日)08:51:28 太陽は... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1628380288720.jpg 21/08/08(日)08:51:28 No.832455157

太陽は私たちを焼く。楽園へと進む私たちを焼き尽くす。それでもその先を願うのなら、それなりの対価を支払わなければならない。君にそれを支払わせることはあり得ない。私の骨が粉々に砕けて、指一本動かせなくなろうとも。君には何も、背負わせたくない。 トレーナーさんは、私の全て。抜き出せば私はたちまち死に至る。 その逆はどうなのだろう。私は君にとってどれほど大切なのだろう。限りなく縛り続けたいと言う気持ちと、そんな自分を赦せない気持ち。私が君を愛するのは罪に等しい。私のような心無い獣に人を愛する権利はない。 あゝ、どうして。 私の心は、愛に目覚めてしまったのだろうか。わかっている。束縛し、独占し、捕食する。もうその段階は踏まえられ、心を捕らえてしまった自覚がある。 どうして、どうしてなのだろう。無限輪廻に言葉は巡り、愛しか知らない獣は距離の詰め方さえわからない。

1 21/08/08(日)08:51:57 No.832455255

「トレーナーさん」 電話をかける。声が聞こえるより前に、接続音と共に君を呼ぶ。 「どうした、こんな夜に」 「眠れなくて。最近こんなことが多いんです」 「緊張してるのかもな、いよいよカフェは目指す場所に届きそうなんだから」 目指す場所。それは相変わらず曖昧で、でも確かに近づいている。私が目指すのはスピードの先にある、光を超えた楽園。 「緊張…」 「そうだ。でも、ゴールが近づくのはいいことだ。だろ?」 それは間違いない。そのはずなのに。 どうして、震えてしまうのだろう。 本当は、怖い。きっと、たまらなく怖い。物語には終わりがあるべきだと曰っていたのに、永遠なんて退屈だと嘯いていたのに。 今の私は、那由多より永遠を求めている。

2 21/08/08(日)08:52:12 No.832455317

「…怖い、です」 「…カフェ」 「トレーナーさんが、私の全てをわかってくれているのか。悍ましい執着心が私を包んでいます。…でも、止められない」 「このまま最後まで行ってしまえるのか。本当にそこは楽園なのか」 「…ヤルダバオトの偽りの楽園が、私たちを誘っているのではないか」 そうだ。私たちの向かう先は、本当に楽園なのか?だからここで止まってしまうべきなのではないか? 「それは、違うはずだよ」 そんな私の期待感は、優しい言葉に砕かれる。

3 21/08/08(日)08:52:28 No.832455387

「君が、君の行く道が。間違いであるはずがない。俺はずっと君を見てきた。だから君が正しいって知ってる」 「トレーナー、さん…」 私の求める言葉は。 「カフェ。頑張れ」 優しく背中を押すよりも。 「…ありがとうございます」 優しく抱き止めて欲しかった。 愛と愛が愛しむ廻天。深く深くまで互いを求め、故にすれ違い。どこまでも深く進んでゆく。

4 21/08/08(日)08:53:03 No.832455542

「…でも、約束するよ。仮にどうなっても」 けれど、そこに繋がる愛があるのなら。 「…俺は、君と一緒にいる」 奈落の底で愛は結ばれる。楽園とは程遠くても、確かに。 「…私も、絶対に」 だから、私はそれでいい。これが失敗を生んだとしても、君は決して傷つかないのだから。太陽に焼かれるイカロスは、その愚かさを以って他者を守った。 私はそれになろう。 「絶対に、トレーナーさんと一緒です」 愛の言の葉は一つとしてなくても。そこには確かに愛があると。 だって、私たちにとって。互いの存在が一番でないはずがないのだから。

5 21/08/08(日)08:55:22 No.832456207

はやく育成来てほしい... ヤンデレ分がどれくらい残ってるか気になる...

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